中国が推し進めるビザなし乗り継ぎ(トランジット)政策が大きな成果を上げています。特に中国南部の玄関口である広州白雲国際空港では、この政策を利用する外国人旅行者が急増しており、同市がアジア太平洋地域における主要な国際ハブとしての地位を確固たるものにしつつあります。
活況を呈する広州白雲国際空港
最新のデータによると、2024年の最初の2ヶ月間(1月1日〜2月29日)で、広州白雲国際空港を通じて144時間トランジットビザ免除政策を利用した外国人旅行者は2万5000人を超えました。これは前年同期と比較して3倍以上の驚異的な増加率です。
この政策は、特定の54カ国のパスポートを持つ旅行者が、第三国への乗り継ぎ航空券を所持している場合、広東省内で最大144時間(6日間)ビザなしで滞在できるというものです。この制度により、多くの旅行者が乗り継ぎ時間を利用して、広州や周辺都市での短期観光やビジネス活動を手軽に行えるようになりました。
利用者の多くは東南アジア、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダなどへ向かう途中の旅行者で、広州の地理的な利便性が最大限に活かされています。
なぜ今、中国への乗り継ぎ旅行が熱いのか?
背景にある中国の積極的な開放政策
この旅行者急増の背景には、中国政府による国際交流の促進と観光業の回復に向けた強い意志があります。長らく続いた厳格な水際対策が緩和された後、中国は国際社会とのつながりを再構築するため、ビザ要件の緩和を積極的に進めてきました。
144時間トランジットビザ免除プログラムの対象都市は、広州だけでなく北京、上海、成都、重慶など主要20都市に及びます。さらに、最近ではフランス、ドイツ、イタリア、マレーシアなど一部の国に対しては、短期滞在のビザそのものを免除する措置も導入しており、中国への渡航ハードルはかつてなく低くなっています。
ハブ空港としての広州の魅力
広州白雲国際空港は、世界でも有数の規模を誇るハブ空港であり、アジア、ヨーロッパ、北米、オセアニア、アフリカを結ぶ豊富な国際線ネットワークを持っています。最新鋭の設備と効率的な乗り継ぎサービスが、多くの航空会社と旅行者に選ばれる理由となっています。
また、広州は「食は広州にあり」と称される豊かな食文化、歴史的な名所、そして近代的な都市景観が融合した魅力的な都市です。トランジットの数日間で、本格的な広東料理を味わい、歴史的な街並みを散策し、最新のショッピングモールで買い物を楽しむことができます。
予測される未来と旅行への影響
国際的な人の流れの変化
このビザ緩和政策は、アジア太平洋地域における人の流れを大きく変える可能性があります。これまでドバイ、シンガポール、香港などが担ってきた乗り継ぎハブとしての役割に、中国本土の都市が強力な競争相手として加わることになります。航空会社も中国本土を経由する新たな路線を開設する動きを加速させることが予想されます。
旅行者にとっての新たな選択肢
私たち旅行者にとっては、これは大きなメリットです。
- 旅行費用の削減: 中国経由のフライトは、直行便に比べて割安な場合が多く、旅行費用を抑えることができます。
- 一度の旅行で二カ国以上を楽しめる: 乗り継ぎ時間を有効活用して中国の主要都市を観光できるため、旅行の付加価値が格段に高まります。
- 未知の魅力の発見: これまで訪れる機会が少なかった中国の文化や食に気軽に触れることができ、新たな旅の発見につながります。
今後、中国の各都市では、外国人旅行者の受け入れ態勢(多言語対応、モバイル決済の利便性向上など)の整備がさらに進むと見られます。simvoyageをご利用の皆様も、次回の海外旅行の際には、中国の都市でのストップオーバー(途中降機)を旅程に組み込んでみてはいかがでしょうか。アジアのダイナミズムを肌で感じる、新しい旅のスタイルがそこに待っています。

