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ビザのハードルとコスト高騰、2026年の世界的な観光ブームに影を落とす

この記事の内容 約3分で読めます

2026年に向け旅行需要は回復する一方、国際旅行の障壁が増加します。EUのETIAS導入などデジタル国境管理が強化され、ビザなし渡航者も事前認証が必要に。また、ビザ申請の複雑化・長期化や、航空運賃・宿泊費の高騰も深刻です。これらの要因で、旅行は手続きが簡単な国に集中し、パスポートの強さによる「旅行格差」が広がる「二極化」が進むと予測されます。旅行者は早めの情報収集と計画的な準備が求められます。

2026年に向けて、世界の旅行需要はパンデミック後の回復基調を維持し、名目上は活況を呈すると予測されています。しかしその裏側で、私たち旅行者はかつてないほどの障壁に直面し始めています。各国の新たなビザ制度、強化されるデジタル国境管理、そして歴史的なレベルでの旅行費用の高騰です。これらの要因が複雑に絡み合い、未来の国際旅行のあり方を大きく変えようとしています。

目次

背景:なぜ旅行のハードルは高まっているのか?

かつてないほど多くの人々が世界を旅するようになった一方で、各国の政府はセキュリティ強化と入国管理の効率化を急いでいます。これが、旅行者にとって新たな手続きやコスト負担を生む主な原因となっています。

強化されるデジタル国境管理:ETIASの導入

特に大きな変化として注目されるのが、欧州連合(EU)が2025年半ばに導入を予定しているETIAS(エティアス:欧州渡航情報認証制度)です。

これは、これまでビザなしでシェンゲン協定加盟国へ渡航できていた約60カ国・地域(日本も含む)の市民を対象とする電子渡航認証システムです。申請には7ユーロの費用がかかり、一度認証されれば3年間有効となります。目的はテロや不法移民のリスクを未然に防ぐセキュリティ強化であり、米国が導入しているESTA(電子渡航認証システム)の欧州版と考えると分かりやすいでしょう。

ETIAS自体は比較的簡単な手続きですが、この動きは「ビザなし」で自由に行き来できた時代が終わり、デジタルによる事前審査が世界のスタンダードになることを示唆しています。

複雑化・長期化するビザ申請

一方で、そもそもビザが必要な国々の旅行者は、さらに厳しい現実に直面しています。特に米国など一部の国では、パンデミック以降の申請業務の遅れや厳格化により、ビザ面接の予約だけで数ヶ月、場合によっては1年以上待たされるケースも報告されています。

複雑な書類準備、高額な申請費用、そして長期間待った末に拒否されるリスクは、多くの潜在的な旅行者にとって大きな心理的・経済的負担となり、渡航を断念させる一因となっています。

止まらない旅行コストの高騰

航空運賃、宿泊費、現地での食費やアクティビティに至るまで、旅行に関わるあらゆる費用が高騰しています。世界的なインフレ、高止まりする燃油サーチャージ、そして観光業界における人手不足が価格を押し上げています。

国際航空運送協会(IATA)の報告でも、航空運賃はパンデミック以前と比較して大幅に上昇しており、特に長距離国際線でその傾向が顕著です。このコスト上昇は、旅行を一部の富裕層に限られたものへと変えかねない、深刻な問題です。

予測される未来:旅行の「二極化」が加速する

これらの変化は、2026年以降の国際旅行にどのような影響を与えるのでしょうか。最も懸念されるのは、旅行体験における「二極化」の進行です。

渡航先の選別と人気の集中

旅行者は、より手続きが簡単でコストを抑えられる国・地域を選ぶ傾向が強まるでしょう。ビザが不要、あるいはETIASのような比較的簡単な手続きで入国できる国に人気が集中する可能性があります。

実際に、タイやマレーシアといった東南アジア諸国は、観光客誘致のためにビザ免除措置を拡大しており、欧米への渡航をためらう旅行者の新たな受け皿となることが予測されます。

旅行者層の分断:「旅行格差」の拡大

この状況は、旅行者自身の国籍によって、旅の自由度が大きく異なる「旅行格差」を生み出します。

  • ビザ免除国のパスポートを持つ旅行者: ETIASのような事前認証は必要になるものの、依然として多くの国へ比較的自由に渡航できる。
  • ビザ取得が必要な国の旅行者: 高いハードルとコスト、不確実性に直面し、旅行の機会そのものが制限される。

これにより、国際的な人の交流は特定の国々の市民に偏り、グローバルな相互理解を深めるという観光の本来の意義が損なわれる恐れがあります。

私たち旅行者が今から備えるべきこと

2026年に向けて海外旅行を計画する上で、私たち旅行者はこれまで以上に賢く、計画的になる必要があります。

  • 早めの情報収集と計画: 渡航先の入国要件は常に変化しています。必ず大使館や領事館の公式サイトで、ビザや電子渡航認証に関する最新情報を確認しましょう。特にETIASの導入時期と申請方法については、公式発表を注視する必要があります。
  • 余裕を持った予算計画: 航空券やホテルの価格は、早期予約が必ずしも最安値とは限らない時代になっています。価格比較サイトをこまめにチェックし、燃油サーチャージや諸税を含めた総額で比較検討することが重要です。
  • 渡航先の多様な選択肢: 従来の人気観光地だけでなく、ビザが不要で物価も比較的安定している新しいデスティネーションに目を向けてみるのも一つの手です。思いがけない素晴らしい旅先との出会いが待っているかもしれません。

国際旅行のハードルは高まりつつありますが、正しい情報を得て周到に準備をすれば、素晴らしい旅の体験は依然として可能です。simvoyageでは、これからも旅行者の皆様に役立つ最新情報をお届けしていきます。

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この記事を書いたトラベルライター

SimVoyage編集部は、世界を旅しながら現地の暮らしや食文化を体感し、スマホひとつで快適に旅する術を研究する旅のプロ集団です。今が旬の情報から穴場スポットまで、読者の「次の一歩」を後押しするリアルで役立つ記事をお届けします。

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