米国連邦航空局(FAA)は、2023年の感謝祭休暇期間が、過去15年間で最も航空交通が混雑するとの予測を発表しました。新型コロナウイルスのパンデミックからの旅行需要の力強い回復を象徴するものであり、この期間に米国への渡航や米国内での移動を計画している方は、空港での大幅な混雑やフライトの遅延に備える必要があります。
記録的な旅行者数を予測する具体的なデータ
今回の予測は、複数の機関から発表された具体的なデータによって裏付けられています。
FAAとTSAによる予測
FAAによると、感謝祭休暇のピークとなる日には、全米で1日に50,000便以上のフライトが運航される見込みです。特に混雑が予想されるのは、感謝祭前日の11月22日(水)と、休暇を終えて人々が帰路につく11月26日(日)です。特に日曜日は、フライト数が51,000便を超えると予測されています。
また、空港の保安検査を担当する米国運輸保安庁(TSA)も、この期間の検査場の通過者数が記録的な水準に達すると見ており、旅行者に対して通常より早く空港に到着するよう呼びかけています。
全米自動車協会(AAA)の予測
AAA(全米自動車協会)も同様の見通しを示しており、感謝祭期間中に自宅から50マイル(約80km)以上移動する米国人は5,540万人に達すると予測しています。これは2005年以来で3番目に多い数字です。
このうち、航空機を利用する旅行者は約470万人にのぼると推計されており、航空需要の高さがうかがえます。大手航空会社であるユナイテッド航空は、この期間中に同社史上最多となる590万人の乗客を見込んでいると発表しており、業界全体が活況を呈していることがわかります。
なぜこれほどの混雑が予測されるのか?その背景
今回の記録的な混雑予測には、いくつかの背景要因が考えられます。
パンデミックからの完全な回復
最も大きな要因は、新型コロナウイルスのパンデミックによる長年の移動制限から完全に解放され、旅行意欲が爆発的に高まっていることです。いわゆる「リベンジトラベル」の勢いは衰えず、特に感謝祭のような家族や友人と集う伝統的なイベントでは、その傾向が顕著に現れています。
「コト消費」への価値観シフト
世界的なインフレにもかかわらず、人々はモノの所有よりも体験(コト消費)に価値を見出す傾向を強めています。旅行はその代表格であり、休暇を利用して大切な人と過ごす時間を優先する消費者が増えていることが、旺盛な旅行需要を支えています。
予測される影響と旅行者が取るべき対策
これほどの混雑は、旅行者と航空業界の双方に大きな影響を与えます。
旅行者への影響
旅行者は、空港でのチェックインカウンターや保安検査場での長蛇の列を覚悟する必要があります。また、フライトの遅延や欠航のリスクも通常より高まる可能性があります。
この状況を乗り切るためには、以下の対策が有効です。
- 早めの空港到着: 国内線では出発の3時間前、国際線ではそれ以上前に空港に到着することをお勧めします。
- オンラインチェックインの活用: 事前にオンラインでチェックインを済ませ、搭乗券を発行しておきましょう。
- 手荷物の準備: 機内持ち込み手荷物の液体物ルールなどを再確認し、保安検査をスムーズに通過できるよう準備を整えましょう。
- 最新情報の確認: 利用する航空会社のアプリやウェブサイトで、フライトの運航状況をこまめに確認することが重要です。
航空業界への影響
航空業界にとって、この旅行者数の増加は大きな収益機会となります。しかし同時に、パンデミック中に削減された人員が完全には回復していない中、急増する需要に対応するオペレーション能力が厳しく試されることになります。
この感謝祭期間の対応が、続くクリスマスから年末年始にかけてのホリデーシーズンの動向を占う試金石となることは間違いありません。業界全体が、安定した運航と顧客満足度の維持という難しい課題に直面しています。この時期に米国を訪れる方は、最新の交通情報を確認し、余裕を持った旅行計画を立てるようにしてください。

