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    【2025年後半】世界のストライキ情報完全ガイド|旅行計画への影響と渡航者が知るべき全対策

    待ちに待った海外旅行。胸躍る計画を立て、カレンダーに印をつけたその日が刻一刻と近づいてくる感覚は、何物にも代えがたい喜びです。しかし、2024年後半、私たちの旅路には少しばかり注意が必要な暗雲が立ち込めているかもしれません。その正体は、世界各地で頻発する「ストライキ」。航空会社のパイロットや客室乗務員、空港の地上職員、鉄道員、そして航空管制官まで。彼らのストライキは、私たちのフライトを容赦なく遅延させ、時には欠航へと追い込みます。

    「自分には関係ない」なんて思っていませんか?いいえ、これは決して他人事ではありません。インフレや労働環境の変化を背景に、労働者の権利を主張する動きは世界的な潮流となっています。それは、あなたが次の旅先に選んだ憧れのあの国でも、いつ起こっても不思議ではないのです。

    この記事は、そんな不確実な時代の旅を、それでも最高のものにしたいと願うすべての旅人のための羅針盤です。なぜ今、世界でストライキが多発しているのかという背景から、特に注意すべき国や地域の最新動向、そして最も重要な「旅行者が今すぐできる具体的な対策」まで、プロの視点から徹底的に解説します。予約の段階から、出発前の準備、万が一現地で遭遇してしまった場合の対処法まで、この記事を読めばすべてが分かります。さあ、不測の事態を乗り越え、賢く旅するための知識を身につけましょう。

    さあ、不測の事態を乗り越え、賢く旅するための知識を身につけましょう。この知識をさらに深めるために、ストライキ以外の要因で発生する大規模なフライト遅延・欠航への備えについても合わせて確認しておくことをおすすめします。

    目次

    なぜ今、世界でストライキが多発しているのか?

    旅の計画を揺るがすストライキが頻発する背景には、複数の世界的な要因が複雑に絡み合っています。これらを理解することは、今後の動向を見通し、効果的な対策を講じるための重要な第一歩となります。

    長期化するインフレと生活費の高騰

    最大の要因は、世界各地で続く歴史的なインフレです。食料品から光熱費まで、あらゆる物価が高騰し、人々の生活を厳しく圧迫しています。賃金の上昇が物価の増加に追いつかず、労働者は生活防衛のために労働組合を通じて大幅な賃上げを求めています。交渉が行き詰まると、最終手段としてストライキに踏み切るケースが増加中です。特に、パンデミック期に経営の悪化で賃金カットや人員削減を経験した交通インフラ業界では、その反動が顕著に表れています。

    コロナ禍後の急激な需要回復と人手不足

    新型コロナウイルスによるパンデミックは、航空業界や観光業に大きな打撃をもたらし、多数の従業員が職を失いました。しかし2022年以降、世界各国で水際対策が緩和されると、旅行需要は予想を大きく上回るスピードで急回復しました。航空会社や空港は急いで人員を補充しようとしましたが、一度業界を離れた熟練労働者はなかなか戻らず、人材不足は深刻化しました。

    現場では、一人にかかる業務負担が数倍に増し、過酷な労働環境が続いています。増え続ける仕事量と厳しいスケジュール、さらにそれに見合わない報酬体制が、労働者の不満を募らせ、ストライキの引き金となっているのです。

    労働者の権利意識の高まり

    パンデミックを通じて、多くの人々が「働き方」や「生活の質」について再考する機会を得ました。特に社会を支え続けた交通インフラの労働者たちは、自分たちの仕事の重要性を改めて認識するとともに、労働条件の改善を強く求めるようになりました。さらにSNSの普及により、各国の労働組合が連携しやすくなったことも、この動きの拡大を促進しています。成功事例は瞬時に世界中で共有され、他国の労働者の士気を高める。こうした連鎖が、ストライキの波をグローバルな広がりへとつなげています。

    これらの複合的な要因が絡み合う中で、2024年後半も世界の交通機関はストライキのリスクを抱え続ける見込みです。旅行者としては、この現状を正しく認識し、十分な備えを持つことが求められています。

    【地域別】2025年後半に注意すべきストライキ動向

    世界的な動向を把握したところで、次により具体的に、どの地域でどのようなストライキが発生しうるのかを見ていきましょう。特に日本人観光客に人気の高いヨーロッパや北米を中心に、最新の状況を解説します。

    ヨーロッパ編:航空・鉄道ストライキの中心地

    ヨーロッパは伝統的に労働組合の影響力が強く、ストライキが頻発する地域です。特に航空や鉄道、公共交通機関の分野では常に注意が求められます。

    フランス:オリンピック・パラリンピック開催国の緊迫

    2024年後半には、世界の視線がフランス・パリに集まります。夏季オリンピック(7月26日〜8月11日)とパラリンピック(8月28日〜9月8日)の開催です。このビッグイベントは、労働組合にとって要求を掲げる絶好の機会となる可能性があります。

    • 航空業界: エールフランス航空のパイロットや客室乗務員の組合は、これまでも賃金や労働環境をめぐってストライキを繰り返してきました。また、パリの主要空港であるシャルル・ド・ゴール空港(CDG)やオルリー空港(ORY)の航空管制官や地上職員がストライキに突入すると、ヨーロッパ全域の航空ネットワークに甚大な影響を及ぼします。フランス政府は大会期間中のストライキ回避に向け交渉を続けていますが、予断を許さない状況が続いています。
    • 鉄道・公共交通: フランス国鉄(SNCF)やパリ交通公団(RATP)の職員も、オリンピック期間中の特別手当などを求めてストライキの可能性を示唆しています。もしTGV(高速鉄道)やパリ市内の地下鉄、バスが運休すれば、観客や観光客の移動が著しく困難になるでしょう。

    大会期間中にフランスへ渡航予定の方は、いつも以上に綿密な情報収集と代替案の検討が不可欠です。

    ドイツ:経済大国を揺るがす大規模スト

    ドイツもストライキが多い国の一つです。特にルフトハンザドイツ航空やドイツ鉄道(DB)は、ここ数年の賃上げ交渉がこじれ、大規模なストライキを繰り返しています。

    • ルフトハンザ航空: パイロット組合(Vereinigung Cockpit)や地上職員組合(Ver.di)は、インフレ率を上回る大幅な賃上げを求めており、交渉は長期化しがちです。実際にストライキが行われると、フランクフルトやミュンヘンといった主要ハブ空港が機能停止に陥り、ヨーロッパ内の乗り継ぎ便にも深刻な影響が及びます。2024年後半も新たな労働協約の交渉内容によっては、再びストライキに突入する可能性が高いです。
    • ドイツ鉄道(DB): 国内の移動に欠かせないDBも、機関士組合(GDL)によるストライキが頻繁に発生しています。数日間にわたるストも珍しくなく、長距離列車(ICE)から都市圏の近郊列車(S-Bahn)まで幅広い路線で運休が生じます。ドイツ旅行を計画している方は、FlixBusなどのバスやレンタカーといった代替手段を事前に調べておくと安心です。

    イギリス・イタリア・スペインなどその他の国々

    • イギリス: 鉄道労働者のストライキが慢性的に続いており、特定の曜日にはダイヤが大幅に削減されるのが常態化しています。また、ロンドンのヒースロー空港など主要空港において、保安検査員や地上スタッフによるストライキが断続的に発生し、手荷物遅延や紛失、出発便の遅延を招いています。
    • イタリア・スペイン: これらの南欧諸国では、全国規模のゼネラルストライキや航空管制官、公共交通機関の短時間(約24時間)ストライキが予告なしに行われることがあります。特に金曜日に多発する傾向があり、週末の旅行計画に影響が及ぶ可能性が指摘されています。

    北米編:航空業界の労使関係が焦点

    北米では、ヨーロッパほど頻繁にストライキが起こるわけではありませんが、一度発生するとその影響は非常に大きくなります。特に航空業界に注目が集まっています。

    アメリカ:大手航空会社パイロット組合の動向

    アメリカでは、鉄道労働法により航空従業員がストライキをするための手続きが非常に厳格であり、実際にストライキに至るケースは稀です。しかし、労働組合は経営側に圧力をかける目的で、ストライキ決議(組合員投票によりストライキ権を承認すること)を行うことがあります。交渉の行方に注目が集まっています。

    アメリカン航空、ユナイテッド航空、デルタ航空といった大手航空会社のパイロット組合は、パンデミック後の需要回復と会社の好業績を背景に待遇の大幅改善を求めています。交渉が難航すれば、病欠の増加などによる乗務スケジュールの乱れといった「準ストライキ」的な状態が起こり、フライトの遅延や欠航が増える恐れがあります。

    カナダ:航空・港湾労働のストライキリスク

    カナダでも、エア・カナダやウエストジェットのパイロットや客室乗務員の労使交渉が注目されます。過去にはストライキを回避した一方で、交渉期間中は予約が伸び悩み、航空会社の経営に悪影響を及ぼした例もあります。さらに、直接旅行には関係しづらい港湾労働者のストライキも、物流停滞を通じて経済に波及し、旅行業界全体のコスト増加を招くリスクも否定できません。

    アジア・オセアニア編:見逃せない各国の動き

    アジア・オセアニア地域は欧米ほどストライキが多くはありませんが、油断は禁物です。

    • オーストラリア: カンタス航空やジェットスター航空のパイロットや地上職員の組合が労働条件をめぐって経営側と対立することがあります。国土が広大なため、国内線の役割が大きく、ストライキの影響は深刻となる場合があります。
    • 韓国: 仁川国際空港を拠点とする大韓航空やアシアナ航空のほか、ソウル市内の地下鉄やバスなど公共交通機関の労働組合も、待遇改善を求めたストライキを実施することがあります。

    これらの状況は常に変動しますので、旅行前には最新のニュースや航空会社からの情報を必ず確認してください。

    ストライキがあなたの旅に与える具体的な影響

    もし実際にストライキに直面してしまった場合、私たちの旅にどのような影響が及ぶのか、具体的な状況を想像してみましょう。

    • フライトの遅延や欠航: これが最も直接的で重大な影響です。空港に着いて電光掲示板で「Cancelled(欠航)」の表示を見つける時の落胆は計り知れません。もし代替便が翌日以降になると、その日の宿泊予約や予定していたアクティビティはすべて取りやめざるを得なくなります。
    • 空港での混雑と手荷物の紛失: ストライキの影響で欠航便が発生すると、航空会社のカウンターには代替便を求める乗客の長い列ができます。電話も全くつながらなくなることがほとんどです。さらに地上職員のストライキが起きた場合、手荷物の積み下ろしが遅れ、ロストバゲージや配送の遅延といった問題が一気に増大します。
    • 現地での交通機関の麻痺: 無事に空港に到着できても、次は市内への移動が困難になる場合があります。鉄道や地下鉄、バスまでストライキが同時に発生すると、タクシー乗り場は長蛇の列となり、配車アプリも正常に機能しなくなることがあります。結果として、途方に暮れてしまう可能性もあります。
    • 観光施設の臨時休館: ストライキは交通機関に限ったものではありません。美術館や博物館、史跡など公的な観光施設のスタッフがストライキを行えば、楽しみにしていた施設が閉まっているという事態も起こりえます。例えばフランスでは、ルーヴル美術館やヴェルサイユ宮殿の職員がストライキを実施することも珍しくありません。
    • 連鎖的な影響: 一つのストライキは次々に他の分野へも波及します。例えば航空管制官のストライキは、その国を発着または通過する全航空会社のフライトに影響を与えます。乗り継ぎ便を利用している場合、第一区間は時間通りでも、第二区間がストライキのために欠航になる可能性も考えられます。

    このようにストライキの影響は多方面にわたるため、何よりも事前の準備が重要だと言えるでしょう。

    【超実践】旅行者が今すぐできるストライキ対策

    「もう海外旅行は控えたほうが良いの?」…そんなことはありません。リスクを正しく理解し、適切な準備を行えば、ストライキによる影響を最小限に抑えつつ、旅を続けることは十分に可能です。ここからは、予約段階から現地での対応まで、具体的かつ実践的な対策を詳しくご紹介します。

    予約時に押さえておくべきポイント

    ストライキ対策は、航空券や宿泊先を予約するその瞬間から始まっています。少しの工夫で、万が一の際の被害を大きく減らせます。

    航空券の選び方

    • 直行便を優先的に選ぶ: 乗り継ぎ便はトラブル発生のリスクを単純に倍増させます。乗り継ぎ空港でのストライキや、第一区間の遅延による乗り継ぎ失敗を避けるため、できるだけ目的地までの直行便を選ぶことが望ましいです。
    • ストライキが比較的少ない航空会社を選択: 一概には言えませんが、一般的にフルサービスキャリア(レガシーキャリア)のほうがLCC(格安航空会社)よりも労働関係が安定している傾向があります。また、万が一の際の補償やサポートが手厚いケースも多いです。過去のストライキの頻度を調べるのも有効です。
    • 柔軟性のある航空券を検討する: 一部の予約クラスでは、追加料金で変更やキャンセルが可能な運賃が設定されています。旅行直前にストライキ情報が判明しても、手数料なしで日程を変更したりキャンセルして返金を受けたりできるため、安心の保険となります。予約時には必ず「変更・キャンセル規定」を確認しましょう。

    旅行保険の重要性を再確認

    海外旅行保険は、「念のため」の存在ではなく、今や「必須」と言えます。特にストライキに関連した補償内容として、以下のポイントが重要です。

    • 航空機遅延に伴う費用補償: フライトが一定時間(例:4時間や6時間以上)遅延した場合に、その待機中の食費や、代替便が翌日以降に振り替えられた際の宿泊費などを補償します。領収書の保管が必要ですので注意してください。
    • 旅行変更・キャンセル費用補償: ストライキなどで旅行をキャンセルせざるを得なくなった場合、既に支払った航空券やホテルのキャンセル料を補償してくれます。
    • 手荷物遅延・紛失補償: ストライキの影響で荷物が届かない場合に、必要最低限の衣類や洗面用品の購入費用を補償します。

    【重要】保険約款の確認を必須に! すべてのストライキが補償対象とは限りません。保険会社によっては、「旅行開始前に発表されていたストライキは補償対象外」といった規定があるため、加入前に必ず約款の「保険金をお支払いしない場合」の欄でストライキ関連の記述を確認してください。

    宿泊先の予約のポイント

    • キャンセル無料のプランを選ぶ: フライト欠航により目的地に到着できなくなる場合を考慮し、「直前までキャンセル無料」のプランを選ぶのが賢明です。予約サイトのフィルター機能を活用すれば簡単に見つけられます。
    • 空港近隣のホテルを予めリストアップ: フライトの振替が翌日にずれ込む可能性に備え、主要空港周辺のホテルを複数ピックアップしておくと、万が一の際もあわてず対応できます。

    出発前の準備と情報収集

    荷造りと情報の収集は、ストライキ対策の重要な要素です。万全の準備で予測不能な事態に備えましょう。

    準備しておきたい持ち物

    普段の旅行アイテムに加えて、以下を必ず用意しておいてください。

    • 大容量モバイルバッテリー: 空港での長時間待機時、スマートフォンは情報収集や連絡手段として欠かせません。空港内は電源争奪戦になりがちなので、自分で電源を確保できるバッテリーは必須です。
    • 携帯できる軽食と飲料水: 空港内の飲食店が混雑・閉店している可能性を考慮し、カロリーバーやナッツ、チョコレートなど手軽に食べられる軽食を用意しましょう。空の水筒を持参すれば給水所で補給も可能です。
    • 長時間の待機に備えた暇つぶしグッズ: 本、電子書籍リーダー、ダウンロード済みの映像コンテンツが入ったタブレット、ポータブルゲーム機など、充電不要で楽しめるグッズがあると精神的にも楽になります。
    • 重要書類のコピーとクラウド保管: パスポート、Eチケット、ホテル予約確認書、保険証券などは紙のコピーを携帯しつつ、スマホで撮影やGoogle Drive、Dropboxなどクラウドに保存しておくと、紛失やスマホのバッテリー切れにも対応できます。
    • 常備薬: 普段服用している薬は手荷物に入れ、数日分余分に準備するのが望ましいです。預け荷物には入れないようにしましょう。

    万全の情報収集体制を整える

    情報こそ最大の武器です。リアルタイムかつ正確な情報入手のために以下を活用しましょう。

    • 航空会社や鉄道会社の公式アプリをインストール: 予約した航空会社や利用予定の鉄道会社の公式アプリは事前にスマホに入れ、プッシュ通知をオンにしておくと、フライトの変更や遅延、ストライキ情報をいち早く受け取れます。アプリから代替便予約やチェックインができるケースも多いです。
    • 外務省の「たびレジ」へ登録: 外務省の海外渡航者向け情報サービス「たびレジ」に登録しておけば、目的地の安全情報や大規模ストライキ・デモ情報がメールで届きます。万が一の安否確認にも役立つため、必ず利用しましょう。
    • SNSの活用: X(旧Twitter)はリアルタイムの情報収集に便利です。航空会社の公式アカウントのほか、「#航空会社名strike」や「#空港名」などのハッシュタグで検索すると他の利用者の状況や現地メディアの最新情報を得られます。
    • 現地ニュースサイトのチェック: 出発数日前から渡航先の主要ニュースサイト(英語など)をGoogle翻訳などを使って確認し、「Airport strike」「Rail strike」などで検索しておくと、計画段階のストライキ情報を早期にキャッチできる可能性があります。

    現地でストライキに遭遇した場合の対応法

    どんなに準備してもストライキに巻き込まれるリスクはゼロではありません。しかし、慌てず冷静に手順を踏めば、解決への道は必ず見えてきます。

    対応の手順:サバイバル・フローチャート

    空港の電光掲示板で「Cancelled」を見つけたら、以下のステップを順に進めましょう。

    1. 落ち着いて公式情報を確認する: まずは深呼吸し、航空会社の公式アプリやウェブサイトで自身の予約状況をチェック。遅延なのか欠航か、代替便は手配済みか確認します。長蛇の列ができている空港カウンターを避け、デジタルでの情報収集を優先しましょう。
    2. 代替手段を確保する(航空会社提供か、自力で探すか):
    • 航空会社の代替便を待つ: 多くの場合、航空会社が代替便の手配を進めます。通知が届くのを待ちましょう。ただし、満席で数日後の便になることも想定してください。
    • 自分で代替ルートを探す: 待てない場合、SkyscannerやGoogle Flightsなどの航空券検索サイトで他社便や近隣空港発の便を調べます。陸路(鉄道、国際バス、レンタカー)も有効な代替手段です。特にヨーロッパ内は高速鉄道網が発達しているため活用価値が高いです。
    1. 航空会社・旅行会社へ連絡(振替・払い戻し手続き):
    • 振替: 航空会社手配の便に乗る場合も、自分で見つけた便に変更したい場合も、必ず航空会社へ連絡して手続きを行いましょう。
    • 払い戻し: 旅行継続が困難な場合は、航空券の返金を申請できます。ウェブサイトやアプリで可能なことも多いですが、ダメなら電話やカウンターで根気強く交渉する必要があります。
    • 連絡のコツ: 電話は繋がりにくいため、ウェブチャットやX(旧Twitter)の公式アカウントへのDMも試すと応答が早まることがあります。あらゆる手段を活用しましょう。
    1. 旅行保険会社へ連絡する:
    • 遅延やキャンセルが判明したら速やかに保険会社に連絡し、補償請求に必要な手続きや書類について指示を受けましょう。
    • 証拠の確保を徹底: 保険請求には証拠が必須です。航空会社発行の「遅延・欠航証明書」、代替交通費や宿泊費、食費の領収書はすべて保管し、スマホで写真も撮っておくと安心です。

    EU圏旅行者が知っておきたい強力な権利「EC261/2004」

    ヨーロッパを訪れる際は、EUの規則「EC261/2004」が強力な味方となります。この規則は、欠航や長時間遅延、オーバーブッキング時の乗客の権利を守るものです。

    • 対象フライト:
    • EU域内空港発のすべてのフライト(航空会社は問わず)
    • EU域外発でEUの航空会社が運航し、EU内空港に到着するフライト
    • 主な権利:
    • 情報提供とケアの提供: 遅延時間に応じて食事や飲料、無料電話、必要に応じて宿泊施設と空港までの交通手段が提供される権利
    • 振替または払い戻しの選択権: 目的地への代替便か、航空券の全額返金が選べます
    • 金銭的補償: ストライキの種類によりますが、航空会社側の過失による欠航や3時間以上の遅延時は、飛行距離に応じて一人あたり250〜600ユーロの補償請求が可能です(ただし、航空管制官のストライキなど「異常事態」とみなされる場合は除外されることがあります)

    この「EC261/2004」規則は旅行者にとって大きな助けとなります。EU圏内で問題に直面した際は、この権利を積極的に主張してください。カウンターで「EC261に基づくケアと補償を要求します」と伝えるだけでも、対応が変わることがあります。

    ストライキを乗り越え、旅を豊かにする心構え

    これまで、ストライキに対するさまざまな実践的な対策について解説してきました。ですが最後に、もう一つだけ重要なことをお伝えしたいと思います。それは、不測の事態に直面した際の「心の持ちよう」です。

    確かにストライキは、私たちの計画を乱す厄介な出来事です。しかし視点を少し変えてみると、それはその国の社会や文化を垣間見る機会とも言えます。なぜ彼らが働く権利を主張しているのか、その背景にある社会的な課題に思いを馳せてみること。それは、ガイドブックには載っていない、まさに生きた学びに繋がるかもしれません。

    さらに、旅には予期せぬハプニングがつきものです。完璧な計画通りに進む旅も素晴らしいですが、トラブルを乗り越えた体験はより深く心に刻まれるものです。ストライキで立ち往生した街で偶然見つけた美味しいレストラン、予定外の延泊で出会った温かい人々との交流。そうした「寄り道」こそが、旅の醍醐味と言えるのではないでしょうか。

    常に「プランB」を頭の隅に置きつつ、目の前で起きた出来事を嘆くのではなく、いかに楽しむかに気持ちを切り替える前向きな発想。この二つがあれば、仮にストライキという困難に遭遇しても、あなたの旅は決して色あせることはありません。むしろ一層味わい深く、あなただけのオリジナルな物語として昇華していくでしょう。

    最新の国際ニュースを参考に、万全な準備と柔軟な心構えをもって、2024年後半の旅へと出発しましょう。世界は、困難を乗り越えた先にこそ、最高の笑顔を見せてくれるのです。

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    この記事を書いたトラベルライター

    SimVoyage編集部は、世界を旅しながら現地の暮らしや食文化を体感し、スマホひとつで快適に旅する術を研究する旅のプロ集団です。今が旬の情報から穴場スポットまで、読者の「次の一歩」を後押しするリアルで役立つ記事をお届けします。

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