2025年9月21日から22日にかけて、強力なスーパー台風「ナンドー(国際名:Nando)」がフィリピン北部を直撃し、空の交通に大きな混乱をもたらしました。フィリピンのGMA News Networkが報じたところによると、この影響でマニラのニノイ・アキノ国際空港(NAIA)などを発着する国内外の少なくとも16便が欠航となりました。この中には日本とフィリピンを結ぶ路線も含まれており、多くの旅行者やビジネス渡航者の足に影響が出ています。
欠航の状況と日本への影響
フィリピン民間航空局(CAAP)の発表によると、欠航が決定したのは、主にフィリピン航空(PAL)とセブパシフィック航空が運航する国内線および国際線です。特に台風が最も接近した21日夜から22日午前にかけて、マニラやクラークを拠点とする便の多くが運航を見合わせました。
日本路線においては、マニラと東京(成田・羽田)、大阪(関西)、名古屋(中部)、福岡などを結ぶ便の一部で欠航や大幅な遅延が発生した模様です。これにより、日本からフィリピンへの渡航を予定していた旅行者や、現地から帰国予定だった人々が空港で足止めされる事態となりました。各航空会社はウェブサイトや公式アプリを通じて最新情報の確認を呼びかけています。
背景:台風の通り道フィリピンと航空網
フィリピンは地理的に「台風の銀座」と呼ばれる海域に位置しており、年間平均で約20個の台風が接近・上陸します。特に9月から11月にかけては、海水温の上昇に伴い、スーパー台風と呼ばれるカテゴリー5に相当する極めて強力な台風が発生しやすい時期です。
過去にも、2013年のスーパー台風「ハイエン(フィリピン名:ヨランダ)」では、航空インフラに甚大な被害が出て、長期間にわたり国内外のフライトが麻痺しました。今回の台風ナンドーも、最大風速が時速240kmを超える猛烈な勢力でルソン島を通過したとみられ、航空会社は乗客と乗員の安全を最優先に、早い段階で欠航を決定しました。近年、気候変動の影響で台風が強力化する傾向にあるとの指摘もあり、今後も同様の事態が頻発する可能性があります。
今後の見通しと旅行者がすべきこと
フィリピン気象庁(PAGASA)によると、スーパー台風ナンドーはフィリピンの陸地を離れ、南シナ海へと抜ける見込みです。天候の回復に伴い、23日以降は各航空会社が臨時便を運航するなどして、順次フライトが再開される見通しです。
渡航予定の方へ
現在フィリピンへの渡航を予定している、あるいは現地に滞在中の方は、以下の点に注意してください。
- 最新の運航情報を確認する: ご利用予定の航空会社の公式サイトやSNS、空港のフライト情報をこまめに確認し、自身の便が運航されるか必ず確認してください。
- フライトの変更・払い戻し手続き: 欠航となった場合、航空会社は代替便への振替や払い戻しの対応を行っています。手続きの方法は航空会社によって異なるため、公式の案内に従ってください。
- 旅行保険の確認: 航空便の遅延や欠航に伴う追加の宿泊費などが補償対象となる場合があります。加入している海外旅行保険の契約内容を確認しておくことをお勧めします。
simvoyageでは、引き続き現地の最新情報をお伝えしていきます。渡航を計画されている皆様は、安全を第一に行動してください。









