タイは、日本を含む93カ国対象の観光ビザなし滞在期間を、現行の60日間から従来の30日間に短縮すると発表しました。これは、コロナ禍の特例措置終了と、不法就労や犯罪対策として治安維持を重視する方針転換によるものです。2週間程度の短期旅行者への影響は小さいですが、1ヶ月以上の長期滞在を計画するデジタルノマドなどは、ビザ取得など滞在計画の見直しが必須。
突然の方針転換、タイ旅行計画に注意
多くの日本人旅行者に人気の渡航先であるタイが、観光目的のビザなし滞在に関する重要な方針転換を発表しました。タイ政府は閣議で、日本を含む93の国・地域を対象としてきたビザなしでの滞在許可期間を、現行の60日間から従来の30日間に短縮することを決定しました。
この変更は、新型コロナウイルス後の観光産業の回復を目的として導入された特例措置の終了を意味します。タイへの渡航を計画している方は、ご自身の旅行プランに影響がないか確認が必要です。
背景:なぜ今、期間短縮なのか?
今回の決定は、単なる制度の変更ではありません。タイ政府の観光政策と国内の治安維持に対する姿勢の変化が背景にあります。
観光振興から治安対策へのシフト
もともと60日間のビザなし滞在は、パンデミックで落ち込んだ観光客数を回復させるための強力なインセンティブとして機能してきました。しかし、この寛大な制度が長期化するにつれて、不法就労やオーバーステイ(不法滞在)、さらには国際的な犯罪組織の活動拠点として悪用されるケースへの懸念が政府内で高まっていました。
今回の期間短縮は、観光客誘致という「アクセル」を踏みつつも、国内の治安維持という「ブレーキ」を重視する姿勢への転換と見ることができます。タイ政府は、量だけでなく「質」の高い観光を推進し、安全な旅行先としてのブランドイメージを維持したいという意図があると考えられます。
旅行者への影響と今後の対策
この変更は、旅行者の滞在スタイルによって影響の度合いが大きく異なります。
短期旅行者への影響は限定的
2週間程度の一般的な観光旅行を計画しているほとんどの旅行者にとっては、30日間という滞在期間は十分であり、実質的な影響はほとんどないでしょう。これまで通り、気軽にタイの文化や食、リゾートを楽しむことができます。
デジタルノマド・長期滞在者への大きな影響
一方で、今回の変更が最も大きな影響を及ぼすのは、1ヶ月以上の長期滞在を計画していた旅行者です。特に、タイを拠点にリモートワークを行う「デジタルノマド」や、東南アジアを周遊するバックパッカーにとっては、滞在計画の大幅な見直しが不可欠となります。
これまではビザなしで約2ヶ月間滞在できましたが、今後は30日を超える滞在には適切なビザの取得が必須となります。近隣国へ一度出国して再入国する、いわゆる「ビザラン」による滞在延長も、規制が厳しくなる可能性があります。30日以上の滞在を希望する場合は、出国前にタイ王国大使館・領事館で観光ビザ(TRビザ)などを申請する準備が必要です。
今後の見通しと注意点
この新しい方針は、タイの官報に掲載されてから15日後に施行される予定です。しかし、具体的な施行日がいつになるかは現時点では確定していません。
そのため、今後タイへの渡航を計画している方、特に1ヶ月以上の滞在を予定している方は、出発前に必ずタイ王国大使館やタイ入国管理局の公式サイトなどで最新のビザ情報を確認するようにしてください。航空券や宿泊先を予約する前に、最新の入国要件を把握しておくことが重要です。
simvoyageでは、今後もタイの入国管理に関する最新情報を注視し、旅行者の皆様に役立つ情報をお届けしてまいります。

