米大手旅行保険会社のオールリアンツ・パートナーズ社が、2023年の感謝祭(サンクスギビング)休暇期間におけるアメリカ人の旅行動向調査を発表しました。国際旅行先ランキングにおいて、日本の東京がアジアの都市として唯一トップ10にランクインし、日本への関心が依然として高いことが明らかになりました。
この記事では、このランキングの詳細とともに、日本が選ばれる背景、そして今後のインバウンド市場に与える影響について考察します。
活況を呈するアメリカの海外旅行市場
オールリアンツ社は、2023年11月17日から27日までの感謝祭休暇期間に予定されているアメリカ発のフライト旅程を分析。その結果、国際線を利用した旅行は前年比で17%増加しており、海外旅行への需要が力強く回復していることが示されました。
パンデミックによる長年の制限を経て、アメリカの旅行者たちは再び世界へと目を向けています。特に、感謝祭という伝統的な休暇シーズンを利用して、家族や友人と海外で過ごすスタイルが定着しつつあるようです。
人気海外旅行先ランキング:東京が10位にランクイン
同社が発表した、感謝祭期間中の人気海外旅行先トップ10は以下の通りです。
- 1位: カンクン(メキシコ)
- 2位: サン・ホセ・デル・カボ(メキシコ)
- 3位: ロンドン(イギリス)
- 4位: プエルト・バヤルタ(メキシコ)
- 5位: モンテゴ・ベイ(ジャマイカ)
- 6位: ナッソー(バハマ)
- 7位: プンタ・カナ(ドミニカ共和国)
- 8位: パリ(フランス)
- 9位: オラニエスタッド(アルバ)
- 10位: 東京(日本)
ランキングを見ると、地理的に近いメキシコやカリブ海のリゾート地が圧倒的な強さを見せています。その中で、長距離路線となるヨーロッパの主要都市ロンドン、パリと並び、アジアから唯一東京がトップ10入りを果たしたことは特筆すべき点です。これは、アメリカ人旅行者の間で日本が重要な旅行先として認識されていることを明確に示しています。
なぜ日本が選ばれるのか?その背景を分析
東京が遠距離にもかかわらず人気を集める背景には、いくつかの要因が考えられます。
歴史的な円安ドル高
最も大きな要因は、現在の為替レートです。歴史的な円安ドル高により、アメリカ人旅行者にとって日本での滞在費、食事、ショッピングなどが非常に割安になっています。同じ予算でもより豊かな体験ができる「コストパフォーマンスの高さ」が、大きな魅力となっています。
独自の文化と食、そして安全性
アニメや漫画といったポップカルチャーから、寺社仏閣などの伝統文化まで、日本が持つ多様な魅力は常に旅行者を惹きつけてきました。また、ミシュランガイドで世界最多の星を持つ都市である東京をはじめ、質の高い食文化も大きな目的の一つです。さらに、世界的に見ても治安が良いとされる日本の安全性は、安心して旅行を楽しむための重要な要素となっています。
パンデミック後の旅行需要の変化
コロナ禍で海外旅行が制限されていた期間を経て、多くの旅行者が「一生に一度は訪れたい場所」への旅行を計画する傾向があります。その中で、ユニークな体験ができるデスティネーションとして日本が選ばれていると考えられます。
今後の予測とインバウンド市場への影響
今回のランキング結果は、今後の日本のインバウンド市場にとって明るい兆しと言えるでしょう。
円安が続く限り、アメリカからの訪日客は引き続き高い水準で推移することが予測されます。現在は東京が注目されていますが、今後はSNSや口コミを通じて京都、大阪、北海道といった地方都市への関心もさらに高まり、旅行者の目的地が多様化していく可能性があります。
一方で、急速な観光客の増加は、一部地域でのオーバーツーリズムや、観光業における人手不足といった課題も浮き彫りにします。旅行者の満足度を維持しつつ、地域住民の生活とのバランスを取るための持続可能な観光戦略が、今後ますます重要になってくるでしょう。
オールリアンツ社の調査は、日本がグローバルな旅行市場において確固たる地位を築いていることを改めて証明しました。この追い風を活かし、日本がどのように旅行者を受け入れていくのか、今後の動向から目が離せません。

