2025年、アジアの観光地図が大きく塗り替えられました。ベトナム、中国、マレーシアをはじめとする多くのアジア諸国が実施した戦略的なビザ緩和政策により、外国人観光客数が劇的に回復。一部の国では、新型コロナウイルス感染症拡大以前の記録を上回る活況を呈しています。本記事では、この大きな変化の背景と、今後のアジア旅行に与える影響について詳しく解説します。
観光客数V字回復の主役、ビザ緩和の波
長らく続いたパンデミックによる停滞を経て、アジア各国の政府は経済再生の切り札として「観光業の復活」に舵を切りました。その最も効果的な施策の一つが、外国人観光客に対するビザ要件の緩和・撤廃です。これにより、旅行計画のハードルが大幅に下がり、多くの旅行者が再びアジアを目指すようになりました。
この動きは一国にとどまらず、アジア全域で競争と協調の様相を呈しながら拡大。観光客誘致に向けた各国の積極的な姿勢が、2025年の目覚ましい回復劇を生み出しました。
主要国の動向と回復状況
ベトナム:過去最高の観光客数を達成
特に目覚ましい成果を上げたのがベトナムです。2025年にベトナムを訪れた外国人観光客数は、過去最高となる2120万人に達しました。これは、コロナ禍以前に最高記録であった2019年の約1800万人を大幅に上回る数字であり、ビザ緩和の効果がいかに絶大であったかを物語っています。電子ビザの対象国拡大や滞在期間の延長が、特に欧米からの長期滞在客やリピーターの増加に繋がりました。
中国:国境開放とビザなし入国の拡大
中国もまた、厳格な水際対策から一転し、国際交流の再開に向けて大きく舵を切りました。フランス、ドイツ、イタリア、マレーシアなど複数の国を対象に一方的なビザなし入国措置を導入した結果、ビジネス渡航者だけでなく観光客も大幅に増加。主要都市では国際色豊かな賑わいが戻りつつあります。この政策は、停滞していたインバウンド観光市場の本格的な回復に向けた重要な一歩と評価されています。
マレーシアなど東南アジア諸国の追随
マレーシアも中国やインドといった巨大市場からの観光客を対象にビザ免除措置を開始し、大きな成果を上げています。同様の動きはタイやインドネシアなど他の東南アジア諸国にも広がっており、地域全体で旅行者を呼び込む好循環が生まれています。
ビザ緩和の背景にある各国の戦略
この一連の動きは、単なる観光客数の回復だけを目指したものではありません。その背景には、以下のような各国の戦略的な狙いがあります。
- 経済再生の加速: 観光業は、航空、宿泊、飲食、小売など幅広い分野に経済効果をもたらす重要な産業です。インバウンド消費を活性化させることで、パンデミックで傷んだ国内経済の再生を加速させることが最大の目的です。
- 国際競争力の確保: 近隣諸国が次々とビザ緩和を進める中で、何もしなければ観光客を奪われかねません。国際的な観光市場における競争力を維持・強化するため、追随する形で大胆な政策に踏み切る国が増えています。
- 国際関係の強化: ビザ緩和は、対象国との人的交流を促進し、二国間の友好関係を深める外交的な側面も持ち合わせています。経済的な結びつきだけでなく、文化的な相互理解を促進する効果も期待されています。
今後の展望:2026年以降のアジア観光と旅行者への影響
専門家は、このビザ緩和の流れは2026年以降も継続し、アジアの観光市場はさらなる成長を遂げると予測しています。
旅行者にとっては、アジア旅行がこれまで以上に手軽で身近なものになるでしょう。渡航先の選択肢が増え、より自由に、そしてより少ない手続きで旅行を計画できるようになります。
一方で、人気観光地ではオーバーツーリズム(観光公害)の問題が再燃する可能性も指摘されています。各国政府や観光業界には、訪問客の満足度を高めつつ、地域の環境や文化、住民の生活を守る「持続可能な観光(サステナブルツーリズム)」への取り組みがこれまで以上に求められます。
アジア旅行の新しい時代の幕開けです。simvoyageでは、今後も各国の最新ビザ情報や現地の観光ニュースを追い、皆様の快適で安全な旅をサポートしてまいります。次の旅行計画を立てる際は、ぜひ最新の渡航要件をご確認ください。

