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文豪ヘミングウェイが愛したモヒートの聖地、キューバ「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」完全ガイド

カリブの陽光が石畳に踊り、色褪せたコロニアル様式の建物の間をクラシックカーが駆け抜ける。時が止まったかのような街、キューバの首都ハバナ。その旧市街、カテドラル広場のほど近くに、世界中の旅人が目的地としてその名を挙げる伝説的なバーがあります。その名は「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」。文豪アーネスト・ヘミングウェイが愛し、「我がモヒートはボデギータにて」という言葉を残したとされる、モヒート発祥の地とも言われる聖地です。今回は、単なるバーという言葉では語り尽くせない、キューバの魂そのものとも言えるこの場所の魅力を、余すところなくお伝えしましょう。世界中を旅する中で数多くのバーを訪れてきましたが、ここほど歴史と情熱、そして人々の想いが濃密に溶け合った空間は他にありません。さあ、ハバナの喧騒の奥深くへと、一緒に旅を始めましょう。

カリブの陽光とは対照的に、白銀の世界に心ときめく旅を計画するなら、カナダ・ウィスラー ブラッコムでのスキーバカンスもまた、一生の思い出となることでしょう。

目次

時を刻む壁が語る物語 – ラ・ボデギータの歴史

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ラ・ボデギータ・デル・メディオの扉を開けると、まず目に飛び込んでくるのは、壁や天井、柱など、あらゆる場所にびっしりと刻まれた無数のサインです。それはただの落書きではありません。世界中から訪れた人々の名前やメッセージ、日付、そしてその魂の軌跡そのもの。それらの文字が物語るのは、ラ・ボデギータが刻んできた歴史の証言者としての役割なのです。

小さな食料品店から伝説のバーへ

その歴史は1942年に始まります。アンヘル・マルティネスという人物が、この場所で「カサ・マルティネス」という名前の小さな食料品店をオープンさせたことが発端でした。最初は、近隣の住民や知識人たちがラムを傾けながら集まる、ひっそりとした空間だったといいます。しかし、心地よい雰囲気とマルティネスが作り出すラムベースのカクテルの美味しさが評判を呼び、次第に多くの文化人が集まるサロンのような場へと変わっていきました。

彼らはカクテルだけでなく、本格的な食事も求めるようになりました。こうした要望に応えて、1950年に「通りの真ん中にある小さな酒場」という意味を持つ「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」として、正式にバー兼レストランにリニューアルされました。この名前は、当時ハバナにあった他の有名なバーの多くが通りの角に位置していたのに対し、この店が通りの真ん中にあったことからつけられたと言われています。控えめなその名称とは裏腹に、ここから世界的な伝説が始まることになるとは、当時の誰も想像していなかったことでしょう。

文豪と芸術家たちが残した足跡

ラ・ボデギータの名声を決定づけた大きな要因の一つが、やはりアーネスト・ヘミングウェイの存在です。彼はハバナに20年以上暮らし、この街を深く愛していました。そして、「我がダイキリはフロリディータにて、我がモヒートはボデギータにて」という有名な言葉を店の壁に残したと伝えられています。この一文が、ラ・ボデギータを世界中のヘミングウェイファンやモヒート愛好家にとっての「聖地」へと押し上げたのです。

しかし、この店を愛したのはヘミングウェイだけではありません。チリのノーベル賞詩人パブロ・ネルーダ、コロンビアの文豪ガブリエル・ガルシア・マルケス、アメリカの歌手ナット・キング・コール、フランスの女優ブリジット・バルドーなど、多くの著名人がこの狭い空間でグラスを傾け、創造の源を見出していきました。彼らのサインや写真は今も店内の至る所に飾られており、まるで過去の華やかな時代を閉じ込めたタイムカプセルのように訪れる人を迎えています。彼らが交わした言葉や物語、奏でられた音楽は、今もこのバーの空気に満ちているかのようです。

ヘミングウェイの有名な言葉の真偽

ここで一つ、旅の豆知識として触れておきたいのが、ヘミングウェイの名言の真偽に関する話です。カウンター奥に掲げられている「My mojito in La Bodeguita, My daiquiri in El Floridita」というサインは、多くの観光客が撮影する人気スポットの一つです。しかし近年、ヘミングウェイ研究者の間では、このサインは彼の直筆ではなく、後年に店側が宣伝目的で書いたものではないかと考えられています。ヘミングウェイがモヒートよりもダイキリを好んでいたという記録や、彼の作品にボデギータの言及がほとんど見られない点がその根拠です。それでも、彼がこの店を頻繁に訪れていた事実は多くの証言によって裏付けられており、この言葉の真偽を超えて、ヘミングウェイはラ・ボデギータの象徴であることに変わりはありません。むしろ、こうした謎に包まれた逸話が、ラ・ボデギータの伝説に深みを加えていると言えるでしょう。

壁一面のサイン – 「落書き」という名の文化

ラ・ボデギータに来た誰もが参加できる特別な儀式、それが壁にサインを残すことです。この風習は、かつて常連の詩人や作家たちが即興で詠んだ詩やメッセージを壁に書き始めたことに由来します。やがてそれは、この地を訪れた証として自分の名前を刻む行為へと発展しました。著名人から一般の旅行者まで、国籍や身分を問わず誰もがこの歴史の一部となれるのです。青や黒、赤など様々な色のペンで重ね書きされた文字は密集しすぎて、もはや壁の元の色はほとんど見えません。それは混沌としている一方で、不思議な統一感と活気に満ちています。これから訪れる方には、ぜひ名前を書くためのペンを一本持参することをお勧めします。書く場所を探すのもまた愉しみのひとつです。この壁に自分の名前を残す行為は、単なる記念以上の意味を持ちます。それはヘミングウェイやネルーダら偉人たちと同じ空間で時を分かち合い、このバーが紡いできた壮大な歴史の新たな一節を加えることに他ならないのです。

モヒートの聖地で味わう、至高の一杯

ラ・ボデギータ・デル・メディオを語る際、その象徴とも言えるモヒートを避けて通ることはできません。世界中に数多くのカクテルが存在しますが、その発祥地とこれほど密接に結びついたカクテルは稀です。ここで味わう一杯は、単なる飲み物にとどまらず、キューバの太陽や大地、そして人々の情熱が凝縮された芸術品といえます。

なぜラ・ボデギータのモヒートは特別なのか

モヒート自体は様々なレシピがあり、バーごとに味わいも違います。しかし、ラ・ボデギータのモヒートには他には真似できない独特の魅力があります。その秘密は、厳選された素材と長い年月をかけて受け継がれてきた伝統的な製法にあります。グラスの中でミントの葉が潰される音、ライムの爽やかな香り、そしてラムが注がれた瞬間の高揚感。五感すべてで堪能できる体験がここには存在します。

キューバ産ミント「イエルバ・ブエナ」のこだわり

ラ・ボデギータのモヒートの核心は、ミントにあります。使われるのは、キューバで「イエルバ・ブエナ(良いハーブ)」と呼ばれるスペアミントの一種です。日本の一般的なミントとは異なり、より野性的で清涼感が強いものの、苦味は少ないのが特徴です。バーテンダーはこのイエルバ・ブエナの茎ごとをたっぷりとグラスに入れ、マドラーで優しく、しかし丹念にその香りを引き出します。潰しすぎると苦味や雑味が出てしまうため、ここには熟練の技術が求められます。葉のエキスとオイルがラムと融合することで、忘れがたい爽快な香りが生まれるのです。このイエルバ・ブエナこそが、本場のモヒートとしての個性を決める最重要の要素と言っても過言ではありません。

ラムの魅力 — ハバナ・クラブが織りなす魔法

キューバと言えばラム、ラムと言えばキューバ。この地を代表するラム「ハバナ・クラブ」がラ・ボデギータのモヒートの基盤です。特に熟成年数3年の「ハバナ・クラブ 3年(Añejo 3 Años)」はモヒートに最も適しているとされます。このラムはサトウキビの甘く芳醇な香りに加え、樽熟成からくるバニラやオークの風味が絶妙に調和しており、モヒートに深みと複雑さを与えます。透明ながらも味わいは濃厚で、ライムの酸味や砂糖の甘み、そしてミントの清涼感とソーダの泡が織りなす味わいを完璧にまとめ上げ、全体のバランスを支える主役です。キューバの陽光を浴びて育ったサトウキビから造られるこのラムなしには、ラ・ボデギータのモヒートは成立しません。

目の前で繰り広げられる匠の技

バーカウンターに立てば、バーテンダーのリズミカルで無駄のない動きに目を奪われます。彼らはまるでオーケストラの指揮者のように、連続する注文を驚異的な速さと正確さで捌きます。その流れるような一連の所作は、まさにエンターテインメントと呼べるでしょう。

まず背の高いグラスに白砂糖をたっぷりと入れ、新鮮なライムジュースを加えます。次にイエルバ・ブエナの束を取り、グラスの中で軽く叩いて香りを放ち、その後マドラーで丁寧に潰していきます。そこへクラッシュアイスを満たし、たっぷりのハバナ・クラブを注ぎ、最後にソーダウォーターで満たします。ロングスプーンで数回静かにステアすれば、伝説のモヒートが完成するのです。この一連の工程はわずか数十秒のうちに繰り広げられ、彼らの手によって生み出される一杯は常に絶妙なバランスを保っています。甘さも酸味も控えめで、ミントの香りが際立ち、ラムの力強さが全体をしっかりと支える。これこそが、世界中の人々を魅了し続けてきた黄金の比率なのです。

五感で旅する、ラ・ボデギータの空間

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ラ・ボデギータの魅力は、単にモヒートの味にとどまりません。その空間全体が、訪れる人の五感を強く刺激し、他に類を見ない特別な体験を提供します。狭小な店内は常に活気に溢れ、多様な言語が飛び交い、陽気なキューバ音楽が絶え間なく響き渡っています。それはまさに、ハバナという街の縮図とも言える光景です。

喧騒と音楽が織りなすハーモニー

入口の扉を開けた瞬間、熱気と喧騒、そして陽気なサルサのビートに包まれます。店内では常時ソンやサルサを奏でるバンドがライブ演奏を行い、その生の音楽が場の雰囲気を一気に盛り上げます。ギターの軽快なカッティング、コンガが刻む情熱的なリズム、そしてやや哀愁を帯びたヴォーカルが、人々の話し声や笑い声、グラスが触れ合う音と入り混じり、一種の心地よいカオスを創り出しています。音楽に合わせて体を揺らす客や、リズミカルにシェイカーを振るバーテンダー、それら全てが一体となって、ラ・ボデギータという名の特別な「カクテル」を完成させているのです。この喧騒と音楽こそが、モヒートをより一層引き立てる最高のスパイスと言えるでしょう。静かな環境で飲みたい方には向いていないかもしれませんが、キューバの活力とエネルギーを全身で感じたい旅行者には、これ以上の場所はありません。

1階の賑わいと2階の落ち着き

ラ・ボデギータは2階建てで、1階は主にバーカウンターと立ち飲みスペースが広がり、最も活気ある音楽と熱気に満ちたエリアです。多くの来訪者がここでモヒートを注文し、壁にサインを残しながら、音楽に身を任せて思い思いの時間を過ごしています。狭い空間に人々が密集し、隣に座った初対面の旅行者と自然と会話が始まることも頻繁で、これこそがラ・ボデギータの醍醐味といえます。

一方、狭い階段を上ると2階はレストランスペースになっており、1階の喧騒がほどよく遠のくため、落ち着いた雰囲気の中で食事や会話を楽しめます。窓からはハバナ旧市街の美しい通りが見渡せ、別の趣があります。モヒートだけでなくキューバの伝統料理をじっくり味わいたい方には、2階のテーブル席をおすすめします。もちろん、2階の壁にもびっしりとサインが書き込まれ、この店の歴史を感じながら食事を堪能できます。賑やかさを求めるなら1階、静かな空間を好むなら2階と、気分や目的に応じて使い分けられるのもこの店の大きな魅力です。

味覚で味わうキューバの伝統料理

多くの来店者はモヒートを目当てに訪れますが、ラ・ボデギータはレストランとしても非常に高い評価を受けています。提供されるのは、スペイン、アフリカ、カリブの食文化が融合した「クレオール料理」と呼ばれるキューバの伝統的な家庭料理で、観光客向けに洗練されたレストランとは一線を画す、素朴で心温まる味わいが特徴です。

代表的なメニューの一つに「ロパ・ビエハ(Ropa Vieja)」があります。これは「古い服」を意味し、牛肉を細かくほぐしてトマトソースで煮込んだ料理で、キューバの国民食とも称される一皿です。じっくり煮込まれた牛肉は驚くほどやわらかく、スパイスの効いたソースが食欲をそそります。定番の付け合わせは、コングリ(黒インゲン豆入り炊き込みご飯)と揚げバナナです。そのほか、豚肉のロースト「レチョン・アサード」や魚介の煮込み料理など、キューバの食文化を満喫できるメニューが豊富に揃っています。伝説のモヒートとともに、キューバの家庭の味を味わうという贅沢な体験は、ほかではなかなか味わえない特別なひとときとなるでしょう。

完璧な訪問のための実践ガイド

それでは、ラ・ボデギータの魅力に惹かれた皆さまが実際に足を運ぶ際に役立つ具体的な情報をご紹介します。少しの準備と知識があれば、この伝説のバーでの体験が格段に素晴らしいものになります。世界中から訪れる人々が集う場所だからこそ、スマートな振る舞いを心がけたいものです。

ハバナ旧市街を散策しながら店へ向かう

ラ・ボデギータ・デル・メディオは、UNESCO世界遺産にも登録されているハバナ旧市街(La Habana Vieja)の中心、カテドラル広場のすぐ近く、エンペドラード通りにあります。この周辺は車の進入が制限されている場所も多いため、広場の近くから徒歩で訪れるのがベストです。

アクセス方法と周辺の観光スポット

多くの観光客が滞在するセントラル公園(Parque Central)からは、徒歩で約15分です。途中、オビスポ通り(Calle Obispo)などの主要な通りを散策しながら向かうのがおすすめ。石畳の道を歩き、オープンカフェで響く音楽に耳を傾けたり、地元の人の暮らしぶりを感じながら進む道のり自体が、素晴らしい観光体験になるでしょう。店の周辺には、荘厳なハバナ大聖堂(カテドラル)がそびえるカテドラル広場、植民地時代の趣を残すアルマス広場、そしてヘミングウェイがダイキリを愛したもう一つの名スポット「エル・フロリディータ」など、見逃せないスポットが数多くあります。ラ・ボデギータ訪問とあわせて、ハバナ旧市街の散策もぜひスケジュールに入れてください。

訪問前に知っておくべきポイント

訪問をスムーズかつ快適にするために、事前に押さえておきたいポイントがあります。これを理解しておけば、余計なストレスなく心から楽しめるでしょう。

最適な時間帯と混雑状況

ラ・ボデギータは昼夜を問わず常に混雑しています。特に夕方から夜にかけては観光客で溢れ、入店待ちの列ができることも少なくありません。比較的ゆったりと雰囲気を味わいたい場合は、開店直後の午前中や昼食のピークを過ぎた午後2時から4時頃がおすすめです。一方で、この店の活気や熱気を存分に味わいたいなら、迷わず夜訪れるのが良いでしょう。生演奏も夜に盛り上がりを見せます。ただし、混雑が激しいため、スリや置き引きには十分注意してください。

服装についての注意点

厳格なドレスコードはありません。日中はTシャツにショートパンツ、サンダルといったカジュアルな服装で問題ありません。ハバナの気候を考えると最も快適なスタイルです。ただし、夜に訪れたり、2階のレストランで食事する場合は、少しだけ上品な装いを意識すると、より雰囲気を楽しめます。男性なら襟付きシャツ、女性ならワンピースなどがよいでしょう。過度なフォーマルは必要ありませんが、伝説の場に敬意を表す意味でも、軽くお洒落に気を遣うのがおすすめです。

持ち物のポイント – 現金とペンは必携

キューバ旅行全般に言えますが、特にラ・ボデギータのようなローカルな場ではクレジットカードが使えない場合が多いため、現金(キューバ・ペソ、CUP)を十分に持参してください。高額紙幣よりも、お釣りが出やすいように細かい金種を多めに持つと便利です。キューバの通貨事情は少々複雑なので、事前に情報を確認しておくことを強くおすすめします。また、忘れてはいけないのが、壁にサインを残すためのペンです。油性マジックが書きやすく定番です。色は黒や青が一般的ですが、鮮やかな色で個性的なサインを残すのも楽しいでしょう。カメラやスマホも必ず持っていきたいアイテムですが、混雑時に落とさないようストラップを付けるなど対策をお忘れなく。

ラ・ボデギータでの過ごし方 – 完全ガイド

いよいよ入店。店内で困らずにスマートに楽しむための具体的な流れをご案内します。

入店から注文、支払いまでの手順

入り口は常に開放されており、ドアマンは常駐していません。混雑していなければそのまま入店可能ですが、列ができている時は順番に並んで待ちましょう。1階のバーカウンターでは、空いている場所を見つけてカウンターに近づき、バーテンダーに直接注文します。非常に忙しいため、注文を決めてから声をかけるのがマナーです。メニューは用意されていますが、多くの人は名物の「モヒート(Mojito)」を注文します。注文後にその場で作ってもらい、受け取ったら支払いを済ませます。支払いは基本的に飲み物と引き換えのキャッシュオンデリバリーです。2階のレストラン利用時は、入口でスタッフに伝え、空席があれば案内してもらえます。会計は食後にテーブルで行います。

自分だけの印を – 壁へのサインの書き方

モヒートを手にしたら、いよいよ壁にサインを残す儀式の時間です。壁はびっしりサインで埋まっており、どこに書くか迷うかもしれません。ポイントは、既存のサインの隙間や色が薄れている部分を探すこと。柱やカウンターの側面、天井近くなど、視線を変えると意外な隙間が見つかることもあります。基本は自分の名前と訪れた日付を書きますが、出身国や短いメッセージを添える人も多くいます。他人のサインの上に重ねて書くのもマナー違反ではなく、むしろ歴史が積み重なる文化の一環です。遠慮なく大胆にペンを走らせ、あなたの足跡を刻みつけてください。

チップの心得とスマートな渡し方

キューバではチップの習慣が根付いています。特にサービスや生演奏に感謝を示すためにチップを渡すのがスマートです。バーカウンターでの注文時は、釣り銭の一部をカウンターに残すとよいでしょう。2階のレストランでは、会計の約10%が目安です。また、店内で演奏するバンドは演奏の合間に楽器ケースなどを持って客席を回ります。彼らの素晴らしい音楽に感銘を受けたら、少額でもぜひチップを入れてあげてください。彼らの陽気な音楽が、ラ・ボデギータの独特な雰囲気をより一層盛り上げてくれます。

安全に楽しむためのヒントとトラブル対策

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キューバは比較的治安が良い国とされていますが、多くの観光客が訪れる場所では最低限の注意が欠かせません。素敵な思い出が悪い体験に変わらないよう、いくつかのポイントを心に留めておきましょう。

ハバナの夜を安全に楽しむために

ラ・ボデギータは夜になると特に賑わいますが、ハバナ旧市街の夜間の散策には注意が必要です。特にメインストリートから外れた暗い路地には入らないようにしましょう。お店から帰る際は、できるだけ人通りが多く明るい道を選んで歩くか、ホテル近くまでタクシーを利用するのがおすすめです。キューバのラムはアルコール度数の高いものも多いため、自分のペースを守り、飲み過ぎには十分気をつけてください。楽しい雰囲気につられてつい飲みすぎてしまいがちですが、節度を保つことが安全に楽しむ鍵となります。

貴重品の管理と注意事項

混雑した場所ではスリや置き引きの被害に遭う危険もゼロではありません。バッグは常に体の前で抱えるように持ち、財布やスマートフォンなどの貴重品は前ポケットに入れるなど、細心の注意を払いましょう。パスポートなど重要書類はホテルのセーフティボックスに預け、そのコピーを携帯するのが賢明です。また、高価なアクセサリーや腕時計を目立つように身につけるのは避けたほうが安全です。自然な装いで現地の雰囲気に溶け込むことを心がけてください。

万が一に備えた対策

旅先ではトラブルが起きることもありますが、あらかじめ対処法を知っていれば落ち着いて対応できます。

メニューの確認と会計の際の注意点

ラ・ボデギータは世界的にも有名なスポットで、理不尽な料金請求はほとんどありませんが、一般的なキューバの観光客向けレストランでは、会計時に料金をきちんと確認する習慣をつけると安心です。注文前にメニューの価格をチェックし、会計時には請求金額が正しいか確かめましょう。特にキューバ・ペソ(CUP)で支払う際は桁を間違いやすいので注意が必要です。万一不明な点があれば、その場で落ち着いて問いただすことが大切です。ほとんどの場合は単なる計算ミスですが、自分の身は自分で守るという意識が海外では重要になります。公式情報や緊急連絡先については、日本の外務省海外安全ホームページなどで事前に確認しておくことをおすすめします。

ハバナの魂に乾杯を

ラ・ボデギータ・デル・メディオは、もはや単なるバーの枠を超えています。それはキューバの歴史や文化、芸術、そして人々の熱い想いが詰まった生きた博物館であり、訪れるすべての者を温かく包み込む心の交差点です。ヘミングウェイが愛したモヒートを手に取り、壁一面に刻まれたサインに思いを馳せながら、魂を揺さぶるキューバ音楽に身を委ねる。その体験は必ずや、旅の思い出に鮮やかな彩りを添えて深く刻まれることでしょう。

ここで過ごす時間は、過去と現在が交わる不思議な感覚をもたらします。何十年も前にこの場所を訪れた著名な作家や芸術家たちと同じ空間を共有し、同じモヒートを味わい、同じ音楽に耳を傾ける。壁に残された無数のサインは、世界中から訪れた人々の想いが集まった証であり、自分もその一員になったという感動は、何にも代えがたいものです。

もしキューバを訪れる機会があれば、ぜひラ・ボデギータ・デル・メディオの扉を開いてみてください。そして、五感すべてを研ぎ澄ませて、そのここにしかない空気を感じ取ってください。グラスの中で軽やかに踊るミントの葉のように、あなたの心もきっと、カリブの陽気なリズムに合わせて自然と躍り出すはずです。ハバナの魂に、そしてかけがえのないあなたの旅に、心から乾杯を。

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この記事を書いたトラベルライター

外資系コンサルやってます。出張ついでに世界を旅し、空港ラウンジや会食スポットを攻略中。戦略的に旅をしたいビジネスパーソンに向けて、実用情報をシェアしてます!

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