紺碧の海、緑豊かなライステラス、そして神秘的なヒンドゥー文化が息づく神々の島、バリ。世界中の人々を魅了してやまないこの楽園への旅行を計画している愛煙家のあなたにとって、一つだけ気がかりなことがあるかもしれません。「バリ島では、タバコはどこで吸えるのだろう?」「電子タバコやIQOSの持ち込みは大丈夫?」そんな疑問や不安が、胸の奥に燻っているのではないでしょうか。
かつては喫煙に対して比較的寛容なイメージがあったインドネシアですが、ここ数年で状況は大きく変化しています。特に、世界有数の観光地であるバリ島では、旅行者の快適性と健康、そして島の神聖な環境を守るため、喫煙に関するルールが厳格化されているのです。しかし、ご安心ください。ルールとマナーを正しく理解し、ほんの少しの準備をすれば、バリ島での一服は、旅の素晴らしいスパイスとなり得ます。
この記事では、バリ島を訪れる愛煙家の皆さんのために、最新の喫煙事情を徹底的に解説します。タバコの免税範囲や電子タバコの持ち込みといった渡航前の準備から、現地でのタバコの購入方法、喫煙が許可されている場所と固く禁じられている場所の見分け方、さらには万が一のトラブル対処法まで。この記事を読み終える頃には、あなたの不安は晴れやかな期待へと変わり、自信を持ってバリ島での喫煙ライフを楽しむことができるでしょう。さあ、神々の島で過ごす、至福の一服のための完全ガイドの始まりです。
喫煙ルールを理解したら、バリ島での荷物預け先も事前に確認して、身軽に島内を巡る準備を整えましょう。
まずは基本から!バリ島の喫煙に関する全体像

バリ島の喫煙ルールを理解するためには、まずインドネシアという国全体の喫煙文化とその中でのバリ島の特異な位置づけを把握することが不可欠です。漠然としたイメージだけで行動すると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。ここでは、旅の基本となる知識をしっかり固めていきましょう。
インドネシアの喫煙文化とバリ島の現状
インドネシアは世界でも有数の喫煙率を誇る国です。特に男性の喫煙率が非常に高く、日常のあらゆるシーンでタバコが楽しまれています。街角のワルン(食堂)で会話を楽しみながら、あるいは仕事の合間にタバコを吸う光景は、ごく自然なものです。
この国の喫煙文化を象徴するのが、「クレテック」と呼ばれる丁子(クローブ)入りのタバコです。火をつけると、クローブに含まれた油分がパチパチと音を立てて燃え、独特のスパイシーで甘い香りが漂います。この香りはインドネシアの街の一部とも言えるほど多くの人に愛されており、日本で一般的に販売されている紙巻きたばことはまったく異なる風味を持っています。ぜひ一度試してみる価値があるかもしれません。
しかし、こうした喫煙文化が根付くインドネシアであっても、国際的な観光地であるバリ島は状況が少し異なります。近年の世界的な健康志向の高まりを背景に、インドネシア政府も公共の場での禁煙推進を強化しています。特にバリ島では、欧米からの観光客が多く訪れることから、快適で清潔な環境を維持するため独自の条例を設けて喫煙規制を進めているのです。
そのため、「インドネシアは喫煙大国だから、バリ島でもどこでも自由に吸えるだろう」と考えるのは過去の話です。現在のバリ島では、「決められた場所でマナーを守って喫煙する」というスタイルが求められています。この変化を正確に理解することが、快適なバリ島滞在の第一歩となるでしょう。
法律と罰則:見過ごせない重要ポイント
バリ島の喫煙ルールに関して押さえておきたいのが、2011年に制定されたバリ州条例『Perda Provinsi Bali Nomor 10 Tahun 2011 tentang Kawasan Tanpa Rokok (KTR)』です。この『KTR』とは、日本語で「禁煙区域」を意味し、この条例がバリ島における喫煙環境の根幹を成しています。
この条例では、特定の公共スペースを禁煙区域として定め、違反した場合の罰則が規定されています。具体的にどの場所が禁煙であるかは後の章で詳しく説明しますが、重要なのはこれは単なるマナーや推奨ではなく、法的な拘束力を持つ条例だという点です。
もし禁煙区域で喫煙した場合、最大で禁固3か月または5,000万ルピア(日本円で約50万円)以下の罰金が科される可能性があります。もちろん観光客がすぐに最高額の罰金を科されることは稀ですが、「知らなかった」「うっかりしていた」といった言い訳は通用しません。実際、警察や地域の自警団(ペチャラン)から注意を受け、罰金を支払うケースも報告されています。
特に寺院のような神聖な場所や、クタやスミニャックといった観光客が多く集まるエリアでは取り締まりが厳しくなる傾向があります。楽しい旅行が一つの不注意で台無しにならないよう、このKTR条例をしっかり意識し、「ここは喫煙しても良い場所なのか?」と常に確認する習慣をつけることが、バリ島でスマートに過ごすための鉄則です。
【実践編】バリ島渡航前の準備:タバコの持ち込みと電子タバコ
バリ島での喫煙事情の基本を押さえたところで、次はいよいよ具体的な渡航準備に移りましょう。日本から愛用のタバコを持ち込むべきか、それとも現地調達にするかを検討する必要があります。また、近年利用者が増えている電子タバコや加熱式タバコは問題なく持ち込めるのかも気になるところです。ここでは、空港の税関で慌てないために、正確かつ実践的な情報をお伝えします。
日本からタバコを持ち込めるか?免税範囲を詳しくチェック
結論から申し上げると、日本からバリ島(インドネシア)へ個人消費用のタバコを持ち込むことは可能です。ただし、無税で持ち込める量には明確な上限、すなわち「免税範囲」が設けられています。この範囲を1本でも超えると申告および納税が必要になるため、出発前に必ず確認しておくことが重要です。
インドネシア税関におけるタバコ製品の免税範囲は成人1人あたり以下のとおりです。
- 紙巻きタバコ: 最大200本(1カートン)
- 葉巻: 最大25本
- 刻みタバコ(シャグなど): 最大100g
ポイントは、これらのうち「いずれか一種類のみ」を免税で持ち込めるという点です。つまり、紙巻きタバコ200本を持ち込む場合には、同時に葉巻や刻みタバコを無税で持ち込むことはできません。複数の種類を組み合わせたい場合は、それぞれの規定量を按分して計算する必要があるため非常に複雑となります。したがって、基本的にはどれか一種類に絞って上限内で持ち込むことがもっとも簡単かつ確実です。
もし免税範囲を超えて持ち込む場合は必ず税関で申告が必要です。デンパサール(ングラ・ライ)国際空港では、インドネシア入国時に税関申告書(e-CD: Electronic Customs Declaration)の提出が義務付けられています。これは渡航前にオンラインで申請・登録し、発行されたQRコードを税関職員に提示する仕組みです。申告フォーム内にはタバコなど規制品の所持に関する質問があるため、免税範囲を超える場合は正直に「はい」と回答し、税関検査場の赤色カウンター(Goods to Declare)へ進んでください。そこで超過分の税金を納めることになります。未申告の場合は密輸とみなされ、没収や高額な罰金が科される恐れがあるため絶対に避けましょう。旅の初めからトラブルを起こさないためにも、誠実な申告が最も大切です。
電子タバコ(VAPE)と加熱式タバコ(IQOSなど)の持ち込みルール
紙巻きタバコ以上に複雑で、多くの旅行者が悩むのが電子タバコ(VAPE)や加熱式タバコ(IQOS、gloなど)の取り扱いです。現在、インドネシアでは個人使用目的に限りこれらの製品の持ち込みが認められていますが、いくつか重要な注意点があります。これを怠ると空港で没収されるリスクがあるため、十分に注意してください。
液体リキッドの持ち込み制限について
VAPEを利用する方にとって最も気をつけたいのがリキッドの取り扱いです。リキッドは液体物のため、まず国際線の航空会社が定める液体物の機内持ち込み制限に従わなければなりません。具体的には、各容器は100ml(または100g)以下でなければならず、これらの容器は容量1リットル以下のジッパー付き透明プラスチック袋にまとめて収納します。この袋は一人1つまで持ち込めます。
さらに、インドネシアの税関における電子タバコ用リキッドの免税上限は合計100mlまでが一般的です。複数の小瓶を持つ際も、合計量が100mlを超えないよう気をつけましょう。超過した分は課税対象となり申告が必要です。大容量ボトル1本より、規定内の少量ボトルを数本持ち込むほうが無難です。
デバイス本体とバッテリーの管理
電子タバコや加熱式タバコの機器本体にはリチウムイオンバッテリーが内蔵されていますが、このバッテリーは衝撃や圧力による火災リスクがあるため、航空法で預け入れ手荷物には絶対に入れてはいけません。必ず、機内持ち込み手荷物として自分で携帯・管理してください。誤ってスーツケースに入れると保安検査で開封を求められ、最悪没収されることもあります。パッキングの際にはくれぐれもご注意ください。
IQOSなど加熱式タバコスティックの扱い
IQOSやgloなどで使用する加熱式タバコスティック(ヒートスティック)は、インドネシア税関では「タバコ製品」として扱われます。そのため、上述の紙巻きタバコの免税範囲に含まれます。すなわち、「紙巻きタバコと加熱式タバコスティックを合わせて200本まで」という理解が最も安全です。たとえば、メビウスを100本(5箱)持ち込み、加えてアイコスのテリア100本(5箱)を持つのは免税範囲内となります。逆に、紙巻きタバコを1カートン(200本)持ち込んだ上で加熱式タバコスティックをさらに何箱か持つと免税範囲を超える可能性が高いため注意が必要です。
これらの規定は変わる場合もありますので、渡航直前にはインドネシア共和国税関総局の公式サイトや利用する航空会社の最新情報を必ず確認してください。入国時の手続きをスムーズにするためには、事前の準備が何より重要です。
バリ島現地でのタバコ入手方法

日本からタバコを持ち込む方法もありますが、荷物を軽くしたい方や現地のタバコを試してみたい方も多いでしょう。幸いなことに、バリ島ではタバコの購入が非常に簡単で、価格も日本に比べてかなりお得です。ここでは、現地で上手にタバコを入手するコツをご紹介します。
コンビニやスーパーでの購入ポイント
バリ島で手軽にタバコを買えるのは、街中に点在するコンビニエンスストアです。代表的なチェーンに「Alfamart(アルファマート)」や「Indomaret(インドマレット)」があり、多くの店舗が24時間営業しているため、旅行者にとって非常に便利です。
これらのコンビニでは、レジの後ろの壁にずらりとタバコが並んでいるのが一般的です。日本のように番号で注文するスタイルではなく、欲しいブランドを指差すか、名前を伝えれば問題ありません。言葉に自信がなければ、スマートフォンに吸いたいタバコの写真を表示して見せるのも効果的です。
簡単なインドネシア語で注文したい方は、以下のフレーズを試してみてください。
- 「Boleh minta rokok?」(ボレ ミンタ ロコッ?) – 「タバコをください」
- 銘柄を伝えた後に、「satu」(サトゥ) – 「〜を一つください」(例:「Marlboro, satu」)
扱われているブランドは、マールボロやラッキーストライク、キャメルといった世界的に有名なものから、次に紹介するインドネシア特有のクレテックまで幅広いです。価格はブランドによって差がありますが、2024年現在、マールボロ1箱(20本入り)は約40,000ルピア(日本円で約400円程度)と、日本の半額以下で買えます。この手軽さと安さは、喫煙者にとって大きな魅力でしょう。
コンビニ以外でも、大型スーパーの「Bintang Supermarket」や「Pepito」などでタバコを購入可能です。さらに、個人経営の小さな商店(インドネシア語で「Toko」や「Warung」)でもタバコを置いている店が多く、道端の小さな売店でも主要な銘柄を見つけられるため、まず困ることはありません。
バリ島でぜひ試したいインドネシアのタバコ「クレテック」
インドネシア、特にバリ島に滞在するなら、現地文化を感じる意味でも「クレテック」を試してみるのがおすすめです。クレテックは砕いた丁子(クローブ)をタバコ葉に混ぜたもので、その歴史は19世紀末までさかのぼります。喘息の治療薬として開発されたとされる説もあり、インドネシアの人々の暮らしと深く結びついています。
クレテックに火をつけると、まずその独特な香りに驚くことでしょう。甘くスパイシーで、わずかに薬草のような香りがタバコの煙に混ざり合います。また、クローブの燃える際に聞こえる「パチッ、パチッ」という音も特徴的です。このサウンドと香りが多くのクレテックファンを魅了しています。
味わいは日本のタバコに比べて濃厚で、フィルターに甘味料が塗られているタイプも多く、特有の甘みを感じられます。タールやニコチンの含有量も高めの傾向があり、吸い応えは十分です。代表的なブランドを以下に紹介します。
- Gudang Garam(グダン・ガラム): 「塩の倉庫」という意味を持ち、インドネシアを代表する老舗ブランド。濃厚かつ力強い味わいで、ヘビースモーカーから支持されています。
- Djarum Super(ジャルム・スーパー): 人気のブランドの一つで、フルーティーな甘みとスパイスのバランスが良く、クレテック初心者にもおすすめです。
- Sampoerna A Mild(サンポルナ・ア・マイルド): 「マイルド」の名の通り比較的軽い口当たりで、初めてクレテックを吸う方でも取り入れやすい銘柄。爽やかな後味が特徴です。
これらのクレテックは、コンビニやスーパーで簡単に入手でき、価格も通常の紙巻きタバコとほぼ同じです。バリの夕暮れ時にビンタンビールを片手にクレテックを楽しむ時間は、忘れがたい旅の思い出になるでしょう。ただし、独特の香りは好みが分かれるため、周囲に配慮して吸うことをおすすめします。また、お土産として日本に持ち帰ることは可能ですが、日本の税関で定められた免税範囲(日本製・外国製問わず合計200本まで)に注意してください。
ここが重要!バリ島の喫煙が禁止されている場所(KTR)
ここからは、バリ島での喫煙に関して最も重要なポイント、つまり「喫煙が禁止されている場所」について詳しく解説していきます。前述したバリ州条例(KTR)によって定められた禁煙エリアは、観光客が訪れる可能性のある多くの場所を網羅しています。これらの規則を正確に理解し、不要なトラブルを避けることが快適な滞在の必須条件となります。
条例で規定された7つの禁煙エリアの詳細説明
バリ州条例 No.10/2011では、以下の7つのカテゴリーが禁煙エリア(Kawasan Tanpa Rokok)として明確に指定されています。これらの場所内では、敷地全体での喫煙が一切禁止されています。順に見ていきましょう。
- 1. 教育施設 (Fasilitas Pendidikan):
学校、大学、学習塾、図書館など、教育に関わるすべての施設が対象です。旅行者が直接立ち入る機会は少ないかもしれませんが、地域の子供たちが集まる場所付近では、喫煙を控える意識が大切です。
- 2. 医療施設 (Fasilitas Pelayanan Kesehatan):
病院、クリニック、診療所、薬局(アポテック)などが含まれます。病気の治療や健康増進を目的とする場所での喫煙禁止は世界共通のルールと言えるでしょう。体調不良で急に訪れた際も、施設内での喫煙は厳禁です。
- 3. 子供の遊び場 (Tempat Bermain Anak):
公園の遊具エリアやショッピングモール内のキッズスペースが含まれます。子どもたちの健康を守るため、非常に厳しく運用されているため、子どもが近くにいる場合は屋外でも喫煙を避けるのが望ましいです。
- 4. 礼拝所 (Tempat Ibadah):
バリ・ヒンドゥー教の寺院(プラ)、イスラム教のモスク、キリスト教の教会など、あらゆる宗教施設とその敷地内は厳格な禁煙区域です。ウルワツ寺院、タナロット寺院、ティルタ・ウンプル寺院などの有名観光寺院も例外ではありません。これらの神聖な場所で喫煙することは、地元の人々に強く非難されます。
- 5. 公共交通機関 (Angkutan Umum):
タクシー、路線バス、観光バス、乗り合いバス(ベモ)などの車内はすべて禁煙です。GrabやGojekなどの配車サービスの車両も同様で、運転手が喫煙していても乗客の喫煙は許されません。
- 6. 公共の職場 (Tempat Kerja):
官公庁や企業のオフィスビルが該当します。旅行者が訪れる機会は少ないかもしれませんが、例えばイミグレーションオフィスでの手続き中に建物内で喫煙することはできません。
- 7. その他の公共の場所 (Tempat Umum dan Tempat Lainnya yang Ditetapkan):
ショッピングモール、デパート、近代的な市場(スーパーマーケットなど)、空港、駅、ホテルのロビーなど多岐にわたります。基本的に「不特定多数の人が利用する屋内の共有スペース」は禁煙と考えて問題ありません。
観光客が特に気をつけるべき場所:寺院、飲食店、ホテル
上記の7つのカテゴリーの中で、観光客が頻繁に訪れることが予想される場所について、さらに掘り下げて注意点を説明します。
寺院でのマナー
バリ島の寺院は単なる観光地ではなく、地元の人々にとって非常に神聖な祈りの場です。禁煙は法律の要請である以前に、神々への敬意を表すための基本マナーです。多くの寺院の入口には「No Smoking」の表示が掲示されていますが、看板がなくとも敷地に入った時点でライターやタバコをしまいましょう。サロン(腰布)を身に着けて肌の露出を控える服装ルールとともに、禁煙を守ることはバリの文化を尊重する旅行者の最低限の礼儀です。
レストラン・カフェ(ワルン)での喫煙基準
食事やコーヒーブレイクの際に喫煙を楽しみたい方もいるでしょう。バリの飲食店での喫煙ルールは、店舗の形態によって異なります。目安としては「屋内か屋外か」「エアコンがあるかどうか」がポイントです。
- エアコンのある屋内席:
ほぼ100%禁煙です。これは法律で義務付けられており、例外はありません。
- オープンエアの屋外席・テラス:
喫煙可能な場合が多いですが、店舗の方針により異なります。確実なのは席に着く前に店員に「Boleh merokok di sini?」(ここでタバコを吸ってもいいですか?)と尋ねることです。また、テーブルに灰皿が置いてあれば喫煙可のサインです。
混雑した店舗では、喫煙可能な席でも隣席との距離が近い場合、周囲への配慮が必要です。特に子連れや欧米からの旅行者はタバコの煙を嫌う傾向が強いことも覚えておきましょう。
ホテルでの喫煙ルールの確認
滞在先のホテルでのルールは快適な滞在に大きく影響します。予約段階から注意しておくと安心です。
- 部屋のタイプ:
予約時には「喫煙可能ルーム」または「バルコニー付き」の部屋を選びましょう。多くのホテルでは室内は禁煙で、バルコニーやテラスのみ喫煙が許されるケースがあります。「Smoking room preferred」や「Room with smoking balcony, please」といった希望を伝えておくのも効果的です。
- チェックイン時の確認:
部屋に入ってからタバコを吸い始める前に、必ずフロントでホテルの喫煙ポリシーを再確認してください。「Where can I smoke?」(どこで喫煙できますか?)と聞けば、指定喫煙エリアやバルコニーの場所を教えてくれます。確認を怠り禁煙室での喫煙は、高額な清掃費請求につながる可能性があります。
- 共用スペース:
ロビーやレストラン、プールサイドなどの共用エリアは原則禁煙、もしくは指定された喫煙エリアのみ喫煙可能です。プールサイドで一服したい場合も、灰皿のある指定場所を探すようにしましょう。
では、どこで吸える?喫煙可能な場所の見つけ方

禁煙エリアについて詳しくご説明しましたが、もちろんバリ島には喫煙者が安心して一服できる場所も数多く存在します。大切なのは、そうした場所を巧みに見つけ出し、マナーを守って利用することです。ここでは、喫煙可能なスポットを見つけるための具体的なポイントをご紹介します。
喫煙エリアの表示「Smoking Area」を見つけよう
空港や大型ショッピングモール、大規模なホテル、一部の観光施設などでは、喫煙者のために専用の喫煙スペースが設けられています。こうした場所には通常、「Smoking Area」やインドネシア語で「Tempat Khusus Merokok」といった分かりやすい標識が掲示されています。多くの場合、屋外か換気の整った屋内の区画に設置されています。
デンパサール国際空港では、出発ロビーの搭乗ゲート付近や、一部のカフェの隣に喫煙所が用意されています。所在がわかりにくい場合は、インフォメーションカウンターや空港スタッフに問い合わせるとよいでしょう。ショッピングモールでは、屋外のカフェテラスや建物の外側の特定区域が喫煙エリアとして指定されているケースが多いです。まずは案内表示を見つける習慣をつけることが、スムーズに喫煙場所を探す第一歩となります。
レストランやカフェでの確認ポイント
前述のように、レストランやカフェは喫煙者にとって大切な休憩場所です。そこでのルールを今一度確認しておきましょう。
- 灰皿の有無を確認する: テーブルに最初から灰皿が置かれている場合、その席はたしかに喫煙可能です。これは最もわかりやすいサインといえます。
- 店員に問い合わせる習慣を: 灰皿が見当たらなくてもあきらめる必要はありません。特にオープンエアの店舗では、お願いすれば灰皿を持ってきてくれることがよくあります。入店時や座った際に、「Excuse me, can I smoke here?」または「Permisi, boleh merokok?」とにこやかに尋ねるだけで、お互い気持ちよく過ごせます。この一言がトラブル回避に大いに役立つでしょう。
- 周囲の様子を観察する: 地元の人がリラックスしてタバコを楽しんでいる店は、喫煙が認められている可能性が高いです。特に昔ながらのローカルなワルン(食堂)では、屋外席で比較的自由に喫煙できる雰囲気のところが多く見受けられます。
ローカルなワルンや路上での喫煙マナーについて
法律で明確に禁煙とされている場所以外、例えば一般的な路上での喫煙はグレーゾーンと言えます。一律に路上喫煙が禁止されているわけではありませんが、場所や状況に応じた配慮が非常に重要です。
歩きタバコは絶対に避けましょう。人通りの多い場所での喫煙は、他人に火傷を負わせる危険があるうえ、見た目にもスマートではありません。どうしても路上で吸いたい場合は、必ず立ち止まり、人の往来の邪魔にならない場所を選ぶことが大切です。特に寺院の入り口付近や店の前で列ができている場所、子どもが多く集まるエリアなどでは喫煙を控えてください。
そして、バリ島で喫煙者が最も心掛けるべきことは、「携帯灰皿を必ず携帯し、絶対に吸い殻のポイ捨てをしない」ことです。バリの美しい自然や青い海、緑豊かな田園風景は島の貴重な財産です。その美観をタバコの吸い殻で汚すようなことは、旅行者として決してあってはなりません。残念ながら現地ではポイ捨てが見受けられる場合もありますが、決して真似してはいけません。日本人としての誇りを持ち、携帯灰皿をスマートに使用する姿勢は、現地のルールを尊重する優れた旅行者の証とも言えます。携帯灰皿はバリ島を訪れる喫煙者にとって、まさに旅行のマストアイテムなのです。
トラブル回避術と万が一の時の対応
どんなに注意を払っていても、慣れない海外では思いがけないトラブルに遭うことがあります。「うっかり」が大きな問題に発展しないよう、あらかじめ対処法を知っておくことが心の余裕につながります。ここでは、喫煙に関する万が一のケースへの対応方法をご紹介します。
禁煙エリアで喫煙してしまった場合は?
もし、禁煙エリアだと知らずにタバコに火をつけてしまい、地元の人や警備員、あるいはペチャラン(村の自警団)に注意されたら、どうすればよいでしょうか。
まず何よりも大切なのは、すぐに謝罪して指示に従うことです。反抗的な態度を取ったり、言い訳をするのは最も避けるべき行動です。たとえ言葉が通じなくても、申し訳ない表情を浮かべ、「Sorry」やインドネシア語の「Maaf」(マアフ-ごめんなさい)と言いながら、速やかにタバコの火を消しましょう。たいていの場合、素直に謝れば厳重注意で済むことが多いです。
ただし、特に悪質と認定された場合や、寺院のような厳かで神聖な場所での注意を無視した際には、罰金を請求される可能性があります。その際は、相手が正式な警察官なのか、地域の関係者なのかを見分ける必要がありますが、観光客にとって現場で正確に判断するのは難しいでしょう。もし高圧的な態度で不当に高額な金銭を要求された場合は問題ですが、条例に基づく罰金(通常は数千円から1万円程度の範囲で提示されることが多いです)であれば、その場で支払ってしまう方がトラブルを長引かせず、以降の旅行をスムーズに進めるためには賢明な選択と言えます。
最も有効な対策は、そもそもこうした状況に陥らないことです。「ここで吸っても良いのかな?」と少しでも迷いがある場合は、吸わない勇気を持つことでトラブルを未然に防げます。
タバコやライターを紛失・忘れた場合
深刻なトラブルではありませんが、意外に焦ってしまう場面の一つです。愛用のタバコやライターをホテルに置き忘れたり、どこかで紛失したりしても心配はいりません。先に述べた通り、バリ島ではコンビニや多数の小さな商店でタバコもライターも容易に手に入ります。ライターはインドネシア語で「Korek api」(コレッ アピ)と言い、レジで「コレッ アピ」と言えばすぐに通じます。価格も数十円程度ととても安いです。むしろ、これをきっかけに現地のクレテックタバコを試してみるのも、旅の楽しみの一つとしておすすめです。
愛煙家におすすめのバリ島での過ごし方

ルールやマナーの話題が続きましたが、バリ島は愛煙家が楽しめない場所というわけではありません。むしろ、ポイントさえ押さえれば、日本以上に自由で心地よい喫煙体験ができると言えます。ここでは、愛煙家がバリ島をより満喫するためのコツをいくつかご紹介します。
喫煙者に配慮されたホテルやヴィラの選び方
宿泊先の選択は、愛煙家の旅の満足度を大きく左右します。特におすすめなのが、プライベートプール付きのヴィラタイプの宿泊施設です。ウブドの渓谷沿いをはじめ、スミニャックやチャングーなどのエリアには、このようなヴィラが数多く点在しています。ヴィラであれば、プールサイドやテラスなどのプライベートな屋外スペースで、周囲を気にせず好きなタイミングで一服を楽しめます。朝は鳥のさえずりを聞きながらモーニングコーヒーと共に。昼はプールで火照った体を冷やしながら。夜は満点の星空の下で静かに過ごす。そんな至福のひとときを味わえるのが、ヴィラ滞在の大きな魅力です。
ホテルを選ぶ際も、「バルコニー付き」の部屋を必須条件にしましょう。予約サイトの絞り込み機能で「喫煙可」や「バルコニー」を指定して検索してください。さらに、予約前にはホテルの公式サイトを確認したり、直接問い合わせたりして、喫煙に関する規定をしっかり把握することが、後悔しないホテル選びのポイントです。
オープンエアのカフェやビーチクラブで味わう至福の一服
バリ島の魅力の一つは、自然と一体になれるオープンエアの飲食店が豊富な点です。これらの場所は愛煙家にとってまさに天国といえるでしょう。
- ウブドの渓谷カフェ: ライステラスやアユン川の渓谷を見渡せる絶景カフェのテラス席で、心地良い風に吹かれながら過ごす時間は格別です。緑豊かな景色を眺めながらの一服は、日頃の疲れを忘れさせてくれます。
- スミニャックやチャングーのビーチクラブ: インド洋に沈む美しいサンセットが楽しめるビーチクラブは、バリの代表的なスポットのひとつ。カクテルを片手に心地よい音楽に身をゆだね、オレンジ色に染まる水平線を眺めながらタバコをふかす贅沢な時間は格別です。「Potato Head Beach Club」や「La Brisa」など、喫煙可能な屋外席が充実した人気スポットが多数あります。
- ジンバランのイカン・バカール: ジンバランビーチの砂浜にテーブルが並ぶレストラン街では、新鮮なシーフードBBQ(イカン・バカール)が楽しめます。波の音を聞きつつ、裸足で砂の感触を味わいながら、食後にゆったりと一服する時間は、バリならではの贅沢な体験です。
こうした場所では、素晴らしい景観自体が最高のおつまみになります。ただし、周囲への配慮は忘れずに。隣の席に煙が流れないように風向きを気にしたり、非喫煙者が近くにいる場合は少し席を移動したりといった細やかな気遣いが、その場の雰囲気をより快適にしてくれます。
未来のバリ島とタバコ:今後の動向と旅行者の心構え
この記事を通じて、バリ島の現状における喫煙事情について、かなり詳細に理解いただけたのではないでしょうか。しかしながら、ルールは常に変わり続けるものです。インドネシア政府は国民の健康促進を重要政策として掲げており、今後、タバコの価格引き上げや広告の規制、禁煙エリアのさらなる拡大など、より厳格な規制が導入される可能性が高いと考えられます。
さらに、バリ島自体も「クリーンで健康的、かつサステナブルな観光地」としてのブランド価値を一層高めようとしています。これは、ごみ問題への取り組みやオーガニック志向の飲食店の増加といった、島全体に見られる大きな潮流の一部です。喫煙に関するルールも、その流れに合わせて今後ますます厳しくなることが容易に想像できます。
だからこそ、私たち旅行者には最新情報を常に入手し、それに柔軟に対応する姿勢が求められます。渡航前には、在インドネシア日本国大使館の海外安全情報や、インドネシア政府観光局の公式ウェブサイトなどで、現地の法律や規制に関する最新情報を確認する習慣をつけるとよいでしょう。
何よりも大切なのは、私たちが「訪問者」であるという自覚を忘れないことです。私たちは美しいバリという島とその文化を体験させていただくゲストです。ゲストである以上、その土地のルールを尊重し、敬意を払うのは当然のこと。喫煙が非喫煙者にとって迷惑となり得ること、そして島の神聖な自然や文化を損なう可能性があることを常に心に留めておく必要があります。
ルールを守り、マナーを徹底する。携帯灰皿を持ち歩き、適切な場所で喫煙する。そのうえで、許された範囲内でバリ島の素晴らしい自然や文化とともに至福の一服を楽しむ。それができてこそ、真に旅慣れたスマートな愛煙家と言えるでしょう。このガイドがあなたのバリ島旅行を、より充実し、思い出深いものにする手助けとなれば、これ以上の喜びはありません。

