米国で史上最長となる35日間に及んだ政府機関の一部閉鎖が、3週間の暫定予算の成立によりようやく終結しました。この閉鎖は、約80万人の連邦政府職員への給与支払いが停止しただけでなく、国際的な航空網にも深刻な影響を及ぼし、多くの旅行者が混乱に巻き込まれました。
simvoyageでは、この出来事の背景と、今後の米国旅行に与える影響について詳しく解説します。
航空業界を直撃した「人手不足」という名の麻痺
今回の政府閉鎖が旅行者に最も大きな影響を与えたのは、航空業界でした。その中心にあったのが、空港の安全を担う運輸保安庁(TSA)の職員と、空の交通整理を行う航空管制官の不足です。
給与未払いで急増した職員の欠勤
TSA職員や航空管制官は、国家の安全保障に不可欠な「必要不可欠な職員」と見なされ、政府閉鎖中も無給での勤務を強いられました。
給与が支払われない状況が1ヶ月以上続いたことで、職員の士気は著しく低下。生活苦から他の仕事を探すため、あるいは抗議の意思を示すために病欠を申請する職員が急増しました。報道によると、TSA職員の病欠率は通常の約3%から、閉鎖期間中には10%を超える日もありました。
これにより、全米の空港で保安検査場の待ち時間が長大化。一部の空港ではターミナルの一部を閉鎖せざるを得ない事態にまで発展しました。
航空管制の逼迫が引き起こした大規模遅延
特に深刻だったのは、航空管制官の不足です。人員が不足する中、残った管制官たちは過酷な勤務を強いられました。この状況が限界に達し、ニューヨークのラガーディア空港をはじめ、ニューアーク国際空港、フィラデルフィア国際空港などで、大規模なフライトの遅延や欠航が発生。航空会社の組合や業界団体からも「航空システムの安全が崩壊寸前だ」という強い警告が発せられました。
なぜ政府は閉鎖されたのか?
今回の政府閉鎖の直接的な原因は、メキシコ国境の壁の建設費用を巡る、トランプ前大統領と議会の対立でした。予算案に壁の建設費用を盛り込むことを巡って両者が互いに譲らず、2018年12月22日から政府機関への資金供給が停止。これにより、国立公園や博物館、各種行政サービスなど、旅行者に身近な多くの施設や機能が停止しました。
議会予算局(CBO)の試算によると、この35日間の閉鎖による米国の経済的損失は少なくとも110億ドル(約1.2兆円)に上るとされています。
今後の米国旅行で留意すべきこと
政府機関は再開されましたが、その影響はすぐには解消されません。今後の米国旅行を計画する際には、以下の点に留意することをお勧めします。
航空便の運航状況は引き続き注視を
政府機関の再開により、空港の機能は正常化に向かいます。しかし、長期間の無給勤務を強いられた職員の士気が完全に回復し、人員配置が元に戻るまでには時間がかかる可能性があります。旅行の直前には、利用する航空会社のウェブサイトやアプリで、フライトの運航状況をこまめに確認しましょう。
国立公園などの施設の運営情報
閉鎖されていた国立公園やスミソニアン博物館なども運営を再開しますが、一部のサービスや施設では再開が遅れる可能性も考えられます。訪問を予定している場合は、必ず公式ウェブサイトで最新の運営状況を確認してください。
不測の事態に備える旅行保険
今回の出来事は、政治的な問題が予期せぬ形で旅行計画に影響を及ぼすリスクを浮き彫りにしました。フライトの遅延やキャンセル、予期せぬ滞在延長などをカバーする海外旅行保険への加入は、これまで以上に重要性を増しています。
政府の動向が、私たちの旅に直接的な影響を与えることを改めて示した今回の政府閉鎖。simvoyageは、今後も旅行者の皆様に役立つ最新情報をお届けしてまいります。

