海外旅行の計画を立てる際、パスポートと航空券さえあれば安心、という時代は終わりを迎えようとしています。2025年末を境に、これまでビザなしで渡航できた多くの国で、新たな電子渡航認証システムの導入が本格化します。特に人気の旅行先であるヨーロッパやイギリスへの渡航ルールが大きく変わるため、今後の旅行計画に不可欠な最新情報と、その背景や影響について詳しく解説します。
なぜ今、世界の入国制度が変わるのか?
今回の変更の背景には、世界的なセキュリティ強化の流れがあります。テロ対策や不法移民問題への対応として、各国が国境管理を厳格化しているのです。アメリカのESTA(電子渡航認証システム)をモデルに、事前に渡航者の情報を把握・審査することで、安全性を高めようという動きがグローバルスタンダードになりつつあります。デジタル技術を活用して国境管理を効率化し、安全な渡航者にはスムーズな入国を提供しつつ、潜在的なリスクを未然に防ぐことが大きな目的です。
ヨーロッパ(EU):新渡航認証システム「ETIAS」がいよいよ開始
ヨーロッパのシェンゲン協定加盟国へ渡航する際のルールが、ETIAS(エティアス:欧州渡航情報認証制度)の導入によって大きく変わります。
ETIASとは?
ETIASは、これまでビザが免除されていた国・地域の国民(日本のパスポート保持者を含む)が、シェンゲン協定加盟国に渡航する前に、オンラインで申請し、認証を受けることを義務付ける新しいシステムです。
- 対象者: 日本、アメリカ、カナダ、韓国など、60カ国以上のビザ免除国の渡航者が対象です。
- 申請方法: オンラインの公式サイトまたは公式アプリから申請します。手続きは通常10分程度で完了するとされています。
- 費用: 申請には7ユーロの手数料がかかります(18歳未満と70歳以上は免除)。
- 有効期間: 一度認証されると3年間有効です。ただし、パスポートの有効期限がそれより短い場合は、パスポートの有効期限までとなります。
このシステムは2025年半ばに導入が予定されており、これにより、これまでパスポート一つで入国できていたヨーロッパ旅行の前に、ひと手間が必要になります。
イギリス(UK):電子渡航認証「ETA」が全面適用へ
イギリスもEUと同様に、独自の電子渡航認証システム「ETA(Electronic Travel Authorisation)」の導入を進めています。すでに一部の国からの渡航者を対象に開始されていますが、2025年にかけて、日本を含む、これまでビザなしで入国できたすべての国籍の渡航者に適用が拡大されます。
ETAのポイント
- 目的: 英国への渡航者を事前に把握し、国境警備を強化することが目的です。
- 申請方法: ETAもオンラインでの事前申請が必要です。
- 費用: 申請料は10ポンドです。
- 有効期間: 有効期間は2年間で、期間内は複数回の渡航が可能です。
ETAを申請せずにイギリスへ向かおうとした場合、航空会社による搭乗拒否や、入国を拒否される可能性があります。
旅行者に与える影響と未来の予測
これらの新しい制度は、私たちの海外旅行にどのような影響を与えるのでしょうか。
短期的な影響:事前の準備がより重要に
- 旅行前のタスク追加: 航空券やホテルの予約に加え、「渡航認証の申請」が必須のタスクになります。申請を忘れると、旅行そのものがキャンセルになりかねません。
- 追加費用の発生: ETIASの7ユーロ、ETAの10ポンドなど、これまでかからなかった費用が発生します。家族旅行などでは、まとまった金額になる可能性も考慮しておきましょう。
- 偽サイトへの注意: 新制度の開始に伴い、代行業者を装った高額な請求や、個人情報を抜き取るフィッシングサイトの出現が懸念されます。申請は必ず公式サイトから行うようにしてください。
長期的な展望:スムーズで安全な旅行の実現へ
長期的には、これらのシステムは旅行者にとってもメリットをもたらす可能性があります。事前に審査が完了していることで、現地の入国審査が迅速化され、空港での待ち時間が短縮されることが期待されます。また、国境のセキュリティが向上することは、すべての旅行者がより安心して旅を楽しめる環境につながります。
アメリカのESTAやカナダのeTA、オーストラリアのETAなど、同様のシステムはすでに世界各国で導入されており、電子渡航認証はもはやグローバルスタンダードです。2025年末は、その流れがヨーロッパやイギリスにも完全に適用される大きな転換点となります。
今後の海外旅行を計画する際は、渡航先の最新の入国要件を必ず公式サイトで確認し、余裕を持った準備を心がけましょう。simvoyageでは、これからも皆様の快適で安全な旅をサポートするため、最新情報をお届けしていきます。

