4年ぶりの減少、その背景にあるもの
日本政府観光局(JNTO)が2月18日に発表した最新データによると、2026年1月の訪日外国人客数は約360万人(推計値)となり、前年同月と比較して4.9%減少しました。訪日客数が前年の同月を下回るのは、実に4年ぶりのことです。
この減少の最大の要因は、これまでインバウンド市場の大きな柱であった中国からの旅行者数が、前年同月比で61%という大幅な減少を記録したことにあります。この背景には、現在の日中関係の緊張状態が旅行マインドに影響を与えていること、さらに昨年とは旧正月の時期がずれたことなどが複合的に影響しているとみられています。
市場の構造変化:中国の落ち込みをカバーする国々
全体の数字だけを見るとネガティブな印象を受けますが、国・地域別に見ると、日本のインバウンド市場が大きな構造変化の時期にあることがうかがえます。
韓国からの訪日客が過去最高を記録
特に注目すべきは韓国市場の動向です。2026年1月に日本を訪れた韓国人旅行者は117万人を超え、単月として過去最高の数字を叩き出しました。円安を背景とした旅行費用の手頃感や、日本各地への地方路線の充実が、多くの韓国人旅行者を惹きつけているようです。
台湾、米国、オーストラリアなども好調
韓国だけでなく、他の市場も非常に好調です。台湾、米国、オーストラリアからの訪日客数も、それぞれ1月として過去最多を記録しました。欧米豪からの旅行者は滞在期間が長く、消費額も大きい傾向があるため、日本の観光産業にとって非常に重要な存在となっています。
今後の展望:多様化がもたらす日本の新たな観光戦略
今回のデータは、日本のインバウンド市場が「中国依存」から脱却し、より多様な国・地域からの旅行者を受け入れる「市場の多様化」へとシフトしていることを明確に示しています。
観光庁もこの変化をポジティブに捉えており、今後は中国以外の国・地域からの誘客プロモーションをさらに強化していく方針です。特定の市場の動向に左右されにくい、安定的で持続可能な観光立国を目指す動きが加速していくことでしょう。
私たち旅行者にとっても、これは日本の新たな魅力を発見するチャンスかもしれません。これまで特定の国からの団体旅行者で混雑していた観光地が落ち着きを取り戻したり、より多様な文化背景を持つ旅行者との交流が生まれたりする可能性があります。
日本のインバウンド観光は今、大きな転換期を迎えています。simvoyageでは、今後も最新の動向を注視し、旅行者の皆様に役立つ情報をお届けしていきます。

