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ウェンズデー・アダムスの足跡を辿る、神秘のルーマニア聖地巡礼パーフェクトガイド

Netflixを開けば、いつでも会える風変わりで魅力的なゴス少女、ウェンズデー・アダムス。彼女が通うネヴァーモア学園のゴシックな尖塔、秘密の図書館、そして謎多き町ジェリコ。そのダークでファンタジックな世界観に、心を奪われた方も少なくないでしょう。しかし、あの世界が単なるCGやスタジオセットの産物ではなく、我々が実際に訪れることのできる場所に息づいているとしたら、どうでしょう。

その舞台は、東欧の知られざる宝石、ルーマニア。吸血鬼ドラキュラの伝説が生まれ、中世の面影を色濃く残すこの国で、ティム・バートン監督はウェンズデーの物語に命を吹き込みました。世界中を飛び回る仕事の合間に、数々の古城や歴史的な街並みを見てきましたが、ルーマニアに漂う独特の神秘的な空気は、まさに格別でした。それは、画面越しに感じた「ウェンズデー」の世界そのものだったのです。

さあ、あなたも日常を抜け出して、ウェンズデーが駆け巡ったミステリアスな風景の中へ。ネヴァーモア学園の廊下を歩き、ジェリコの町の謎に思いを馳せる旅へ、私、健司がご案内します。この記事は、単なるロケ地紹介ではありません。あなたが実際に旅立ち、その空気を肌で感じるための、実践的なガイドです。準備から現地での立ち振る舞い、万が一のトラブル対応まで、スマートな旅を実現するためのすべてをここに記しました。

まずは、我々の旅の拠点となるルーマニアの位置を、心に刻み込むことから始めましょう。

このミステリアスな国での旅を最大限に楽しむために、まずは全体の旅の準備と計画を見直してみませんか? 初心者でも安心なヨーロッパ周遊の計画について、さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

目次

なぜルーマニア? ウェンズデーの世界観を創り出した神秘の国

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ティム・バートン監督が、数ある国の中からなぜルーマニアを「ウェンズデー」の舞台に選んだのか。その理由は、この国の歴史と風土そのものに秘められています。カルパチア山脈が国土を走り抜け、深い森と荘厳な古城が点在するルーマニアは、まさにゴシックロマンスの世界観を体現したかのような土地なのです。

ティム・バートンが惹かれたゴシックの精神

特にトランシルヴァニア地方は、ブラム・ストーカーの名作『吸血鬼ドラキュラ』の舞台として広く知られています。しかし、その魅力はドラキュラ伝説だけにとどまりません。中世以来ザクセン人が築き上げた堅固な要塞都市、華麗な装飾に彩られた貴族の城、そして共産主義時代を経てなお残る重厚な建築物群が入り混じり、光と影のコントラストが生み出す独特の風景を形作っています。

バートン監督が惹かれたのは、この「リアル」で歴史の重みを感じさせる場所が醸し出す、物悲しくも美しい空気感でしょう。CGで一から世界を作るのではなく、ルーマニアというキャンバスにほんの少しデジタルという絵の具を加えることで、圧倒的なリアリティと深みを備えたネヴァーモア学園やジェリコの町を生み出したのです。ドラマに登場する石畳の小道、蔦に覆われた城壁、ステンドグラスを透かして差し込む光——これらすべてが、何世紀にもわたって育まれてきたルーマニアの文化の息吹をそのまま映し出しています。

旅の前に押さえておきたい基本情報

聖地巡礼の旅を計画する際、まずは目的地の基本情報を把握しておくことが、スムーズな旅の第一歩となります。

  • 首都: ブカレスト。「東の小パリ」と称される美しい街並みと、共産主義時代の巨大建築が並存する興味深い都市です。今回の旅の拠点となります。
  • 通貨: ルーマニア・レウ(RON)。2024年5月現在、1レウは約33円です。都市部ではクレジットカードが広く利用可能ですが、地方や小規模な店舗では現金が求められることも多いため、空港や市内の両替所、ATMで現地通貨を用意しておくことをおすすめします。
  • 言語: 公用語はルーマニア語で、ラテン語系の言語特有の美しい響きがあります。観光地のホテルやレストランでは英語が通じることが多いですが、簡単な挨拶(こんにちは:Bună ziua / ブナ・ズィワ、ありがとう:Mulțumesc / ムルツメスク)を覚えておくと、現地の人々との距離がぐっと縮まります。
  • 気候: 大陸性気候で四季がはっきりしており、夏は暑く乾燥、冬は氷点下に冷え込み雪も多いです。特に山間部の城を訪れる際は、夏でも羽織るものを持ち、冬は万全の防寒対策が必要です。気候が穏やかで日照時間も長い5月から9月ごろが旅のベストシーズンといえるでしょう。
  • ビザ: 日本国籍の場合、観光目的で90日以内の滞在であればビザは不要です。ただしパスポートの有効期間が、出国予定日から3ヶ月以上あることを必ず確認してください。

これらの基本情報をしっかり頭に入れておくだけで、旅の満足度はぐっと高まります。さあ、準備は整いました。いよいよ「ウェンズデー」の世界に足を踏み入れてみましょう。

聖地巡礼のハイライト:ネヴァーモア学園の舞台を訪ねる

物語の舞台であり、すべての「のけ者」たちが集う学びの場、ネヴァーモア学園。その特徴的なゴシック建築は、複数の歴史的建造物を組み合わせて映像化されました。なかでも特に重要な二箇所を訪れることは、この旅の大きな見どころと言えるでしょう。

カンタクジノ城(Cantacuzino Castle)-ネヴァーモア学園の外観

ウェンズデーが初めてネヴァーモア学園の壮麗な姿を目にするシーンで使われた、そびえ立つ尖塔と荘厳な石造りの校舎。その壮観な外観のメインロケ地となったのが、カルパチア山脈の麓に位置するブシュテニという町のカンタクジノ城です。

歴史と建築の魅力

この城は1911年に、ルーマニアで最も裕福かつ影響力のあった貴族の一人、ゲオルゲ・グリゴレ・カンタクジノ王子によって建設されました。彼は「ナバブ(太守)」の愛称で呼ばれるほどの莫大な財を誇り、その富と権威を示す夏の離宮として、この城の建築を指示したのです。

建築様式は「ネオ・ルーマニア様式」と称され、伝統的なワラキア地方の修道院建築にビザンティン、オスマン、アール・ヌーヴォーの要素を融合させた、装飾豊かでロマンティックなスタイルが特徴です。城中至る所に配された精緻な石彫刻、優美なアーチ構造、そして色とりどりのステンドグラスがまさに芸術作品といえます。

ドラマではCGで屋根形状が変更され、よりゴシックな印象を強める尖塔が加えられていますが、実際の城が持つ荘厳さと美しさは映像をはるかに凌駕します。現地に足を運べば、石の一つひとつが宿す歴史の重みと、カンタクジノ家の栄華が直接肌で感じられるでしょう。これまで数多くの城を訪れてきましたが、ここほどロマンと権勢が調和した建築は極めて稀有です。

訪問の実践ガイド

ここからは、この素晴らしい城を訪れるための具体的な手順や注意点をご案内します。

  • アクセス方法:

ブカレストからカンタクジノ城のあるブシュテニ(Bușteni)へは、電車または自動車での移動が一般的です。

  • 電車: ブカレスト北駅(Gara de Nord)からブラショフ(Brașov)方面行きの列車に乗り、ブシュテニ駅で下車。所要時間は約2時間から2時間半です。ルーマニア国鉄(CFR)の公式サイトで時刻表の確認やチケットの事前購入が可能ですが、遅延も少なくないため、余裕を持ったスケジュールをおすすめします。駅から城までは徒歩で約20分の坂道ですが、タクシー利用が便利です。
  • 車: レンタカーを使うかプライベートツアーを予約することも可能で、周辺の観光地(例えばブラン城など)も合わせて回れる自由度が魅力です。交通状況によりますが、ブカレストからの所要時間は約2〜3時間です。
  • チケット購入と手続き:

カンタクジノ城は非常に人気のある観光スポットです。特に週末や観光シーズンは混雑が予想されるため、公式サイトからのオンライン事前予約を強く推奨します。

  1. [カンタクジノ城公式サイト](https://cantacuzinocastle.com/)へアクセス。
  2. 「Tickets」や「Book Online」セクションから、訪問希望日時やチケットの種類(城内ガイドツアー、庭園のみ、アートギャラリーなど)を選択。
  3. 必要事項を入力し、クレジットカードで決済。
  4. 予約完了後に受け取るEチケット(QRコード)をスマートフォンに保存または印刷。

当日券もありますが、希望時間のツアーが満席になる場合が多いため、無駄な待ち時間を避けて確実に訪れるためにも事前予約が必須です。

  • 見学時のポイントと注意事項:
  • 服装: 石畳や階段が多いので、歩きやすい靴が必須です。ハイヒールや滑りやすい靴は避けてください。特別なドレスコードはありませんが、歴史的建築物への敬意から、過度に露出の多い服装は控えましょう。
  • 持ち込み禁止: 大きなリュックやスーツケースの持ち込みは不可。入口のクロークに預ける必要があります。また城内での飲食は禁止です。
  • 写真撮影: 撮影は可能ですが、フラッシュや三脚の使用は禁止。見学者の迷惑とならないよう配慮しましょう。ウェンズデーのポーズを決めるのも楽しいですが、周囲への気遣いを忘れずに。
  • 見どころ: 城正面の景観も素晴らしいですが、ぜひ裏手のテラスも訪れてください。カルパチア山脈(ブチェジ山群)の壮大な風景を背に城を見る絶景ポイントです。また、城内ではウェンズデーに関連する展示やイベントが行われることもあるため、公式サイトで最新情報をこまめに確認してください。
  • トラブル対応:

予約したツアーに遅れた場合やキャンセルしたい場合、返金や日程変更の可否は購入時の規約によります。自己都合による返金は難しいことが多いですが、まずは公式サイトのお問い合わせフォームやメールで連絡を取りましょう。鉄道遅延など正当な理由があれば、その証明書を添えて交渉の余地があるかもしれません。

カサ・モンテオル(Casa Monteoru)-ネヴァーモア学園の内部

ネヴァーモア学園の荘厳な外観をカンタクジノ城が担う一方で、ウェンズデーやイーニッドが歩く校内の廊下、ラリッサ・ウィームズ学長の執務室、秘密結社ナイトシェードの会議場となる図書館など、多くの印象的な内部シーンは、首都ブカレスト中心部に建つ歴史的建造物、カサ・モンテオルで撮影されました。

ブカレストの隠れた名建築

カサ・モンテオルは、ブカレスト最大の繁華街であるカレア・ヴィクトリエイ(Calea Victoriei/勝利通り)沿いに立っています。19世紀末、裕福な実業家グリゴーレ・モンテオルの邸宅として築かれたこの建物は、フランスの洗練とルーマニアの伝統が見事に調和した、息を呑む美しさを誇る建築です。

その扉をくぐれば、まさにウェンズデーの世界が広がります。大理石の壮大な階段、豪奢なシャンデリア、精緻な彫刻が施された木製壁面、そして広間に配された鏡張りの装飾。これらがネヴァーモア学園の神秘的かつ格調高い雰囲気を形作っています。特に、ウィームズ学長の執務室として映った「鏡の間」の大きな鏡や暖炉は、ここカサ・モンテオルの内部で撮影されました。学長とウェンズデーが対峙した場面を思い浮かべながら歩くと、物語への感情移入がいっそう深まるでしょう。

現在、この建物はルーマニア作家連盟(Uniunea Scriitorilor din România)の本部として使用されており、通常は一般公開されていません。しかし、そのことがかえって場所の神秘性を一層高めています。

訪問情報と代替案

  • 見学情報:

既述の通り、カサ・モンテオルは常設の観光施設ではありません。とはいえ、訪問の可能性はまだ残されています。

  • 特別公開イベント: 文学関連イベントや「ブカレスト・ナイト・オブ・ミュージアム」など文化催事の一環で年に数回、内部が特別に開放されます。旅程を立てる際は、ルーマニア作家連盟の公式サイトやブカレストの文化イベント情報を必ず確認してみてください。時期が合えば、非常に貴重な体験ができるでしょう。
  • 外観の観覧: 内部に入れなくとも、大通り沿いからその豪華なファサードを眺めるだけで十分価値があります。19世紀末のベル・エポックの趣を今に伝える建築は、ブカレスト散策のハイライトのひとつです。
  • 公式サイト確認: 訪問計画を立てる際は、ルーマニア作家連盟公式サイトで最新の公開情報をチェックすることをお勧めします。
  • 周辺での楽しみ方:

カサ・モンテオルのある勝利通り周辺は、ブカレスト観光の中心地です。国立美術館やルーマニアのアテネ音楽堂など壮麗な建築が立ち並び、散策だけでも十分楽しめます。さらにカフェやレストランも豊富なので、邸宅の外観を眺めながらルーマニアの美味しいコーヒー(Café)を味わうのも素敵なひとときです。

ジェリコの街と森:ウェンズデーが駆け巡った場所へ

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ネヴァーモア学園の近隣に位置し、物語の重要な舞台となったバーモント州の架空の町「ジェリコ」。その古き良きアメリカの小さな町の風情ある景色や、ウェンズデーが秘密を追い求めて奔走した多彩なロケーションの多くは、実はルーマニア国内で撮影されていました。

ブカレスト植物園(Grădina Botanică “Dimitrie Brândză”)- 温室に秘められた謎

ソーンヒル先生が食虫植物の授業を行っていた、あの印象的なガラス温室。このシーンの撮影地は、ブカレスト大学が運営する「ディミトゥリエ・ブランドザ植物園」です。

1860年創設のこの歴史深い植物園は、17ヘクタールを超える広大な敷地に、ルーマニアおよび世界各地から集められた1万種以上の植物が育てられています。都会の喧騒を忘れさせてくれる、まさに都会のオアシスです。園内はテーマ別にいくつものエリアに分かれていますが、聖地巡礼で注目すべきは19世紀に建造された歴史的な「Exhibition Greenhouse」(温室パビリオン)です。

熱帯雨林の植物が生い茂るこの温室は湿度が高く、独特の甘美な香りが漂います。シダやヤシの葉の間から差し込む光のなかで、ウェンズデーが植物の秘密について語る姿が思い浮かぶでしょう。ドラマの名シーンをなぞる楽しみだけでなく、世界中の珍しい植物を間近に鑑賞できる知的な魅力も、この場所ならではの体験です。

訪問時の実用ガイド

  • アクセスと入場料:

ブカレスト中心部に位置し、地下鉄やバスを利用して気軽にアクセス可能です。最寄りの地下鉄駅はGrozăveștiで、駅から徒歩約10分。開園時間や入場料は季節によって変動するため、訪問前には公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。入場料はリーズナブルで、気軽に訪れることができます。

  • 持ち物と準備:
  • 歩きやすい靴: 園内は広いため、歩きやすい靴が必須です。
  • 虫よけスプレー: 夏季は蚊など虫が多いため、持参すると快適に過ごせます。
  • 飲料水: 園内にカフェはありますが、散策中の水分補給用にマイボトルやペットボトルを用意すると安心です。
  • カメラ: 温室の幻想的な光景や美しい花々を撮影するために、カメラは忘れずに持参しましょう。
  • 園内のマナーと禁止事項:

植物園は研究・教育の場でもあるため、以下のルールを守ることが求められます。

  • 植物に触れたり採取したり、傷つけたりしない。
  • 指定された通路を必ず利用する。
  • ゴミは持ち帰るか、決められたゴミ箱に捨てる。

これらのマナーを守ることで、将来の訪問者もこの美しい空間を楽しみ続けられます。

ディナモ・スタジアム(Stadionul Dinamo)プール – ポー・カップの水上決戦

ネヴァーモア学園の四寮がプライドを賭けて競い合う伝統行事、「ポー・カップ」。イーニッドがオオカミ化しかけ、ウェンズデーがチェロ演奏で援護したあの手に汗握るカヌーレースのシーンは、ブカレストにあるディナモ・スタジアム複合施設の屋外プール(二つのプール、Bazinul de Înot Dinamo)で撮影されました。

1950年代に建てられたこのプールは共産主義時代のスポーツ施設の趣を色濃く残しています。最新設備ではないものの、レトロな雰囲気がネヴァーモア学園の伝統行事のどこか古風な雰囲気と絶妙に調和しているのかもしれません。

見学の可否について

残念ながら、このプールは現役のスポーツクラブ施設で、一般観光客が自由に立ち入って見学することは基本的にできません。夏季には一般公開される場合もありますが、聖地巡礼のために内部をじっくり見学するのは困難と考えましょう。ただし、スポーツイベント開催日には外からその様子を垣間見ることができる可能性があります。

ブフテア・スタジオ(Buftea Studios)- 映像の魔法が息づく場所

ジェリコの街の中心広場や保安官事務所、地元のカフェ「ウィザーヴェイン」、さらには多くの屋内セットの大半は、ブカレスト郊外にあるルーマニア最大規模の映画スタジオ、ブフテア・スタジオ内の巨大なオープンセットで撮影されました。

このスタジオは「東欧のハリウッド」とも称されるほどの歴史と規模を誇っており、これまで数多くの国際的映画やドラマ作品の制作拠点となっています。ジェリコの町並みは、アメリカのニューイングランド地方の建築様式を丹念に再現し、細部にいたるまでこだわり抜いて作られました。その緻密さはCondé Nast Travelerの特集記事でも紹介されており、制作陣の熱意が伝わってきます。

スタジオ見学はできる?

ブフテア・スタジオは現在も撮影活動中の現役施設であり、一般向けの定期見学ツアーは残念ながら開かれていません。セキュリティの関係から関係者以外の立ち入りは厳しく制限されています。ただし、ドラマの人気に伴い特別公開イベントや見学ツアーが実施される可能性も完全には否定できません。映画や映像制作に興味がある方は、スタジオ公式サイトを定期的にチェックしておくと、貴重な情報に出会えるかもしれません。

聖地巡礼を成功させるための実践的ガイド

主要なロケ地の情報を押さえたところで、ここからは旅をさらに快適かつ充実させるための実践的なアドバイスをご紹介します。行き当たりばったりの旅も魅力的ですが、念入りな準備がワンランク上の旅行体験につながります。

モデルプランのご提案:ブカレストを拠点に3泊4日

この旅は首都ブカレストを起点に動くのが一番効率的です。以下に、ウェンズデーの世界観とルーマニアの魅力を余すところなく味わえる3泊4日のモデルプランをお示しします。

  • 1日目:ブカレスト到着、ゴシックの始まり
  • 午前:アンリ・コアンダ国際空港(OTP)に到着後、タクシーかバスで市内のホテルへ向かいチェックイン。
  • 午後:まずは旧市街(Centrul Vechi)を散策。石畳の路地や古い教会の佇まいが、早速ゴシックな雰囲気を醸し出します。
  • 夕方:カサ・モンテオルが建つ勝利通りを歩き、その美しい建築を写真に収めましょう。
  • 夜:旧市街のレストランでルーマニア伝統料理「サルマーレ(Sarmale:ロールキャベツ)」と赤ワインを堪能し、旅の初夜を祝います。
  • 2日目:ネヴァーモア学園への日帰り旅
  • 午前:ブカレスト北駅から電車でブシュテニへ向かいます。(事前予約をおすすめします)
  • 昼:ブシュテニ駅に到着後、カンタクジノ城へ。予約時間まで城の麓のレストランで昼食をとりましょう。
  • 午後:カンタクジノ城のガイドツアーに参加し、ネヴァーモア学園の壮大な佇まいをじっくり楽しみつつ、カルパチア山脈の絶景にも心癒されます。
  • 夕方:電車でブカレストへ戻ります。車窓から望むルーマニアの田園風景も旅の醍醐味です。
  • 3日目:ジェリコの名残と都会の癒やし空間
  • 午前:ブカレスト植物園を訪れ、ソーンヒル先生の温室でしばしウェンズデーの世界観に浸ってみましょう。
  • 午後:市内の他スポットを巡ります。チャウシェスク元大統領が手掛けた圧巻の「国民の館」、美しいフレスコ画が見られる「スタヴロポレオス教会」など見どころが満載です。
  • 夜:少し贅沢にオペラやバレエ鑑賞を楽しんでみてはいかがでしょうか。「東の小パリ」と称されるブカレストの文化的な夜を体験する素敵な思い出になります。
  • 4日目:旅の締め括りと帰路へ
  • 午前:出発までの時間にお土産選び。ルーマニア産の蜂蜜や伝統刺繍入りのブラウス(イーエ)などがおすすめです。
  • 午後:空港へ向かい、帰国の途に就きます。

準備と持ち物リスト:賢い旅行者のための必携アイテム

旅の成功は準備にかかっています。必須アイテムからあると便利なアイテムまでご紹介します。

  • 必携品:
  • パスポートと航空券(Eチケット): 忘れてはならない基本アイテム。パスポートの有効期限も念のため確認しましょう。
  • 現金(ユーロとルーマニア・レウ): 空港の両替はレートが悪い場合が多いので、日本で少額のユーロを用意し、ブカレスト市内のレートの良い両替所でレウに替えるのがおすすめです。
  • クレジットカード: VISAやMastercardが広く利用可能。キャッシング機能付きだと、必要な時にATMで現金を引き出せて便利です。
  • 海外旅行保険証: 病気や盗難に備え必ず加入を。キャッシュレス診療対応の医療機関リストも事前に確認しておくと心強いです。
  • 各種予約確認書(Eチケット): ホテルや鉄道、観光地の入場券など予約済みのものはすべてスマホに保存し、可能な限り印刷も用意しましょう。
  • あると便利なアイテム:
  • 歩きやすい靴: 石畳や舗装されていない道も多いので、スニーカーやウォーキングシューズが適しています。
  • 変換プラグ(CタイプまたはFタイプ): ルーマニアのコンセント形状は丸ピン2つのCまたはFタイプです。
  • モバイルバッテリー: 地図アプリや写真撮影でスマホの電池はすぐ減るため、大容量があると安心です。
  • 通信手段(eSIM/SIMカード/Wi-Fiルーター): 現地での情報収集や連絡に必須。設定が簡単なeSIMが最近人気です。
  • 翻訳アプリ: Google翻訳などはメニュー解読や簡単な会話に重宝します。
  • ウェンズデー関連のデバイス: ロケ地でシーンを見返すと感動がいっそう深まります。
  • 羽織れる上着: 夏でも朝晩や山間部は冷えることがあるため、カーディガンや軽いジャケットがあると便利です。

ルーマニアの魅力をさらに深く味わう

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ウェンズデーの聖地巡礼は、ルーマニアという国の深淵な魅力に触れる格好の機会となります。旅程に余裕があるなら、ぜひ足を延ばして、この国が持つ別の顔も堪能してみてください。

ドラキュラ伝説と中世の街並み

ウェンズデーのゴシックな世界観のルーツとも言えるトランシルヴァニア地方の見どころをいくつかご紹介します。

  • ブラン城(Bran Castle):

「ドラキュラ城」として世界的に知られ、岩山の頂にそびえる荘厳な城です。ブシュテニのカンタクジノ城からもアクセスしやすく、美しい中世都市ブラショフを拠点に訪れることが可能です。実際のヴラド・ツェペシュ(ドラキュラ公のモデル)との直接的な関係は乏しいものの、その雰囲気はまさに伝説を彷彿とさせます。城内は迷路のような構造で、探検気分を大いに味わえます。

  • シギショアラ(Sighișoara):

ヴラド・ツェペシュの生誕地であり、城壁に囲まれた小さな町です。街全体が「シギショアラ歴史地区」としてユネスコ世界遺産に登録されており、色とりどりのパステルカラーの家々が並ぶ石畳の路地を歩くと、中世にタイムスリップしたかのような錯覚に襲われます。町の象徴である時計塔からの眺望も見逃せません。

  • ブラショフ(Brașov):

トランシルヴァニアのザクセン人が築きあげた堅牢な城壁と美しい広場が特徴の街です。黒の教会(Biserica Neagră)をはじめとしたゴシック建築が数多く残り、街歩きだけでも胸が躍ります。周辺の観光スポットへのアクセスも良好で、トランシルヴァニア巡りの拠点として理想的です。

食文化が織りなす旅の歓び

旅の魅力は風景や建築だけに留まりません。その土地の食文化に触れることも、かけがえのない思い出を作り出します。ルーマニア料理は、トルコ、ハンガリー、ドイツなど周辺諸国の影響を受けつつ独自に発展した、素朴で味わい深い料理が特徴です。

  • ママリガ(Mămăligă): トウモロコシの粉を練り上げたルーマニアの代表的な国民食で、ポレンタに似ています。肉料理の付け合わせとして、またはチーズやサワークリームを添えてメインとしても楽しめます。
  • チョルバ(Ciorbă): やや酸味のある具だくさんのスープで、肉や野菜、豆など様々な種類があります。ほとんどのレストランの定番メニューで、旅の疲れた胃に優しく染みわたります。
  • パパナシ(Papanași): チーズを使った揚げドーナツに、サワークリームとフルーツジャムをたっぷりとかけたルーマニアを代表するデザート。カロリーのことを考えるのは野暮というもの。罪悪感と幸福感が入り混じる、ぜひ味わいたい一品です。

そして、多くの人に知られていないのが、ルーマニアが世界有数のワイン生産国である点です。特に赤ワインの評価が高く、手頃な値段で質の良いワインを楽しめます。地元の料理と合わせて、ルーマニアワインのマリアージュをぜひ試してください。

ウェンズデー・アダムスの足跡を辿る旅は、単なる映像の世界の追体験にとどまりません。それはルーマニアという国が宿す神秘的な歴史や壮大な自然、温かな人々との触れ合いを通して、発見と感動に満ちた冒険の始まりでもあります。

画面の中のネヴァーモア学園を思い描くだけでなく、実際にその地に立ち、その空気を肌で感じる。そんな体験がきっとあなたの人生にとって、忘れがたいダークで甘美な一章を刻み込むことでしょう。さあ、次の休暇の計画は、神秘の国ルーマニアへ。ウェンズデーがあなたを待っています。

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この記事を書いたトラベルライター

外資系コンサルやってます。出張ついでに世界を旅し、空港ラウンジや会食スポットを攻略中。戦略的に旅をしたいビジネスパーソンに向けて、実用情報をシェアしてます!

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