世界の旅行業界が集結、イスタンブールで新たなビジネスチャンスを創出
ヨーロッパとアジアの交差点、トルコ・イスタンブールで、国際的なB2B旅行イベント「Globemeets」が盛大に開催されました。リクソス・テルサネ・イスタンブールを会場に、世界中の旅行業界関係者が一堂に会し、新たなビジネスチャンスとネットワーク構築に沸き立ちました。
このイベントには、日本の全日本空輸（ANA）や韓国のアジアナ航空をはじめ、エア・アラビア、エア・ヨーロッパなど、各地域を代表する著名な航空会社が多数参加。世界中の旅行代理店、ツアーオペレーター、ホテル関係者らとの間で活発な商談が行われ、ポストコロナ時代の旅行業界の力強い回復を象徴する光景が広がりました。
なぜ今、イスタンブールなのか？ハブとしての重要性とトルコの観光戦略
今回のイベント開催地としてイスタンブールが選ばれた背景には、その地理的な優位性とトルコの観光産業の目覚ましい成長があります。ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカを結ぶハブ空港を擁するイスタンブールは、世界中の人々が集まる場所として理想的です。
トルコ政府の強力な観光振興策も功を奏しています。トルコ文化観光省によると、2023年にトルコを訪れた外国人観光客数は過去最高の5,670万人に達し、観光収入も543億ドルを記録しました。この成功は、トルコが多様な文化遺産、美しい自然、そして高品質なホスピタリティを武器に、世界的な観光大国としての地位を確立したことを示しています。
「Globemeets」のような国際的なB2Bイベントがイスタンブールで開催されることは、トルコが単なる観光地としてだけでなく、世界の旅行ビジネスを動かす戦略的拠点としての重要性を増していることの証左と言えるでしょう。
ANAとアジアナ航空の参加が示すアジア市場の動向
特に注目されるのが、ANAとアジアナ航空というアジアを代表する航空会社の参加です。
ANAは、世界最大の航空連合「スターアライアンス」の主要メンバーであり、同じアライアンスに加盟するトルコ航空と強固な提携関係を築いています。今回の参加は、日本とヨーロッパ・中東を結ぶ路線の強化はもちろん、成長著しいトルコ市場へのアプローチをさらに深める狙いがあると考えられます。また、日本の魅力的なデスティネーションを世界にアピールし、インバウンド需要を喚起する絶好の機会ともなります。
一方、大韓航空との統合プロセスが進むアジアナ航空にとって、今回のイベント参加は極めて重要です。グローバルなパートナーシップを再確認し、統合後も見据えた新たなネットワーク戦略を模索する動きと見られます。特にヨーロッパ路線における競争力を維持・拡大するため、現地の旅行会社との関係強化は不可欠です。
Globemeetsが切り拓く旅行業界の未来
このイベントは、今後の旅行業界にいくつかの重要な影響を与えると予測されます。
第一に、新たな旅行先の開拓です。世界中のプロフェッショナルが集まることで、これまであまり知られていなかったトルコ国内や周辺地域の魅力的なデスティネーションが発掘され、新しい旅行商品として市場に登場する可能性があります。
第二に、航空会社の路線戦略の変化です。イベントでの商談をきっかけに、航空会社間の新たなコードシェア提携や、イスタンブールをハブとした新路線の開設が加速するかもしれません。これにより、旅行者にとってはフライトの選択肢が増え、よりスムーズな乗り継ぎが可能になるでしょう。
そして第三に、旅行商品の多様化です。一般的な観光ツアーだけでなく、企業のインセンティブ旅行（報奨旅行）や国際会議（MICE）、富裕層向けのラグジュアリートラベルといった、特定のニーズに応える専門的な旅行商品開発がさらに活発化することが期待されます。
結論として
「Globemeets」は単なる商談の場に留まらず、世界の旅行業界の最新トレンドと未来の方向性を占う羅針盤のような役割を果たしています。ANAやアジアナ航空といったアジアの航空会社が積極的に参加したことは、グローバルな旅行需要が本格的に回復し、市場の勢力図が新たな時代へと移行しつつあることを象徴しています。旅行を愛する私たちにとって、このイベントから生まれる新しい旅の形に、今後も目が離せません。
