概要:大阪伊丹空港行きJAL便で発生した「航空事故」
2024年6月9日、日本航空(JAL)グループのジェイエアが運航する花巻発・大阪(伊丹)行きのJAL2409便が、降下中に強い揺れに遭遇し、客室乗務員1名が骨折する重傷を負いました。この事態を受け、国土交通省は航空法に基づく「航空事故」に認定し、運輸安全委員会は原因究明のため航空事故調査官を現地に派遣することを決定しました。
旅行者にとって飛行中の揺れは身近な現象ですが、なぜ今回は「事故」と認定されたのでしょうか。その背景と、今後の空の旅に与える影響について解説します。
事故の詳細
- 発生日時: 2024年6月9日 午後1時15分ごろ
- 航空会社: ジェイエア(J-AIR)
- 便名: JAL2409便
- 機材: エンブラエル190型機(乗客乗員60名)
- 発生状況: 大阪国際(伊丹)空港へ着陸のため降下中、高度約4,000フィート(約1,200メートル)付近で突発的な強い揺れに見舞われました。
- 被害: 客室乗務員1名が足首を骨折する重傷を負いました。乗客にけがはありませんでした。
当時、シートベルト着用のサインは点灯していましたが、着陸準備のために移動中だった客室乗務員が負傷した模様です。
なぜ「航空事故」と認定されたのか?
航空法における「事故」の定義
航空法では、人の死傷や航空機の損傷など、特定の事態を「航空事故」と定めています。今回のケースは、「航空機の航行中における人の死亡又は重傷」という項目に該当します。ここでいう「重傷」には骨折も含まれるため、客室乗務員1名が骨折したことにより、国土交通省はこれを航空事故と認定しました。
これは、機体の損傷などがなくても、乗員乗客に重傷者が出た時点で法的に「事故」扱いとなることを意味します。
揺れの原因と背景:増加する「晴天乱気流」
今回の揺れの直接的な原因は、運輸安全委員会の調査によって特定されますが、専門家の間では「晴天乱気流(Clear Air Turbulence, CAT)」の可能性が指摘されています。晴天乱気流は、その名の通り雲のない晴れた空で突発的に発生する激しい大気の乱れで、レーダーでの探知が極めて困難です。
近年、この晴天乱気流の発生頻度が世界的に増加傾向にあることが指摘されています。英国レディング大学が2023年に発表した研究によると、北大西洋の一般的な飛行ルート上における深刻な晴天乱気流の年間発生時間は、1979年から2020年の42年間で55%も増加したことが示されています。この背景には、地球温暖化による気候変動が影響していると考えられており、航空業界にとって無視できない課題となっています。
予測される未来と旅行者への影響
航空会社の安全対策強化
今回の事故を受け、ジェイエアおよびJALグループでは、運航手順の見直しや乗務員への注意喚起など、安全対策の再強化が進められると予測されます。 具体的には、
- 降下・上昇中における客室乗務員の着席タイミングの見直し
- 揺れが予測される空域に関する情報共有の強化
- シートベルト着用サイン点灯の運用の厳格化
などが考えられます。
旅行者が心がけるべきこと
この事故は、旅行者自身が空の旅の安全について再認識する機会とも言えます。旅行者ができる最も効果的な安全対策は、シートベルト着用サインが消灯している時でも、着席中は常にシートベルトを着用することです。
予測困難な晴天乱気流はいつ発生するかわかりません。万が一の急な揺れから身を守るために、航空会社が推奨するように、常時シートベルトを締めておくことが自身の安全確保に直結します。
まとめ:安全な空の旅のために
今回のジェイエア便の事案は、気候変動が空の旅の安全性に影響を及ぼし始めていることを示唆する一例かもしれません。運輸安全委員会による詳細な原因究明が待たれますが、私たち旅行者も日頃から安全意識を高め、航空会社の指示に的確に従うことが、これまで以上に重要になっていくでしょう。
simvoyageは、今後も航空安全に関する最新情報を提供し、皆様が安心して旅行を楽しめるようサポートしてまいります。

