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欧州の空が大混雑!航空管制の遅延が過去10年で倍増、旅行者への影響は?

欧州への旅行を計画している方にとって、見過ごせない問題が深刻化しています。欧州の航空管制に起因するフライトの遅延が、過去10年間で倍以上に増加していることが明らかになりました。パンデミックからの急速な旅行需要の回復が、欧州の空のインフラに大きな負担をかけています。simvoyageでは、この問題の背景と、今後の旅行に与える影響について詳しく解説します。

目次

なぜ欧州の空で遅延が増え続けているのか?

この深刻な遅延の背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。

背景1:パンデミック後の急激な需要回復と航空交通量の増加

新型コロナウイルスのパンデミックが収束に向かい、旅行需要は世界的に爆発的な回復を見せました。欧州航空航法安全機構(Eurocontrol)のデータによると、2023年の夏には一部の日で1日あたりの運航便数が33,000便を超えるなど、パンデミック前の水準に迫る勢いで航空交通量が増加しました。しかし、航空業界、特に航空管制の現場では、パンデミック中に削減された人員の補充が追いついておらず、急増したフライトを捌ききれない状況が生まれています。

背景2:老朽化したシステムと管制官不足

欧州の航空管制は、国ごとにシステムが独立・分断されている「フラグメンテーション」という構造的な問題を長年抱えています。空を一つのものとして効率的に管理する「単一欧州空域(Single European Sky)」構想が提唱されてから久しいですが、各国の利害関係が絡み合い、実現には至っていません。この非効率なシステムに加え、熟練した管制官の不足や、労働条件を巡るストライキの頻発(特にフランス)が、管制能力の低下に拍車をかけています。

背景3:地政学的リスクと異常気象

ウクライナ情勢に起因する広範な空域の閉鎖も、欧州の空の混雑を悪化させる一因です。航空機は閉鎖された空域を迂回する必要があり、特定のルートや管制セクターにトラフィックが集中。これがボトルネックとなり、遅延を誘発しています。さらに、近年頻発する異常気象、例えば激しい雷雨や熱波なども、フライトの遅延やルート変更の大きな原因となっています。

遅延の実態をデータで見る

Eurocontrolの分析によると、2023年における航空交通流管理(ATFM)に起因する到着便の遅延は、1便あたり平均で3分を超えました。この数字は小さいように見えるかもしれませんが、パンデミック前の2019年よりも悪化しており、10年前と比較すると倍以上の水準に達しています。

遅延の主な原因として最も大きな割合を占めるのが「航空管制の容量不足・人員不足」で、全体の約4割に上ります。次いで「悪天候」が続きます。これは、インフラと人員の問題が、いかに深刻であるかを示しています。

今後の見通しと旅行者が取るべき対策

この問題は構造的であり、短期的な解決は困難と見られています。特に、夏のバカンスシーズンや年末年始などのピーク時には、さらなる遅延の増加が予測されます。

予測される未来と旅行への影響

  • 遅延・欠航の常態化: フライトの遅延や、それに伴う乗り継ぎ失敗、突発的な欠航がこれまで以上に発生する可能性があります。
  • ハブ空港での混雑: パリ、フランクフルト、アムステルダムといった主要なハブ空港では、乗り継ぎ客への影響が特に大きくなることが懸念されます。
  • 航空券価格への影響: 長期的に見れば、航空会社が遅延によるコスト増を運賃に転嫁する可能性も否定できません。

旅行者ができる備え

欧州旅行を計画する際は、以下の点を心掛けることで、万が一の事態に備えることができます。

余裕を持ったスケジュールを組む

特に乗り継ぎがある場合は、最低でも2〜3時間以上の十分な時間を確保しましょう。タイトなスケジュールは、一度の遅延で全ての計画が崩れるリスクを高めます。

旅行保険への加入を検討する

フライトの遅延や欠航、手荷物の遅延などを補償する旅行保険への加入は必須です。契約内容をよく確認し、ご自身の旅行プランに合ったものを選びましょう。

最新の運航情報を常にチェック

出発前はもちろん、旅行中も航空会社の公式アプリや空港のウェブサイトを活用し、運航状況をこまめに確認する習慣をつけましょう。遅延やゲート変更などの情報をいち早く入手できます。

LCC利用時は特に注意

格安航空会社(LCC)は、遅延や欠航時の代替便の提供や補償が大手航空会社に比べて限定的である場合があります。利用する際は、そのリスクを理解した上で予約することが重要です。

欧州の空の状況は、旅行者にとって厳しい現実を突きつけていますが、現状を正しく理解し、賢く備えることで、トラブルを最小限に抑えることは可能です。快適で安全な旅のために、事前の準備を万全に整えましょう。

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この記事を書いたトラベルライター

SimVoyage編集部は、世界を旅しながら現地の暮らしや食文化を体感し、スマホひとつで快適に旅する術を研究する旅のプロ集団です。今が旬の情報から穴場スポットまで、読者の「次の一歩」を後押しするリアルで役立つ記事をお届けします。

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