南国の太陽がじりじりと肌を焼く。広東省、その西部に位置する都市、茂名(もめい)。多くの日本人にとって、その名は広州や深圳の影に隠れ、あまり馴染みがないかもしれません。しかし、この地には「中国ライチの都」という甘美な称号と、まだ見ぬ灼熱の食文化が眠っているのです。
どうも、スパイスハンター・リョウです。世界中の「最も辛い料理」を求めて旅をするのが私の生きがい。今回は、温暖な気候と豊かなフルーツで知られるこの茂名に、あえて「激辛」の二文字を求めてやってきました。広東料理といえば、素材の味を活かした優しい味付けが主流。そんな常識を覆す、魂を揺さぶる一皿が、この地のどこかで私を待っているはず。
甘いライチの香りと、鼻腔を突き刺す唐辛子の匂い。そのコントラストに胸を躍らせながら、私の新たな冒険が始まります。まずは、この未知なる美食の地、茂名市の全体像を地図でご覧ください。
南海に抱かれた緑の都市、茂名へようこそ

広東省南西部に位置する茂名市は、南シナ海に面した美しい海岸線と緑あふれる内陸部を併せ持つ都市です。年間の平均気温は約23度と温暖な亜熱帯海洋性気候に恵まれており、通年を通して快適に過ごせるのが特徴です。この気候条件が、茂名を中国有数の果物生産地の一つたらしめています。
歴史をひもとくと、茂名は秦の時代に始まる長い歴史を有し、かつては「高州」と呼ばれていました。特に知られているのは、南北朝時代の道教の女性指導者、冼夫人(洗夫人)の出身地である点です。彼女は嶺南地域の安定と繁栄に大きく寄与し、現在も地域の人々から厚い敬意を集めています。市内には彼女を祀る廟が多く点在し、歴史の息吹を感じられる場所が数多くあります。
現代の茂名は、石油化学産業を主要産業としつつも、農業、とくに果物栽培や漁業が盛んです。市のスローガン「好心茂名(思いやりの心を持つ茂名)」が示す通り、人々の温かさもこの街の大きな魅力の一つと言えるでしょう。
日本から茂名へのアクセスと準備
茂名には国際空港がないため、日本から訪れる場合は主に広州白雲国際空港または深圳宝安国際空港を利用し、そこから高速鉄道(高鉄)に乗り換えるルートが一般的です。広州南駅や深圳北駅から茂名駅までは高速鉄道でおよそ2時間半から3時間程度かかります。中国の鉄道チケットの購入は外国人には少し複雑に感じられることがあります。
ここで最初の「Do情報」です。中国の鉄道チケットは公式アプリ「12306」による購入が可能ですが、外国人登録が少々手間取ります。そこでおすすめなのが「Trip.com(トリップドットコム)」のような旅行代理店アプリです。日本語で簡単に検索・予約ができ、パスポート情報を入力すれば電子チケットを発行できます。駅でパスポートを提示するだけで乗車できるため非常に便利です。ただし、人気路線や混雑時期はチケットがすぐに完売することが多いため、旅行の予定が決まり次第早めに予約することをおすすめします。万が一、乗り遅れや予定変更が必要になった場合も、アプリ上でキャンセルや変更が可能ですが、多くの場合は手数料が発生しますので、規約をよく確認してください。
それでは、高速鉄道の車窓から眺める亜熱帯の風景を楽しみながら、甘くてスパイシーな冒険の舞台・茂名へと旅立ちましょう。
茂名の食卓:甘さの王様と灼熱の挑戦者
茂名の食文化は、この地の気候や風土を色濃く映し出す鏡のような存在です。広東料理の繊細な技術を基盤としつつも、豊かな海の幸や南国の果実、さらに隣接する広西チワン族自治区や海南省の影響を受けて、独自の発展を遂げています。まずは、この地域の食文化を語る上で欠かせない、ふたつの特徴をご紹介しましょう。
甘みの極み:中国ライチの都が誇る最高峰の果実
茂名が世界に自信を持って送り出すのは、なんといってもライチです。栽培面積、生産量共に中国一を誇り、「中国ライチの都」と呼ばれるのも決して誇張ではありません。毎年5月から7月にかけて収穫期を迎えると、市内はライチの甘い香りに包まれ、市場には多彩な品種が勢揃いします。
代表的な品種をいくつか紹介しましょう。
- 妃子笑(フェイズーシャオ): 早生種の代表。楊貴妃がこのライチを食べて微笑んだという逸話に由来します。やや酸味があり、爽やかな甘さが魅力です。
- 桂味(グイウェイ): キンモクセイ(桂花)のような香気が特徴で、この名が付けられました。小粒で種も小さく、果肉が厚くしっかりしており、糖度の高さで非常に人気のある品種です。
- 糯米糍(ヌオミーツー): 「もち米」を意味するその名のとおり、もちもちとした食感と濃厚な甘さが際立ちます。種がほとんどないか極小で、最高級とされる品種のひとつです。
市場で購入して味わうのも良いですが、せっかくならライチ狩りに挑戦してみてはいかがでしょうか。茂名の郊外には観光客を歓迎するライチ農園が数多く点在しています。もぎたてのライチは絶品で、その場で好きなだけ食べられる農園も少なくありません。
ライチ狩りに行く際のポイント
ライチ狩りを楽しむには、事前準備が欠かせません。
- 予約: 人気の農園では予約必須の場合があります。中国語に不安があれば、現地のホテルや旅行代理店を通して予約するのが安心です。
- 服装: 農園は日差しが強く、虫もいるため、長袖・長ズボン、帽子、サングラス、歩きやすい靴を準備しましょう。虫除けスプレーや日焼け止めも忘れずに。
- 持ち物: 汗をかくこともあるのでタオルや飲料、持ち帰り用の袋(多くの農園で用意されています)があると便利です。手がべたつくため、ウェットティッシュもあると助かります。
- マナー: 木や枝を折らない、指定エリアから外れないなど基本的なルールを守りましょう。持ち帰りには別料金がかかるのが一般的なので、料金体系は事前にしっかり確認してください。
ライチは非常に鮮度が落ちやすい果物として知られ、「一日で色あせ、二日で香りが弱まり、三日で味が落ちる」と言われるほどです。最高の状態で楽しめるのは、産地を訪れた人だけの特権です。
南シナ海の恵み:電白地区の新鮮な海鮮料理
茂名の海岸部、特に電白区は新鮮な海産物の産地として有名です。広大な南シナ海からもたらされる豊かな恵みは計り知れません。地元の食堂やレストランでは、水槽で泳ぐ魚やエビ、カニを指し示し、好みの調理法で料理してもらうのが定番です。
なかでも特におすすめなのが「清蒸(チンジョン)」という調理法。新鮮な魚を丸ごと蒸し、刻んだネギや生姜をのせ、熱した油と醤油ベースのタレをかけるだけのシンプルな料理です。これは素材の新鮮さに対する絶対的な自信があるからこそ成り立つ技法で、魚の甘みと旨味が口いっぱいに広がります。
そのほかにも、ニンニクと一緒に蒸したエビの「蒜蓉蒸虾(スアンロンジョンシャー)」や、生姜とネギで炒めたカニの「姜葱炒蟹(ジャンツォンチャオシエ)」なども絶品です。潮風を感じながら海沿いのレストランで味わう海鮮料理は、茂名旅行の思い出に残ること間違いありません。
いざ実食!スパイスハンター・リョウの茂名激辛グルメ探訪

甘く芳醇なライチと新鮮な海の幸――それだけで十分に満たされる美食の町、茂名。しかし、私の旅の目的はそこに留まりません。この穏やかな食文化の影に隠された、灼熱の一皿を求めて、街の深部へと足を踏み入れました。地元の人々に話を聞きながら辿り着いた茂名の激辛料理。その壮絶なる闘いの記録を、ここに刻みます。
第一の刺客:ソウルフード「茂名撈粉」に潜む唐辛子の罠
茂名市民の定番の朝食や軽食として絶大な支持を得ているのが「撈粉(ラオフェン)」です。米粉から作られた、きしめんのように幅広く滑らかな食感の麺。これにごま油や醤油、ネギ、そして特製ダレを絡めるという、シンプルながらも奥深い一品です。
一見すると辛さを感じさせる要素はまったく見当たりません。しかし、撈粉の店のテーブルには、ほぼ例外なく自家製の唐辛子ソースやラー油が置かれています。これこそがこの料理を激辛へと変貌させる秘密の鍵なのです。
私が訪れたのは、市内で評判の老舗「周記撈粉店(仮名)」。途切れることなく客が訪れ、店内は活気に満ちあふれています。注文はいたってシンプル。カウンターで「撈粉、一份(ラオフェン、イーフェン)」と告げ、サイズを選ぶだけ。手にした真っ白な撈粉に、テーブルに置かれた鮮やかな赤い唐辛子ソースをレンゲですくい、3杯、4杯と加えていきました。店主の女性は笑いながら「そんなに入れたら食べられないよ!」と優しく忠告してくれますが、それこそが私の望みです。
よくかき混ぜて、一口。……来た!まずは米粉の優しい甘さとごま油の香ばしさが感じられます。しかし次の瞬間、舌を焼き尽くすほど鋭い辛みが襲いかかるのです。ただの「辛い」だけではなく、発酵唐辛子特有の酸味と奥深い旨みが共存しています。額から汗が吹き出し、口内はまるで火の海。しかし、箸は止まりません。撈粉のつるりとした喉越しが束の間の涼を呼び込み、次の一口を誘います。
この料理の魅力は、辛さの調節が自分でできる点にあり、激辛初心者から達人まで幅広く楽しめると言えるでしょう。ただし、調子に乗って大量投入すると、私のようにしばらく味覚が麻痺する羽目になるので要注意です。
第二の挑戦:炎の鶏料理「化州香油鶏」激辛カスタム
次に向かったのは茂名の管轄下にある県級市、化州です。ここで欠かせないのは、地元が誇る名物料理「香油鶏(シャンヨウジー)」。厳選された地鶏を特製のピーナッツ油やごま油に浸し、低温でじっくり火を通した、日本のコンフィに近い料理です。皮は艶やかに輝き、肉は驚くほど柔らかくしっとり。そのままでも絶品ですが、私はこの料理の「激辛バージョン」が存在すると聞きつけました。
化州市の街中にある、地元民しか知らないような小さな食堂。メニューには「香油鶏」とだけ書かれています。ここで旅の中国語力が試されます。「老板(ラオバン)、香油鶏ください。それと、一番辛くできますか?地元の人が食べるように、ものすごく辛くして!」とオーダーを入れます。
「老板,我要一份香油鸡。能不能做最辣的?就是本地人吃的那种,超级辣!」と表現するのがよいでしょう。
私の拙い中国語と身振り手振りに、店主はニヤリと笑みを浮かべ、厨房へと戻りました。やがて運ばれてきたのは、黄金色に輝くはずの香油鶏が、大量の刻み唐辛子、唐辛子パウダー、ラー油に沈んだ赤い悪魔のような一皿。その中に鶏肉はほとんど見えません。
一切れ箸で摘まみ上げれば、鶏の旨味を含んだ油と共に唐辛子の猛烈な香りが立ち上ります。覚悟を決めて口に運ぶと……!!しっとりした鶏肉の食感を味わう間もなく、舌も唇も喉も食道も、激痛に支配されます。これは撈粉の辛さとは質の異なる、ダイレクトで暴力的な辛味。しかし、その底には確かに、良質な鶏肉の甘みとピーナッツオイルの芳醇な香りが潜んでいます。
水を飲んでも焼け石に水で、汗は滝のように流れ出し、呼吸は荒くなる。周囲の客たちの好奇の目線が突き刺さる中、フードファイターの意地で一皿を完食。店主が親指を立てて賛辞を送ってくれました。まさにこの瞬間が、たまらない悦びです。
この激辛カスタムはメニューには載っていない場合がほとんどです。注文時に「加辣(ジャーラー/辛くして)」や「特辣(テーラー/特別に辛くして)」と伝える勇気が必要。ただし、お店によっては対応不可だったり、追加料金が発生することも。挑戦時は店の雰囲気を見極め、店主とのコミュニケーションを心がけることが肝心です。
最終決戦:高州の郷土料理「辣椒鴨」との死闘
茂名激辛旅の最後に辿り着いたのは高州(こうしゅう)市。ここに今回の旅におけるラスボスとも言える料理「辣椒鴨(ラージャオヤー)」が待ち構えています。その名の通り、唐辛子(辣椒)と鴨肉(鴨)が主役の煮込み料理です。
訪れたのは、高州市郊外にある「正宗良徳辣椒鴨(正統良徳地区の唐辛子鴨)」を謳う専門店。店先には巨大な鍋が幾つも並び、真っ赤なスープで鴨肉が煮えたぎっています。その光景だけで、尋常でない辛さが伝わってきます。
当然のごとく、一番辛い「辣椒鴨」を注文。土鍋ごと熱々の状態で提供されます。蓋を開けるや否や、むせ返るほどの唐辛子の蒸気が顔に襲いかかりました。表面はラー油の層に覆われ、その下には乾燥唐辛子、生の唐辛子、そして骨付き鴨肉がたっぷりと沈んでいます。
まずはスープから一口……もはや液体ではなく、溶岩そのもの。舌に触れた瞬間、あらゆる感覚がシャットアウトされ、痛みのみが残ります。ハバネロやジョロキアのような派手な辛さではなく、じわじわと内側からじわじわと侵食するような、深く重い辛み。漢方の香りも感じられ、もはや薬膳や毒薬とさえ錯覚しそうです。
しかしここでひるんではスパイスハンターの名がすたる。鴨肉にかぶりつきました。長時間煮込まれた鴨肉は骨からほろりと崩れ、噛みしめるたび濃厚な旨味が溢れ出します。その旨味を追いかけるように、スープの地獄の辛さが口の中を支配します。旨い。しかし痛い。痛いけれど旨い。この永遠のループ。
辛さの緩和を狙って追加したご飯も焼け石に水、むしろ米の甘みが唐辛子の激辛さを際立たせてしまいました。そこで地元民が飲んでいた甘い冬瓜茶を真似て注文。この優しい甘みが、荒れ狂う口内に唯一の癒しのオアシスとなりました。
完食後、私はしばし動けず。胃腸の中で鴨と唐辛子が暴れまわり、体中の毛穴から汗が止まらず噴き出し続けています。これこそが、私が追い求めた激辛の彼方。穏やかな茂名の気候の中に育まれた、凶暴なまでの料理。まさに食文化の奥深さを体感した瞬間でした。茂名、恐るべし。
灼熱の舌を癒やす、茂名の絶景とオアシス
激辛料理との闘いを終えたあとは、心身を癒す時間が必要です。幸いなことに、茂名には豊かな自然と美しい景観が広がっています。舌のヒリヒリを鎮めながら巡りたい、おすすめの観光スポットを紹介します。
南シナ海が一望できる絶景スポット「中国第一灘」
茂名市電白区にある「中国第一灘(中国第一滩旅游度假区)」は、その名の通り、中国屈指の美しさを誇るビーチリゾートです。約12kmにわたって続く白砂の浜辺は非常に細かく、裸足で歩くと心地よさを感じられます。果てしなく広がる青い海と空のコントラストは、まさに息をのむ風景です。
ここは単なる景色鑑賞の場ではありません。海水浴はもちろん、バナナボートやジェットスキーなどのマリンスポーツも満喫できます。ビーチ沿いには海鮮レストランやカフェ、ホテルが立ち並び、一日中ゆったりと過ごせます。特に夕方、水平線に沈む夕日は格別で、激辛チャレンジで疲れた体をオレンジ色の空と優しい波音が包み込んでくれるでしょう。
ビーチ利用に関するポイント
- 遊泳エリア: 安全のため、遊泳が許可されている範囲は限られています。監視員がいるエリア内で泳ぐように心がけてください。波が高い日や悪天候の日は遊泳禁止になることもあるため、現地の案内表示や指示を必ず守りましょう。
- 持ち物: 強い日差し対策として、日焼け止め(SPF50+推奨)、帽子、サングラスは必携です。ビーチサンダルや水着、タオルも忘れずに持参してください。貴重品はホテルのセーフティボックスに預け、ビーチには必要最低限の現金だけ持っていくのが安心です。
- 施設: シャワーや更衣室は有料である場合が多いため、小銭を用意しておくと便利です。
この美しいビーチは、激辛の思い出を最高のリフレッシュ体験へと変えてくれる理想的なクールダウンスポットです。
手つかずの自然が広がる楽園「放鶏島」
よりアクティブに自然を満喫したい方には、「放鶏島(放鸡岛海洋度假公园)」がおすすめです。電白区の博賀港からフェリーで約30分の場所にあるこの島は、広東省内でも人気のダイビングスポットとして知られています。
島の周囲はサンゴ礁に囲まれ、透明度の高い海には色彩豊かな熱帯魚が泳いでいます。ダイビングやシュノーケリングのツアーに参加すれば、美しい海中世界を間近に体験可能です。ライセンス不要の体験ダイビングコースも用意されているため、初心者の方も安心して楽しめます。
島内には奇岩が連なる海岸線をめぐるハイキングコースや、海を見渡す絶景の展望台、宿泊可能なリゾートホテルもあります。都会の喧騒から離れて過ごすこの島での時間は、まさに非日常。激辛とは異なる、自然の刺激が五感を豊かにしてくれるでしょう。
放鶏島へのアクセス情報
- フェリーチケット: 博賀港のフェリーターミナルで購入可能ですが、観光シーズンは混雑します。事前に公式サイトや旅行代理店のサイトで、フェリーと入島料がセットになったチケットを予約しておくと安心です。
- 島内の移動: 島は広いため徒歩だけでの移動は大変です。観光用の電動カートが巡回しており、これを利用するのが便利。一日乗り放題チケットの購入がおすすめです。
- 公式サイトの活用: フェリーの運行状況やアクティビティ料金などは、放鶏島の公式サイトで確認できますが、中国語のみの場合が多いです。翻訳ツールを利用するか、旅行代理店に問い合わせると確実です。天候不良でフェリーが欠航することもあるため、出発前に運行状況を必ずチェックしましょう。
茂名旅行を成功させるための実用ガイド

ここまで茂名の食や観光の魅力についてご紹介してきましたが、最後に皆さまの旅行がより快適かつスムーズに進むよう、実用的な情報をまとめてお伝えします。
中国旅行の必須準備
- ビザ: 日本国籍の方が観光目的で中国に滞在する場合、滞在日数によってビザの取得が必要かどうかが異なります。渡航前に、必ず在広州日本国総領事館など公的機関の最新情報を確認してください。ビザの規定は頻繁に変更されることがあるため、十分注意が必要です。
- 通信環境(VPN): 中国ではGoogleやX(旧Twitter)、Facebook、Instagram、LINEなど、多くの海外のウェブサイトやSNS、アプリへのアクセスが制限されています。これらを利用するには、VPN(Virtual Private Network)サービスが欠かせません。日本にいるうちに信頼できるVPNサービスに契約し、スマートフォンやパソコンに設定しておくことをおすすめします。
- 決済方法: 中国ではキャッシュレス決済が非常に普及しており、Alipay(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)が主流です。最近では、多くの外国人旅行者がクレジットカードを連携させてこれらのサービスを利用できるようになってきましたが、まだ一部の店舗では使えないことがあります。念のため、少額の現金(中国元)も手元に用意しておくと安心です。
- 海外旅行保険: 慣れない土地での体調不良や怪我、盗難などのトラブルに対応できるよう、海外旅行保険への加入は必須です。特に辛い料理に挑戦される方は、万が一の胃腸トラブルに備え、キャッシュレスで医療サービスを受けられる保険を選ぶと安心感が増します。
トラブル発生時の対応
- 体調不良: 無理をせずホテルで休息を取りましょう。症状が重い場合は、ホテルのフロントに相談し、近隣の病院を紹介してもらってください。その際にはパスポートと海外旅行保険の証書を忘れずに持参しましょう。
- 紛失・盗難: パスポートを紛失した場合は、すぐに最寄りの公安局(警察)へ届け出て紛失証明書を発行してもらいます。その後、管轄の日本国総領事館で「帰国のための渡航書」を発給してもらう必要があります。クレジットカードをなくした場合は、速やかにカード会社の緊急連絡先へ連絡し、カードの利用停止手続きを行ってください。
- 緊急連絡先: 警察は「110」、消防は「119」、救急は「120」です。これらの番号を覚えておくと、万が一の時に役立ちます。
万全の準備と知識が、安心して楽しい旅を過ごすための大切な土台となります。これらの情報を参考に、あなただけの充実した茂名旅行を計画してみてください。
南国の風が運ぶ、甘美と灼熱の記憶
広東省茂名――旅の始まりに抱いていたのは、甘いライチの香りと穏やかな南国の風景でした。しかし、旅の終わりに刻まれた記憶は、それだけに留まりません。
滑らかな撈粉の中に隠された、計算し尽くされた唐辛子の鋭い刺激。しっとりとした香油鶏に絡む、容赦なく襲いかかる激しい辛さ。そして、魂の奥底まで震わせる辣椒鴨の、暴力的ながらも深みのある旨味。茂名の激辛料理は単なる辛さを超え、その土地の食材を熟知し、人々の暮らしと深く結びついた揺るぎない文化と哲学を感じさせるものでした。
激辛の戦いを乗り越えた後に味わう、もぎたてのライチの透き通る甘み。灼熱に腫れた舌を癒す、南シナ海から吹く優しい潮風。甘さと辛さ、静と動といった対極の体験を経てこそ、茂名という街の真の魅力、その懐の深さを実感できたように思います。
地元の人々の「好心(親切な心)」に触れ、豊かな自然に抱かれ、そして未知なる味覚の頂点に挑む。茂名は、ありふれた観光地とは一線を画す、生々しい感動に満ちた場所でした。この旅の記録が、あなたの冒険心に火を灯すきっかけになれば、これ以上の喜びはありません。中国の広大な食文化については、中華人民共和国文化観光部の公式サイトでも多彩な情報が公開されていますので、ぜひご覧ください。
さて、激烈な辛さへの挑戦を終えた私の胃は、今まさに燃え盛る情熱……いや、正直に言えば悲鳴をあげています。世界中の過酷な食と戦うスパイスハンターにとって、信頼できる味方は欠かせません。私の相棒は、複合的な胃の不快感に働きかける総合胃腸薬です。生薬成分が弱った胃の働きを助け、胃酸を調整する成分が荒れた粘膜の修復と保護をサポートしてくれます。食前・食後を問わず服用できるタイプなら、突発的な激辛との遭遇にも即座に対応できるため、旅の守り神として常に携帯しています。皆さんも、美食の冒険に出かける際は、自分に合った胃腸薬を忘れずに用意してください。

