南アフリカのケープタウンが誇る絶景のシンボル、テーブルマウンテンとテーブルマウンテン・エアリアル・ケーブルウェイが、旅行業界で最も権威ある賞の一つ「ワールド・トラベル・アワード2025」において、2つの主要なグローバル部門にノミネートされたことが発表されました。このノミネートは、南アフリカの観光地としての国際的な評価が確固たるものであることを証明するものであり、今後の観光産業に大きな影響を与えることが期待されます。
「旅行業界のオスカー」に2部門でノミネート
ワールド・トラベル・アワードは、その権威から「旅行業界のオスカー」と称され、世界中の旅行・観光業界の専門家や一般旅行者の投票によって選出されます。今回テーブルマウンテンがノミネートされたのは以下の2部門です。
- 世界を代表する観光名所 (World’s Leading Tourist Attraction 2025)
- 世界を代表するケーブルカー (World’s Leading Cable Car Ride 2025)
これらの部門でのノミネートは、世界中に数ある観光名所やアトラクションの中でも、テーブルマウンテンが特に卓越した存在であることを示しています。過去にもアフリカ大陸部門での受賞歴はありますが、グローバル部門での栄誉は、その魅力を世界レベルで認められたことを意味します。
世界を魅了するテーブルマウンテンの背景
テーブルマウンテンがこれほどまでに高く評価されるのには、いくつかの理由があります。
唯一無二の自然景観と豊かな生態系
海抜1,086メートルの山頂がナイフで切り取ったかのように平らであるという、その独特な形状は他に類を見ません。この山を含む一帯は「ケープ植物区系保護地域群」の一部としてユネスコ世界自然遺産に登録されており、フィンボスと呼ばれる固有の植生をはじめ、約2,200種もの植物が生息しています。これはイギリス全土に存在する植物種を上回る数であり、生物多様性の宝庫としても知られています。
年間100万人以上が訪れる人気
パンデミック以前は、年間100万人以上の観光客がケーブルウェイを利用して山頂を訪れていました。1929年に開業したケーブルウェイは、技術改良を重ね、現在では360度回転するゴンドラを採用。約5分間の乗車中に、ケープタウンの市街地、大西洋、そしてロベン島まで見渡せる息をのむようなパノラマビューを提供し、訪れる人々を魅了し続けています。
南アフリカ観光への影響と未来予測
今回のノミネート、そして受賞の可能性は、南アフリカの観光業に多大なプラス効果をもたらすと予測されます。
国際的ブランド価値の向上と観光客の誘致
ワールド・トラベル・アワードでの受賞は、世界中の旅行者に対する強力なマーケティングツールとなります。これにより、南アフリカおよびケープタウンは「必ず訪れるべきデスティネーション」としての地位をさらに固めるでしょう。特に、これまで南アフリカに関心の薄かった層や、新たな旅行先を探している欧米・アジア市場からの観光客増加が期待されます。
経済への波及効果
観光客の増加は、航空、宿泊、飲食、小売といった関連産業に直接的な経済効果をもたらします。ケープタウンの観光業は市の経済において重要な役割を担っており、今回のノミネートは、パンデミックからの回復をさらに加速させる追い風となるはずです。訪問者数の増加に伴い、新たな雇用創出や地域経済の活性化にもつながるでしょう。
持続可能な観光への注目
世界的な評価が高まる一方で、オーバーツーリズムや環境負荷への懸念も生じます。テーブルマウンテン国立公園は、かねてより自然保護と観光利用の両立を目指してきました。今回のノミネートを機に、環境保全の取り組みや、訪問者数を適切に管理する「サステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)」への関心が国内外で一層高まることが予想されます。
ワールド・トラベル・アワード2025の結果発表に、世界中の観光業界が注目しています。テーブルマウンテンが世界の頂点に立つかどうかにかかわらず、このノミネート自体が南アフリカの持つ素晴らしい魅力を再認識させる出来事であることは間違いありません。次の旅行先を考えるなら、この世界が認める絶景を体験しに、ケープタウンを訪れてみてはいかがでしょうか。









