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美食の都リヨンで叶える、夢の”暮らすような旅”。アパルトマン滞在からマルシェ巡りまで徹底ガイド

「次の旅は、観光地を駆け足で巡るだけじゃなく、その街の日常にそっと溶け込んでみたい」。そう思ったことはありませんか?カフェのテラスで道行く人を眺めたり、市場で買った新鮮な食材で料理をしたり、お気に入りの公園で本を読んだり。そんな、まるでそこに住んでいるかのような旅のスタイルは、私たちの心に特別な豊かさをもたらしてくれます。

もし、あなたがそんな「暮らすような旅」に憧れているなら、フランスの美食の都、リヨンほどぴったりの場所はありません。パリの華やかさとは一味違う、落ち着いた気品と活気に満ちたこの街は、訪れる人を優しく受け入れ、その日常の扉をそっと開けてくれます。ローヌ川とソーヌ川という二つの川がゆったりと流れる街並みは、どこを切り取っても絵葉書のよう。世界遺産に登録された旧市街の石畳を歩けば、まるで中世にタイムスリップしたかのような気分に浸れるでしょう。

この記事では、私が世界30か国を旅した経験から、なぜリヨンが「暮らすような旅」のデスティネーションとして最高なのか、そして、その夢を実現するための具体的な方法を、一つひとつ丁寧にご紹介していきます。アパルトマンの選び方から、地元の人が集まるマルシェでの買い物術、公共交通機関の乗りこなし方、そしていざという時のためのトラブル対処法まで。この記事を読み終える頃には、あなたはもうリヨンの街を自由に歩き回る自分の姿を、ありありと想像できているはずです。さあ、美食と歴史が薫る街、リヨンでの新しい日常への扉を開けてみましょう。

目次

なぜリヨンは「暮らすような旅」に最適なのか?

数あるヨーロッパの都市のなかで、なぜリヨンがこれほどまでに「暮らすような旅」にふさわしいのでしょうか。その理由は、この町が持つ独特で多彩な魅力に隠されています。

毎日の食事が旅の醍醐味となる「美食の都」

リヨンが「美食の都」と称されるのは、単に高級レストランの多さだけが理由ではありません。真の魅力は、市民の生活に深く根ざした豊かな食文化にあります。街のあちこちで開かれるマルシェ(市場)では、新鮮な色とりどりの野菜や果物、地元農家が手がけるチーズ、焼きたてのパン、そして目にも美味しそうなシャルキュトリー(食肉加工品)がずらりと並びます。その食材をアパルトマンに持ち帰って自ら調理するだけで、至福のディナーが完成します。料理しながら窓越しに広がるリヨンの街並みを眺める時間は、何にも代えがたい贅沢な瞬間となるでしょう。

もちろん外食の楽しみも豊富です。「ブション」と呼ばれるリヨン特有の庶民的な食堂では、気取らない雰囲気のなかで、ボリュームたっぷりの温かい郷土料理を堪能できます。観光客向けのお店に限らず、地元の常連でにぎわうブションにふらりと立ち寄れば、リヨネ(リヨンの市民)の日常の一端をのぞき見ることができるでしょう。

歩けば歩くほど魅了される、コンパクトで美しい街並み

リヨンはフランスで第2の規模を誇る都市ですが、中心部はとてもコンパクトにまとまっています。メトロやトラムといった公共交通機関は充実していますが、天気の良い日にはぜひ徒歩で街を散策してみてください。ソーヌ川沿いの遊歩道をのんびり歩いたり、プレスキル(半島地区)の美しい広場を巡ったり、旧市街の迷路のような小径に迷い込んだり。歩くたびに新たな発見があり、カフェの店員と目が合って微笑み合ったり、パン屋から漂う甘い香りに誘われたりと、そんな些細な出来事が旅の思い出を彩ります。地図を頼りに目的地を目指すのではなく、気の向くままに歩く。これがリヨンでの最高の過ごし方かもしれません。

飽きることのない、多彩な歴史と文化の重なり

リヨンの大きな魅力は、その歴史の奥深さにあります。街の西側にそびえるフルヴィエールの丘には、古代ローマ時代の円形劇場や神殿の遺跡が現存し、2000年以上前の繁栄を今に伝えています。その丘のふもとを囲む旧市街(ヴュー・リヨン)は、ルネサンス期の色鮮やかな建物が軒を連ねる、ヨーロッパでも最大級の保存地区です。一方、ソーヌ川とローヌ川の合流点に位置するコンフリュアンス地区を訪れれば、ガラスと鉄の斬新なデザインの美術館や商業施設が立ち並び、未来的な景観に包まれています。古代から現代まで、さまざまな時代の建築や文化が一つの街に共存しているため、リヨンでの時間は決して退屈することがありません。

安心感が漂う、穏やかな街の空気

多くの旅行者が気にするのは、滞在先の治安でしょう。その点でリヨンは、パリなどの大都市に比べて比較的安全で落ち着いた雰囲気が感じられます。もちろん、海外である以上最低限の注意は必要ですが、夜間でも安心して散策できるエリアが多数あり、女性の一人旅や長期滞在にも適しています。この安心感が、「暮らす」という感覚をより身近でリアルなものにしてくれるのです。

旅の始まりは拠点選びから。リヨンのアパルトマン滞在術

「暮らすような旅」を実現する上で、最も重要なのが滞在先の選択です。ホテルも快適ですが、キッチンやリビングが備わったアパルトマン(アパートメント)を選ぶことで、旅の自由度が格段にアップします。自分だけの空間で、リヨンの「日常」を体験してみましょう。

あなたの好みに合ったエリアは?

リヨンは地区ごとにまったく異なる魅力を持っています。拠点をどこに置くかで、滞在の印象も大きく左右されます。

  • 旧市街(Vieux Lyon / 5区)

ルネサンス時代の建物が立ち並び、「絵本の中の世界」のような景観が広がります。石畳の小道を歩くのが好きな方や歴史的な雰囲気に浸りたい方には理想的な場所です。ただし観光客が多く、夜遅くまで賑やかなこともあります。また、古い建物にはエレベーターがない場合が多いため、荷物が多い方は注意が必要です。

  • プレスキル(Presqu’île / 1区・2区)

ソーヌ川とローヌ川に挟まれた「半島」のエリアで、リヨンの中心地にあたります。ベルクール広場やテロー広場があり、ショッピング街やレストラン、デパートが集まる便利なエリア。どこに行くにもアクセスが良く、都会的な滞在を楽しみたい人におすすめです。

  • クロワ・ルース(Croix-Rousse / 4区)

かつて絹織物職人たちが暮らした丘の上の町。独立した村のように特徴的な雰囲気があり、ボヘミアンでアーティスティックな空気が漂います。「カニュ」と呼ばれる織物工房兼住居を改装したアパルトマンも多く、天井が高く開放感のある空間が魅力です。個性的なブティックやカフェ、活気あふれるマルシェもあり、クリエイティブな滞在を求める方にぴったり。ただし坂が多いため、足腰に自信のある方に向いています。

  • パール・デュー(Part-Dieu / 3区)

フランス国鉄の主要駅・パール・デュー駅周辺に広がる近代的なビジネス街。大規模なショッピングモールもあり買い物環境が充実しています。近隣都市への日帰り旅行を計画している方や、新しい建物を好む方には便利なエリアです。観光名所からは少し離れていますが、メトロのアクセスは良好です。

理想のアパルトマンを見つけるためのポイント

アパルトマン探しは旅の準備の中でも特に楽しい時間です。Booking.comやAirbnbなどの予約サイトが一般的ですが、理想的な物件を探すにはいくつかのコツがあります。

  • 検索条件を上手に活用する:

まずは旅の必須条件で絞り込みましょう。「キッチン」「洗濯機」「Wi-Fi」は「暮らすような旅」には欠かせません。エレベーターの有無や、バスタブ付きかシャワーのみかも重要なポイントです。

  • 写真だけでなくレビューもじっくり読む:

写真は編集されていることもあるため、実際に宿泊した人のレビューが最も信頼できる情報です。特に「騒音」(近くにバーがあった、道路に面していて騒がしいなど)、「水回り」(お湯の出が悪い、排水トラブルがあるなど)、「ホストの対応」(チェックインのスムーズさや困ったときの連絡の取りやすさ)に関するコメントは要チェック。良いところだけでなく悪い点にも目を通しましょう。

  • 地図で場所をしっかり確認する:

「駅から徒歩5分」とあっても、実際は急坂の上だったということもあります。予約サイトの地図機能を使い、最寄りのメトロ駅やバス停、スーパーやパン屋の位置を必ず確認してください。現地での日常をイメージしてみることが重要です。

  • 予約前にホストへ質問する:

気になることがあれば、予約前に遠慮なくホストへメッセージを送りましょう。例えば「チェックイン時間より少し早く荷物を置けますか?」など簡単な質問でもかまいません。返答の速さや丁寧さで、ホストの信頼度を判断できます。

アパルトマン滞在にあると便利な持ち物リスト

スーツケースにこれらを加えれば、リヨンでの滞在がより快適に過ごせます。

  • 必携アイテム
  • 変換プラグ(CタイプまたはSEタイプ): フランスのコンセント形状は日本と異なります。複数用意しておくと、スマホやカメラ、パソコンの充電がスムーズです。
  • スリッパ: ヨーロッパの宿泊施設はスリッパがないことが多いので、室内でリラックスするために持参しましょう。
  • エコバッグ: マルシェやスーパーのレジ袋は有料、あるいは配布されない場合がほとんど。複数持っていると便利です。
  • 基本的な調味料(ミニサイズ): 塩、胡椒、砂糖、油など。短期滞在なら、日本から小分けにして持参すると買い物の手間が省けて経済的です。
  • 洗濯用洗剤(小分包): ジェルボールタイプや個包装の粉末洗剤は荷物にならずおすすめです。
  • あると役立つアイテム
  • 日本の味: 醤油のミニボトル、顆粒だし、お茶漬けの素などがあると、現地の食材に飽きたときの心強い味方になります。
  • 食品用ラップやジップロック: マルシェで購入したチーズやハムの保存、サンドイッチを作って持ち歩くのに便利です。
  • お気に入りのティータオル(ふきん): アパルトマン備え付けのものもありますが、自分のものがあるとキッチン作業が楽しくなります。
  • 携帯用ウォシュレット: フランスのトイレにはウォシュレット機能がないため、気になる方は持参すると安心です。

リヨンの食を味わい尽くす。マルシェとブションの歩き方

リヨンでの生活の核となるのは、やはり「食」に尽きます。自宅のキッチンで腕を振るう日も、地元の味を求めて外出する日も、そのすべてが忘れがたい思い出となるでしょう。

マルシェで旬の恵みを手に入れる

リヨンのマルシェは単なる食材を売る場にとどまらず、生産者の誇りと地元の人々の食への情熱が交差する、活気あふれる交流の場です。

  • ポール・ボキューズ市場(Les Halles Paul Bocuse)

“リヨンの胃袋”と称される食の殿堂。リヨンを代表する伝説のシェフ、ポール・ボキューズの名を冠した屋内市場には、最高級のチーズやシャルキュトリー、シーフード、パティスリーが勢揃いしています。やや価格は張りますが、見るだけでも心が躍るスポットです。館内にはイートインスペースも充実しており、新鮮な牡蠣をシャンパンとともにその場で味わう贅沢も可能。観光客も多いですが、一度は訪れてみる価値が十分にあります。

  • サン・タントワーヌ市場(Marché Saint-Antoine)

ソーヌ川沿いに毎週火曜から日曜の午前中に開かれる青空市場。こちらはより地元密着型で、リヨネの生活が色濃く感じられます。色鮮やかな野菜や果物が山のように積み上げられ、威勢の良い掛け声が飛び交います。旬の果物をちょっと味見させてもらったり、調理法のおすすめを聞いたりと、お店の人とのやり取りも楽しみのひとつです。

マルシェで買い物をするときのポイント【Do情報】

初めてのマルシェでは緊張するかもしれませんが、いくつか心得を押さえれば問題ありません。

  • 挨拶は欠かさずに: お店の前に立ったら、まずは笑顔で「Bonjour!(ボンジュール!)」と挨拶しましょう。この一言だけで、会話がぐっとスムーズになります。
  • 欲しい商品は指差しで: 気になるものがあれば指をさして「Ça, s’il vous plaît.(サ、シル・ヴ・プレ / これをください)」と言ってみましょう。言葉に自信がなくても十分伝わります。
  • 量り売りの注文方法: チーズやハムなどは基本的に量り売りです。「Cent grammes(サン・グラム / 100グラム)」や「Deux tranches(ドゥ・トランシュ / 2枚)」のように伝えます。分からなければ、手で「このくらい」と示せば優しく教えてくれます。
  • 商品に直接触れない: 日本のスーパーのように自分で商品を手に取るのはマナー違反。必ず店員に取ってもらいましょう。
  • エコバッグと小銭の用意を: 現金のみの店舗も多いため、小銭を用意しておくと会計がスムーズです。エコバッグも忘れず持参しましょう。

ブションでリヨンの心に触れる

ブション(Bouchon)は、リヨンの伝統的な郷土料理を提供する大衆食堂のこと。かつて絹織物職人たちの胃袋を満たした、温かみのある料理が現在も受け継がれています。

  • リヨンの代表的な郷土料理
  • Salade Lyonnaise(サラダ・リヨネーズ):レタスにベーコン、ポーチドエッグ、クルトンを乗せたボリューム満点のサラダで、前菜の定番です。
  • Quenelle de Brochet(クネル・ド・ブロシェ):川カマスのすり身をふわふわに仕上げた、リヨン風はんぺんのような料理。伝統的にはエクルヴィス(ザリガニ)のソースでいただきます。
  • Cervelle de Canut(セルヴェル・ド・カニュ):直訳すると「絹織物職人の脳みそ」というユニークな名前ですが、実際はフロマージュ・ブラン(フレッシュチーズ)にハーブ、ニンニク、エシャロットを混ぜたディップ。パンにのせて食べると格別です。
  • Tarte aux Pralines(タルト・オ・プラリーヌ):アーモンドを赤い砂糖でコーティングしたプラリーヌをたっぷり使った、鮮やかなピンク色の甘いタルト。リヨンを代表するスイーツです。

ブション選びとマナーのポイント【Do情報】

  • 認証プレートを探す: 本物の伝統的ブションには、「Les Authentiques Bouchons Lyonnais(本物のリヨン・ブション)」という協会認定のプレートが掲げられています。良店の見分け方の一つとして目安にしましょう。
  • 予約がおすすめ: 人気店は平日でも満席になることが多く、特にディナータイムは予約が賢明です。お店の公式サイトやオンライン予約サイト(TheForkなど)、または直接電話での予約が可能です。
  • 服装について: ブションは大衆食堂のため厳しいドレスコードはありませんが、あまりにラフすぎる格好(ビーチサンダルやタンクトップなど)は避け、少しきちんとしたカジュアルな服装が望ましいです。周囲の雰囲気になじみやすくなります。
  • チップの扱い: フランスではサービス料が既に料金に含まれているため、チップは必須ではありません。ただし、もし素晴らしいサービスを受けたと感じたら、会計の5〜10%程度を小銭でテーブルに残すと好印象です。

リヨネのように街を歩く。公共交通機関完全ガイド

リヨンの街を自由に移動できれば、「暮らすような旅」がより一層充実します。リヨンの公共交通機関ネットワークTCL(Transports en Commun Lyonnais)は非常に優れており、旅行者にも分かりやすく設計されています。

TCLを使いこなそう

TCLはメトロ(地下鉄)、トラム(路面電車)、バス、そしてフルヴィエールの丘へ向かうフニクレール(ケーブルカー)の4つの交通手段で構成されています。これらすべてを同じチケットで利用可能です。

チケットの種類と購入方法【Do情報】

滞在期間や移動範囲に応じて、最適なチケットを選びましょう。

  • Ticket à l’unité(単回券): 1枚2.00ユーロ(2024年現在)。購入後1時間以内であれば、TCLネットワーク内で乗り換え自由です。
  • Carnet de 10 tickets(10回券): 10枚セットの回数券。1枚あたりの単価が割安になるため、数日間滞在する場合はこちらがお得です。友人や家族とシェアすることも可能です。
  • Ticket Liberté 1, 2, 4 heures(時間券): 1時間、2時間、4時間乗り放題のチケットです。短時間で複数回の乗降を予定している場合に便利です。
  • Ticket 24h, 48h, 72h(1日券など): 24時間、48時間、72時間の乗り放題チケット。公共交通機関を1日に何度も利用する場合に最適です。

購入場所: メトロ各駅に設置されている券売機(Distributeur automatique)での購入が最も手軽です。券売機は多言語対応しており、画面上で「English」を選択すれば英語表記に切り替わります。支払いはICチップ付きのクレジットカードまたは現金(硬貨・紙幣)が使えます。

公式アプリの利用: スマートフォンをお持ちの方は、TCL公式サイトから「TCL E-Ticket」アプリをダウンロードするのがおすすめです。アプリでチケットを購入すれば、スマホ画面をチケット代わりに使えるため、券売機で並ぶ手間が省けて便利です。

乗車時のルールと注意事項【Do情報】

  • 刻印(Valider)を必ず行いましょう: 最も重要なルールです。紙チケットの場合、メトロでは改札機に、トラムやバスでは車内にある黄色い刻印機にチケットを挿入し、日時を刻印します。これを怠ると、検札時に高額な罰金が科せられます。乗り換えは購入から1時間以内なら追加で刻印の必要はありませんが、念のため習慣化しておくと安心です。
  • スリへの警戒: パリほどではないものの、リヨンでも観光客を狙ったスリ被害があります。特に混み合うメトロ内や観光客が多いエリアでは注意が必要です。リュックは前に抱える、バッグのファスナーは必ず閉じる、貴重品は内ポケットに入れるなど、基本的な防犯対策を徹底してください。

Vélo’v(ヴェロヴ)で風を感じながら走ろう

リヨンには「Vélo’v」という便利なレンタサイクルシステムがあります。街のあちこちにステーションがあり、気軽に自転車を借りて好きな場所で返却可能です。川沿いのサイクリングロードを走れば、リヨンの美しい景色を肌で感じられるでしょう。短期旅行者向けには1日券や3日券もあり、クレジットカードで簡単に登録できます。

暮らすように楽しむリヨンの見どころと過ごし方

観光スポットを巡るだけでなく、リヨンの人々の暮らしに寄り添った過ごし方を取り入れることで、旅の深みと充実感が格段に増します。

定番以上のリヨン散策の提案

  • フルヴィエールの丘で深呼吸を: ノートルダム・ド・フルヴィエール大聖堂からの眺望は、リヨンを訪れる多くの人を魅了します。しかし、そこから少し足を伸ばし、古代ローマ劇場の遺跡に腰を下ろしてみてください。2000年前の観客に思いを馳せながら、眼下に広がる現代の街並みを眺める時間は、格別なひとときとなるはずです。
  • 旧市街で「トラブール」探検: リヨン旧市街の味わいは、メインストリートだけに留まりません。建物の中を縫うように通り抜け、中庭を経て別の通りへ抜けられる「トラブール(Traboule)」という秘密の通路が数多く存在します。地図に載っていない通路を発見するのは、まるで宝探しのような楽しさ。住民に迷惑をかけないよう静かに、その迷路のような街を探検してみましょう。
  • クロワ・ルースでクリエイティブな息吹を感じる: 昔織物職人の集まる地区だったクロワ・ルースは、現在も多くのアーティストやデザイナーのアトリエが点在する創造性豊かなエリアです。個性的なアクセサリーショップや新進気鋭のデザイナーのブティックをのぞくだけでなく、壁に描かれた巨大なだまし絵(トロンプ・ルイユ)を探すのも楽しいでしょう。丘の上に立つマルシェも活気にあふれておすすめです。
  • コンフリュアンスで未来を体感: ローヌ川とソーヌ川の合流点に開発されたこの新しい地区は、旧市街とはまったく異なる未来的な景観が広がっています。独創的なデザインのコンフリュアンス博物館や、川の上に浮かんでいるかのようなショッピングモールを散策し、川沿いのベンチでひと息つくと、リヨンの現代の息吹を強く感じられる場所です。

リヨネの日常を味わうおすすめアクティビティ

  • テット・ドール公園でピクニック: マルシェで手に入れたバゲットやチーズ、ハムにワインを持って、広々としたテット・ドール公園へ。地元の人々と一緒に芝生に座ってランチを楽しめば、まるで地元民の一員になったかのような気分が味わえます。園内には無料の動物園や美しいバラ園もあり、ゆったりとした一日を過ごせます。
  • 川沿いの朝の散策: 少し早起きしてソーヌ川かローヌ川のほとりを歩いてみましょう。ジョギングや犬の散歩、通勤途中の人々とすれ違いながら、朝日に輝く川面を眺める時間は、心地よい一日のスタートを約束してくれます。
  • 蚤の市で掘り出し物探し: 週末には市内のあちこちでブロカント(蚤の市)が開催されています。なかでも郊外の「Les Puces du Canal」は規模が大きく、アンティークの食器や家具、古着、雑多な品々がところ狭しと並んでいます。購入しなくても、その独特の雰囲気に浸るだけでワクワクが止まりません。
  • 映画の発祥地を訪れる: リヨンは映画を発明したリュミエール兄弟の故郷です。彼らの邸宅と工場跡を利用した「リュミエール美術館」では、映画の歴史について学ぶことができます。また、旧市街には趣のあるクラシックな映画館も点在し、たとえ言葉がわからなくても、映像の力によって楽しめる作品の鑑賞は特別な体験になるでしょう。

知っておきたい、リヨン滞在の基本情報とトラブル対策

安心して「暮らすような旅」を満喫するためには、基本的な情報と万が一の場合の対応方法をあらかじめ把握しておくことが重要です。

滞在の基礎知識

  • 通貨: ユーロ(€)が使われています。多くの場所でクレジットカードが利用可能ですが、マルシェや小規模な個人商店では現金のみというケースもあるため、一定額の現金を携帯しておくと安心です。
  • 電圧・プラグ: 電圧は230V、周波数は50Hzで、プラグはCタイプまたはSEタイプが主流です。日本の電化製品を使用する際は、変圧器および変換プラグの準備が必要です。
  • Wi-Fi環境: アパルトマンやカフェ、レストランなどでは無料Wi-Fiが整備されていることが多いです。公共のWi-Fiも利用できますが、セキュリティ面を考慮し、個人情報の入力は控えるのが賢明です。
  • 営業時間: レストランのランチタイムはおおむね12時から14時頃、ディナーは19時以降に営業が始まります。お店によっては日曜や月曜に休むところが多いため、買い物の計画は曜日を意識して立てましょう。
  • 挨拶の重要性: フランスでは、お店に入る際に「Bonjour(こんにちは)」、出る時は「Merci, Au revoir(ありがとうございます、さようなら)」と挨拶をするのがマナーです。これだけで店員の対応が格段に良くなるので、ぜひ実践してください。

トラブル対処法【知っておくべきポイント】

備えあれば憂いなし。いざという時のために、以下の対応方法を頭の片隅に置いておきましょう。

  • スリや盗難に遭った場合
  1. カード・携帯の停止: 慌てずにクレジットカード会社と携帯電話会社に連絡し、利用停止手続きを行います。
  2. 警察への届け出: 最寄りの警察署(Commissariat de police)で盗難届(Déclaration de vol)を作成してもらいます。この書類は海外旅行保険の申請時に必要です。
  • パスポートを紛失した場合
  1. 警察で証明書を取得: 警察署でパスポートの紛失・盗難証明書を発行してもらいます。
  2. 領事事務所に連絡: リヨンには日本の領事事務所があります。在リヨン領事事務所公式サイトで必要な書類(写真、戸籍謄本など)を確認し、連絡後に訪問して「帰国のための渡航書」を取得しましょう。旅程の変更が必要になる場合もあるので、速やかに対応してください。
  • 体調を崩したとき
  • 軽い症状なら: 緑色の十字マークが目印の薬局(Pharmacie)に行き、薬剤師に症状を伝えれば適切な市販薬を紹介してもらえます。
  • 病院に行く場合: まずは加入している海外旅行保険のサポートデスクに連絡を。日本語対応スタッフが最寄りの提携病院や日本語対応可能な医師を案内してくれます。緊急の場合は「15」に電話し救急車を呼びましょう。
  • 公共交通機関のストライキ(Grève)

フランスでは公共交通のストライキが珍しくありません。TCLの公式サイトやアプリ、駅の掲示板で運行状況をこまめに確認しましょう。ストライキで予定が乱れても慌てず、それもフランスの日常の一部と捉え、徒歩やVélo’v(レンタル自転車)などを活用しながら臨機応変に旅を楽しむことが大切です。

リヨンから足を延ばす、日帰り旅行のすすめ

リヨンは交通の要衝としても知られており、TGV(高速鉄道)やTER(地域圏急行輸送)を利用すれば、魅力的な近隣の街へ気軽にアクセス可能です。長期滞在の場合は、ぜひ日帰り旅行の計画を検討してみてください。

  • アヌシー(Annecy)

「アルプスのヴェネツィア」と称される、息をのむほど美しい湖畔の街です。透明度の高いアヌシー湖と旧市街を流れる運河、色彩豊かな花で彩られた建物が織りなす景観は、まるでおとぎ話の世界のよう。リヨンから電車で約2時間の距離にあります。

  • ボーヌ(Beaune)

世界的に名高いブルゴーニュワインの中心地です。中世の施療院「オスピス・ド・ボーヌ」の幾何学的な模様が描かれた屋根瓦は必見。周辺には広大なブドウ畑が広がり、ワイナリー巡りやワインテイスティングを満喫できます。ワイン愛好家にはたまらないスポットです。

  • ペルージュ(Pérouges)

中世の城壁に囲まれた、時が止まったかのような小さな村です。「フランスで最も美しい村」のひとつに選ばれており、石畳の通りや古い石造りの家々を歩くだけで、中世時代に迷い込んだ気分を味わえます。名物のガレット(砂糖がけのブリオッシュ)もぜひお試しください。

これらの街への列車のチケットは、フランス国鉄の公式サイトSNCF Connectで事前に予約・購入するのが便利でお得です。

リヨンの旅が、あなたの日常を豊かにする

リヨンでの「暮らすような旅」は、単なる観光旅行とは異なります。それは、その地の空気やリズムを全身で感じ取り、日々の生活の中にひそむささやかな喜びを味わう、豊かな時間そのものなのです。

マルシェで手に入れたチーズのあまりの美味しさに心が震えたり、言葉が通じなくてもカフェの店主の微笑みにほっと温かくなったり、夕暮れ時のソーヌ川沿いで静かに流れる時間をじっと味わったり。そんな、ガイドブックには載らない、あなただけの特別な瞬間が旅の思い出として深く刻まれていきます。

旅が終わり日常に戻った時、きっとあなたは気づくでしょう。リヨンで過ごした時間が、自分の暮らしを見つめ直すきっかけとなっていたことに。いつものスーパーの野菜売り場でリヨンのマルシェを思い出したり、近所の公園のベンチに腰掛けてテット・ドール公園の開放感を懐かしんだり。リヨンでの「暮らし」の断片が、あなたの日常を少しだけ豊かに、色彩豊かに彩ってくれるのです。

さあ、このガイドを手に、あなただけのリヨンの物語を紡ぎに旅立ちませんか。美食と歴史の街が、両手を広げてあなたを迎え入れています。ボン・ヴォヤージュ!

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この記事を書いたトラベルライター

旅行代理店で数千人の旅をお手伝いしてきました!今はライターとして、初めての海外に挑戦する方に向けたわかりやすい旅ガイドを発信しています。

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