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魂の熱狂を追体験する旅:映画『ボヘミアン・ラプソディ』の聖地を巡る完全ガイド

映画『ボヘミアン・ラプソディ』が巻き起こした、世界中を包み込んだ熱狂。スクリーンの前で涙し、拳を突き上げ、伝説のバンド「クイーン」の音楽に再び心を震わせた方も多いのではないでしょうか。あの感動は、単なる物語ではなく、実在した場所、実在した時間の上に成り立っています。もし、あの映画の世界に足を踏み入れ、フレディ・マーキュリーが、ブライアン・メイが、ロジャー・テイラーが、ジョン・ディーコンが見た景色を、あなた自身の目で確かめることができるとしたら。

今回は、世界を飛び回る私が、映画の感動を追体験するための究極の旅をご提案します。舞台は、もちろんクイーンが生まれ育った街、ロンドン。伝説が始まった大学のキャンパスから、名曲が生まれたスタジオの周辺、そして映画のクライマックス、ライブ・エイドの熱狂が再現された場所まで。この記事を読み終える頃には、あなたはもうロンドンの地図を片手に、旅の計画を立て始めているはずです。さあ、音楽史に刻まれた軌跡を辿る、特別な旅へと出かけましょう。

ロンドンでの音楽の旅をさらに充実させるには、赤いダブルデッカーや午後の紅茶といった街の魅力を体験してみるのもおすすめです。

目次

旅の序章:聖地巡礼を成功させるための準備と計画

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感動的な旅を実現するには、入念な準備が欠かせません。ロンドンの街を効率よく、そして心ゆくまで楽しむためには、まずは旅の計画を立てることから始めましょう。衝動的に出発するのも旅の醍醐味ですが、少しの準備があなたの体験を何倍にも豊かなものにしてくれます。

モデルコースと交通手段の確保

ロンドンに点在するクイーンにまつわるスポットを回るには、計画的な行動が求められます。全ての場所を一日で巡るのはかなりハードなので、2日から3日程度の余裕を持ってプランを組むことをおすすめします。

  • 1日目:クイーン結成から黎明期を辿るコース
  • 午前中:フレディがアートを学んだ「イーリング・アート・カレッジ」(現在の西ロンドン大学)周辺を散策します。
  • 午後:クイーン結成の地である「インペリアル・カレッジ・ロンドン」を訪れた後、ソーホー地区へ向かい、伝説のライブハウス「マーキー・クラブ」跡地やかつてのレコーディングスタジオの雰囲気を味わいます。
  • 夜:ハマースミス地区に移動し、「ハマースミス・アポロ」の外観を見学。周囲のパブで一杯楽しむのも良いでしょう。
  • 2日目:スターダムとプライベートに迫るコース
  • 午前中:ケンジントン地区へ。フレディが住んだ「ガーデン・ロッジ」を訪れ、その門前で思いを馳せます。(※詳細は後述しますが、非常に繊細な場所です)
  • 午後:映画の印象的なシーンで使われたフレディの自宅周辺、アビンドン・ロードを散策した後、郊外のフェルサムへ移動し、フレディが家族と過ごした家を訪れます。

ロンドン市内の移動には地下鉄(通称Tube)やバスが非常に便利です。交通系ICカードの「オイスターカード(Oyster Card)」か、コンタクトレス決済対応のクレジットカードを利用する方法が最も簡単で経済的です。オイスターカードは駅の券売機で購入やチャージ(Top-up)が可能。コンタクトレス決済なら、自分のクレジットカードを改札でタップするだけで乗車でき、1日の利用上限額が設定されているので使い過ぎの心配もありません。ロンドンの交通情報については、Transport for London (TfL)公式サイトで最新の運行状況や料金をチェックできます。

旅の満足度を高める持ち物リスト

ロンドンでの聖地巡礼は、予想以上に歩く時間が長くなりがちです。快適な旅を楽しむために、次のアイテムを必ず準備しておくことをおすすめします。

  • 歩きやすい靴:石畳の道も多いので、スニーカーやウォーキングシューズなど歩きやすい靴は必須です。
  • 折りたたみ傘とレインウェア:ロンドンの天気は「一日に四季がある」と言われるほど変わりやすいため、急な雨に備えてバッグに忍ばせておくと安心です。
  • モバイルバッテリー:地図アプリの利用や写真撮影でスマートフォンのバッテリーは思いのほか早く減るため、大容量のモバイルバッテリーがあると重宝します。
  • 変換プラグ:イギリスのコンセントはBFタイプで日本のAタイプとは異なるため、必ず変換プラグを持参しましょう。
  • イヤホンと音楽プレイヤー:クイーンの曲を聴きながらロケ地を巡る贅沢は格別です。映画のサウンドトラックを事前にダウンロードして、その場所で流せば感動が一層深まります。
  • カメラ:スマートフォンのカメラも優秀ですが、旅の思い出をより美しく残したい方は、お気に入りのカメラも持ち歩くと良いでしょう。

知っておきたいロンドンの基本情報

  • 通貨:イギリスの通貨はポンド(£)です。クレジットカードは広く普及していますが、小規模なパブやマーケットでは現金が必要になる場合もあるため、少額のポンドを用意しておくと便利です。
  • 気候:夏は涼しく、冬は曇りがちで肌寒いです。重ね着できる服装が基本となります。特に春や秋は朝晩と日中の気温差が大きいため、薄手のコートやジャケットを持っていると役立ちます。
  • 安全対策:ロンドンは比較的安全な都市ですが、観光客を狙ったスリや置き引きが発生しています。特に地下鉄や観光地など人が多い場所では、手荷物から目を離さないように注意しましょう。リュックは前に抱えるなど、基本的な対策を忘れずに。

準備が整えば、ついに伝説の舞台へと足を踏み入れます。映画のワンシーンを胸に刻みながら、一歩ずつその足跡を辿っていきましょう。

伝説が生まれた場所へ:ロンドンの主要ロケ地を巡る

ここからは、映画『ボヘミアン・ラプソディ』の印象に残るシーンが撮影されたり、クイーンの歴史において重要な役割を果たしたロンドンのスポットを具体的にご紹介します。地図アプリを片手に、音楽の旅へと踏み出してみましょう。

クイーン結成の地:インペリアル・カレッジ・ロンドン

物語の出発点はここです。天体物理学を学んでいたブライアン・メイと、生物学を専攻していたロジャー・テイラーが在籍していた名門・インペリアル・カレッジ・ロンドン。映画では、フレディが彼らのライブを初めて観て、終演後に楽屋を訪れる場面が描かれています。実際、ブライアンとロジャーが所属していた「スマイル」というバンドは、この大学の学生会ホールでライブを開催していました。

訪問時のポイント

  • 場所:サウス・ケンジントン地区に位置し、ヴィクトリア&アルバート博物館や自然史博物館の至近にあります。
  • アクセス:最寄り駅は地下鉄ディストリクト線、サークル線、ピカデリー線の「South Kensington」駅です。
  • 見学について:キャンパスは一般に公開されており、自由に散策が可能です。重厚な校舎を眺めながら、若き日のメンバーがここで音楽への夢を語り合っていた光景を思い描いてみてください。ただし、建物の内部や講義室は立ち入ることができません。学生たちの学びの場としての配慮を忘れず、静かに行動しましょう。守衛に声をかけられた際は、観光目的であることを正直に伝えれば、問題になることはほとんどありません。

フレディの家のロケ地:アビンドン・ロード周辺

映画において、フレディがメアリー・オースティンと同棲を始め、後に豪邸を購入する場面は、彼の成功と孤独を象徴的に表現しています。撮影に用いられたのは、ロンドン西部の閑静な住宅街です。具体的な住所は公開されていませんが、アビンドン・ロード(Abingdon Road)周辺の白やクリーム色のテラスハウスが立ち並ぶエリアで撮影されました。

散策の楽しみ方と注意点

  • 雰囲気:高級住宅街ならではの落ち着いた空気が漂っています。映画のシーンを思い起こしながら、美しい街並みをゆっくり歩くだけで作品の世界に浸ることができるでしょう。
  • 訪問マナー:最も重要なポイントです。この地域は撮影セットではなく、実際に人々が暮らす私有地です。玄関先で大声を出したり、長時間立ち止まって撮影をしたりするなど、住民のプライバシーを侵害する行為は絶対に控えましょう。あくまでも「街並みの散策」として、静かに敬意を持って訪れることがファンとしての責任です。このルールを守ることが、今後も多くのファンがこの地を訪れられる唯一の道となります。

伝説の出発点となったパブ:The Griffin(ブレントフォード)

映画の冒頭で、まだ無名だったクイーンが敏腕マネージャーのジョン・リードと初めて出会うシーン。この重要な場面の撮影場所が、ロンドン西部ブレントフォードにあるパブ「The Griffin」です。歴史を感じさせる風格ある外観と、古き良き英国パブの雰囲気がそのまま残るこのスポットは、ファンならずとも一度は訪れてみたい場所です。

パブを楽しむポイント

  • アクセス:ロンドン中心部からは少し距離があります。ウォータールー駅から国鉄(サウス・ウェスタン鉄道)に乗り、「Brentford」駅で降りて徒歩数分です。
  • 注文の流れ:英国のパブではテーブルサービスがないため、まず席を確保してからカウンターへ注文し、支払いもその場で行います。種類が多く迷うかもしれませんが、「A pint of lager, please.(ラガーを1パイントください)」や「What would you recommend?(おすすめは何ですか?)」と尋ねてみるのもいいでしょう。
  • 料理:The Griffinでは、伝統的なフィッシュ&チップスやサンデーローストなどのパブ料理も味わえます。映画のシーンを思い描きつつ、ビール片手に食事を楽しみながら、バンドの未来を語り合う気分を味わってみてはいかがでしょうか。
  • 注意点:夜は地元の常連客で混雑します。親しみやすい雰囲気ですが、酔い過ぎたり騒ぎ過ぎるのはマナー違反です。英国のパブ文化をスマートに楽しみましょう。

名曲が生まれたソーホー地区

映画のロケ地ではありませんが、クイーンの音楽の歴史を語るうえで欠かせないのがソーホー地区です。数々の名曲がレコーディングされた伝説的な「トライデント・スタジオ」はこのエリアに所在しました。現在はスタジオ自体は現存しませんが、跡地の17 St Anne’s Courtには記念プレートが設置されています。エルトン・ジョンやデヴィッド・ボウイも利用したこのスタジオの場所に立つと、当時の音楽シーンの熱気が伝わってくるようです。

ソーホー散策のポイント

  • カーナビー・ストリート:1960年代のスウィンギング・ロンドンの中心地で、クイーンのメンバーもこの界隈のファッションに影響を受けたと言われています。現在も洗練されたブティックやレストランが軒を連ね、歩くだけで刺激的な気分に浸れます。
  • デンマーク・ストリート:「ティン・パン・アレー」の愛称で知られる楽器店街。ローリング・ストーンズやセックス・ピストルズもここでリハーサルを重ねました。音楽好きにとって必見のスポットです。
  • グルメとエンタメ:ソーホーはロンドン有数の食とエンターテインメントの拠点です。世界各国の料理が味わえるレストランや、ミュージカルが上演される劇場がひしめき合い、夜遅くまで活気に満ちています。英国政府観光庁の公式サイトでも、多彩な魅力が紹介されています。

クライマックスへ:ライブ・エイドの舞台裏

映画のクライマックスであり、観客の誰もが涙をこぼしたであろうライブ・エイドのシーン。20分にわたる圧倒的なパフォーマンスは、まるで1985年のウェンブリー・スタジアムへタイムスリップしたかのような錯覚をもたらしました。しかし、この感動的な場面の撮影には、意外な秘密が隠されているのです。

聖地ウェンブリー・スタジアムを体感する

まずは、本物のウェンブリー・スタジアムについて触れずにはいられません。1985年のライブ・エイドが開催された旧ウェンブリー・スタジアム(特徴的なツインタワーのあった)は2003年に解体され、現在は巨大なアーチが美しい新ウェンブリー・スタジアムがその場所に建てられています。サッカーの聖地として名高いこの場所は、クイーンのファンにとっても特別な意味を持つ聖地と言えるでしょう。

スタジアムツアー参加方法

  • 体験内容:通常は入ることのできない舞台裏を見学できる「ウェンブリー・スタジアム・ツアー」が実施されています。選手のロッカールームやプレスカンファレンスルーム、さらにはピッチへと続くプレイヤーズ・トンネルを歩くことが可能です。トンネルを抜けて広がる試合のフィールドを目の当たりにした瞬間、あの時の観客の大歓声が耳に蘇るような感動を味わえます。
  • チケット予約方法:このツアーは非常に人気が高いため、事前にオンラインでの予約が必須となっています。ウェンブリー・スタジアム公式サイトから希望日時を選んで予約しましょう。当日券も販売されていますが、売り切れているケースが多いので特に週末や観光シーズンは早めの予約をおすすめします。
  • トラブル発生時の対応:予約した日時に参加できなくなった場合、基本的には返金や日程変更は難しいのが現状です。ただし、公共交通機関の大幅遅延など、やむを得ない事情がある場合には、チケット購入先や現地チケットオフィスへ問い合わせてみる価値があります。代替策を案内してもらえることもあるため、予約確認メールは必ず保管しておきましょう。
  • アクセス情報:最寄り駅は地下鉄ジュビリー線およびメトロポリタン線の「Wembley Park」駅です。

ライブ・エイド撮影の裏側:ボールトン・フェン空軍基地

実は映画のライブ・エイドのシーンは、ウェンブリー・スタジアムで撮影されたわけではありません。制作チームはロンドン郊外ハートフォードシャーにある「ボールトン・フェン空軍基地」の広大な敷地に、当時のステージを原寸大で忠実に再現しました。観客役にはエキストラを多数配置し、クレーンを駆使して、メンバーの動きからピアノ上のペプシのカップに至るまで驚くべき精密さで1985年7月13日の光景を蘇らせたのです。残念ながら、この空軍基地は現在も現役で使用されており、一般人の立ち入りは禁止されています。映画の魔法が生まれた場所として知っておくだけにとどめ、本物のウェンブリーの地で映画の感動に思いを馳せることが私たちにできる唯一の体験と言えるでしょう。

ロンドン郊外と不滅の聖地

ロンドンの中心部だけでなく、少し離れた場所にも、クイーンとフレディ・マーキュリーの魂に触れられる重要なスポットが点在しています。これらの地を訪れることで、旅の体験は一層深く豊かなものになるでしょう。

フレディが育った家:フェルサム

フレディ・マーキュリー(当時はファルーク・バルサラ)がザンジバルから移住し、青春時代を過ごした家はロンドン南西部のフェルサム地区にあります。ヒースロー空港の近郊に位置する、普通の住宅街の一角です。現在、この家の壁には彼の功績を称えたブルー・プラーク(英国で著名人の居住地に設置される青い記念銘板)が掲げられており、ファンにとっての象徴的な目印です。

訪問時のポイント

  • アクセス方法:ウォータールー駅から国鉄で「Feltham」駅まで行き、そこから徒歩かバスで向かいます。市内中心部からは約1時間かかります。
  • 最も重要な注意事項:この家は現在も一般の方が暮らす私有地であり、アビンドン・ロードと同様、あるいはそれ以上に住民への配慮が欠かせません。敷地に立ち入ったり、騒いだりすることは絶対に避けてください。プラークの記念写真を静かに撮影し、彼の若き日々を想いながらすみやかにその場を去るのが礼儀です。ファンとしての品位が問われる場所と言えるでしょう。

最期の住まい:ガーデン・ロッジ

映画には登場しませんが、クイーンのファンにとっては最も神聖な場所が、ケンジントン地区にある「ガーデン・ロッジ(Garden Lodge)」です。ここはフレディ・マーキュリーが亡くなるまで暮らした最後の住まいで、彼が愛した邸宅でもあります。高い塀に囲まれた静かな佇まいは今も変わりません。

聖地を訪れる心得

  • 所在地:地下鉄ディストリクト線「Earl’s Court」駅から徒歩圏内です。
  • かつてと今の違い:以前はこの住宅の門や壁に、世界中からのファンによる追悼メッセージがびっしりと書き込まれていました。しかし現在では、それらは消され、監視カメラが設置されるなど、静かな環境を守るための措置が取られています。これは所有者の意向であり、私たちもそれに従うべきです。
  • ファンとしての振る舞い:今は壁にメッセージを書くことが禁止されています。花を供えることは許されていますが、節度をもって行う必要があります。大声で話したり、長時間滞在したりするのは控え、ただ静かに門前に立ち、フレディの偉大な才能と音楽に敬意を込めて祈ることが、この聖地を訪れる上で最もふさわしい態度です。彼の魂が安らかに眠れるよう、最大限の敬意を払って訪れましょう。

音楽と共に旅する、記憶に残る体験を

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映画『ボヘミアン・ラプソディ』のロケ地を訪ねる旅は、単なる観光旅行ではありません。これは、歴史に名を刻む偉大なバンドの足跡を、自らの足で辿り、その息吹を感じ取る特別な体験なのです。ロンドンの街角でイヤホンから流れる「Bohemian Rhapsody」を聴きながら、トライデント・スタジオの跡地に立てば、時代を超えた音楽の魔力が心に響くでしょう。ウェンブリー・スタジアムの広大な景色を見渡せば、あの伝説のライブで沸き起こった地鳴りのような歓声が耳に蘇るかもしれません。

この旅で忘れてはならないのは、常に敬意の心を持ち続けることです。彼らが暮らした場所は、今も誰かの暮らしの場であり続けています。ファンとしての熱い想いと、旅人としてのマナー、その両方を胸に抱いて、ロンドンの街を歩いてみてください。

さあ、準備は整いました。航空券を手配し、サウンドトラックをプレイリストに加え、伝説の扉を開けましょう。あなたの旅が、映画で味わった感動を何倍にも膨らませ、心に一生忘れられない思い出として刻まれることを願っています。Don’t stop me now—あなたの旅はもう始まっているのです。

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この記事を書いたトラベルライター

外資系コンサルやってます。出張ついでに世界を旅し、空港ラウンジや会食スポットを攻略中。戦略的に旅をしたいビジネスパーソンに向けて、実用情報をシェアしてます!

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