イタリアへの旅行を計画している方に朗報です。イタリア外務省は、シェンゲンビザおよび自国の長期滞在ビザの申請手続きを、2026年6月1日から完全にデジタル化すると発表しました。これにより、多くの旅行者にとって、複雑で時間のかかっていたビザ申請が、自宅からオンラインで完結できるようになります。
新制度で何が変わるのか?
今回の発表の核心は、政府が運営する単一のオンラインポータルサイトを通じて、すべてのビザ申請手続きが行われるようになる点です。
オンラインで完結する手続き
2026年6月1日以降、申請者はこの新しいポータルサイトで以下の手続きをすべて行えるようになります。
- 申請フォームの入力
- 必要書類のデジタルアップロード
- 申請料金のオンライン決済
- 申請状況の進捗追跡
これにより、これまでのように大使館やビザ申請センターへ何度も足を運ぶ必要がなくなり、時間と費用の大幅な節約が期待できます。
完全リモート申請の対象者
特に、過去にシェンゲンビザを申請したことがあり、ビザ情報システム(VIS)に指紋や顔写真などの生体認証データが登録されている再申請者は、大きな恩恵を受けます。これらの申請者は、一度も対面手続きを行うことなく、すべてのプロセスをオンラインで完了できる可能性が高くなります。
ただし、初めてシェンゲンビザを申請する方や、生体認証データの有効期限が切れている方などは、データを登録するために一度だけ大使館または指定のセンターで対面での手続きが必要となる場合があります。
なぜ今、デジタル化を進めるのか?
この動きはイタリア単独のものではなく、欧州連合(EU)全体で進められている大きな改革の一環です。
EU全体のシェンゲンビザ改革
EUは、加盟国共通のルールであるシェンゲン協定域内へのビザ申請手続きを統一し、効率化するため、デジタル化を推進しています。実際に、EU理事会は2023年11月にシェンゲンビザ申請手続きのデジタル化に関する規則改正を採択しており、加盟国は共通のオンラインプラットフォームを導入することが決定しています。イタリアの今回の発表は、このEU全体の決定に沿った具体的な第一歩と言えます。
行政の効率化とセキュリティ向上
紙ベースの申請書類を処理するには、膨大な時間と人的コストがかかります。デジタル化は、行政手続きを大幅に効率化し、人的ミスを減らすことにつながります。また、申請データをデジタルで一元管理することで、偽造ビザのリスクを低減し、国境管理のセキュリティを強化する狙いもあります。
旅行者への影響と未来の展望
この改革は、イタリアやヨーロッパへの旅行をより身近なものにする可能性を秘めています。
旅行者にとっての大きなメリット
- 利便性の向上: 24時間365日、場所を問わずにビザ申請が可能になります。仕事や学業で忙しい方でも、自分の都合の良い時間に手続きを進められます。
- 時間とコストの削減: 大使館やビザセンターが遠隔地にある申請者にとって、交通費や移動時間の負担がなくなることは大きなメリットです。
- 手続きの透明化: オンラインポータルで自分の申請がどの段階にあるのかをリアルタイムで確認できるため、これまでのように「いつ結果が分かるのか」と不安に待つ時間が減るでしょう。
注意すべき点と今後の課題
一方で、いくつかの注意点も考えられます。インターネットやデジタル機器の操作に不慣れな方にとっては、新しいシステムがハードルとなる可能性もあります。政府には、こうした人々へのサポート体制を整えることが求められるでしょう。また、システム導入初期には、アクセス集中によるサーバーダウンや技術的な問題が発生する可能性も考慮しておく必要があります。
今回のイタリアの決定は、ヨーロッパへの渡航手続きにおける大きな転換点です。今後、他のシェンゲン加盟国も同様のデジタル化を順次進めていくことが予想されます。Simvoyageでは、引き続き各国のビザ申請に関する最新情報をお届けしていきます。

