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【国際旅行ニュース】航空業界が「持続可能な航空燃料(SAF)」で団結!国際基金設立でカーボンニュートラルへ加速

世界の空の旅が、環境に優しい未来へと大きく舵を切りました。世界の主要航空会社とエネルギー企業が、持続可能な航空燃料(SAF)の生産と供給を世界的に拡大するための国際基金を設立することで合意したとのニュースが飛び込んできました。これは、私たち旅行者がよりサステナブルな旅を選択できる未来への重要な一歩と言えるでしょう。

目次

背景:なぜ今、SAFが注目されるのか?

飛行機での旅行は、私たちの世界を広げてくれる素晴らしい体験ですが、同時に地球環境への負荷という課題も抱えています。国際航空運送協会(IATA)によると、航空業界は世界のCO2排出量の約2〜3%を占めており、この削減は業界全体の急務となっています。

その解決策の切り札として期待されているのが「SAF(Sustainable Aviation Fuel)」、すなわち「持続可能な航空燃料」です。

持続可能な航空燃料(SAF)とは?

SAFは、廃食油、植物、都市ごみ、藻類など、化石燃料以外の再生可能な原料から製造されるジェット燃料です。従来のジェット燃料と混合して使用することができ、既存の航空機やインフラをそのまま利用できるのが大きな利点です。何より重要なのは、その環境性能です。SAFは、原料の収集から製造、燃焼までのライフサイクル全体で、従来のジェット燃料に比べてCO2排出量を最大で約80%も削減できるとされています。

しかし、その普及には大きな壁がありました。

  • 高すぎるコスト: SAFの生産コストは、現在のところ従来のジェット燃料の2倍から5倍以上と非常に高価です。
  • 供給量の不足: 世界のジェット燃料供給量に占めるSAFの割合は、未だ0.2%にも満たない(2023年時点、IATA推計)のが現状です。

この「高コスト」と「供給不足」という二つの大きな課題を乗り越えるため、航空業界は一社単独での努力ではなく、業界全体で協力し、リスクを分担する必要がありました。今回の国際基金設立は、まさにそのための具体的なアクションなのです。

新たな基金が目指す未来

今回設立が合意された国際基金は、単なる資金集めにとどまりません。その目的は、SAF市場を根本から育て、スケールアップさせることにあります。

  • 技術開発への投資: より効率的で低コストなSAFの生産技術を開発するための研究を支援します。
  • グローバルな生産体制の構築: 特にSAFの原料が豊富な新興国など、世界各地に製造プラントを建設するための資金を供給します。
  • 共同調達によるスケールメリット: 航空会社が共同でSAFを調達・投資することで、生産者側も安心して大規模な投資に踏み切れるようになり、結果としてコストダウンと安定供給につながります。

この基金を通じて、航空業界は2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」という野心的な目標達成への道を切り拓こうとしています。

旅行者への影響とこれからの空の旅

では、この動きは私たちの旅行にどのような影響を与えるのでしょうか。

短期的には、SAFの利用コストが「サステナビリティチャージ」などの形で航空券価格に一部反映される可能性は否定できません。すでに一部の航空会社では、乗客が任意でSAF利用分を寄付・購入できる仕組みを導入しています。

しかし、長期的に見れば、この投資は非常にポジティブな未来をもたらします。基金の活動によってSAFの生産量が劇的に増え、コストが下がれば、環境に配慮したフライトが特別な選択肢ではなく「当たり前」になる日が来るかもしれません。

旅行の計画を立てる際、航空会社がどれだけSAFを積極的に利用しているかが、航空会社選びの新たな基準になる可能性もあります。環境への罪悪感なく、心から空の旅を楽しめる「フライグシャム(飛び恥)」という言葉とは無縁の時代が、すぐそこまで来ているのかもしれません。

今回の国際基金の設立は、航空業界の覚悟を示す大きな一歩です。私たち旅行者も、こうした業界の動向に注目し、持続可能な旅のあり方について考えていくことが求められています。

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この記事を書いたトラベルライター

SimVoyage編集部は、世界を旅しながら現地の暮らしや食文化を体感し、スマホひとつで快適に旅する術を研究する旅のプロ集団です。今が旬の情報から穴場スポットまで、読者の「次の一歩」を後押しするリアルで役立つ記事をお届けします。

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