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ヨーロッパ6カ国でウエストナイル熱の発生を確認 – 渡航予定者は蚊への対策を

2025年夏、ヨーロッパを旅行先に選んでいる方は注意が必要です。欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、8月10日時点でヨーロッパの6カ国において、蚊が媒介するウエストナイルウイルス(WNV)の国内感染者が確認されたと発表しました。感染は主に南欧および東欧地域で報告されており、夏の旅行シーズンを迎えるにあたり、各国で警戒が強まっています。

目次

ウエストナイルウイルスの感染状況と背景

現在の感染状況

ECDCの最新の疫学報告によると、2025年の感染シーズンに入ってから、イタリア、ギリシャ、ルーマニア、ハンガリー、フランス、スペインの6カ国で合計123人のウエストナイル熱の症例が確認されました。このうち、神経系に重篤な症状を引き起こしたケースは78件、死亡例も8件報告されています。特に感染者が多いのはイタリア北部とギリシャであり、これらの地域では公衆衛生当局が蚊の駆除活動と住民への注意喚起を強化しています。

なぜヨーロッパで感染が拡大しているのか

ウエストナイルウイルスは、もともとアフリカや西アジア、中東で流行していた感染症です。ウイルスを保有した鳥を吸血した蚊が、次にヒトを吸血することで感染が広がります。

近年のヨーロッパでの感染拡大の背景には、気候変動が大きく影響していると専門家は指摘しています。夏の平均気温の上昇と多雨傾向により、ウイルスを媒介するイエカ属などの蚊の生息域が北上・拡大し、活動期間も長期化しています。渡り鳥の移動ルートと重なる地域では、ウイルスが持ち込まれやすく、定着するリスクが高まっています。過去10年間で、ウエストナイルウイルスの発生はヨーロッパで散発的なものから、毎年のように発生する風土病へと変化しつつあります。

今後の予測と旅行への影響

感染地域の拡大リスク

気候変動が今後も続くと予測される中、ウエストナイルウイルスの流行地域は、現在報告されている南欧・東欧から、ドイツやオーストリアといった中欧地域へさらに拡大する可能性があります。ECDCは、各国に対し監視体制の強化を求めており、これまで感染例がなかった地域でも、原因不明の発熱患者に対してはウエストナイル熱を疑うよう医療機関に通知しています。

旅行業界への影響

現時点では、各国政府から特定の地域への渡航中止勧告は出ていません。しかし、感染が報告された地域では、地方自治体が屋外でのイベントの一部自粛を呼びかけるなどの動きも見られます。今後の感染拡大の状況によっては、特定の観光地へのアクセスが制限されたり、旅行保険の適用範囲に見直しが入ったりする可能性も考えられます。旅行者は、渡航前に目的地の最新情報を確認することが不可欠です。

ヨーロッパへ渡航する旅行者へのアドバイス

ウエストナイルウイルスには、ヒト用の承認されたワクチンや特異的な治療法はありません。そのため、最も重要な対策は「蚊に刺されないこと」です。

蚊から身を守るための具体的な対策

  • 虫除け剤の使用: DEET(ディート)やイカリジンといった有効成分を含む虫除けスプレーやクリームを、肌が露出する部分に適切に使用してください。
  • 適切な服装: 蚊の活動が活発になる夜明けや日没の時間帯に外出する際は、長袖・長ズボンを着用し、肌の露出をできるだけ減らしましょう。白など、色の薄い服は蚊を寄せ付けにくいとされています。
  • 滞在先の環境: 宿泊施設の窓やドアに網戸が設置されているか確認し、就寝中は蚊帳を使用するのも有効な手段です。エアコンが効いた室内は蚊の活動を鈍らせます。

過度に恐れる必要はありませんが、ウエストナイルウイルスは重症化すると深刻な健康被害をもたらす可能性があります。特に高齢者や免疫機能が低下している方は注意が必要です。ヨーロッパへのご旅行を計画中の方は、外務省の海外安全情報や現地の保健当局が発表する最新情報を常に確認し、万全の対策を講じて安全な旅を楽しんでください。

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この記事を書いたトラベルライター

SimVoyage編集部は、世界を旅しながら現地の暮らしや食文化を体感し、スマホひとつで快適に旅する術を研究する旅のプロ集団です。今が旬の情報から穴場スポットまで、読者の「次の一歩」を後押しするリアルで役立つ記事をお届けします。

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