日本は、訪日外国人旅行者向けの電子渡航認証システム「JESTA」を導入する法改正案を可決しました。
日本の国会は2026年5月29日、訪日外国人旅行者に対する新たな電子渡航認証システム「JESTA(Japan Entry Scheme for Travelers Assessment)」の導入を含む出入国管理・難民認定法などの改正案を可決しました。これにより、日本の水際対策は新たなステージへと移行します。
このJESTAは、米国のESTAや2025年に欧州で導入予定のETIASに類似した制度です。simvoyageでは、この新しい制度が今後の日本への旅行にどのような影響を与えるのか、背景と未来予測を交えて詳しく解説します。
なぜ今「JESTA」が必要なのか?
背景にある世界の潮流と急増する訪日客
JESTA導入の背景には、大きく分けて二つの理由があります。一つは「国際標準への同調」、もう一つは「急増する訪日客への対応」です。
現在、アメリカ(ESTA)、カナダ(eTA)、オーストラリア(ETA)、そして2025年からはヨーロッパのシェンゲン協定加盟国(ETIAS)など、多くの国や地域で同様の電子渡航認証システムが導入・運用されています。これは、テロや国際犯罪を水際で防ぐための世界的な潮流であり、日本もこの国際的な保安基準に歩調を合わせる形となります。
また、訪日外国人旅行者の数は、新型コロナウイルスの影響を乗り越え、急速に回復しています。日本政府観光局(JNTO)によると、コロナ禍前の2019年には訪日外客数が過去最高の約3,188万人を記録。そして2024年には、3月から3ヶ月連続で単月300万人を超えるなど、その勢いは増すばかりです。
この旅行者の急増は、観光産業にとって喜ばしい反面、入国審査の混雑や、不法就労・オーバーステイといった保安上のリスク増大という課題も生み出しています。JESTAは、これらの課題に対応するための重要な一手と位置づけられています。
JESTAシステムの概要
対象者と手続きの流れ
では、JESTAとは具体的にどのような制度なのでしょうか。
- 対象者
JESTAの対象となるのは、日本がビザ(査証)を免除している国・地域のからの短期滞在者です。2024年6月現在、これにはアメリカ、韓国、台湾、香港、ヨーロッパの多くの国々など、71の国・地域が含まれます。
- 手続き
対象となる旅行者は、日本へ向かう航空機などに搭乗する前に、専用のウェブサイトやアプリを通じてオンラインでJESTAの申請を行う必要があります。申請時には氏名、国籍、生年月日、旅券情報といった基本情報に加え、滞在目的や過去の犯罪歴の有無などについての質問に回答します。申請には手数料が必要となる見込みです。
- 目的
政府は、この事前申告された情報を基に、テロの危険性がある人物や、過去に日本で不法滞在歴のある人物などをスクリーニングします。問題がないと判断されれば渡航認証が発行され、その情報は航空会社とも共有されます。これにより、保安上のリスクが高い人物の搭乗を未然に防ぎつつ、大半の善良な旅行者の入国審査を迅速化することを目指します。
旅行者への影響と未来予測
事前準備が必須に!スムーズな入国への期待と注意点
JESTAが導入される2028年度以降、私たちの旅行体験はどのように変わるのでしょうか。
訪日旅行の新たな「常識」
これまでビザ免除国の旅行者にとって、パスポートと航空券さえあれば気軽に訪れることができた日本。しかし今後は、「出発前のJESTA申請」が必須のステップとして加わります。これを忘れると、航空機への搭乗自体が拒否される可能性があるため、旅行計画の初期段階で必ず確認が必要になります。
期待されるメリット:入国審査の迅速化
最大のメリットは、日本の空港での入国審査がよりスムーズになる可能性です。事前に個々の旅行者の情報が審査されているため、空港での対面審査の負担が軽減され、待ち時間の短縮が期待されます。特に、旅行客が集中する主要国際空港での混雑緩和に繋がれば、旅行者にとっては大きな福音となるでしょう。
注意すべきポイント:手数料と偽サイト
JESTAの申請には、少額ながら手数料が発生します。具体的な金額は未定ですが、米国のESTAが21ドル(約3,300円)、欧州のETIASが7ユーロ(約1,200円)であることを考えると、同程度の費用が見込まれます。
また、ESTAなどで問題となっている、公式を装った高額な申請代行サイト(偽サイト)がJESTAでも出現する可能性があります。申請は必ず公式サイトから行うよう、注意が必要です。
まとめ:安全と円滑な旅の両立へ
JESTAの導入は、日本の安全性を高めると同時に、増え続ける旅行者を円滑に受け入れるための重要な制度改革です。旅行者にとっては、事前申請という一手間が増えることになりますが、これはより安全で快適な日本旅行を実現するための投資とも言えるでしょう。
施行は2028年度以降とまだ少し先ですが、これから日本への旅行を計画する際には、この新しいルールを念頭に置いておく必要があります。simvoyageでは、今後もJESTAに関する最新情報を随時お届けしていきます。

