空と海の境界線が溶け合う、どこまでも透明なエメラルドグリーンの世界。南国の甘い風が肌を撫で、真っ白な砂が素足に心地よい。ここはカリブ海?…いいえ、地中海に浮かぶイタリアの楽園、サルデーニャ島です。数多の美しいビーチが点在するこの島の中でも、ひときわ特別な輝きを放つ場所があります。それが、今回ご紹介する「トゥエッレッダ・ビーチ(Spiaggia di Tuerredda)」。
「ヨーロッパにこんな場所があったのか」。初めて訪れた誰もが、そう感嘆の声を漏らすほどの絶景。食品商社に勤め、世界中の美食と絶景を追い求めてきた私、隆(たかし)にとっても、トゥエッレッダは忘れられない記憶として心に刻まれています。それは単に美しいだけでなく、この楽園を守るための人々の想いと、訪れる者に求められる作法、そして、この土地ならではの豊かな食文化が複雑に絡み合った、奥深い魅力に満ちているからです。
この記事では、ただ美しい景色を紹介するだけではありません。どうすればこの楽園の扉を開けるのか、その具体的な方法から、現地での完璧な一日の過ごし方、さらにはグルメライターとして自信を持っておすすめする周辺の食の楽園まで、あなたの旅が最高の体験となるための全てを、余すところなくお伝えします。さあ、地中海の奇跡と謳われるトゥエッレッダへの旅を、ここから始めましょう。
トゥエッレッダとは? – 地中海に浮かぶカリブの宝石

サルデーニャ島南西部に位置するトゥエッレッダは、州都カリアリから車でおよそ1時間の場所にあります。基礎自治体テウラーダに属し、有名なリゾート地キア(Chia)と、風光明媚なSP71号線沿いの海岸線の間に、まるでひっそりと姿を現します。
なぜ「ヨーロッパのカリブ海」と呼ばれるのか
このビーチが特別である理由は、その地形と海水の透明度にあります。V字型に深く入り込んだ入り江は外海の強い波を和らげ、常に静かな湖のような波穏やかな水面を保っています。そして、水の色彩。岸近くは太陽の光を反射して輝くほぼ透明なアクアブルーで、少し沖へ進むと鮮やかなターコイズブルーに変わり、さらに沖合では深いエメラルドグリーンからサファイアブルーへと、息を呑むような美しいグラデーションを描いています。
この繊細な色彩を生み出しているのは、海底に広がる細かく真っ白な砂です。純度の高い石英質の砂が海底のキャンバスとなり、太陽光を乱反射することで、これほど多彩で透明感あふれる青の世界を作り上げているのです。
さらに、ビーチの目の前には同名の「トゥエッレッダ島」が浮かんでいます。この小島は防波堤の役割を果たし、入り江の穏やかさを一段と高めています。ビーチから島までは約150メートルで、干潮時には泳いで渡ることも可能。この小島の存在が、トゥエッレッダの景観を他に類を見ないものにしています。
周囲はサルデーニャ特有の地中海性低木、「マッキア」に覆われた丘陵で囲まれています。ギンバイカやジュニパー、ピスタチオの木々が放つ独特の青々しい香りが潮風と混じり合い、五感すべてでこの地の豊かさを感じさせてくれます。この隔絶された地形と、夢のように美しい海の色彩が、「ヨーロッパのカリブ海」という呼び名を確固たるものにしているのです。
楽園への扉を開く – トゥエッレッダビーチへのアクセス完全ガイド
この絶景スポットへのアクセス方法は複数ありますが、結論としては自由度や利便性を重視するならレンタカーの利用が断然おすすめです。以下に、主要な出発地点からの詳細なアクセス手順を紹介します。
カリアリ・エルマス空港からのアクセス
レンタカーを利用する場合
サルデーニャ島の玄関口であるカリアリ・エルマス空港(CAG)には、主要レンタカー会社のカウンターが軒並み揃っています。特に7月から8月のハイシーズンは混雑が激しいため、日本を出発する前にオンラインで事前予約をしておくことを強く推奨します。
空港からトゥエッレッダまではおよそ60km、所要時間は約1時間15分から1時間半程度です。ルートはまずSS195 Sulcitanaという国道を南西方向へ進みます。この区間はカリアリ付近では比較的走りやすいものの、キアに近づくにつれてカーブが多く道幅も狭まる箇所が出てきます。特に終盤のSP71号線は美しい海岸線が魅力ですが、曲がりくねった道が続くため運転には細心の注意が必要です。しかし同時に、道中見える透き通るような紺碧の海が目的地への期待を一層高めてくれます。
公共交通機関(バス)を利用する場合
運転に自信がない方や費用を抑えたい方には、ARST社が運行する公共バスの利用も選択肢としてあります。ただし、時間や手間がかかることは覚悟してください。
空港からトゥエッレッダへ直接向かうバスはありません。まず空港バスでカリアリ市内のARSTバスステーション(Stazione ARST)まで移動し、そこからテウラーダ(Teulada)方面行きの129番線バスなどに乗り換える必要があります。トゥエッレッダに近いバス停で降車しますが、そこからビーチまでは少し徒歩移動が必要です。
バスの本数は非常に限られており、特に週末やオフシーズンは1日に数本しか運行されないことも珍しくありません。夏季は便数が増える場合もありますが、それでも利便性はあまり高いとは言えません。利用前には必ずARSTの公式サイトで最新の時刻表を確認しましょう。サイトはイタリア語中心ですが、路線番号や地名で検索すれば時刻表のPDFファイルが見つかります。
駐車場に関する重要情報
トゥエッレッダに到着すると、最後に待ち構えている最大の課題が駐車場です。ビーチ周辺にはいくつかの有料駐車場がありますが、その台数には限りがあります。
- 料金について: 駐車料金は季節や曜日により変動しますが、ハイシーズンには1日あたりおよそ10ユーロが相場です。時間単位の料金設定はなく、基本的に1日料金となっています。支払いは現金のみの駐車場も多いため、小銭も含めて現金を準備しておくと安心です。
- 混雑状況: 7月、8月の週末は特に混雑が激しく、朝9時までに満車になるケースもよく見られます。確実に駐車したい場合は、できれば朝7時半から8時には現地に到着することを念頭に置いてください。
- 駐車のポイント: ビーチに最も近い駐車場から埋まっていきます。もし少し手前の駐車場に空きがあれば、迷わずそちらに停めるのが賢明です。ビーチまではやや歩くことになりますが、炎天下で空き駐車場を探して回るよりはずっと快適です。
楽園の掟 – トゥエッレッダビーチを楽しむためのルールとマナー

トゥエッレッダの圧倒的な美しさは、自然が織りなす奇跡であると同時に、厳格な環境保護規則によって大切に守られている結果でもあります。この素晴らしい地を将来にわたって守り続けるためには、訪れる私たち観光客の協力も不可欠です。知らずに訪れて入場を断られたり、罰金を科されたりすることがないよう、以下のルールを必ずご理解ください。
最重要ポイント:入場制限とオンライン予約について
近年の過剰な観光客対策の一環として、トゥエッレッダ・ビーチは夏季(一般的に6月1日から9月30日まで)に厳しい入場者数の制限を設けています。
- 1日の入場可能人数:最大1,100人
内訳は、有料エリア(リド)が723人、無料エリア(リベラ)が377人となっています。(人数は年度によって変動する可能性があるため、訪問前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください)
この人数制限のため、ハイシーズンに予約なしで訪れても入場はほぼ不可能です。ご入場には必ず事前のオンライン予約が必要です。
予約方法の詳細
予約はテウラーダ市が運営する専用のウェブサイトまたはスマホアプリ「Tuerredda Spiaggia」から行います。
- 予約開始時期:通常、希望日の72時間前から予約受付が始まります。たとえば金曜日に来訪したい場合は、火曜日の午前0時から予約可能です。特に週末は、開放と同時に予約枠が埋まることが多いためご注意ください。
- 予約手数料:環境保全のための協力金としてひとり1ユーロ(2023年時点)を支払う必要があります。この費用はビーチの清掃や保全活動に充てられます。5歳未満の子どもや障がいをお持ちの方は無料ですが、予約自体は必須です。支払いはクレジットカードで行います。
- 予約の流れ:
- 公式サイトもしくはアプリにアクセスします。
- 希望する訪問日と人数(大人・子ども)を指定します。
- 名前やメールアドレスなど必要な個人情報を入力します。
- 環境協力金をクレジットカードで支払います。
- 予約完了後、QRコード入りの確認メールが届きます。このQRコードが入場券の代わりとなります。
- 当日の対応:入場口にはスタッフがおり、スマホ画面でQRコードを見せるか、印刷したチケットを提示して入場します。電波状況が不安定なこともありますので、スクリーンショットを保存するか、プリントアウトを持参することを強くおすすめします。
予約に関する最新かつ正確な情報は、テウラーダ市公式サイトで確認するのが最も確実です。サイトはイタリア語ですが、ブラウザの翻訳機能を使えば十分理解できます。
ビーチでの厳しい禁止事項
トゥエッレッダでは、美しい自然環境を保護するため、他のビーチよりも厳しい規則が設けられています。
- 砂や石、貝殻の持ち帰り禁止:これはトゥエッレッダのみならずサルデーニャ島全域の法律で定められており、違反すると最高3,000ユーロの罰金が科されます。記念に少しだけという軽い気持ちが、生態系に大きな影響を与えることをご理解ください。
- ビーチタオルの直敷き禁止:砂の持ち出しを防ぐため、必ずビーチタオルの下にマット(Stuoia)を敷かなければなりません。マットは現地の売店などで購入可能です。
- 喫煙の禁止:ビーチ内は全面禁煙です。喫煙は指定エリアでのみ許可されています。吸い殻のポイ捨ては厳禁です。
- 使い捨てプラスチック製品の制限:皿やコップ、カトラリーなどの使い捨てプラスチックの持ち込みは控えましょう。水筒や繰り返し使える容器を持参することをおすすめします。
- ゴミは持ち帰りを徹底:ビーチにゴミ箱はほとんど設置されていません。「来たときよりも美しく」を心がけ、ご自身が出したゴミは必ず全て持ち帰ってください。
これらのルールは決して観光客を締め出すためのものではありません。このかけがえのない自然の美しさを、未来の子どもたちや孫の世代へと受け継いでいくために必要な大切な取り決めです。
完璧な一日を過ごすための準備と持ち物リスト
次はいよいよ、完璧な一日を過ごすための準備段階です。忘れ物がないよう、以下のリストをぜひ参考にしてください。
必ず持参すべきもの(Must-have List)
- 予約確認のQRコード:スマートフォンでの提示に加え、念のため印刷物も用意してください。これがないと入場できません。
- ビーチマット(Stuoia):タオルを直接敷くことが禁止されているため必携です。藁やプラスチック製で薄くて軽く、くるくる巻けるタイプが便利です。
- 日焼け対策用品:サルデーニャの日差しは非常に強烈です。SPF50+の日焼け止め、つば広の帽子、UVカット付きのサングラスは必須です。特に午前11時から午後3時は紫外線が非常に強いため注意が必要です。
- 十分な水分:ビーチにもバールはありますが、熱中症予防のため、最低でも一人あたり1.5リットルの飲料水を持参することを推奨します。
- 現金:駐車場や一部バール、レンタルショップではクレジットカードが利用できない場合があります。最低でも50ユーロ程度の現金を持っていると安心です。
- シュノーケリングセット:トゥエッレッダの透明な海を楽しむなら、マスク、シュノーケル、フィンを用意すると楽しさが格段に増します。
- ゴミ袋:自分たちの出したゴミはすべて持ち帰るために、必ず袋を持参してください。
持っているとより快適なもの(Nice-to-have List)
- ビーチパラソル:ビーチは日陰がほとんどありません。有料エリアではレンタルできますが、無料エリアで長時間過ごす場合は持参がおすすめです。
- ウォーターシューズ:砂は細かいですが、岩場やトゥエッレッダ島へ渡る際に足を保護するためにはウォーターシューズがあると非常に便利です。
- ラッシュガード:特に肌が敏感な方やお子様は、泳ぐときに着用することで日焼けをしっかり防げます。
- 防水カメラまたはスマホ用防水ケース:水中の美しい景色や水際での思い出を気軽に撮影することができます。
- ポータブルバッテリー:写真撮影や予約QRコードの表示などでスマホの電池が減りやすいので、携帯用充電器があると安心です。
- 軽食:サンドイッチ(パニーノ)やフルーツなど手軽に食べられるものがあると、小腹がすいたときに便利です。ただし、ゴミは必ず持ち帰ってください。
トゥエッレッダの魅力を味わい尽くす – ビーチでの過ごし方

さあ、準備は整いました。いよいよトゥエッレッダでの一日が始まります。この楽園で、あなたはどのように時間を過ごしますか?
有料エリアか無料エリア、どちらにする?
トゥエッレッダのビーチは大きく二つのゾーンに分かれています。
- 有料エリア(Stabilimento Balneare / Lido):ビーチの両端に位置し、サンベッド2脚とパラソル1本がセットで利用できます。料金はシーズンや海からの距離によって変動し、ピークシーズンには1日あたり30ユーロから60ユーロ以上に達することも。シャワーやトイレ、更衣室などの施設が充実しており、快適な環境を求める方にはこちらが最適です。事前に各リドの公式サイトから予約できる場合もあります。
- 無料エリア(Spiaggia Libera):ビーチの中央部分に広がる無料ゾーンです。利用には予約時に支払う環境保護料金のみでOK。パラソルやチェアは自身で持ち込む必要があります。良い場所を確保したい場合は、早朝に訪れて場所取りをするのが鉄則です。
どちらにするかは予算やスタイルによって異なります。小さな子ども連れや荷物を減らしたい方には、有料エリアが便利でしょう。自然のままのビーチを楽しみたい、または費用を抑えたい方には無料エリアが向いています。
アクティビティで海とつながる楽しみ方
ただ海を眺めるだけではもったいない。トゥエッレッダの海は、積極的に楽しむ体験を提供してくれます。
シュノーケリング
ビーチ両端の岩場周辺は、シュノーケリングに最適なスポット。少し潜れば、地中海特有の魚たちや、海底で揺れる海草の森など、多彩な海洋生態系を間近に観察できます。水の透明度が非常に高く、まるで空中を漂っているかのような浮遊感が味わえます。
トゥエッレッダ島へ渡ろう
目前に浮かぶトゥエッレッダ島へは泳いで渡る強者もいますが、通常はカヌー(カヤック)、SUP(スタンドアップパドルボード)、ペダルボートをレンタルして向かいます。ビーチにはレンタルショップがあり、1時間単位で借りることが可能です。島に上陸すれば、さらにプライベートな空間が待っています。小さなビーチや岩場を探検したり、本島のビーチを海側から眺めたりと、特別な体験ができます。ただし、島は自然保護区に指定されているため、植物を傷つけたりゴミを残したりしないように細心の注意を払いましょう。
絶好のフォトスポットを探して
トゥエッレッダの美しさを写真に収めたいなら、少し高台からの眺めがおすすめです。ビーチへ降りる道の途中や両側の丘へ続く散策路から、入り江の全景と海のグラデーションを一枚に収められます。特に正午前後は太陽が真上に来て、海の色が最も鮮やかに見える絶好の撮影タイムです。
グルメライター隆が選ぶ!トゥエッレッダ周辺の食の楽園
美しい風景で満たされても、実際の空腹感は解消されません。数多くの国々の料理を経験してきた私の目から見ても、サルデーニャ南部の食文化は非常に豊かで魅力的です。トゥエッレッダを訪れた際には、この地ならではの味をぜひ味わってみてください。
ビーチで楽しむ贅沢なランチタイム
トゥエッレッダ・ビーチ周辺には、絶好のロケーションにあるレストランやバールがいくつか点在しています。いずれも予約をおすすめしたい人気のお店です。
- Tuerredda Beach Club: 有料リド内にあるレストランで、テラス席からはビーチの全景が望めます。シーフードを使った洗練された料理が自慢です。特に新鮮な海の幸をたっぷり使ったパスタは絶品です。値段はやや高めですが、そのロケーションと味わいは十分にその価値を感じさせてくれます。
- Poseidon: ビーチ沿いにあるレストラン兼バールで、よりカジュアルな雰囲気が魅力です。パニーノやサラダ、そして揚げ物の盛り合わせ「フリット・ミスト」などを気軽に楽しめます。冷やしたサルデーニャ産白ワインのヴェルメンティーノを傾けながら、青い海を見つめる午後のひとときは至福の時間です。
車で少し足を伸ばして巡る、真のサルデーニャの味覚
ビーチの賑わいから離れると、より本格的なサルデーニャ料理を提供する名店が静かに佇んでいます。
- Ristorante da Ariedo e Cristina(キア地区): トゥエッレッダから車で約15分のところに位置し、地元で非常に高い評価を受けているシーフードレストランです。家族経営のアットホームな空間で、提供される料理はどれも一流。特に「スパゲッティ・アイ・リッチ・ディ・マーレ(ウニのスパゲッティ)」が名物で、濃厚なウニクリームがパスタに絡み付き、磯の香りが口いっぱいに広がります。その日の朝に水揚げされた魚をグリルや塩釜焼きで味わうのもぜひお試しください。
- Agriturismo Sa Tanca(テウラーダ方面): サルデーニャの食文化の真髄を味わいたいなら、農家民宿レストランであるアグリツーリズモは見逃せません。Sa Tancaでは、自家栽培の野菜や肉、チーズ、ワインを使用した素朴ながら味わい深い家庭料理が楽しめます。なかでも名物の子豚の丸焼き「ポルチェッドゥ」は、皮がパリッと香ばしく、肉は驚くほどジューシー。島の伝統を感じられる一皿です。海の幸だけでなく、大地の恵みも堪能できる貴重な場所です。
サルデーニャ南部でぜひ味わいたい逸品
- フレーグラ(Fregula): サルデーニャ特有のつぶつぶ状パスタで、セモリナ粉と水を使い、指で転がしながら手作りされます。アサリなどの貝類とトマトソースで煮込む「フレーグラ・コン・アルセッレ」は、魚介の旨味がしみ込んだフレーグラのプチプチした食感がたまらない一品です。
- ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ(Vermentino di Sardegna): サルデーニャを象徴する白ワイン用のぶどう品種で、ミネラル豊富な味わいに、柑橘類やハーブの爽やかな香りが特徴です。冷やして楽しむと、新鮮なシーフードとの相性はまさに完璧な組み合わせになります。
- ミルト(Mirto): サルデーニャの食事の最後を彩る食後酒で、地中海沿岸に自生するギンバイカ(マートル)の実をアルコールに漬け込んで作られます。独特のハーブの香りと、甘みの中にほのかな苦みがあり、消化促進の効果もあるとされています。食事の締めくくりにぜひ味わってみてください。
旅の記憶を形に – サルデーニャ南部のお土産セレクション

素敵な旅の思い出は、お土産と共に持ち帰るのが一番です。グルメライターの私が厳選した、サルデーニャ南部ならではの逸品をご紹介いたします。
- ボッタルガ(Bottarga): 日本のカラスミの起源とも言われる、ボラの卵巣を塩漬けし乾燥させた珍味です。薄くスライスしてオリーブオイルをかければ、至高の酒の肴に。一方、すりおろしてパスタに絡めれば、家庭でも本格的な味わいが楽しめます。カリアリの市場や専門店では、高品質の真空パック品が入手可能です。
- ペコリーノ・サルド(Pecorino Sardo): サルデーニャは「羊の島」として知られています。羊乳で作られるペコリーノチーズは地元料理の根幹を成し、熟成期間の短いフレッシュタイプから、長期熟成の硬質で風味豊かなものまで多彩です。お店で試食しながら、お好みの味を探す楽しみもあります。
- パーネ・カラザウ(Pane Carasau): 「楽譜」とあだ名される、非常に薄くパリッと焼き上げられたパンです。日持ちが良いため、かつては羊飼いたちの保存食として重宝されました。そのままでも美味しいですが、水で少し湿らせて柔らかくしたり、オリーブオイルと塩を振ってオーブンで温め直したりと、様々な食べ方が楽しめます。
- コルク製品: サルデーニャ島はイタリアにおけるコルク生産の大半を占める地域です。コルク樫の樹皮から作られたコースターや鍋敷き、バッグなどの小物は、軽量で個性的なお土産として喜ばれます。
これらのお土産は、カリアリの専門店や、活気あふれるサン・ベネデット市場(Mercato di San Benedetto)などの大規模市場での購入がおすすめです。市場の熱気を感じながら、生産者と直接交流しつつ買い物するのも旅の醍醐味と言えるでしょう。さらに詳しいサルデーニャの観光情報は、サルデーニャ州観光局の公式サイトが非常に参考になります。
もしもの時のために – トラブルシューティングとFAQ
旅先でのトラブルは避けられないものですが、事前に対処法を把握しておけば、より安心して旅を満喫できます。
予約が取れなかったら?どうすればいい?
トゥエッレッダの予約は非常に競争が激しいです。もし予約ができなかったとしても、落胆する必要はありません。サルデーニャ南部には、トゥエッレッダに引けを取らない素晴らしいビーチが数多くあります。
- ス・ジュデウ・ビーチ(Spiaggia di Su Giudeu): キアエリアを代表するビーチで、広大な砂丘とフラミンゴが飛来することもある塩湖が隣接。自然の野性味あふれる開放的な景観が魅力です。浅瀬が続くため、家族連れにも人気があります。
- カーラ・チポッラ(Cala Cipolla): ス・ジュデウの隣に位置する、小さな入り江で花崗岩に囲まれています。プライベート感が強く、シュノーケリングに最適なスポットです。
- ポルト・ピーノ(Porto Pino): 「白い砂丘(Dune Bianche)」で知られる広大で美しいビーチ。白い砂浜と青い海のコントラストが印象的です。
これらのビーチも夏季は混雑しますが、トゥエッレッダほど厳しい入場規制がかかることは比較的少ないです。
天候が悪い場合は?
サルデーニャは晴天率が高い地域ですが、万が一の悪天候に備えておくことが大切です。特に「ミストラル」と呼ばれる強い北西風が吹くと海が荒れ、ビーチで過ごすのが困難になることがあります。
- 予約キャンセル・返金について: 悪天候によるビーチ閉鎖などがあった場合、支払った環境保護費が返金されるかはその年の規定によります。予約時の利用規約をよく確認するか、直接問い合わせるのが確実です。
- 代替プランの提案:
- カリアリ市内観光: 歴史深いカステッロ地区の散策、国立考古学博物館の訪問、ショッピングなど、市内だけでも一日中楽しめます。
- ヌラーゲ遺跡の見学: サルデーニャ各地に点在する青銅器時代の謎に包まれた巨石文明「ヌラーゲ」の遺跡巡りもおすすめです。スー・ヌラージ・ディ・バルーミニは世界遺産にも登録されています。
- ワイナリー見学: サルデーニャ産のワインを味わえるワイナリー訪問も良いでしょう。悪天候の日を、現地の食文化をじっくり味わう機会に変えることができます。
よくあるご質問(FAQ)
- Q: ビーチには更衣室やトイレがありますか?
- A: 有料エリア(リド)には清潔なトイレ、シャワー、更衣室が利用者専用で設置されています。無料のエリアには基本的に施設はないものの、ビーチの入口近くに簡易的な公共トイレがある場合もあります。
- Q: 子ども連れでも楽しめますか?
- A: はい、トゥエッレッダは遠浅で波が穏やかなため、ご家族連れに向いています。ただし強い日差しには注意が必要で、お子様用の日焼け止め、帽子、ラッシュガード、こまめな水分補給を忘れずに行ってください。
- Q: ベストシーズンはいつですか?
- A: 海水浴を楽しむなら6月から9月が適期です。特に7月・8月の混雑や猛暑を避けたい場合は、6月や9月がおすすめ。気候も良く比較的落ち着いて過ごせるため、私個人としてはこの時期がベストシーズンと考えています。
トゥエッレッダを核に巡る、サルデーニャ南部の旅

トゥエッレッダ・ビーチへの訪問は、それ自体が十分に価値ある体験です。しかし、このビーチを旅の中心に据えつつ、その周辺に広がる豊かな世界に目を向けることで、サルデーニャの旅は一層深みを増し、忘れ難いものとなるでしょう。
トゥエッレッダとキアを結ぶ海岸線「SP71号線」をドライブすると、車窓に次々と美しい景色が広がります。展望ポイントで車を停め、深い青の海とマッキアの緑が織りなす鮮やかなコントラストを写真に収めてみてください。景勝地の港町ポルト・テウラーダにも立ち寄り、地元の漁師たちが朝獲れの魚を並べる様子を観察するのもおすすめです。
少し足を伸ばせば、古代フェニキア人やローマ人の息吹を感じられる「ノーラの考古学遺跡」があり、歴史のロマンへと誘います。そして旅の始まりと終わりには、活気に満ちた州都カリアリの旧市街を迷い歩き、地元のトラットリアでサルデーニャの味覚を存分に味わうことができます。
トゥエッレッダの輝きは、サルデーニャ南部という広大な星座の一部に過ぎません。その美しさを守るためのルールを尊重し、この地の自然や文化に敬意を払うこと。これこそが、この楽園を心から楽しむための秘訣かもしれません。あなたの旅が、地中海の奇跡との素敵な出会いとなることを願っています。

