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なぜベトナムの物価は安いのか?経済の仕組みから旅行術まで徹底解説!

「次の旅行は、安くて楽しくて、美味しいものがたくさん食べられる国がいいな…」そう思っているあなたに、自信を持っておすすめしたいのがベトナムです。活気あふれる市場、歴史を感じさせる街並み、そして何より、心もお腹も満たされる絶品グルメの数々。その魅力は尽きませんが、多くの旅行者を惹きつけてやまない最大の理由の一つが、その「物価の安さ」ではないでしょうか。

フォー一杯が数百円、おしゃれなカフェのコーヒーも驚くほど手頃。タクシーに気軽に乗れて、素敵なホテルにもリーズナブルに泊まれる。まるで魔法のようなこの物価の安さは、一体どこから来ているのでしょうか?「ただ安いから」で終わらせるのではなく、その背景にある経済の仕組みや文化を知ることで、あなたのベトナム旅行はもっと深く、もっと味わい深いものになるはずです。

この記事では、旅行ウェブメディアの編集長である私が、なぜベトナムの物価が安いのかという疑問を徹底的に解き明かします。経済的な背景から、その安さを120%賢く楽しむための具体的な旅行術、さらには知っておくべき注意点まで、あなたの旅を成功に導くための情報を余すことなく詰め込みました。この記事を読み終える頃には、あなたはもうベトナムの虜になり、すぐにでも航空券を予約したくなっていることでしょう。さあ、エキサイティングなベトナムの魅力と、その物価の秘密を探る旅に出かけましょう。

旅をより深く味わうには、バイクの喧騒の奥に隠されたベトナムの人々の素顔に触れてみることも一つの方法です。

目次

ベトナムの物価、驚きの実態とは?

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まずは、ベトナムの物価がどれほど安いのか、具体的なイメージをつかんでみましょう。「安い」と聞くのと実際の数字を見るのでは、感じるインパクトが大きく異なります。ここでは、日本の生活と比較しながら、その驚くべきコストパフォーマンスをご紹介します。

日本との比較!ジャンル別ベトナムの物価感覚

普段の生活と比べてみると、ベトナムの物価の安さが一層はっきりと伝わります。代表的なカテゴリーごとに、おおよその目安を見ていきましょう。価格はお店のグレードや都市によって多少前後しますが、一般的な旅行者が利用する範囲を想定しています。

  • 食費
  • ローカル食堂のフォー(米麺スープ):約30,000〜60,000ドン(約180円〜360円)です。日本では到底考えられない価格で、本格的かつ美味しい一杯を楽しめます。これがベトナムの日常です。
  • バインミー(ベトナム風サンドイッチ):約20,000〜40,000ドン(約120円〜240円)で、街角の屋台で気軽に購入できる最高のB級グルメ。朝食や軽食にぴったりです。
  • レストラン利用時の食事:少し格式のあるレストランでも、一品あたり100,000〜200,000ドン(約600円〜1,200円)程度。複数品を注文しビールを楽しんでも、一人2,000円あれば十分満喫できます。
  • ビール:現地ブランドの缶ビール(333やビアサイゴンなど)は、コンビニや商店で1本15,000ドン(約90円)前後。ローカルのビアホイでは、生ビール一杯が10,000ドン(約60円)以下と驚愕の安さで楽しめることもあります。
  • 交通費
  • タクシー・配車アプリ:タクシーの初乗りは約12,000ドン(約72円)から。配車アプリ「Grab」を利用するとさらにお得で、市内中心部の15分程度の移動なら200円〜300円で済むことが多いです。
  • 市内バス:とにかく安く移動できる手段で、1回の乗車が約7,000ドン(約42円)。ただし路線が複雑なので慣れている人向きでしょう。
  • シクロ(自転車タクシー):観光地でよく見かけるシクロは、移動手段というより体験として人気。料金は交渉制で30分なら100,000ドン(約600円)が相場ですが、乗る前に必ず料金を確認することが大切です。
  • 宿泊費
  • ゲストハウス・ホステル:ドミトリールームなら一泊500円〜1,500円程度で探せます。バックパッカーには人気の価格帯です。
  • 中級ホテル:清潔で快適な3つ星クラスのホテルでも、一泊3,000円〜6,000円ほど。プール付きの素敵なホテルもこの価格帯で見つかります。
  • 高級ホテル:日本では数万円するような5つ星ラグジュアリーホテルも、ベトナムでは15,000円〜30,000円程度で宿泊可能な場合があります。特別な記念日に利用するのもおすすめです。
  • 娯楽・その他
  • マッサージ:街中のマッサージ店なら、1時間のフットマッサージが約200,000ドン(約1,200円)から。旅の疲れを癒す至福のひとときを、この価格で味わえます。
  • 観光地の入場料:ハノイの文廟やホーチミンの戦争証跡博物館など、主要観光地の入場料は30,000〜50,000ドン(約180円〜300円)と良心的です。
  • コーヒー:ベトナムは世界有数のコーヒー生産国。おしゃれなカフェで味わうベトナムコーヒーは一杯40,000ドン(約240円)前後。濃厚なコンデンスミルク入りの「カフェスアダー」はぜひお試しいただきたい逸品です。

これらを見て、食費や交通費、宿泊費がいずれも日本の数分の一であることがお分かりいただけたでしょう。この物価の安さこそが、ベトナムが魅力的な旅先として輝く大きな理由なのです。

ローカル体験と観光客向け価格の違い

ベトナムの旅で押さえておきたいのが、「ローカル価格」と「観光客向け価格」の存在です。同じ商品やサービスでも、誰がどこで購入するかで価格が大幅に異なることがあります。

たとえば、ホアンキエム湖の近くにある洗練されたカフェで飲むカフェスアダーは70,000ドン(約420円)かもしれませんが、一本裏路地に入り、地元の人々がプラスチックの低い椅子に座って談笑するような小さな店では、同じ飲み物が25,000ドン(約150円)で飲めることもあります。味の優劣は別にして、この価格差には「場所代」や「雰囲気代」、そして「観光客向け」であることが影響しています。

市場での買い物も同様です。特にベンタイン市場(ホーチミン)やドンスアン市場(ハノイ)といった大規模な観光市場では、最初の値段が観光客向けに高めに設定されているケースが多いです。一方、地元の人が日常的に利用するローカル市場では、より正直な価格で売買されています。

これは決して「ぼったくり」というわけではなく、需要と供給の法則に基づく自然な経済活動の一部です。観光客は、清潔さ、快適さ、言葉の通じやすさといった付加価値に対してお金を払っていると考えることもできます。ポイントは、この価格差の仕組みを理解し、自分の望む体験に合った場所を選ぶことです。ローカルな雰囲気に浸りたいなら路地裏の店へ、快適さを重視するなら観光客向けのレストランへ。両方を味わえるのがベトナム旅行の面白さでもあります。

都市部(ハノイ、ホーチミン)と地方都市の物価差

日本でも東京と地方で物価が異なるのと同じように、ベトナム国内でも都市ごとに物価に差があります。経済の中心地であるホーチミンや首都ハノイは、国内でもやや高めの価格帯です。それでも日本からすれば十分に安いですが、カフェやレストラン、ホテルの料金は他の都市に比べやや高く設定されています。

一方、中部最大の都市ダナンや人気のビーチリゾート・ニャチャンは、ハノイやホーチミンに比べてやや物価が抑えられる傾向があります。さらに、ホイアン旧市街から離れたエリアやメコンデルタの玄関口カントー、山岳地帯のサパなどの地方都市に行くと、物価はさらに低くなります。

地方都市では、食費はもちろん宿泊費も格段に抑えられます。たとえば、ハノイで3,000円のホテルが、地方都市なら同じクオリティで2,000円程度で見つかる場合もあります。長期滞在やより深くベトナムを体験したい方は、大都市に加えて地方都市も訪れてみることをおすすめします。そこには大都市とは異なる、穏やかで素朴なベトナムの日常と、驚くほどコストパフォーマンスの良い世界が広がっています。

なぜベトナムの物価はこれほど安いのか?深掘り解説

ベトナムの物価が非常に安い理由について、ご理解いただけたかと思います。では、その安さの背景には何があるのでしょうか。ここからは、経済状況、産業構造、為替レートといった複数の観点からその要因を詳しく見ていきます。内容はやや専門的ですが、この理解がベトナムという国への理解を一層深める助けになるでしょう。

経済状況:発展途上国としての側面

ベトナムの物価の低さを説明する上で最も重要なのは、現在ベトナムが「発展途上国」の段階にあるということです。急成長を遂げている一方で、一人当たりの所得水準は日本などの先進国と比べて依然として低いため、物価全体が抑えられているのです。

平均所得および最低賃金

物価は、国民の所得水準と密接に結びついています。日本の平均月収が約30万円を超えるのに対し、ベトナムの都市部における平均月収は2023年のデータで約1,000万ドン、日本円に換算すると約6万円程度となっています。地方部ではこれよりもさらに低くなります。所得がこの水準であれば、物やサービスの価格もそれに合わせて設定されなければ生活が成り立ちません。

さらに、政府が定める最低賃金も物価に影響を与えます。ベトナムの最低賃金は地域ごとに4段階に分かれていますが、最も高いハノイやホーチミンの「第1地域」でも月額468万ドン(約28,000円)です。これは最低給与であり、多くのサービス価格の基盤となっています。こうした低い人件費が、飲食店の食事代やマッサージの料金、ホテルの宿泊費など、あらゆるサービスを安価に抑えているのです。詳しいデータはJETRO(日本貿易振興機構)の資料をご覧ください。

豊富な労働力

ベトナムは約1億人の人口を抱え、その平均年齢が約32歳と非常に若い「人口ボーナス期」にある国です。これは生産年齢人口が多く、社会保障負担が相対的に軽い状態を指します。若い労働力が豊富であるため、労働市場は競争が激しく、人件費が高騰しにくい構造になっています。

多くの製造業などの産業が、この安価で豊富な労働力を求めてベトナムに移転しています。工場労働者の人件費が低ければ、製品コストも抑えられます。そして、工場労働者が日常的に利用する食堂や商店の価格も、彼らの所得水準に合わせて安く設定されます。このように大量の労働力が人件費を抑制し、その影響が波及して国全体の物価を低く保つ一翼を担っているのです。

農業大国としての強み

ベトナムの物価の安さ、特に食費の低さを支えるもうひとつの大きな要因は、ベトナムが豊かな「農業大国」であるという点です。温暖な気候とメコン川の肥沃な土壌に恵まれ、多彩な農産物が国内で豊富に生産されています。

食料自給率の高さ

ベトナムは世界有数の米の輸出国であり、コーヒー豆の輸出量も世界第2位です。さらにコショウやカシューナッツの輸出も盛んで、国内で消費される米、野菜、果物、肉や魚介類の多くを自国で生産しています。そのため、食料の輸送や輸入にかかるコストが抑えられ、ローカル食堂のフォーが一杯200円程度で提供される理由のひとつとなっています。

色鮮やかなトロピカルフルーツや新鮮なハーブ、採れたての野菜が市場に豊富に並び、これらが信じられないほどの安価で購入できるのは、農業国ならではの利点です。日本のように食料の大部分を輸入に頼る国と比べると、その価格の安定性や低さは明らかです。

地産地消を基盤とした食文化

ベトナムの食文化は、豊富な農産物を活かした「地産地消」を基本としています。料理には新鮮なハーブが多用され、季節ごとの野菜や果物が日々の食卓を彩ります。屋台やローカル食堂では、その日の朝に市場で仕入れた新鮮な食材を使うのが常です。

こうした食文化は、食材の輸送や長期保存にかかる費用を減らす効果があります。食材が安価であり、同時に調理にかかる人件費も低いため、結果として料理の価格も非常に抑えられるのです。私たちがベトナムで安くて美味しい料理を楽しめるのは、この豊かな土地とそこから生まれた食文化があるからこそと言えます。

通貨「ドン」の為替レートの影響

日本人旅行者にとって、ベトナムの物価が安く感じられる大きな理由のひとつが、日本円とベトナムの通貨「ドン(VND)」の為替レートです。

日本円との為替比較

ベトナム・ドンは非常に大きな単位で知られています。2024年5月時点の為替レートはおよそ「1円 ≒ 160ドン」前後で推移しています。つまり、1万円をベトナム・ドンに両替すると約160万ドンとなり、財布が一気に厚くなる感覚が味わえます。

この為替レートにより、日本円の価値がベトナムでは相対的に高くなります。たとえば50,000ドンのフォーはベトナム人にとっては普通の価格ですが、日本円に換算すると「50,000 ÷ 160 ≒ 313円」となります。この為替差が私たちの金銭感覚をいい意味で混乱させ、ベトナム滞在をより豊かで楽しいものにしてくれるのです。ざっくり計算するときは「ゼロを2つ取って、半分より少し多め」と覚えておくと便利です(例:50,000ドン→500の半分は250、それより少し多いので約300円程度)。

為替変動の動向と将来予測

為替レートは絶えず変動しています。近年は円安傾向が続き、多くの国への旅行費用が以前より高くなっていますが、ベトナム・ドンに対しては円安の影響が比較的軽微で、日本人にとって依然として有利なレートが続いています。これは、ベトナムの経済成長に対する期待など、さまざまな要因が複合的に働いているためです。

ただし、今後ベトナムの経済成長が加速し、ドンの信頼性が高まれば、ドン高(つまり円安)が進む可能性も十分にあります。つまり「お得にベトナムを旅行できる」という現在の状況が永久に続くわけではありません。この好機を活かして、現在のうちにベトナム訪問を計画するのは賢明な選択と言えるでしょう。

「安い」を賢く楽しむ!ベトナム旅行実践ガイド

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ベトナムの物価が安い理由を理解した上で、次はそのメリットを最大限に活かし、賢く旅を楽しむための具体的な方法に目を向けてみましょう。単に安さだけでなく、安全かつ快適に過ごすための準備やテクニックが、あなたのベトナムでの体験を何倍にも豊かにしてくれます。

予算別モデルプランのご提案

どの程度の予算があればベトナムを満喫できるのか、具体的なプランを考えてみましょう。ここではスタイルの異なる2つのモデルプランを紹介します。

徹底節約!1日3,000円で過ごすプラン

バックパッカーのように現地の生活を深く体験しながら旅を楽しみたい方に向けたプランです。1日の予算を3,000円(約480,000ドン)に設定してみます。

  • 宿泊(約1,000円 / 160,000ドン): ゲストハウスやホステルのドミトリーを利用。ハノイやホーチミンの旧市街には、清潔で交流も楽しめる場所が豊富にあります。
  • 朝食(約150円 / 25,000ドン): 屋台でバインミーを買って、歩きながら味わうのも風情があります。
  • 昼食(約250円 / 40,000ドン): ローカル食堂でフォーやブンチャー(つけ麺)を楽しみましょう。地元の人に混じって食べる一杯は格別です。
  • 夕食(約400円 / 65,000ドン): ローカルなビアホイでお得な生ビールと簡単なおつまみで乾杯、またはコムビンザン(指差しで好きなおかずを選べる大衆食堂)で満腹になるのもおすすめです。
  • その他(約1,200円 / 190,000ドン): 観光地の入場料、カフェでの休憩(1〜2回)、市内バスでの移動費、ペットボトルの水代などもカバー可能です。

このプランのポイントは、食事や移動を徹底して地元スタイルに合わせること。観光客向けの飲食店を避け、地元の人が利用する場所を選ぶことで、コストパフォーマンスが高く深い体験が実現します。

少し贅沢に!1日10,000円で楽しむプラン

快適さと質の高い体験を重視しつつコスパよく贅沢を満喫したい方へ。1日の予算を10,000円(約1,600,000ドン)に設定しました。

  • 宿泊(約4,000円 / 640,000ドン): プール付きの綺麗なブティックホテルや中級クラスの快適ホテルに滞在。朝食はビュッフェでゆったり楽しめます。
  • 朝食(ホテル内): ホテルの美味しい朝食で優雅に一日をスタート。
  • 昼食(約1,000円 / 160,000ドン): SNSで話題のオシャレなレストランで洗練されたベトナム料理を堪能。
  • カフェタイム(約500円 / 80,000ドン): 眺めの良いルーフトップカフェや趣のある古民家カフェでゆっくり過ごせます。
  • 夕食(約2,500円 / 400,000ドン): 少し高級なレストランでシーフードやコース料理を楽しんだり、バーでカクテルを味わう時間もあります。
  • その他(約2,000円 / 320,000ドン): 移動は配車アプリ「Grab」を活用して快適に。90分のマッサージやスパで旅の疲れを癒し、お土産購入の予算も含まれます。

このプランの魅力は、日本でなら何倍もかかる贅沢を驚くほど手頃に体験できる点です。物価が安いからこそ、普段は躊躇してしまう一段上の体験に挑戦できるのがベトナム旅行の大きな魅力と言えます。

準備編:揃えておきたい持ち物と心構え

快適な旅は準備が鍵です。ここでは、ベトナム旅行に必須の持ち物や知っておくべきマナーを解説します。

持ち物リスト

  • 現金(ベトナム・ドンおよび米ドル): 一部の空港やホテルなどでは米ドルも通用しますが、基本はベトナム・ドンです。空港到着時に2〜3万円分を両替しておくと便利です。高額紙幣(50万ドン札など)は小規模店でお釣りがない場合もあるため、少額紙幣もバランス良く持つことが望ましいです。
  • クレジットカード: 中級以上のホテルやレストラン、大型スーパーで利用可能。VISAやMastercardが一般的で、現金不足の際に備え必ず1枚持参しましょう。
  • 海外旅行保険: 必ず加入しておくべきです。食あたりやバイク事故などの予期せぬトラブルに備えて、カード付帯保険を利用する際は内容と条件を事前に確認してください。
  • SIMカード/eSIM/ポケットWi-Fi: ベトナムにはWi-Fiが充実していますが、地図の確認やGrabの利用に備えて通信手段は必須。近年は手軽なeSIMが特におすすめです。
  • 常備薬・衛生用品: 胃腸薬、頭痛薬、絆創膏などなじみのある薬を持参しましょう。ウェットティッシュや除菌ジェルは屋台での食事前に重宝します。
  • 虫除けスプレー・かゆみ止め: 夜間や郊外では蚊が多く、デング熱のリスクもあるため肌の露出を控え、虫よけは必須対策です。
  • 日焼け止めグッズ: 帽子、サングラス、日焼け止めクリームは必須。強い日差しには十分注意してください。
  • 羽織るもの: ベトナムは年間を通して暑いイメージがありますが、冷房の効いた室内や北部の冬季(12月~2月)は肌寒く感じることも。薄手のカーディガンやパーカーがあると便利です。

服装規定とマナー

ベトナムは比較的服装に寛容ですが、寺院やホーチミン廟など神聖な場所では敬意を示す服装が求められます。タンクトップやショートパンツ、ミニスカートなど、肩や膝が露出する軽装では入場を拒まれる場合があります。訪問予定がある場合はストールや羽織りものを用意するか、ロングパンツなどを着用しましょう。

持ち込み禁止・注意点

特に注意したいのが電子タバコの持ち込みです。ベトナムでは法律上の明確な規制はなくとも、税関で没収される事例が報告されています。トラブルを避けるため持ち込まないことを強くおすすめします。詳細は在ベトナム日本国大使館の注意喚起をご確認ください。また、麻薬などの違法薬物は厳禁です。ドローンの持ち込みには事前申請が必要となります。

現地での行動編:快適で安全な旅のポイント

現地での振る舞い方次第で、旅の快適さと安全が大きく左右されます。ここではベトナムをスマートに旅するための実践テクニックをご紹介します。

両替:どこで両替するのが得か?

現地通貨ドンの入手は旅行の第一歩です。主に以下の場所で両替が可能です。

  • 空港の両替所: 到着後すぐに両替できて便利ですが、市内に比べてレートはやや劣ることが多いです。まずは交通費や食事代に当てる1万円程度を両替するのがおすすめです。
  • 銀行: レートは比較的良好ですが、営業時間が限られ、パスポート提示など手続きが若干煩雑な場合があります。
  • 街中の両替所: 観光エリアには民間の両替所が点在し、良いレートを提示することもありますが、手数料の有無などをしっかり確認してください。
  • ゴールドショップ(宝飾店): 意外かもしれませんが、ハノイのハンバック通りやホーチミンのベンタイン市場周辺のゴールドショップは非公式ながら好レートで両替できると評判です。レート表示が明確な店を選ぶと安心です。

両替後は必ずその場で金額を確認しましょう。ドンは桁数が多く間違いやすいためです。また、50万ドン札や10万ドン札といった似た色の紙幣は特に見間違いに注意が必要です。

交通手段:Grabの活用術

ベトナムの移動に欠かせないのが配車アプリ「Grab(グラブ)」です。おすすめの理由は以下の通りです。

  • 料金が明朗: 乗車前に目的地を入力すると料金が確定し、交渉やメーターの不正がありません。
  • 安全性が高い: ドライバーの顔写真、名前、車種、ナンバープレートが事前にわかり、GPSで走行ルートも記録されるためトラブルが起きにくいです。
  • 支払いがスムーズ: クレジットカードを登録すればキャッシュレス決済ができ、細かい現金のやりとりが不要になります。

日本であらかじめアプリをダウンロードし、電話番号認証とカード登録を済ませておくとスムーズです。Grabにはバイク(GrabBike)と車(GrabCar)の2種類があります。安さとスリルを求めるならバイク、安全と快適さ優先なら車がおすすめです。

買い物と値段交渉のコツ

市場や個人商店での買い物はベトナム旅の楽しみの一つです。値札がないことが多いため、価格交渉が一般的です。

  • まずは相場を把握: 同じ商品を複数の店で見ておおよその価格を知りましょう。
  • 笑顔で交渉開始: 欲しいものを見つけたら、「Bao nhiêu tiền?(バオニューティエン?/いくらですか?)」と尋ねてみましょう。
  • 希望価格を伝える:提示された価格が高いと感じたら、スマホや電卓を使って希望額を示します。通常、最初の提示額の5〜7割程度から交渉を始めるのが目安です。
  • 無理な値引きは避ける: 交渉はあくまで楽しむものです。双方が納得できる価格で気持ちよく購入するのが大切です。しつこい値引きは控え、妥協できなければ「Cảm ơn(カムオン/ありがとう)」と言ってその場を離れる勇気も必要です。スーパーマーケットやデパートでは価格交渉はできません。

知っておきたいベトナムの「安い」の裏側と注意点

物価の安さという魅力の裏側には、旅行者が留意すべき点も存在します。楽しい旅を損なわないためにも、事前にリスクを把握し、適切な対策を講じておくことが非常に大切です。

トラブル回避のコツ:代表的な事例とその対策

残念ながら、ベトナムでも観光客を狙った軽犯罪は発生しています。ただし、事前に被害の手口を知ることで、ほとんどのトラブルは回避可能です。

ぼったくりタクシーの見分け方と対策法

流しのタクシーの中には、メーターを不正改造したり、わざと遠回りする悪質な運転手が紛れています。これを避ける最も確実な方法は、先に述べた通り「Grab」アプリを利用することです。

どうしても流しのタクシーに乗る必要がある場合は、信頼度の高い大手タクシー会社(ビナサン Vinasun:白地に緑と赤のライン、マイリン Mai Linh:緑色の車体)を選ぶのが安心です。乗車時には必ずメーターの作動を確認し、怪しいと感じたらすぐに降りる勇気を持ちましょう。支払い時には「お釣りがない」と言われることもあるため、あらかじめ細かいお金を用意しておくとよいでしょう。

すり・置き引きから身を守る方法

市場やバス内、観光地の人混みでは、特にすりや置き引きに警戒が必要です。

  • バッグは前で持つ:リュックは背後ではなく前に抱え、ショルダーバッグも車道側にかけないように心がけましょう(バイクによるひったくり防止のため)。
  • 貴重品は複数に分散:パスポートや現金、クレジットカードは一つにまとめず、複数の場所に分けて持つのが基本です。ホテルのセーフティボックスも積極的に利用しましょう。
  • スマホの操作中も注意:スマートフォンを見ながら歩くと、ひったくりのターゲットになりやすいため、地図の確認をする際は一度立ち止まり、周囲に気を配ってください。

もし被害に遭った場合は、まずは身の安全を最優先し、その後に警察や在ベトナム日本国大使館・総領事館へ連絡しましょう。

体調不良時の対応

環境や食事、水の違いから体調を崩すことがあります。特に注意したいのは食あたりです。

  • 水について:水道水は絶対に飲まないようにしてください。飲料水は必ずペットボトルのミネラルウォーターを購入しましょう。氷にも注意が必要ですが、近年は衛生的な工場で作られた氷を使用する店も増えています。
  • 食事の選び方:屋台の食事は魅力的ですが、衛生面に不安があれば、客の回転が速く、調理風景が見える賑やかな店を選ぶのがおすすめです。

腹痛や発熱などの症状が出た場合は無理せず休養を取り、症状が悪化したり改善しなかったりする場合は、ためらわずに病院へ行きましょう。都市部には日本語通訳が常駐したり、海外旅行保険のキャッシュレスサービスが利用できる外資系病院もあります。事前に外務省の在外公館医務官情報で信頼できる医療機関をリストアップしておくと安心です。

旅行者として心得ておきたいマナー

私たちがベトナムの物価の安さを享受できるのは、現地の経済やそれを支える人々があるからこそ。その感謝の念と敬意を持ち、責任ある旅人として行動することが求められます。

適正価格の支払いとチップに関する心得

価格交渉は旅の楽しみですが、相手の生活がかかっていることを忘れてはなりません。数十円や数百円単位の過度な値切りは、現地の人々の生活に悪影響を及ぼすこともあります。納得できる価格であれば、気持ちよく支払うことが双方にとって良い思い出となるでしょう。

基本的にベトナムにはチップの文化はありませんが、高級レストランやスパ、ホテルのポーター、ガイドなどで特に良いサービスを受けたと感じた際には、感謝の気持ちとして料金の5〜10%程度、もしくは2万〜5万ドン程度の少額を渡すと喜ばれます。ただし、これは義務ではなく、あくまで「ありがとう」の表現です。

現地の人々への尊重

ベトナムは社会主義体制のもと、独自の文化や歴史、社会的規範を有しています。政治や戦争に関する話題は非常に繊細なため、軽率に話題にするのは避けてください。また、人を写真に撮る際には必ず一言断るのがマナーです。特に少数民族の村を訪れる際は、彼らの生活や文化を尊重する姿勢を忘れないようにしましょう。

「Xin chào(シンチャオ/こんにちは)」「Cảm ơn(カムオン/ありがとう)」など簡単な挨拶を笑顔で交わすだけでも、現地の人々との距離はぐっと縮まります。私たちは「お邪魔させていただいている」という謙虚な気持ちを持つことで、より温かい交流が生まれ、旅はさらに心に残るものになるでしょう。

ベトナム経済の未来とこれからの物価

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最後に、これからのベトナムとその物価がどのように変化していくのかについて、少し考えてみたいと思います。私たちが今見ている「安いベトナム」は、今後もずっと続くのでしょうか。

急速に進む経済発展とそれがもたらす変化

近年のベトナムは、年率6〜7%という驚異的なペースで経済を成長させています。そのため「アジアの新しい虎」として世界中の注目を集めています。海外からの投資が相次ぎ、国内では高層ビルやショッピングモールが次々と建設され、都市の風景は日々大きく様変わりしています。

この経済成長に伴って、国民の所得も着実に上がっています。最低賃金は毎年引き上げられ、中間層や富裕層の人口も増加の一途を辿っています。これは国としては喜ばしいことですが、一方で物価の上昇、すなわちインフレーションを引き起こす要素にもなっています。実際、ハノイやホーチミンの都市部では不動産価格が急騰し、数年前には想像できなかった高級レストランやブランドショップが続々とオープンしています。ローカル向けの価格はまだ安いことが多いものの、こうした一部の分野では「安いベトナム」というイメージが徐々に変わりつつあるのです。

「安いベトナム」はどこまで続くのか

経済が発展すれば、人件費が上がり、それに伴って物価も自然と上昇していくものです。かつての日本がそうであったように、また近年のタイやマレーシアと同様に、ベトナムもやがては物価が上がり、今の「信じられないほど安い」状況は変化していくでしょう。

もちろん、それがすぐに訪れるわけではありません。しかし5年後、10年後には、ベトナムの物価は今とは大きく違ったものになっている可能性があります。フォーが一杯500円になり、Grabの初乗り料金が300円になる日も、そう遠くないかもしれません。そうなれば、ベトナム旅行の魅力の質も今とはまた違った形になるでしょう。

今だからこそ味わえるベトナムの魅力

だからこそ私は声を大にして言いたいのです。「ベトナムへの旅は、今がまさに絶好のタイミングだ」と。

急速な発展の勢いと、昔ながらの素朴なアジアの風景が見事に共存している今のベトナム。洗練されたモダンなカフェのすぐ隣で、おばあさんが天秤棒を担いで果物を売る姿が見られる、そんなカオスで魅力あふれる光景こそが、今のベトナムの真髄です。

物価がまだ安いうちに、そのメリットを最大限に活かして、この国の熱気や温かさを肌で感じてみませんか。安いからといって妥協する必要は全くありません。むしろ、物価が安いからこそ選択肢が増え、普段は叶わない贅沢な体験や予想もしない冒険に挑めるのです。

この記事があなたのベトナムへの興味を刺激し、新たな旅の一歩を踏み出すきっかけになれば、これ以上の喜びはありません。さあ、パスポートを手に取り、活気と魅力あふれる国、ベトナムへと旅立ちましょう!

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この記事を書いたトラベルライター

SimVoyage編集部は、世界を旅しながら現地の暮らしや食文化を体感し、スマホひとつで快適に旅する術を研究する旅のプロ集団です。今が旬の情報から穴場スポットまで、読者の「次の一歩」を後押しするリアルで役立つ記事をお届けします。

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