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米国への国際旅行、2025年も回復の兆し見えず:カナダからの訪問者激減が示す警鐘

simvoyageがお届けする国際旅行ニュース。今回は、米国への国際旅行者数の回復が遅れているという最新の予測について深掘りします。米国旅行協会(U.S. Travel Association)が発表した最新データによると、2025年になっても国際旅行者数はパンデミック前の水準には及ばず、特に隣国カナダからの訪問者が大幅に減少することが予測されています。この背景には何があるのでしょうか。そして、米国の観光業にどのような影響を与えるのでしょうか。

目次

回復が遅れる米国観光業の実態

パンデミックからの回復を目指す世界の観光業ですが、米国においてはその歩みが予想以上に遅れています。米国旅行協会の予測では、2024年の米国への国際旅行者数は、パンデミック前の2019年の水準を約1,000万人下回る見込みです。さらに、2025年になってもその差は800万人と、完全回復には程遠い状況が続くと見られています。

2019年には約7,930万人の国際旅行者が米国を訪れましたが、この数字に戻るにはまだ時間が必要です。この回復の遅れの背後には、複数の複雑な要因が絡み合っています。

最大の要因は「カナダからの訪問者減少」

今回の予測で特に注目すべきは、カナダからの旅行者の落ち込みです。2025年に予測される800万人の減少のうち、実に500万人がカナダからの訪問者で占められると見られています。

2019年には約2,070万人のカナダ人が米国を訪れており、米国にとって最大のインバウンド市場でした。しかし、予測通り500万人が減少した場合、その数はパンデミック前と比較して約24%もの大幅な減少となります。この一つの市場の落ち込みが、米国全体の観光業に深刻な影響を与えているのです。

なぜ旅行者は米国から遠ざかるのか?

国際旅行者、特にカナダからの訪問者が減少している背景には、いくつかの明確な理由が存在します。

経済的な壁:米ドル高とインフレ

最も大きな要因の一つが経済的な問題です。現在、米ドルに対してカナダドルが安値を続けており、カナダ人にとって米国での旅行費用は以前よりも格段に割高になっています。食事、宿泊、ショッピングなど、あらゆる場面でコスト増を実感せざるを得ない状況が、米国旅行への意欲を削いでいます。

また、世界的なインフレと国際航空運賃の高騰も、旅行者の予算を圧迫しており、よりコストパフォーマンスの高い他の国へ目を向ける旅行者が増えています。

手続きの煩雑さと長い待ち時間

旅行手続きの障壁も無視できません。ブラジル、メキシコ、インド、コロンビアといった主要な市場では、米国ビザの取得に依然として長い待ち時間が発生しており、これが旅行計画の大きな妨げとなっています。

さらに、陸路で国境を越える際に利用が推奨されている税関・国境警備局(CBP)のモバイルアプリ「CBP One」についても、技術的な問題や使い勝手の悪さが指摘されており、スムーズな入国を妨げる一因となっているとの声も上がっています。

未来への影響と求められる対策

このまま国際旅行者数の回復が遅れれば、米国の観光業および経済全体に与える影響は計り知れません。国際旅行者は国内旅行者よりも滞在期間が長く、一人当たりの消費額も大きい傾向にあるため、その減少はホテル、航空会社、レストラン、小売店など、幅広い産業に打撃を与えます。

予測される経済的損失

訪問者の減少は、数十億ドル規模の経済的損失に直結します。観光収入の減少は、地域経済の停滞や関連産業における雇用の喪失につながる可能性があります。かつて世界中の人々を魅了した観光大国としての地位が揺らぎかねない事態です。

今後の展望と課題

この状況を打開するためには、米国政府と観光業界が一体となった戦略的な取り組みが不可欠です。具体的には、以下のような対策が急務となるでしょう。

  • ビザ発給プロセスの迅速化: 主要市場におけるビザ審査の待ち時間を短縮し、旅行希望者がスムーズに渡航準備を進められる環境を整備すること。
  • 入国手続きのデジタル化と改善: CBP Oneアプリの機能改善や、空港での入国審査プロセスの効率化を進め、旅行者にストレスの少ない体験を提供すること。
  • 戦略的なプロモーション: 特にカナダ市場に対し、為替レートの不利を補うような魅力的な旅行パッケージやキャンペーンを展開し、再び米国への関心を喚起することが求められます。

米国への旅行を計画している方々にとっては、人気観光地の混雑が緩和されるという側面もあるかもしれません。しかし、長期的に見れば、観光収入の減少はインフラの質の低下やサービスの縮小につながる可能性もあります。今後の米国の観光政策と市場の動向に、引き続き注目していく必要がありそうです。

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この記事を書いたトラベルライター

SimVoyage編集部は、世界を旅しながら現地の暮らしや食文化を体感し、スマホひとつで快適に旅する術を研究する旅のプロ集団です。今が旬の情報から穴場スポットまで、読者の「次の一歩」を後押しするリアルで役立つ記事をお届けします。

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