カリブ海で発生したハリケーン「メリッサ」が、現地時間の10月27日、ハリケーンの強さを示すカテゴリーで最も強力な「カテゴリー5」に発達しました。最大風速は時速260kmに達しており、ジャマイカをはじめとするカリブ海諸国に壊滅的な被害をもたらす恐れがあります。旅行や出張を計画している方は、最新の情報に最大限の注意を払ってください。
ハリケーン「メリッサ」の現状と背景
最強レベル「カテゴリー5」の脅威
ハリケーンの強度は、サファ・シンプソン・ハリケーン・スケールによって5段階に分類されます。カテゴリー5は、最大風速が時速252km以上のもので、その勢力は「壊滅的な被害」をもたらすとされる最強レベルです。建物の屋根や壁が完全に破壊され、広範囲にわたる停電や断水が数週間から数ヶ月続く可能性があります。
現在、ハリケーン「メリッサ」はカリブ海を西に進んでおり、今後24時間から48時間以内にジャマイカに最も接近、または上陸する進路が予測されています。
活発なハリケーンシーズンと気候変動
カリブ海のハリケーンシーズンは例年6月1日から11月30日まで続き、特に8月から10月にかけて最も活発になります。近年、地球温暖化に伴う海水温の上昇により、より強力なハリケーンが発生しやすい環境になっていると専門家は指摘しています。2017年にカリブ海の島々に甚大な被害をもたらしたハリケーン「イルマ」や「マリア」もカテゴリー5であり、今回の「メリッサ」も同様の脅威となることが懸念されます。
予測される影響
ジャマイカおよび周辺諸国への影響
ジャマイカ政府はすでに非常事態を宣言し、沿岸部の住民や観光客に対して高台への避難勧告を発令しています。首都キングストンや主要な観光地であるモンテゴ・ベイでは、暴風雨に加え、致命的な高潮や大規模な洪水、地滑りの発生が予測されています。電力、通信、水道といった主要なインフラが長期間にわたり寸断される可能性があります。
また、ハリケーンの進路によっては、キューバ、ハイチ、ドミニカ共和国、さらには米国のフロリダ半島にも影響が及ぶ可能性があります。
航空・観光への深刻な打撃
この事態を受け、キングストンのノーマン・マンレー国際空港やモンテゴ・ベイのサングスター国際空港では、すでにフライトの欠航や遅延が相次いでおり、今後空港が閉鎖される見込みです。カリブ海を周遊する多くのクルーズ船も航路を大幅に変更しており、寄港の中止を決定しています。
現地のホテルやリゾートも観光客の安全確保を最優先とし、避難措置や営業の一時停止といった対応を進めています。
旅行者への注意喚起と安全対策
これから渡航を予定されている方へ
カリブ海地域への渡航は、現在極めて危険な状況です。旅行計画の見直しや延期を強く推奨します。利用予定の航空会社や旅行代理店に連絡を取り、フライトの運航状況やキャンセルポリシーについて必ず確認してください。
外務省の海外安全情報や、在キングストン米国大使館が発表した10月27日付の気象警報など、公的機関が発信する最新の情報を常時確認するようにしてください。
現地に滞在中の方へ
現地に滞在中の方は、直ちに自身の安全を確保してください。ホテルのスタッフや現地当局の指示に従い、指定された避難所など頑丈な建物へ速やかに避難してください。
海岸や河川には絶対に近づかないでください。また、停電や断水に備え、数日分の水、食料、常備薬、懐中電灯、モバイルバッテリーなどを確保しておくことが重要です。家族や日本の知人へこまめに連絡を取り、自身の安否を伝えるようにしてください。
simvoyageでは、引き続きハリケーン「メリッサ」に関する最新情報をお伝えしていきます。現地の皆様の安全を心よりお祈り申し上げます。









