「飛ばねぇ豚はただの豚だ」。スタジオジブリが誇る名作「紅の豚」で、主人公ポルコ・ロッソが放ったこのセリフは、多くの人の心に自由への憧れを刻み付けました。1920年代末、ファシズムの足音が聞こえ始めたイタリア・アドリア海。空賊たちが闊歩し、飛行艇乗りたちが最後の自由を謳歌した時代。そんなロマンと冒険に満ちた世界に、一度は飛び込んでみたいと思いませんか?
こんにちは。アパレル企業で働きながら、長期休暇を見つけては世界の街角へ繰り出す旅ライターの亜美です。今回は、長年の夢だった「紅の豚」の聖地巡礼の旅について、私の体験とリサーチを織り交ぜながら、皆さんが次の一歩を踏み出せるように、具体的で実践的な情報と共にご紹介します。この記事を読めば、ポルコが愛したアドリア海の青、ジーナの歌声が響くテラス、そして空賊たちの喧騒が聞こえてきそうな古都の風景が、ぐっと身近に感じられるはずです。さあ、一緒に大空と海の冒険へ出かけましょう。
旅の後には、アドリア海の風を感じながら、イタリアの食文化の深淵に触れるピザの隠れた名店と歴史を巡る旅もいかがでしょうか。
「紅の豚」の舞台、アドリア海へようこそ

物語の舞台は、第一次世界大戦後のアドリア海です。経済不況の影が広がり、人々が未来への不安を抱える中、飛行艇の操縦士たちは賞金稼ぎとして大空を駆け抜けていました。本作が描くのは、特定の国や都市ではなく、「アドリア海」全体というひとつの文化圏そのものです。かつてヴェネツィア共和国が「アドリア海の女王」と称されて栄えたこの海域には、イタリア、スロベニア、クロアチア、モンテネグロといった国々が面し、多様な文化が交じり合う魅力的な場所となっています。宮崎駿監督がこの地を選んだのは、歴史のロマンや時代の移り変わりに漂う哀愁、そして何より空と海の圧倒的な美しさに惹かれたからにほかなりません。
この聖地巡礼の旅は、単にアニメのシーンと同じ風景を見つけるだけにとどまりません。ポルコが生きた時代の空気を肌で感じ、ジーナが待つホテルのテラスで風を受け、空賊たちが集う港町の賑わいに触れてみることです。それこそが、映画の世界観に全身で浸り、五感をフルに活用する体験といえるでしょう。歴史と文化、そして息をのむほどの絶景が、あなたを待っています。旅支度を整えながら、まずは物語の背景に心を馳せてみてください。そうすれば、これから巡る一つひとつの場所が、より深く、より鮮やかに心に刻まれるに違いありません。
ポルコの隠れ家は実在する?ギリシャ・ザキントス島のナヴァイオビーチ
「紅の豚」の聖地と言えば、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、ポルコが昼寝をしたり愛機サボイアS.21の整備をしていたあの秘密の隠れ家でしょう。三方を切り立った断崖に囲まれ、エメラルドグリーンの海にぽつりと浮かぶ白い砂浜。この幻想的な景観のモデルとして最も有力視されているのは、ギリシャのイオニア海に浮かぶザキントス島にある「ナヴァイオビーチ」です。
別名「シップレック・ビーチ(難破船の浜)」とも呼ばれるこのスポットには、1980年に密輸船が座礁し、今もその錆びた船体が砂浜に残されています。映画の中に難破船は登場しませんが、隔絶された秘境の雰囲気と美しい海の色合いは、まさにポルコのアジトそのものです。展望台から見下ろす景色はあまりの美しさに息を呑むほど。コバルトブルーからターコイズ、さらにはエメラルドグリーンへと変化する海のグラデーションは、自然が生み出した究極の芸術作品といえるでしょう。
【実践ガイド】ナヴァイオビーチへのアクセス詳細
この絶景に辿り着くには少々の冒険が必要ですが、その価値は十分にあります。
旅のステップ:ザキントス島へのアクセス
- 飛行機がおすすめ:日本からギリシャの首都アテネへ飛び、そこから国内便でザキントス国際空港へ向かうのが一般的かつ最速のルートです。アテネからのフライトはおよそ1時間。夏季はヨーロッパ各地からザキントス島への直行便も多く運航されています。
- 陸路とフェリーも可能:アテネから長距離バスでキリニ港へ約4時間で移動し、そこからフェリーでザキントス島へ約1時間の航海という方法もあります。ゆったりとギリシャの風景を楽しみながらの旅を望む方に最適です。
島内移動とボートツアーの利用
ナヴァイオビーチへは陸路でのアクセスはできないため、必ずボートツアーに参加する必要があります。島の北部にあるポルト・ヴロミやアギオス・ニコラオスといった港から多くのツアーボートが出航しています。
- チケットの入手方法:ツアーは事前にオンライン予約するのが確実です。特に観光シーズンの夏は混雑するため、早めの手配をお勧めします。「Navagio Beach Tour」などのキーワードで検索すると、多数のツアー会社が見つかります。料金はツアーの内容(他の観光スポットの訪問や滞在時間)によって異なりますが、30ユーロ前後が相場です。もちろん現地の港やリゾートのツアーデスクで直接申し込むことも可能です。
- レンタカー利用も便利:島内の港や展望台にアクセスする際、レンタカーが最も自由で便利です。国際運転免許証を必ず用意しましょう。ただし、島の道路は狭く曲がりくねっているため、安全運転が求められます。
【重要情報】ナヴァイオビーチの現状と注意点
近年、地滑りの危険性が指摘され、安全確保のためビーチへの上陸が一時的に制限される場合があります。旅行を計画する際は、必ず最新情報を確認してください。ギリシャ政府観光局公式サイトなどで現地の規制状況をチェックすることが重要です。
- もし上陸禁止でも気落ちしないで:ビーチに立ち入れなくても、ボートで入り江のすぐ近くまで接近可能ですし、なによりも崖の上の展望台からの眺望は一生の思い出となるでしょう。誰もいない手つかずのビーチは、むしろポルコの隠れ家の神秘性をより一層引き立てています。
【持ち物リストと準備】
ボートツアーやビーチ周辺で快適に過ごすため、以下の持ち物を準備しましょう。
- 水着とタオル:ツアーによっては泳げる時間があります。あらかじめ服の下に着ておくとスムーズです。
- 日焼け防止グッズ:帽子、サングラス、日焼け止めは必須です。地中海の日差しは強烈なので万全の対策を。
- 羽織るもの:船上は風が強く冷えることも多いため、薄手のカーディガンやパーカーがあると重宝します。
- 防水カメラやスマホケース:美しい海の風景を撮影するために。水しぶきがかかる場合もあるため、防水対策を忘れずに。
- 酔い止め薬:船酔いしやすい方は、あらかじめ服用しておくと安心です。
- 少額の現金:船内で飲み物を買う際などに備え、現金を少し持っておくと便利です。
【トラブルに備えるためのポイント】
- 天候によるツアー中止に注意:海のコンディションは変わりやすく、悪天候でツアーがキャンセルになることもあります。予約時にはキャンセルポリシー(返金や日程変更の可否)を必ず確認してください。信頼できるツアー会社ならスムーズに対応してくれます。
- 代替プランを用意する:万が一ツアーが中止になった場合に備え、島内の他の美しいビーチ(ジェラカスビーチやポルト・リニオナスなど)を訪れたり、ザキントスタウンを散策したりするプランを用意すると旅の満足度を保てます。
アドリア海の女王、空賊が闊歩した街並みへ – クロアチア・ドゥブロヴニク

ポルコが情報収集を行い、空賊たちが集った活気あふれるアドリア海沿岸の港町。そのモデルとされるのが、「アドリア海の真珠」と称されるクロアチアのドゥブロヴニクです。オレンジ色の屋根瓦が連なる旧市街は、堅牢な城壁にぐるりと囲まれており、中世へタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。この町並みを見下ろせば、赤い飛行艇が青空を横切る光景が鮮明に浮かび上がります。
旧市街のメインストリートであるプラツァ通り(ストラドゥン)は、大理石が磨き上げられ、太陽の光を受けて輝いています。昼間は世界中から訪れる観光客で賑わい、夜にはライトアップされて幻想的な雰囲気に変わります。一歩裏路地に入ると、迷路のような石畳の道が続き、レストランのテラス席からは楽しげな会話が聞こえてきます。まるで映画のワンシーンのように、どこからかマンマユート団が顔をのぞかせそうな、そんなワクワクする空気が街全体に満ちています。
【実践情報】ドゥブロヴニク旧市街の散策ガイド
この美しい街を存分に満喫するためのポイントをいくつかご紹介します。
城壁ウォークは必ず体験したい
ドゥブロヴニクを訪れた際は、旧市街を囲む城壁を歩く「城壁ウォーク」は欠かせません。全長およそ2kmの城壁からは、オレンジ色の屋根とアドリア海の青が織りなす絶景を360度楽しめます。ポルコの視点になって、眼下に広がる街並みをじっくり眺めてみてください。空を飛ぶことの自由さや素晴らしさをきっと実感できることでしょう。
- チケット購入の流れ:城壁の出入口は複数ありますが、メインはピレ門の近くです。チケットは現地の窓口で購入できますが、近年はオンライン予約も可能な場合が多いので、公式サイトを事前に確認すると便利です。
- 訪問に適した時間帯:夏の昼間は日差しが強く、城壁上にはほとんど日陰がありません。体力を温存するためにも、比較的涼しい早朝か夕暮れ時の訪問がおすすめです。夕陽に染まる街並みは特に美しいです。
準備しておくと良いもの
- 歩きやすい靴:旧市街は石畳で、城壁には階段が多いため、スニーカーなど歩きやすい靴を選ぶのがベストです。
- 十分な水分補給:特に夏場は脱水症状を防ぐため、水のボトルを持参しましょう。城壁上のカフェもありますが、値段は割高です。
- 帽子とサングラス:強い日差しを遮るために必須アイテムです。
ドゥブロヴニク・パスの活用法
城壁以外にも市内の博物館や美術館を訪れる予定がある場合は、「ドゥブロヴニク・パス」が便利でお得です。城壁の入場料に加え、主要観光スポットの入場や公共交通機関の利用が含まれています。1日券、3日券、7日券が用意されており、滞在期間に応じて選択可能です。観光案内所やオンラインで購入できます。
【治安情報と女性のための安全対策ポイント】
ドゥブロヴニクは比較的安全な街ですが、世界的な観光地であるためスリや置き引きには注意が必要です。
- 貴重品の管理:バッグは体の前で抱えるように持ち、混雑した場所では特に注意しましょう。リュックの場合は貴重品を奥深くにしまうか、小さなバッグを利用するなど工夫が必要です。パスポートや多額の現金はホテルのセーフティボックスに預けておくのが基本です。
- 夜間の路地裏に注意:旧市街の路地は趣がありますが、夜間に一人で人通りの少ない暗い道を歩くのは避けましょう。明るく賑わうメインストリートを選んで移動することをおすすめします。
- 親切すぎる接客には注意を:親しげに話しかけてきて、不当な料金を請求する悪質な客引きがまれに存在します。少しでも怪しいと感じたら、はっきりと断る勇気を持ちましょう。
【服装に関する注意点】
ドゥブロヴニク旧市街では、特に教会や修道院など宗教施設を訪れる際に服装の配慮が求められます。
- 露出を控える:フランシスコ会修道院などを見学する場合、肩や膝を露出する服装(タンクトップやショートパンツなど)は入場を断られることがあります。薄手のカーディガンやストールを一枚持っておくと、さっと羽織れて便利です。このマナーはイタリアやギリシャの教会でも共通していますので、覚えておくと安心です。
ジーナが歌声を響かせたホテル・アドリアーノを探して
飛行艇乗りたちの憧れの的であり、毎晩その美しい歌声で訪れる客を魅了していたジーナが経営していた「ホテル・アドリアーノ」。残念ながら、このホテルを具体的にモデルにした実在の建物はないとされています。しかし、映画の中に描かれたような、アドリア海に面した優美なテラスを備え、昔ながらの気品が漂うホテルは、この地域に確かに存在しています。
物語の背景となる1920年代から30年代は、ヨーロッパの富裕層がリゾート地で長期休暇を楽しむ「グラン・ツーリズム」が盛んだった時代です。ヴェネツィアやアドリア海沿岸には、そうした訪問者たちを迎え入れるための豪華なホテルが次々と建設されました。ジーナのホテルのように、庭園には色とりどりの花が咲き乱れ、テラスでは紳士淑女が談笑する…そんな雰囲気を味わえるスポットをいくつかご紹介します。
候補1:水の都ヴェネツィアの伝統的な名門ホテル
アドリア海の宝石と称されるヴェネツィアには、歴史的価値と気品を兼ね備えたホテルが数多く存在します。例えば、サン・マルコ広場のすぐそばに位置する「ホテル・ダニエリ」は、14世紀の宮殿を改装した最高級の宿泊施設です。その壮麗なゴシック建築と運河を望むレストランテラスは、まさにジーナの世界そのもの。ここでアペリティーボを片手に夕暮れの運河を眺めれば、どこからかジーナの歌う「さくらんぼの実る頃」が聞こえてくるかもしれません。
候補2:クロアチア・スプリトの宮殿風ホテル
クロアチア第2の都市であるスプリトは、古代ローマ皇帝ディオクレティアヌスの宮殿がそのまま旧市街となっている、世界でも珍しい場所です。この歴史的な宮殿の石造りの壁の内側に、多数のホテルやレストランがひっそりと存在しています。「ホテル・アドリアーノ」のような広大な海辺の庭園はありませんが、重厚な石造りの中庭にあるカフェや、古代の柱が残るレストランで過ごす時間は、映画の持つ歴史の趣やロマンを感じさせてくれるでしょう。
【実践的なヒント】憧れのホテルで過ごす優雅なひととき
高級ホテルに泊まるのは予算的に難しい…という方も、その雰囲気を味わう方法はたくさんあります。
- カフェやバーの利用:多くのホテルは宿泊客以外でもラウンジやバー、レストランが利用可能です。朝食やランチ、さらには夕食後のカクテル一杯でも、その特別な空気感に触れるには十分でしょう。ジーナのように、庭園が見えるテラス席で過ごす午後の時間はいかがですか。
- ドレスコードに気を配る:アパレル勤務の立場から言えば、ここはぜひファッションを楽しんでいただきたいポイントです。高級ホテルのバーやレストランによっては、スマートカジュアルなどのドレスコードが設けられていることがあります。Tシャツや短パン、サンダルは避け、男性なら襟付きシャツにスラックス、女性ならワンピースやブラウスにスカートなど、少しきちんとした装いを心がけましょう。旅の特別な思い出になりますし、その場にふさわしい格好は気分も高めてくれます。
- 賢い予約を心がける:食事を楽しみたい場合は、公式サイトや予約サイトからの事前予約をおすすめします。特に眺望の良いテラス席は人気が高いため、早めに確保しておくと安心です。
ジーナがポルコを待ち続けたあの庭で、あなたも大事な人を想うひと時を過ごす。そんなセンチメンタルな時間こそ、この旅の醍醐味のひとつかもしれません。
ポルコの飛行艇サボイアS.21の故郷?イタリアの航空技術

「紅の豚」のもう一人の主人公とも言えるのが、ポルコの愛機である鮮やかな赤の飛行艇「サボイアS.21」です。その滑らかなシルエットと力強いエンジン音は、多くのファンの心を魅了してやみません。実はこの架空の機体には、モデルとなった実在の飛行艇があります。それが、イタリアのマッキ社が開発したレーサー飛行艇「マッキ M.33」です。
1920年代、イタリアは航空技術の最前線を走る国の一つでした。特に水上機や飛行艇の分野では、スピードを競う国際レース「シュナイダー・トロフィー・レース」において優れた成績を収めています。劇中でポルコがピッコロ社の工場主やフィオと共に機体の修理や改造に取り組む場面は、当時のイタリアにおける卓越した職人技術や航空技術に対する熱意を巧みに表現しています。
当時のイタリア航空史の息遣いを感じたい方は、ぜひ博物館を訪れてみてください。ミラノに位置する「レオナルド・ダ・ヴィンチ記念国立科学技術博物館」はイタリア最大級の科学技術博物館で、航空機コーナーも充実しています。残念ながらサボイアS.21そのものは展示されていませんが、同時代の飛行機や実物のエンジンを通じて、ポルコたちが生きた時代の技術力や空への夢を肌で感じられます。
【実践情報】博物館で知的好奇心を満たす
ミラノへ訪れた際には、ぜひ旅程に組み込んでみましょう。
- チケットの購入方法:公式サイトでのオンライン予約が最も便利かつ確実です。希望する日時を指定して予約できるため、混雑を回避して入場が可能です。当日券も窓口で購入できますが、特に週末は長い列ができることがあります。
- アクセス方法:ミラノの中心地、ドゥオーモから比較的近く、地下鉄M2線の「S. Ambrogio」駅が最寄り駅です。ミラノ中央駅からの乗り継ぎも簡単でアクセスしやすいです。
- 見どころと楽しみ方:航空機セクションはもちろんのこと、館内は広大で、レオナルド・ダ・ヴィンチの発明品の模型や鉄道、船舶、宇宙開発にいたるまで多彩な展示があります。時間にゆとりをもって訪れ、興味のある分野をじっくりと巡るのがおすすめです。特に、ダ・ヴィンチのスケッチを元に復元された模型の数々は、その天才的な発想を改めて感じさせてくれます。
- 持ち込みに関するルール:館内での飲食は指定エリアのみ可能です。また、大きなリュックサックなどは入口近くのロッカーに預ける必要があります。身軽な服装で快適に見学しましょう。
飛行艇の優美なデザインやエンジンの咆哮は、イタリアが誇るデザイン文化と職人の魂の結晶です。博物館でこれらの一端に触れることで、「紅の豚」の世界がより立体的でリアルに感じられるに違いありません。
聖地巡礼のプランニングと準備 – 旅を最高のものにするために
これまでにご紹介した聖地は、ギリシャ、クロアチア、イタリアと複数の国にまたがっています。全部を一気に巡るとなると大規模な旅になりますが、ポイントを絞れば十分実現可能です。最高の旅にするためには、綿密なプランニングと準備が欠かせません。
モデルルートのご提案
- アドリア海周遊/10日間プラン
- 1〜2日目:イタリア・ミラノに到着。市内観光やレオナルド・ダ・ヴィンチ記念国立科学技術博物館を見学。
- 3〜4日目:ミラノから鉄道でヴェネツィアへ移動。水の都を散策し、ジーナのホテルの雰囲気を堪能。
- 5〜7日目:ヴェネツィアから空路でクロアチア・ドゥブロヴニクへ。旧市街と城壁をじっくり巡る。
- 8〜9日目:ドゥブロヴニクから空路でギリシャのザキントス島へ。ナヴァイオビーチのボートツアーに参加。
- 10日目:ザキントス島からアテネ経由で帰国。
- クロアチア&ギリシャ重点/7日間プラン
- 1日目:クロアチア・ドゥブロヴニクに到着。
- 2〜3日目:ドゥブロヴニク旧市街をゆっくり満喫し、時間があれば近郊の島へも足を伸ばす。
- 4日目:ドゥブロヴニクから空路でザキントス島へ移動。
- 5〜6日目:ナヴァイオビーチのツアー参加や島内観光を楽しむ。
- 7日目:ザキントス島から帰国の途へ。
交通手段の賢い選択法
- 国境を越える移動:格安航空会社(LCC)が多くの路線を運航しているため、都市間の移動は飛行機が効率的です。ただし、預け荷物が有料だったり空港が市街地から離れていたりするケースもあるため、総合的なコストと移動時間を考慮して選択しましょう。
- アドリア海のフェリー:イタリア・バーリからクロアチア・ドゥブロヴニク、またはイタリア・アンコーナからスプリトへ夜行フェリーが運航しています。時間はかかりますが、船旅ならではの風情があり、宿泊費と移動費を兼ねられる点も魅力。潮風を感じながらアドリア海を渡る体験は、まさに『紅の豚』の世界に浸れる至福のひとときです。
- レンタカー利用:ギリシャのザキントス島内やクロアチアの海岸線をドライブするにはレンタカーが便利です。ただし、国際運転免許証が必要であること、ヨーロッパはマニュアル車が主流なのでオートマ車を希望する場合は早めの予約が必須です。
持ち物リスト【必需品&あると便利なグッズ】
- 必須アイテム:パスポート(有効期限を必ず確認)、航空券(eチケット)、現金(ユーロ)、クレジットカード(複数枚あると安心)、海外旅行保険証。
- 服装:季節に合った衣類に加え、朝晩の冷え込みや冷房対策の羽織もの、少しフォーマルな場に対応できるワンピースやシャツ、水着、歩きやすいスニーカー、そしてお洒落なレストラン向けの靴。
- 便利アイテム:変換プラグ(CタイプまたはSEタイプが主流)、モバイルバッテリー、日焼け止め、サングラス、帽子、常備薬(胃腸薬や頭痛薬など)、ジップロック(濡れた物の収納や小物整理に便利)、エコバッグ(レジ袋が有料の店舗が多いため)。
- 安全対策グッズ:セキュリティポーチ、ワイヤーロックなど、スリ対策に役立つアイテム。
旅の計画を練る時間は、期待と喜びに満ちた最高の時間です。お気に入りの映画のサウンドトラックをかけながら、地図を広げてあなただけの聖地巡礼ルートを描いてみてください。
旅の安全とトラブル対策 – 女性ひとり旅でも安心なアドバイス

冒険には、わずかな緊張感と入念な準備が欠かせません。特に女性が一人で旅をする場合は、安全面への配慮がいっそう重要です。しかし、押さえるべきポイントを理解していれば、過度に不安になる必要はありません。安心して旅を楽しむための、私なりのアドバイスをご紹介します。
治安状況を正確に把握する
イタリア、クロアチア、ギリシャはいずれも人気の観光地ですが、観光客を対象とした軽犯罪は残念ながら発生しています。特に駅や空港、観光地など人の集まる場所では十分な注意が必要です。
- スリや置き引き対策の基本
- 常に視界に入れる:ショルダーバッグやトートバッグは必ず身体の前に持ち、ファスナーや留め具を確実に閉めましょう。リュックは人混みでは前に抱えるのが最善です。
- 持ち物を分散する:現金、クレジットカード、パスポートは一か所にまとめず、複数に分けて管理してください。ホテルのセーフティーボックスも積極的に利用しましょう。
- 話しかけられても油断しない:複数人に囲まれて話しかけられたり、服にケチャップなどを付けられたりするのはスリのよくある手口です。注意がそらされている間に、別の仲間が貴重品を盗むことが多いので、荷物から目を離さないように心がけてください。
緊急時の連絡先を控えておく
万が一のトラブルに備え、以下の連絡先をスマートフォンのメモや手帳に記録しておきましょう。
- 日本の大使館・総領事館:パスポートを紛失した際などに相談できるほか、現地の安全情報も提供しています。各国の日本大使館のウェブサイトをブックマークしておくと安心です。在クロアチア日本国大使館のサイトなどで最新の情報を確認しましょう。
- 現地の緊急連絡先:ヨーロッパでは、多くの場合「112」が警察・救急・消防の共通緊急通報番号として使われています。
- クレジットカード紛失・盗難受付窓口:カードを紛失した時にすぐ利用停止手続きができるよう、24時間対応の連絡先を必ず控えておいてください。
海外旅行保険は「安心の盾」
「何も起きないだろう」と楽観しがちですが、旅先ではトラブルがつきものです。病気やケガ、盗難、フライトの遅延など予期せぬ事態に備え、必ず海外旅行保険に加入してください。治療費が高額になるケースもありますし、日本語サポート付きの保険なら精神的な安心感も大きく異なります。この部分は絶対に妥協しないようにしましょう。
言葉の壁も楽しむ気持ちで
現地の言葉が話せなくても心配はいりません。観光地では英語が通じることも多く、何より大切なのはコミュニケーションをとろうとする姿勢です。「こんにちは(ボンジョルノ/ドバール・ダン/ヤサス)」「ありがとう(グラッツィエ/フヴァーラ/エフハリスト)」といった簡単な挨拶だけでも、相手の表情が和らぎ、心が通じ合う瞬間が生まれます。翻訳アプリも非常に便利なので、オフラインで使える設定をしておくと安心です。
ほんの少しの勇気と準備があれば、旅はより自由で楽しいものになります。ポルコのように、自分の知恵と経験を信じて、目の前の困難を乗り越えていきましょう。
飛行艇乗りの自由な魂を胸に
「紅の豚」の舞台を巡る旅は、美しい景色を楽しむだけにとどまりません。それは、ポルコ・ロッソという一人の男の生き様に触れる経験でもあります。彼は自らに魔法をかけて豚の姿となり、国家や組織の枠組みから逃れ、自分のルールだけで大空を自由に駆け抜けました。その生き方は、息苦しい現代を生きる私たちに、「もっと自由に、自分らしく生きていいんだ」と静かに語りかけているように感じられます。
アドリア海の透き通るような青空と海を見つめると、日々の悩みが些細なものに思えてきます。ドゥブロヴニクの旧市街の喧騒の中に身を置けば、歴史の中で多くの人々が力強く生き抜いてきた息吹を感じるでしょう。そして、ジーナが待つテラスのような場所でそよ風に吹かれれば、誰かを待ちわび、誰かを思う切なさと温かさが胸に蘇るかもしれません。
この旅で出会う風景、人々、そして文化は、きっとあなたの心に新たな風を吹き込むことでしょう。旅を終えて戻るころには、少しばかり強くなった自分、そして少しだけ優しくなった自分に出会えるかもしれません。「カッコイイとは、こういうことさ」。ポルコがフィオに語った言葉のように、ぜひあなた自身の「カッコイイ」を探す旅に出かけてみてください。アドリア海の空は、いつでもあなたを迎え入れてくれます。

