MENU

なぜロシアは世界一大きいのか?その歴史と広大さをシベリア鉄道で体感する旅

ふと世界地図を眺めたとき、誰もが一度は思うのではないでしょうか。「なぜ、ロシアはこんなにも大きいのか?」と。ユーラシア大陸の北部に横たわるその国土は、あまりにも広大です。その面積は約1,710万平方キロメートル。これは日本の約45倍、地球上のすべての陸地の約11.5%を占めるという、まさに桁違いのスケールです。西の端カリーニングラードから東の端チュクチ半島まで、飛行機で飛んでも約9時間。国内には実に11ものタイムゾーンが存在します。首都モスクワがお昼を迎える頃、極東のウラジオストクではすでに夕食の準備が始まる、そんな国なのです。

しかし、この巨大な国家は、最初からこの大きさだったわけではありません。その歴史を紐解けば、モスクワ周辺の小さな公国が、数百年という歳月をかけて恐るべきスピードで膨張していった、壮大な物語が浮かび上がってきます。そこには、富への渇望、凍らない港を求める執念、そして名もなき冒険者たちの飽くなき探求心がありました。

この記事では、ロシアが世界最大の国土を持つに至った歴史的背景を紐解きながら、その圧倒的な広大さを肌で感じることができる究極の旅、「シベリア鉄道」の魅力と、旅するための具体的なノウハウを徹底的に解説します。歴史を知り、旅の準備を整えれば、地図の上でしか知らなかったロシアの大きさが、きっと生きた実感としてあなたの心に刻まれるはずです。さあ、知的好奇心と旅心を満たす、壮大な冒険へと出発しましょう。

ロシアの広大さを実感する旅では、その国土の北東部に位置する世界で一番寒い村オイミャコンのような極限の環境も、この国の多様性を物語っています。

目次

ロシア膨張の歴史的背景:小さな公国から巨大帝国へ

roshia-bouchou-no-rekishi-teki-haikei-chiisana-koukoku-kara-kyodai-teikoku-e

現在の広大なロシアの姿からは想像し難いですが、その起源はモスクワを中心としたごく小さな「モスクワ大公国」でした。13世紀頃、この地域を支配していたモンゴルの遊牧民国家「キプチャク・ハン国」のもとで、少しずつ勢力を蓄えていきました。大きな転機となったのは15世紀後半で、イヴァン3世の時代に「タタールのくびき」と呼ばれたモンゴルの支配から完全に独立を遂げ、ロシアは自立した歩みを始めました。

雷帝が切り拓いた東方への道

領土拡大の本格的なきっかけを作ったのは、初代「ツァーリ(皇帝)」を自称したイヴァン4世、通称「雷帝」です。彼はその名にふさわしく、激烈な性格で知られていますが、治世の間にロシアは東方へ大きく展開しました。16世紀中頃、ヴォルガ川流域にあったイスラム教国家カザン・ハン国とアストラハン・ハン国を征服し、ヴォルガ川の水運を完全に掌握してカスピ海への道を切り開きました。これが後のシベリア進出の重要な足がかりとなりました。

この征服は領土の拡大だけにとどまらず、ロシアは初めてスラブ系民族以外の多くの非キリスト教徒を抱える多民族国家となる道を歩み始めました。多様な文化が入り混じる現在のロシアの原型がこの時代に築かれたのです。

「毛皮」がシベリア開拓の原動力に

では、なぜロシアはこれほどまでに東方へ進出する必要があったのでしょうか。その最大の動機は「毛皮」にありました。特にクロテン(セーブル)の毛皮は当時、ヨーロッパの王侯貴族がこぞって求める最高級の贅沢品で、「柔らかい金」や「黒い金」と称され、莫大な利益をもたらす輸出品でした。しかし乱獲によりヨーロッパロシアのクロテンはほぼ枯渇し、新たな供給地を求めて商人や冒険者たちの視線はウラル山脈の向こう側、未知の大地シベリアへと向けられたのです。

このシベリア進出の先駆けとなったのは、武装した開拓民集団「コサック」でした。中でも首長イェルマークが有名で、豪商ストロガノフ家の支援を受けシビル・ハン国を征服したことは歴史的な転機でした。彼らはシベリアに張り巡らされた河川網を巧みに利用し、冬には川が凍って天然のハイウェイとなることで、ソリやスキーを駆使して驚異的な速さで東へ進んでいきました。先住民からは毛皮を「ヤサク」と呼ばれる貢ぎ物として徴収し、抵抗を見せる者は容赦なく制圧しました。こうしてイェルマークの遠征からわずか60年足らずで、ロシア人探検家は太平洋にまで到達したのです。これはアメリカの西部開拓を遥かに上回るスピードでした。

拡大の勢いは止まらず:不凍港を求め南北西へ

東方拡大と同時に、ロシアは南と西への進出も模索しました。最大の狙いは冬期でも凍結しない「不凍港」の獲得でした。広大な領土を持ちながら、当時のロシアの港は北極海沿いのアルハンゲリスクなど、冬には氷に閉ざされる場所ばかりで、年間を通じてヨーロッパと交易可能な港を持つことは国力向上の肝要でした。

この悲願に大きく近づいたのが18世紀初頭のピョートル1世(大帝)です。彼は北方戦争でスウェーデンに勝利し、バルト海の入口を確保しました。そこにヨーロッパ風の壮麗な新都サンクトペテルブルクを築き、「ヨーロッパへの窓」を開きました。さらに18世紀後半にはエカチェリーナ2世がオスマン帝国との戦争に勝利し、黒海沿岸のクリミア半島を併合。念願の南方における不凍港も手に入れました。

その後もロシアの領土拡大は続きました。19世紀にはカフカスや中央アジアへ進出する一方、管理が困難となった北米アラスカをアメリカに売却するなど、領土の取捨選択も行いました。この絶え間ない拡大と整理の歴史が、今日の複雑な国境線と多民族構成をもつロシアを形作ることになったのです。歴史を深く学びたい方は、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部のウェブサイトなどで専門的な情報を参照されるのもおすすめです。

地図で見るロシアの広大さ:11のタイムゾーンが物語るもの

ロシアの広大さは、単なる面積の大きさだけでは測れません。その規模を最も実感させるのは、国内に存在する11ものタイムゾーンの数です。これは世界最多であり、国の西端と東端の間には実に10時間もの時差があります。「陽が沈まない帝国」という表現がぴったりと当てはまる国と言えるでしょう。

太陽と時間を追いかける国

想像してみてください。バルト海に面した飛び地であるカリーニングラード州では夜7時のニュースが放送されている一方で、太平洋沿岸のカムチャツカ半島では既に翌日の朝5時を迎え、人々が新たな一日に向けて動き始めています。首都モスクワで正午のランチタイムを迎えても、シベリア中部のノヴォシビルスクでは午後4時、極東のウラジオストクでは夜の7時となっています。国内の長距離電話やテレビ放送は、この時差を考慮して調整されており、ロシアの住民にとってこの広大な時差は日常の一部となっているのです。

この時差は旅行者にとっても大きな影響を及ぼします。特に後述するシベリア鉄道での長距離移動では、乗客は数日にわたり複数のタイムゾーンをまたぎます。車内の時計は基本的にモスクワ時間で統一されていますが、停車する駅の時計は地元の時間を示しています。こうして体内時計と外の太陽の位置、さらに二つの時間の感覚が入り混じり、不思議な感覚を味わうことになるでしょう。これもまた、ロシアの広大さを肌で感じる貴重な体験の一つです。

ツンドラからステップまで:豊かすぎる自然の広がり

東西に長いだけでなく、南北にも広がるロシアには驚くほど多様な自然環境が存在します。北極海沿岸には永久凍土が広がる「ツンドラ地帯」があり、夏になるとコケや地衣類が一斉に芽吹き、儚い生命の輝きを見せます。その南側には、広大な針葉樹林帯である「タイガ」が広がっています。シベリアの大部分を覆うこのタイガは、地球の酸素供給に大きな役割を果たしており、「地球の肺」とも呼ばれています。

ヨーロッパロシアからシベリア南部にかけては、比較的温暖で肥沃な土地が広がっており、白樺の美しい林や広大な農地が見られます。さらに南に下ると、カザフスタンとの国境付近には乾燥した草原地帯である「ステップ」が広がり、黒海とカスピ海の間に位置するカフカス地方にはヨーロッパ最高峰のエルブルス山を含む雄大な山脈が連なっています。

また、シベリアの宝石と称されるのが、世界最古で透明度に優れた「バイカル湖」です。三日月形をしたこの湖は、その巨大さから「湖」というより「海」とも感じられ、世界の淡水の約20%を蓄えていると言われています。独特の生態系も育まれており、このように一つの国の中に北極圏の凍てつく大地から亜熱帯に近い温暖な地域までが含まれていることこそ、ロシアの国土の広大さを何よりも物語る事実なのです。

広大さを体感する究極の旅:シベリア鉄道のすすめ

koudaisa-wo-taikan-suru-kyukyoku-no-tabi-shiberia-tetsudo-no-osusume

ロシアの歴史や広大な地理を学んだ後は、その壮大さを実際に肌で感じたくなるものです。その最適な手段が、世界最長を誇る「シベリア鉄道」の旅です。モスクワのヤロスラフスキー駅から極東の港町ウラジオストクまで、全長9,288kmを約7日間かけて走破するこの旅は、単なる移動手段に留まりません。窓外に広がるロシアの本当の姿を見つめ、車内で乗客たちと交流し、変わりゆく景色を眺めながら時を過ごす、まさに「走るロシア」を体感する壮大な物語なのです。

シベリア鉄道の旅:概要と魅力の尽きない魅力

シベリア鉄道の魅力は、なんといっても車窓から繰り広げられる変化に富んだ風景にあります。モスクワを出発すると、しばらくはヨーロッパロシアの穏やかな田園風景や白樺の林が続きます。その後、ウラル山脈を越えるとすでにアジア圏に入り、西シベリアの果てしない大平原が視界を埋め尽くします。旅のハイライトの一つは、5日目に姿を現すバイカル湖です。数時間にわたり湖の南岸を走る区間は、息を呑む美しさで、移ろう波紋を見つめていると時間を忘れてしまうでしょう。

しかしシベリア鉄道の魅力は風景だけにとどまりません。列車内はまさにロシアの縮図そのもの。ビジネスで移動する人、故郷へ帰る学生、家族旅行を楽しむ人々がさまざまな目的を持ち、数日間の共同生活を送ります。言葉の壁があっても、ジェスチャーや簡単な挨拶で心を通わせるうちに自然と交流が生まれます。ウォッカを分け合い、お菓子を交換し合うといった触れ合いが、この旅の忘れ難い思い出を形作るのです。

食品商社に勤める私としては、停車駅のホームでの販売も見逃せません。列車が15~30分停車する主要駅では、地元のバーブシュカ(おばあさん)たちが手作りのピロシキや茹でジャガイモ、バイカル湖名物の燻製魚「オームリ」などを売りに来ます。素朴ながら風味豊かなそれらは、長旅の良いアクセントとなります。ぜひ、小銭を用意して味わってみてください。

シベリア鉄道チケット購入から乗車までの完全ガイド

それでは「実際にシベリア鉄道に乗ってみたい」という方のために、具体的な手順をご紹介します。ロシア旅行は少しハードルが高く感じられるかもしれませんが、準備を一つずつ進めていけば決して叶わぬ夢ではありません。

チケット購入の手順

チケットの取得方法は主に2通りあります。

ロシア鉄道(RZD)公式サイトからの購入

これが最も安価で確実な手法です。公式サイトはロシア語ですが英語表示への切り替えも可能です。出発地(例:MOSKVA)、目的地(例:VLADIVOSTOK)、日付を入力して検索し、希望の列車と座席クラスを選びます。乗客情報(パスポートと同じ氏名やパスポート番号)を入力後、クレジットカードで支払えばメールでEチケットが届きます。これを印刷し、乗車時にパスポートと一緒に提示すれば問題ありません。数ヶ月前から予約可能なので、早めの計画が望ましいです。

日本の旅行代理店を通じての購入

語学に自信がない方や、手続きを全て任せたい方にはこちらが便利です。手数料がかかりますが、日本語で相談でき、ビザ申請代行を含めてサポートしてもらえるため安心感があります。途中下車を複数含む複雑な旅程の場合は、代理店に頼むのが賢明でしょう。

準備と持ち物リスト

7日間の長旅を快適に過ごすため、以下のものを用意するとよいでしょう。

  • 必携品
  • パスポート:出国時点で6ヶ月以上の有効期限が必須です。
  • ロシア観光ビザ:入国には必ず必要です。取得方法は後述します。
  • Eチケットの控え:印刷したものを必ず持参してください。
  • 現金(ルーブル):車内販売や駅での買い物は現金が主流なので、ある程度の両替をしておきましょう。
  • 快適グッズ
  • ウェットティッシュ・除菌ジェル:手洗いが難しい場面で重宝します。
  • マグカップ・カトラリー:各車両にある「サモワール」(給湯器)で24時間無料のお湯が使えます。インスタントスープやコーヒー、紅茶を楽しむのに欠かせません。
  • インスタント食品:食堂車は割高なので、カップ麺やフリーズドライ食品を持参すると節約になります。
  • スリッパ:長時間靴を履くのは疲れるため、脱いでリラックスしましょう。
  • 本や音楽プレイヤーなどの暇つぶし用品:景色に飽きた際の気分転換に。
  • モバイルバッテリー:コンセント数が少ないため、持っていると安心です。
  • 簡単なロシア語会話帳や翻訳アプリ:「こんにちは(ズドラーストヴィチェ)」「ありがとう(スパスィーバ)」といった基本表現だけでも覚えておくとコミュニケーションが楽しくなります。

服装について

車内に厳格な服装ルールはありません。リラックスできるTシャツやスウェットパンツが最適です。多くの乗客は寝る際も同じ服装のまま過ごすため、パジャマに着替える人は少数派です。車内は暖房が効いていますが、季節によっては朝晩冷え込むこともあるので、羽織るものを一枚用意しておくと便利です。停車駅に外出する際はその季節に合った服装を心がけてください。特に冬のシベリアは氷点下30度以下になることも珍しくないため、防寒対策は万全にしましょう。

初めの最大の関門:ビザ取得

ロシア旅行で最も重要な準備が「ビザ(査証)」の取得です。日本国籍のパスポートを持っていても、ロシアへは観光ビザなしで入国できません。申請は多少複雑なので、余裕を持って準備を始めましょう。

ビザ申請の流れ

  • 招聘状(バウチャー)の取得:ロシア観光ビザ申請には、現地旅行会社などが発行する「招聘状」という身元保証書が必須です。ホテル予約により発行してもらうか、ビザ取得代行業者に依頼するのが一般的です。個人でホテルに直接依頼するのは難しい場合が多いため、旅行代理店や代行業者に相談するとスムーズです。
  • オンライン申請書作成:ロシア外務省の公式サイトでオンライン申請書を作成し、印刷します。
  • 申請書類の準備:パスポート、証明写真、招聘状、オンライン申請書など、必要書類を揃えます。
  • 大使館・領事館またはビザセンターで申請:東京の在日ロシア連邦大使館領事部、または各都市の総領事館・ビザ申請センターに書類を持参し申請を行います。

手続きには時間がかかるため、出発の1か月半から2か月前に準備を始めることを強く推奨します。詳細や最新情報に関しては、必ず在日ロシア連邦大使館の公式サイトを参照してください。ここが最も正確な情報源です。

車内クラスと過ごし方

シベリア鉄道には主に以下の3種類の寝台クラスがあります。予算やプライバシーの希望に合わせて選択しましょう。

  • 1等(SV/リュクス):2人用の個室コンパートメントで、もっともプライベートが守られ快適です。料金は最も高額です。
  • 2等(クーペ):4人用の個室コンパートメントで、最も一般的なクラス。他の乗客との交流も自然と生まれ、家族や友人グループでの利用にも適しています。
  • 3等(プラツカルト):いわゆる開放寝台で、車両全体がオープンスペースになっています。通路を挟んでベッドが並び、料金は最もリーズナブルですがプライバシーはほとんどありません。ロシアの日常を身近に感じられるクラスで、地元の利用者が多いです。

いずれのクラスも、各車両には1名または2名の「プロヴォドニーツァ(女性車掌)」や「プロヴォドニーク(男性車掌)」が乗務しており、乗客の世話や車内清掃、寝具の配布・回収などを担当しています。彼ら・彼女らはその車両の責任者であり、困ったことがあれば相談してみてください。旅の安全と快適さを支える頼もしい存在です。

ロシアの広大さが生んだ食文化と多様性

これほど広大で多種多様な民族が共に暮らす国ですから、その食文化も一口で語り尽くせないほど豊かで深みがあります。ロシア料理と聞いて、ボルシチやピロシキ、ビーフストロガノフなどを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はそれらはロシア料理の一側面に過ぎません。地域ごとに気候や文化が異なれば、そこで親しまれる料理もまったく異なる顔を見せます。

地域ごとに異なる食文化の特色

ヨーロッパロシアの料理

一般に「ロシア料理」と聞いてイメージされるのは、主にモスクワやサンクトペテルブルク周辺のヨーロッパロシアの食文化です。鮮やかな赤色のビーツが印象的なスープ「ボルシチ」、サワークリームを添えて味わう「ビーフストロガノフ」、祝いの席には欠かせないブリヌイ(ロシア風クレープ)など、農耕文化に加えヨーロッパからの影響が混ざり合った、比較的こってりとした味わいの料理が特徴です。

シベリア地方の料理

厳しい冬を生き抜く知恵が詰まったのがシベリアの食文化です。代表例はロシア風の水餃子「ペリメニ」。肉や魚の餡を生地で包み、大量に作って凍らせ保存します。シベリアの自然の冷凍庫を活かした、まさにこの地独自の料理です。また、バイカル湖の固有種「オームリ」の燻製は、シベリア鉄道の旅でぜひ味わいたい逸品として知られています。

カフカス地方の料理

黒海の東に広がる山岳地帯のカフカス地方は、ジョージア(グルジア)、アルメニア、アゼルバイジャンなどの影響が色濃く反映された、スパイシーでエキゾチックな食文化圏です。炭火で豪快に焼き上げる羊肉の串焼き「シャシリク」は、ロシア全土で愛されるバーベキューの定番料理。また、船のような形のパン生地にチーズや卵をのせて焼くジョージア料理「ハチャプリ」も、南部の都市では人気のメニューです。

極東の料理

ウラジオストクなど極東地域では、日本海で獲れる新鮮な海産物が豊富に手に入ります。イクラやカニ、ホタテなどが非常に手頃な価格で購入可能です。さらに、地理的な近さから韓国や中国の食文化も色濃く影響を受け、朝鮮人参を使った料理やピリ辛の味付けもよく見られます。ヨーロッパロシアから旅してきた人々にとって、極東の食文化は新鮮な驚きをもたらしてくれるでしょう。

ロシアを訪れたらぜひ手に入れたいおすすめのグルメ土産

ロシアを旅した際には、現地のスーパーマーケットに立ち寄ることをお勧めします。そこには日本ではなかなか手に入らない、魅力的でユニークな食材やお菓子が豊富に揃っています。グルメライターとして、特におすすめしたい品をご紹介します。

チョコレート「アリョンカ」

赤いスカーフをかぶった女の子のパッケージが目印のこのチョコレートは、ソ連時代から愛されてきた国民的銘菓です。素朴でまろやかなミルクの味わいが特徴的で、定番のお土産として人気です。

イクラの瓶詰め

特に極東産のものが有名ですが、ロシア全国で入手可能です。日本で買うよりも価格がリーズナブルで、味も濃厚です。黒パンの上にのせて食べるのがロシアスタイルです。

蜂蜜

ロシアは世界有数の蜂蜜生産国で、菩提樹の花やそばの花など多彩な種類があります。特にシベリアのアルタイ地方産の蜂蜜は品質の高さで知られています。

紅茶

ロシア人は紅茶が大好きで、茶葉の種類も豊富です。「キャラバンティー」と呼ばれるスモーキーな香りが特徴のブレンドは、ロシアならではの味わいを楽しめます。

ハルヴァ

ゴマやヒマワリの種をペースト状にし、砂糖や蜂蜜で固めたお菓子です。ほろほろとした口当たりとナッツの香ばしい風味がクセになる一品です。

旅のトラブルと対処法

tabi-no-toraburu-to-taishoho

どれだけ綿密に準備をしても、海外旅行にはトラブルがつきものです。特に、文化や言語が大きく異なるロシアでは、思いがけない状況に遭遇することもあるでしょう。しかし、事前によくあるトラブル例とその対処法を理解しておけば、落ち着いて対応することが可能です。

よく起こるトラブルの例

  • 言語の障壁: 最も大きな障害はやはり言語でしょう。ロシアでは看板や駅の案内がほとんどキリル文字で表示されています。また、モスクワやサンクトペテルブルクの中心部や高級ホテルを除けば、英語がほとんど通じません。事前にキリル文字の読み方を少し覚えておくと、地名の確認に役立ちます。さらに、オフラインで使える翻訳アプリをスマートフォンに入れておくことも必須です。
  • 盗難やスリ: 大都市の観光スポットや地下鉄など多くの人が集まる場所では、スリや置き引きに注意が必要です。リュックは前に抱える、貴重品は服の下のセキュリティポーチに入れるなど、基本的な対策を徹底しましょう。特にシベリア鉄道の車内では、夜間に貴重品を枕の下に保管するなどの工夫が求められます。
  • 鉄道の遅延: 広大な国土を縦断するシベリア鉄道では、数時間の遅延がよくあります。旅程には十分な余裕を持たせ、遅延も旅の一部として受け入れる心構えが大切です。

緊急時の連絡先と対応策

万が一、大きなトラブルに遭遇した場合の対応方法です。冷静に行動しましょう。

  • パスポートを紛失した場合: まずは最寄りの警察署で紛失や盗難の証明書を取得します。その後、その証明書を持って管轄の日本国大使館または総領事館に行き、「帰国のための渡航書」を発行してもらいます。手続きには写真や戸籍謄本(またはその写し)が必要となる場合があるため、パスポートのコピーや顔写真は必ず別の場所に保管しておくことをおすすめします。
  • 病気や怪我をした場合: 海外旅行保険には必ず加入しておきましょう。保険会社の提携医療機関であれば、キャッシュレスで治療を受けられることが多いです。まずは保険会社の緊急アシスタンスサービスに連絡し、指示を仰ぐのが最善の方法です。通訳サービスを手配してくれる場合もあります。

ロシアでの滞在を安全かつ快適にするためには、出発前に外務省の海外安全ホームページで最新の治安情報を必ず確認してください。また、緊急時の連絡先として在ロシア日本国大使館や総領事館の連絡先を控えておくと安心です。

広大な国土がロシア人の精神性に与えた影響

最後に、この広大な国土がロシアに暮らす人々の気質や文化にどのような影響を及ぼしてきたのか、少し考察してみたいと思います。もちろん国民性を一括りにすることはできませんが、旅の途中で垣間見る人々の姿には、その背後にある風土との深いつながりが感じられることがあります。

「ダーチャ」に見られる自然との共生

ロシア文化の象徴のひとつとして「ダーチャ」が挙げられます。これは都市に住む人々が郊外に持つ、小さな庭付き別荘のことを指します。夏になると、多くの家族が週末をダーチャで過ごし、野菜や果物を育てながら自然の中でゆったりとした時間を満喫します。長く厳しい冬の間に都市生活が窮屈に感じられるロシア人にとって、ダーチャは心身を解きほぐす大切な場所なのです。広大な土地が比較的安価に手に入るという環境が、この文化の定着を後押ししたと言えるでしょう。果てしなく広がる大地とそこで育まれる恵みへの愛情。このダーチャでの営みには、ロシア人の自然観が凝縮されています。

大らかさと忍耐力

果てしなく広がる大地と時に容赦なく襲いかかる厳しい自然環境。こうした環境が、ロシアの人々に独特の精神性を育んできたと言われています。小さなことにこだわらず、大きな視点で物事を見る姿勢。計画通りに物事が進まなくても「ニチェヴォー(仕方ないさ)」と受け流すおおらかさ。一方で、長く厳しい冬をじっと耐え忍び、春の訪れをじっくり待つ驚くべき忍耐力も持ち合わせています。

シベリア鉄道の旅で出会う人々は、一見すると無愛想に見えることもあるでしょう。しかし心を開くと、これ以上ないほど温かく、親切に接してくれることが多々あります。その飾らない人情に触れた瞬間、私たちはロシアという国の真の魅力を知るのかもしれません。なぜロシアはこれほどまでに広大なのか。その答えは単なる歴史や地理の知識だけでは理解しきれません。壮大な自然、多様な文化、そしてそこで暮らす人々の営みが複雑に絡み合い、この巨大な国土を形作っているのです。本記事が、あなたが地図の向こう側に広がるロシアという国をより深く理解し、いつかその広大さを自らの足で確かめる旅に出るきっかけとなれば幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いたトラベルライター

食品商社で世界中の食を探求してきました。旅の目的は「その土地でいちばん美味い一皿」に出会うこと!市場や屋台でのグルメハントが得意です。

目次