コントローラーを握りしめ、蒙古の襲来から故郷を守るために戦った、あの熱い日々。武士の道に誉れを求め、あるいは冥人(くろうど)として闇に生きる道を選んだ境井仁(さかいじん)の物語に、心を揺さぶられた人は少なくないでしょう。僕もその一人。ゲーム『Ghost of Tsushima』の世界に完全に魅了され、いつかはこの物語が生まれた土地、長崎県・対馬を訪れたいと強く願っていました。
元自動車整備士という経歴を活かし、今は相棒のレンタカーと共に日本中、いや世界中を旅する日々。そんな僕にとって、対馬は単なる観光地ではありません。それは、仁が駆け抜けた草原、祈りを捧げた神社、そして仲間たちと語らったであろう美しい海岸線が実在する、まさに「冒険の舞台」そのものなのです。
この記事では、僕自身が体験した感動と興奮を余すことなくお伝えすると共に、これから対馬を訪れる未来の「冥人」たちへ向けた、実践的な旅のガイドをお届けします。アクセス方法から島内の移動術、ゲームの世界観にどっぷり浸れる聖地巡礼スポット、そして旅を120%楽しむための準備や心得まで。元整備士ならではの視点で、対馬の道を安全かつ快適に走破するコツも伝授します。
さあ、画面の向こう側へ。僕と一緒に、風と誉れの島、対馬への旅に出かけましょう。
対馬への旅路の拠点となる福岡での滞在を検討している方には、福岡グルメの旅プランも役立つかもしれません。
誉れの島へ:対馬へのアクセス完全攻略

物語の始まりは、まず対馬へ渡ることから始まります。本土から約130km離れた国境の島へは、空路と海路という二つの交通手段があります。それぞれの特徴を把握し、自分の旅のスタイルに合わせた方法を選択しましょう。
風のごとく空を駆ける「飛行機」
対馬へ最も速く、かつ手軽にアクセスしたい場合は、飛行機が最適です。福岡空港と長崎空港から対馬やまねこ空港へ向かう便が運航されています。
- 福岡空港から: ANA(全日本空輸)が運航しており、飛行時間は約35分です。あっという間に仁の故郷に到着できます。便数も比較的多く、旅の予定が立てやすい点が大きなメリットです。
- 長崎空港から: ORC(オリエンタルエアブリッジ)が就航しており、フライト時間はおよそ35分。長崎観光と合わせて対馬を訪れるプランも魅力的です。
航空券の手配とポイント 航空券は各航空会社の公式サイトから直接予約するのが確実です。ANAでは「ANA SUPER VALUE」などの早期割引運賃が用意されていることが多く、早めに予約をすることで旅費を大幅に抑えられます。旅行の計画を立てたら、まずは公式サイトをチェックする習慣をつけましょう。
- 準備品: 予約時にはクレジットカードが必要です。搭乗手続きはオンラインチェックインが便利ですが、空港の自動チェックイン機やカウンターでも対応可能です。手荷物の重量制限(一般的には20kgまで)には注意が必要で、超過すると追加料金が発生します。
- トラブル時の対応: 万が一、悪天候などで便が欠航した場合は、航空会社が代替便の手配や払い戻しに対応します。空港のアナウンスや公式サイトの運航情報をこまめに確認し、カウンターの案内に従いましょう。判断に迷った際は、遠慮なく係員に相談することが大切です。
潮風を感じながら海を渡る「フェリー・ジェットフォイル」
時間をかけて旅情を味わいたい方、または自分の愛車と一緒に対馬を走り回りたい方には海路がおすすめです。福岡の博多港からは、九州郵船がフェリーと高速船ジェットフォイルを運航しています。
- フェリー(きずな・ちくし): 所要時間は約4時間45分。ゆったりと船旅を楽しみたい方に最適です。夜行便を使えば船内で一泊し、早朝には厳原(いづはら)港に到着できるため、時間を有効に使えます。料金もお手頃で、車やバイクをそのまま載せられる車両航送が最大の魅力です。
- ジェットフォイル(ヴィーナス): 約2時間15分で到着する高速船です。船酔いが心配な方や時間を節約したい方に向いています。ただし、フェリーに比べ料金は高めで、車両航送には対応していません。
乗船券の手配と車両航送時の注意点 乗船券は九州郵船の公式サイトや電話から予約可能です。特に週末や連休、夏休み期間は混雑が予想されるため、早めの予約が重要です。車両航送を希望する場合は、予約の際に車検証に記載されている車両の全長を正確に伝える必要があります。
- 手続きの流れ: 出航の1時間前までに港の窓口で乗船手続きを済ませましょう。車を載せる場合はさらに余裕を持って到着し、係員の指示に従い車両甲板へ移動させます。通常、運転手以外の乗客は車から降り、旅客ターミナルから乗船します。
- 持ち物: 乗船券(予約確認書)と車両を載せる場合は車検証を忘れずに。船内は冷房が効いていることが多いため、夏でも一枚羽織るものがあると安心です。船酔いが心配な方は、乗船の30分から1時間前に酔い止め薬を服用するとよいでしょう。
- 最新情報の確認: 運航状況や料金、予約方法については、必ず九州郵船の公式サイトでご確認ください。天候によってはスケジュールの変更が生じることもあります。
私のおすすめは、やはり車を持ち込めるフェリーです。自分の手足のように扱い慣れた車で対馬の道を駆け抜ける感覚は格別です。特に、整備士として細部まで手入れした愛車となら、どんな道でも心強く感じられます。
冥人の足となる島内移動術
対馬は南北約82kmにも及ぶ、意外と広い島です。聖地巡礼を効率的かつ自由に楽しむためには、移動手段の確保が旅の満足度に大きく影響します。
最強のパートナー「レンタカー」
まず結論から申し上げると、対馬観光にはレンタカーが最適です。公共交通のバスは本数が少なく、行ける場所も限られてしまいます。ゲームのように馬(「信(のぶ)」!)を呼ぶことはできませんから、現代の旅人には鉄の馬が欠かせません。
対馬やまねこ空港や厳原港、比田勝(ひたかつ)港周辺には、複数のレンタカー会社が営業しています。特に観光シーズンは予約が埋まりやすいため、飛行機やフェリーの予約と同時にレンタカーも早めに確保しておきましょう。
元整備士が伝える、対馬でのレンタカー選びと運転のポイント 対馬の道路は、国道であっても狭く曲がりくねったアップダウンが続く場所が多いです。集落内に入るとさらに道幅が狭くなります。
- おすすめ車種: 軽自動車かコンパクトカーが最適です。小回りが利き、狭い道ですれ違う際も楽に操作できます。燃費も良いため、島内を隅々まで走ってもガソリン代を節約できます。
- 予約と車両受取: レンタカー会社の公式サイトから予約するのが一番便利です。免責補償制度には必ず加入しましょう。万が一の事故発生時に自己負担額が大幅に軽減されます。受け取り時にはスタッフと一緒に車体の傷を細かく確認し、後のトラブルを防ぐことが非常に重要です。私も整備士時代、この確認不足で多くの問題を目にしてきました。タイヤの空気圧や溝の深さもさりげなくチェックすると安心です。
- 運転時の注意点:
- ツシマヤマネコに最大限の注意を: 島内には至る所に「ヤマネコ注意」の看板が掲げられています。特に夜間や早朝は、野生動物の飛び出しに十分気をつけてスピードを控えめに走行してください。ツシマヤマネコは国の特別天然記念物であり、絶対に事故を起こしてはいけません。
- ガソリンスタンド: ガソリンスタンドは主に主要な町に集中しており、北部の集落周辺では数が非常に少ないです。日曜や祝日に休業するスタンドも多いので、メーターが半分に減ったら早めに給油する心構えが必要です。営業時間の事前チェックも忘れずに。
- 電波の状況: 山間部や海岸線では、スマホの電波が届きにくい場所が点在しています。ナビだけに依存せず、紙の地図を持参するか、オフラインでも使える地図アプリ(例えばGoogleマップのオフライン機能など)をダウンロードしておくと、いざという時にとても頼りになります。
その他の交通手段
運転免許を持っていない方や運転に自信がない方は、バスやタクシーを利用することになります。
- 路線バス: 対馬交通が島内の主要な集落を結んでいますが、便数は非常に少ないです。利用する際は、事前に対馬交通の公式サイトで時刻表をしっかり確認し、綿密に計画を立てることが不可欠です。一本でもバスに乗り遅れると、その日の予定が大きく狂う恐れがあります。
- 観光タクシー: 費用はかかりますが、ガイドを兼ねた観光タクシーを利用すれば効率よく名所を巡ることが可能です。時間やコースを自由に設定できるのが大きな魅力。複数人で乗れば、一人あたりの負担も軽減されます。
魂が震える! Ghost of Tsushima 聖地巡礼スポット探訪

さあ、準備は整いました。鉄の馬にまたがり、いよいよ境井仁が駆け抜けた世界へ足を踏み入れましょう。ゲームの記憶と目前に広がる景色が重なる瞬間は、まさに鳥肌が立つ感動です。
物語の幕開け「小茂田浜(こもだはま)」
– ゲームでは:蒙古軍が最初に襲来し、対馬の武士たちが激闘を繰り広げた「小茂田の浜」。仁の物語は、この地での敗北から始まります。-
対馬の西海岸に位置する小茂田浜は、あの元寇における最初の戦いの舞台です。ゲームのオープニングで映し出された、浜辺を埋め尽くす蒙古の軍船と、それに立ち向かうわずかな武士の姿が蘇ります。
実際に訪れると、小茂田浜は驚くほど静かで美しい砂浜でした。穏やかな波の音だけが響き渡るこの場所で、かつて国のため命を懸けた人々がいたと思うと、自然と背筋が伸びる思いに駆られます。
浜のすぐ近くには「小茂田浜神社」が鎮座しています。ここは元寇で殉じた宗助国(そうすけくに)公ら将兵の霊を祀る神社です。鳥居をくぐり静かに手を合わせれば、彼らの誇り高さを肌で感じ取れるでしょう。境内には元寇関連の資料を展示する宝物館も併設されており、当時の様子をより深く知ることができます。
- アクセス: 厳原港から車で約20分。無料駐車場とトイレも完備。
- 心得: ここは単なる観光地ではなく、慰霊の場です。敬意を持って静かに過ごしましょう。浜辺にゴミを捨てることは絶対に避けてください。
冥人の拠点「金田城跡(かねだのきあと)」
– ゲームでは:堅固な石垣に囲まれ、対馬の民の守りの拠点となった「金田城」。仁はここから蒙古への反撃を開始しました。-
ゲームファンなら胸が熱くなる金田城のモデルとなったのが、浅茅湾(あそうわん)に突き出す城山(じょうやま)に築かれた古代山城「金田城跡」です。約1350年前、唐や新羅の侵攻に備えて築かれた国防の要地であり、元寇よりも古い歴史を持つ国の特別史跡となっています。
金田城跡の魅力は、山中に連なる壮大な石塁(石垣)です。ゲームで見た城壁が現実に目の前に迫り、苔むした石垣に手を触れると、時代を越えてこの地を守り続けた人々の息吹が伝わってくるようです。
城山はハイキングコースとなっており、登山口から山頂までゆっくり歩いて1時間半から2時間程度。道中は険しい箇所もありますが、その先には息をのむ絶景が待ち構えています。山頂近くの展望台からは、複雑に入り組んだ浅茅湾のリアス式海岸が一望でき、無数の島が浮かぶ光景はゲームのファストトラベル地点の景色そのものです。この絶景を見るだけでも登る価値が十分にあります。
金田城跡訪問の準備と注意点
軽い気持ちで訪れる場所ではありません。しっかりとした準備が安全で充実した探訪のカギとなります。
- 服装:
- 靴: スニーカーでも登れますが、トレッキングシューズや滑りにくい登山靴がおすすめ。足場が悪い箇所もありますので、サンダルやヒールは絶対に避けてください。
- 服装: 動きやすく、体温調整がしやすい服で。夏でも虫刺されや擦り傷を防ぐため長袖長ズボンが望ましいです。
- 持ち物リスト:
- 飲み物: 最低でも500mlのペットボトル1本は必携。夏場は1リットル以上を推奨します。
- 軽食: チョコレートやエナジーバーなど、手軽に糖分補給できるものが良いでしょう。
- 虫除けスプレー: 特に夏場は蚊やブヨが多いです。
- 熊鈴: 対馬には熊はいませんが、イノシシ除けとして有効です。また、他の登山者に自分の存在を知らせるのにも役立ちます。
- タオル・帽子: 汗拭きや日除け対策用として持参を。
- 禁止事項・ルール:
- 史跡のため、石垣に登ったり石を動かしたりする行為は禁止されています。
- ゴミは必ず持ち帰りましょう。
- 火気の使用は禁止。喫煙も固く禁じられています。
- トラブル対策: 山中で怪我や迷子になった場合、携帯電話の電波が届かない場合があります。入山届の提出制度はありませんが、複数人で行動するか、一人の場合は家族や宿泊先に行程を伝えておきましょう。無理をせず、必要なら早めに引き返す勇気も大切です。
神秘の海中鳥居「和多都美神社(わたづみじんじゃ)」
– ゲームでは:幻想的な雰囲気漂う神社と入り江の景色。その神秘性は和多都美神社を彷彿とさせます。-
対馬のほぼ中央、神話ゆかりの浅茅湾奥深くに位置する和多都美神社。海の神・豊玉姫命(とよたまひめのみこと)を祀り、竜宮伝説が伝わる古社です。
この神社の象徴は、なんといっても海中に立つ二つの鳥居。潮の満ち引きでその姿が劇的に変化します。満潮時には鳥居が海に浮かぶように見え、干潮時には根元まで歩いて近づける幻想的な風景を体験できます。ゲームの美しい水辺のシーンを思い起こさせる光景です。
本殿へ続く参道にはさらに三つの鳥居が並び、計五つの鳥居が直線状に海と本殿を結んでいます。この配置には神話的な意味合いがあるとされ、訪れる人を荘厳な気持ちにさせます。
撮影を成功させるポイント
和多都美神社の魅力を最大限に捉えるには、潮の満ち引きのタイミングを把握することが欠かせません。
- 潮汐の確認: 訪問予定日の満潮・干潮の時刻は、気象庁のサイトや潮汐アプリで事前に調べましょう。「対馬 厳原 潮汐」などのキーワードで探すのがおすすめです。
- おすすめの時間帯: やはり満潮時が最も幻想的。特に無風の日には海面が鏡のようになり、鳥居が水面に映り込む「逆さ鳥居」も見られます。朝日や夕日と満潮が重なれば、言葉にできない美しさを堪能できます。
- マナー: 神聖な信仰の場なので、大声を出したり、他の参拝者に迷惑となる撮影は控えましょう。無許可のドローン使用は禁止されています。ルールを守って静かな空間を楽しんでください。
浅茅湾を一望できる絶景「烏帽子岳(えぼしだけ)展望台」
– ゲームでは:高台から周囲を見渡し、進むべき場所を探すシーンを思わせる360度の大パノラマが展開します。-
対馬中央に位置する烏帽子岳の山頂にある展望台は、島内屈指の絶景スポットです。駐車場から階段を10分ほど登るだけで、誰でも気軽に息をのむ景色に出会えます。
展望台に立つと、複雑な海岸線の浅茅湾全体が広がり、無数の小島が点在。幾重にも重なる山々が海へと連なっていく景色は、水墨画のような美しさです。ゲームで高所から地形を確認した時の興奮が甦ります。ここからは、蒙古の船団の襲来経路が一望できたことでしょう。
晴れていれば韓国・釜山の町並みも望め、国境の島である実感が湧きます。特に夕暮れ時は空と海がオレンジに染まり、変わりゆく光のグラデーションが浅茅湾を彩る様子は旅の大きな思い出となるでしょう。
- アクセス: 和多都美神社から車で約15分。聖地巡礼ルートに組み込みやすく、駐車場も完備。
- 持ち物: 展望台は風が強いことも多いため、一枚羽織るものがあると快適です。双眼鏡があれば、遠くの島や渡り鳥の観察も楽しめます。
荘厳な武士の眠る地「万松院(ばんしょういん)」
– ゲームでは:黄金色の銀杏が美しい「黄金寺」として描かれ、その荘厳な雰囲気と武士の霊が鎮まる設定は万松院と重なります。-
厳原市街地からほど近い万松院は、対馬藩主・宗(そう)家の菩提寺です。境内に足を踏み入れると、樹齢1200年と言われる大杉が出迎え、その圧倒的な存在感に息をのみます。
山門をくぐり、苔むした132段の百雁木(ひゃくがんぎ)石段を登ると、宗家歴代藩主と家族が眠る御霊屋(おたまや)が広がります。杉木立に囲まれた静かな空間に整然と並ぶ巨大な墓石群は見事で、山口の毛利家、石川の旧前田家と並ぶ「日本三大墓地」の一つに数えられています。その荘厳な空気は訪れる者の心に深く刻まれます。
ゲームの黄金寺で仁が故人や仲間たちを偲んだように、ここで対馬を治め守り続けた武士たちの歴史に静かに触れてみてはいかがでしょうか。
- 拝観情報: 拝観には料金が必要です。受付で支払いを済ませてから境内へ。御朱印もいただけます。詳しい時間や料金は、対馬観光物産協会の万松院紹介ページなどで事前に確認するとスムーズです。
- マナー: ここは藩主とその一族の神聖な墓所です。騒いだり走り回ったりすることは厳禁。墓石に触れたり敷地内の物を持ち帰ることも絶対にやめましょう。
聖地巡礼を120%楽しむための準備と心得
Ghost of Tsushimaの世界観を堪能する旅を、忘れがたい体験にするために。ここでは、旅行のプラン作りから持ち物の準備、島内での過ごし方まで、実用的なヒントをお伝えします。
旅の計画:おすすめモデルコースと宿泊施設
対馬は広大で見どころがあちこちに点在しています。効率良くまわるためには、事前の綿密な計画が不可欠です。
- モデルコース(2泊3日、レンタカー利用プラン)
- 1日目: 対馬やまねこ空港に到着 → レンタカーを借りる → 厳原市街で昼食 → 小茂田浜の散策 → 万松院訪問 → 厳原周辺で宿泊
- 2日目: 厳原を出発 → 烏帽子岳展望台へ → 和多都美神社参拝 → 昼食 → 金田城跡でハイキング(時間にゆとりをもって) → 対馬の中部〜北部で宿泊
- 3日目: 北部の景勝地(韓国展望所など)を訪問 → 昼食 → 空港へ移動 → レンタカー返却 → 対馬やまねこ空港から出発
- 宿泊施設の手配: 対馬にはホテルや旅館、民宿、ゲストハウスなど多様な宿泊施設がありますが、その数は本土の観光地に比べると限られています。特にゴールデンウィークや夏休みといったピークシーズンは、数ヶ月前から予約が埋まり始めます。旅行日程が固まったら、交通手段やレンタカーの予約とともに速やかに宿泊先を確保しましょう。インターネットの予約サイト利用が便利です。
持ち物リスト:これだけは必ず持って行こう
対馬での旅はアウトドア感が強い場面もあるため、しっかり準備を整えて臨むことが大切です。
- 必携品
- 運転免許証や健康保険証
- 現金(島内ではクレジットカードや電子マネーが使えない店も多いです)
- モバイルバッテリー(スマホのナビや写真撮影で電池消耗が激しいため)
- 常備薬(酔い止め、胃薬、絆創膏など)
- 充電器や各種ケーブル
- 服装・装備
- 動きやすい服装(重ね着できるものが体温調整に便利)
- 歩きやすい靴(スニーカー必須。金田城跡を訪れるならトレッキングシューズが望ましい)
- レインウェア(山の天候は変わりやすいため、折りたたみ傘より両手が使えるものがおすすめ)
- あると便利なもの
- 虫よけスプレーやかゆみ止め
- 日焼け止め、帽子、サングラス
- カメラ
- ジップロックなどの防水袋(電子機器を雨から守るのに役立つ)
- タオル
- オフラインで使える地図アプリ(事前にダウンロードしておくと安心)
対馬でのルールとマナー:誇り高き旅人として
私たちはこの島の歴史や自然の中に足を踏み入れる者として、仁が民を思いやったように、島への敬意を常に忘れてはなりません。
- 自然への尊重: ゴミは絶対に投げ捨てず、指定された場所に捨てるか、持ち帰るようにしましょう。美しい海岸や山々を汚すことは、冥人の名に恥じる行為です。動植物の採取も控えることが大切です。
- 文化遺産を大切に: 神社や寺院、史跡では掲示されている規則を必ず守りましょう。むやみに触れたり、傷つけたりすることは、歴史や文化への冒涜となります。
- 地域住民への配慮: 集落の狭い道を車で通る際は、歩行者や地元の車を優先し、ゆっくり走行しましょう。住人とすれ違うときは軽く会釈する程度の気持ちで接すると、双方が気持ちよく過ごせます。
元整備士が語る、対馬ドライブの極意とBGM

さあ、ここからは僕の得意分野。対馬の道路を安全に、そして心から楽しむためのドライビングテクニックと、旅の気分を盛り上げるおすすめのBGMリストをご紹介します。
レンタカー・トラブル対策
旅先での車のトラブルはなるべく避けたいですが、いざという時に備えておくことが重要です。
- 出発前のチェック: レンタカーを受け取ったら、まずはタイヤを一周して状態を確認しましょう。空気圧が極端に低くないか、ひび割れや異常はないかを目で見て判断するだけでも、パンクのリスクを減らせます。また、ライト類(ヘッドライト、ブレーキランプ、ウィンカー)がすべて正常に点灯するかも必ず確認しておくと、夜間ドライブも安心です。
- パンクした場合: 近年の車はスペアタイヤを積んでいないことが多いため、パンク修理キットが用意されています。使い方がわからなければ無理せず、レンタカー会社の緊急連絡先かJAF(#8139)に連絡しましょう。電波が届かない場所なら、近所の民家や店舗に助けを求める勇気も必要です。
- キーの閉じ込みトラブル: インテリジェントキーが主流で頻度は減っていますが、もし車内にキーを閉じ込めてしまったら、まずはレンタカー会社に相談してください。自分で針金などを使って無理に開けようとすると車を傷つけかねません。専門のスタッフに任せるのが一番安全です。
旅を盛り上げるおすすめBGMリスト
対馬の雄大な自然を走るとき、音楽は欠かせない存在です。僕が実際のドライブ中に聴いていた、お気に入りのプレイリストをお届けします。
- Ghost of Tsushima オリジナル・サウンドトラック: 言うまでもなくこのサウンドトラックは最高です。ゲームの音楽を聴きながら聖地を巡ると没入感が一層増します。特に「The Way of the Ghost」を海岸沿いで聴いた時の感動は忘れられません。
- 和楽器バンド: 伝統的な和楽器とロックを融合させた彼らの音楽は、対馬の風景に驚くほどマッチしています。代表曲の「千本桜」や「暁ノ糸」の疾走感は、ワインディングロードを駆け抜けるのにぴったりです。
- 久石譲: ジブリ作品で知られる、壮大でどこか懐かしいメロディーが魅力です。「アシタカせっき」を聴きながら金田城跡の森を散策すると、まるで古代の英雄になったような気持ちになります。
- Aimer: 力強くも儚さを感じさせる彼女の歌声は、夕暮れ時の烏帽子岳展望台の風景にぴったり。「残響散歌」のようなアップテンポな曲から、「カタオモイ」のようなバラードまで、多彩なシーンに彩りを添えてくれます。
音楽は旅の思い出をより鮮やかにしてくれる魔法のような存在です。あなただけの特別なプレイリストを作って、ぜひ対馬の道を思い切り楽しんでください。
対馬の恵みを味わう:冥人の腹ごしらえ
戦いの合間でもお腹は空くものです。対馬には、この地ならではの美味しい料理が豊富にあります。聖地巡礼と合わせて、島のグルメも存分に楽しみましょう。
- 対馬とんちゃん: 戦後、在日韓国人によって伝えられたとされるソウルフードです。甘辛いタレに漬け込んだ豚の肩ロースを、野菜と一緒に鉄板で焼き上げるB級グルメで、ご飯が何杯でも進む、まさに誇るべき逸品。厳原の市街地には、多くのとんちゃん専門店が軒を連ねています。
- ろくべえ: サツマイモ(対馬では「孝行いも」と呼ばれています)のデンプンを使って作られる、黒く短い独特の麺です。独特な食感と、優しく素朴な出汁の味わいが特徴。初めて見る人はその見た目に驚くかもしれませんが、一度食べるとやみつきになる不思議な魅力を持っています。
- 新鮮な海の幸: 四方を海に囲まれる対馬は、海産物の宝庫です。特に穴子は絶品で、肉厚でふわふわの「黄金あなご」はぜひ味わってほしい逸品。イカやブリ、サザエなども鮮度抜群。地元の居酒屋や食堂で、その日獲れたての海の幸をいただくのは最高の贅沢です。
お土産には、こし餡をカステラ生地で巻いた「かすまき」や、サツマイモを使った「孝行いもうどん」などがおすすめです。
新たなる冥人の道へ

対馬の旅は、単なるゲームの聖地巡礼で終わるものではありませんでした。画面の中で紡がれる物語が、現実の歴史や文化と結びつき、より深く、より立体的に心に刻まれる貴重な体験となったのです。
小茂田浜に立ち、はるか昔の兵士たちの沈黙の声に耳を傾けたこと。金田城跡の石垣に触れ、国を守るという壮大な使命の重さを肌で感じたこと。和多都美神社の海中鳥居が静かに潮の満ち引きを受け入れる様子から、自然の摂理と人々の祈りの形を垣間見たこと。
これらすべての経験が、僕の中で『Ghost of Tsushima』という物語を、ただの娯楽から自分自身の血となり肉となる「物語」へと昇華させてくれました。
この島には、ゲームでは描かれていないまだ多くの魅力が溢れています。手つかずの自然、独特な文化、そして温かく迎えてくれる人々との交流。一度足を運べば、きっとあなたもこの島の虜になることでしょう。
コントローラーを置き、地図を手に取りましょう。 次はあなたが、対馬の風を肌で感じる番です。 そして、あなただけの「冥人の道」を見つける旅へと踏み出すのです。僕もまた、新たな道を求めて、きっとこの島へ帰ってくるでしょう。その時まで、ひとまずの別れです。

