カメルーンへの渡航に利用される公式の電子ビザ(e-visa)申請プラットフォームにおいて、申請者が支払ったビザ料金が政府機関に届かず、ビザが発給されないという深刻な不正行為が多数報告されています。これにより、多くの旅行者が金銭的損失を被るだけでなく、渡航計画そのものに大きな支障をきたす事態となっています。
何が起きているのか?支払いシステムの深刻な欠陥
問題となっているのは、カメルーン政府が運営する公式の電子ビザ申請サイト「www.evisacam.cm」です。報道によると、旅行者がこの公式サイトを通じてクレジットカードなどでビザ料金を支払ったにもかかわらず、その資金がカメルーンの国庫に正しく入金されていないケースが相次いで発覚しました。
被害に遭った申請者は、支払いを完了した証明を持っているにもかかわらず、ビザの発給を拒否されたり、最悪の場合、カメルーン到着時に空港で再度ビザ料金の支払いを要求されるなどのトラブルに直面しています。これは単なる詐欺サイトによる被害ではなく、公式システムの支払いプロセスに重大な欠陥、あるいは不正が存在することを示唆しており、事態は極めて深刻です。
背景:利便性向上の裏に潜むガバナンスの問題
カメルーンは、ビザ申請手続きの迅速化と透明性の確保、そして観光客誘致を目的として、2023年4月30日に電子ビザシステムを導入しました。これにより、世界中のどこからでもオンラインでビザ申請が可能となり、旅行者にとっての利便性は大幅に向上するはずでした。
しかし、今回の問題は、このシステムの根幹である決済ゲートウェイの管理体制に問題があった可能性を示しています。政府とシステムを運営する技術パートナー、または決済代行業者との間で資金の流れが不透明になっており、その脆弱性を悪用した不正行為が行われているとみられています。利便性向上の裏で、基本的なセキュリティやガバナンスが確保されていなかったことが、今回の混乱を招いた大きな原因と考えられます。
予測される影響と今後の展開
旅行者への直接的な影響
この問題は、カメルーンへの渡航を計画している旅行者に直接的な打撃を与えます。金銭的な損失はもちろんのこと、旅行の直前になってビザが取得できないという事態は、航空券やホテルのキャンセル料発生など、さらなる経済的負担につながります。また、公式システムへの信頼が揺らぐことで、カメルーンへの渡航意欲そのものが減退する可能性があります。
カメルーンの国際的評価への打撃
国の玄関口であるビザ発給システムでの大規模な不正は、カメルーンの行政能力や安全性に対する国際的なイメージを著しく損ないます。観光業の振興を目指す同国にとって大きな打撃であり、ビジネス目的の渡航者にも不安を与えることになるでしょう。
今後の見通し
カメルーン政府は、この問題の調査とシステムの緊急改修を迫られています。原因の究明と、再発防止策を盛り込んだ公式声明が早急に発表されることが期待されます。また、すでに被害に遭った申請者に対する返金や補償といった救済措置が講じられるかどうかが、今後の信頼回復の鍵となります。当面の間、ビザ申請プロセスには混乱が続く可能性も否定できません。
カメルーン渡航予定者が今すべきこと
現在カメルーンへの渡航を計画し、ビザを申請する方は、以下の点に最大限の注意を払ってください。
公式サイトの利用と確認の徹底
ビザ申請は、必ず公式サイトである `www.evisacam.cm` から行ってください。URLを直接入力するなどして、類似の詐欺サイトに誘導されないよう注意が必要です。
支払いの証拠をすべて保管する
支払い完了画面のスクリーンショット、決済完了を通知する確認メール、クレジットカードの利用明細など、支払いを証明できるものはすべて印刷またはデジタルで保管してください。万が一トラブルに巻き込まれた際の重要な証拠となります。
最新情報を収集する
出発前には、駐日カメルーン共和国大使館のウェブサイトや、日本の外務省が発表する海外安全情報などで、ビザ申請に関する最新の情報を確認することを強くお勧めします。
トラブル発生時の対応
もし支払い後にビザが発給されない、あるいは不審な点を認めた場合は、直ちに申請に利用したクレジットカード会社に連絡し、事情を説明して調査を依頼してください。あわせて、駐日カメルーン共和国大使館にも状況を報告・相談することが賢明です。

