大韓航空は、2026年の夏期スケジュール(3月29日〜10月24日)において、日本の地方とソウル(仁川)を結ぶ路線を大幅に拡充する計画を発表しました。この動きは、活発な訪日需要に応えるとともに、日本の地方都市から海外へのアクセスを格段に向上させるものです。
拡充の具体的な内容:小松・新潟線は毎日運航へ
今回の計画では、特に北陸・東北・中国地方の路線が強化されます。
- 小松〜ソウル(仁川)線: 現在の週3便から毎日運航(週7便)へと大幅に増便されます。
- 新潟〜ソウル(仁川)線: 2024年6月1日から先行して毎日運航が開始される予定で、これが夏期スケジュールでも維持・強化される形となります。
- 青森線・岡山線: それぞれ増便が計画されており、利便性の向上が期待されます。
一方で、需要動向に応じた調整も行われ、鹿児島線と長崎線は減便される予定です。
なお、東京(羽田・成田)や大阪(関西)、名古屋(中部)、福岡といった基幹路線については、引き続き1日1便以上の安定した運航を維持し、日韓間の主要な人の流れを支える方針です。
計画の背景にある「旺盛な訪日需要」
この路線拡充の背景には、記録的なレベルで増加している訪日観光客、特に韓国からの旅行者の存在があります。
日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2023年に日本を訪れた韓国人旅行者数は約696万人に達し、国・地域別で最多を記録しました。これはコロナ禍以前の2019年の水準を上回る数字であり、円安も追い風となって、訪日旅行への関心は依然として高いままです。
これまでインバウンド需要は東京・大阪・福岡といった大都市に集中する傾向がありましたが、近年は日本の豊かな自然や文化が体験できる地方都市への関心が高まっています。大韓航空は、この「地方への観光客分散」という新たなトレンドを捉え、地方空港のネットワークを強化することで、新たな需要の取り込みを狙っています。
今後の影響と予測:地方経済の活性化と旅行の選択肢拡大
今回の路線拡充は、旅行者と受け入れ側の地方双方に大きなメリットをもたらすと予測されます。
旅行者にとってのメリット
地方にお住まいの方にとって、これまでは海外旅行の際に成田や関西空港まで移動する必要がありましたが、最寄りの空港から毎日ソウルへ飛べるようになれば、時間的・経済的な負担が大幅に軽減されます。世界有数のハブ空港である仁川国際空港を経由して、ヨーロッパや北米など、世界中への乗り継ぎがスムーズになることは大きな魅力です。
地域経済への追い風
地方空港への国際線が増えることは、インバウンド観光客を直接呼び込む絶好の機会です。韓国からの観光客が増加すれば、地域の宿泊施設、飲食店、交通機関、土産物店などが潤い、地域経済全体の活性化に繋がります。また、ビジネスでの往来も活発化し、国際的な交流が促進されることも期待されます。
航空業界の動向
LCC(格安航空会社)が主要都市間で価格競争を繰り広げる一方、大韓航空のようなフルサービスキャリアが地方路線の利便性とサービス品質で差別化を図る動きは、今後の航空業界のトレンドとなる可能性があります。この大韓航空の積極的な戦略が、他の航空会社の路線計画にも影響を与えるかもしれません。
今回の発表は、単なる増便のニュースにとどまらず、日韓両国の交流をさらに深化させ、日本の地方が持つポテンシャルを世界に開く重要な一歩と言えるでしょう。2026年、日本の空の旅がさらに便利で面白くなることは間違いありません。

