アパレル企業に勤める亜美です。ファッションやアートに触れることが、私にとって何よりのリフレッシュ。長期休暇のたびに世界の街角を巡っては、その土地の文化や美意識を肌で感じています。今回、私と友人が選んだのは、情熱の国スペインの首都、マドリード。3泊4日の女子旅で、この街が持つ美食とアートの魅力にどっぷり浸ってきました。
マドリードは、ただ美しいだけでなく、活気に満ち、歴史と現代が心地よく溶け合う場所。美術館を巡って世界的な名画に感動したり、タパスバーで現地の熱気に包まれたり、おしゃれなブティックで掘り出し物を見つけたりと、女子旅に嬉しい要素がぎゅっと詰まっています。治安にも配慮しながら、安全で、とびきり楽しいマドリードの旅を、私なりの視点でご提案しますね。さあ、一緒にマドリードの情熱に身を委ねてみませんか?
旅立ちの前に:マドリードを楽しむための準備と心構え

マドリードへ出発する前に、知っておくと旅がもっと快適に、そして安全になる情報をたっぷりお伝えしますね。特に女性二人旅だからこそ、安心して過ごせるための準備はとっても大切です。
マドリードってどんな街?女子旅に最適な理由
マドリードは、スペインの中心に位置する首都。歴史的な建造物や世界的に有名な美術館が点在する一方で、最先端のファッションやグルメ、ナイトライフが楽しめる、多面的な魅力を持つ都市です。
まず、特筆すべきは、そのアクセスの良さ。ヨーロッパの主要都市からはもちろん、日本からの直行便も運航しており、比較的スムーズにアクセスできます。市内に入れば、メトロ(地下鉄)が非常に発達しており、主要な観光スポットはほとんどメトロで網羅できるため、移動に困ることはありません。夜遅くまで運行しているので、ディナーやフラメンコショーを楽しんだ後でも安心です。
そして、マドリードは「美術館の街」としても知られています。プラド美術館、ソフィア王妃芸術センター、ティッセン=ボルネミッサ美術館と、世界的に有名な3大美術館が徒歩圏内に集まっており、「アートのゴールデントライアングル」と呼ばれているほど。美術好きにはたまらないでしょう。私も、このアートの宝庫を巡ることが、今回の旅の大きな目的の一つでした。
グルメに関しても、マドリードは期待を裏切りません。タパスやパエリアといったスペイン料理の代表格はもちろんのこと、マドリード独自の伝統料理「コシード・マドリレーニョ」や、サン・ミゲル市場のような美食の殿堂も楽しめます。ワインや生ハム、チーズなど、スペインが誇る食材を心ゆくまで味わえるのは、本当に至福の時間ですよね。
また、治安に関してですが、ヨーロッパの大都市の中では比較的良いと言われています。もちろん、観光客を狙ったスリや置き引きなどの犯罪はゼロではありませんので、常に警戒心を忘れずに過ごすことが大切です。後ほど詳しくお話ししますが、基本的な防犯対策をしっかりしていれば、女性二人旅でも安心して楽しめますよ。
街の雰囲気は、とても開放的で陽気。人々はフレンドリーで、カフェや広場では多くの人が談笑し、活気に満ちています。夜遅くまで賑わうバル文化も、マドリードの魅力の一つ。おしゃれをして、夜の街へ繰り出すのも、女子旅の醍醐味です。
ファッションについても、マドリードはヨーロッパのトレンドを色濃く反映しています。グランビア通りにはZARAやMANGOといったスペイン発のファストファッションブランドの大型店が軒を連ね、マラサーニャ地区やチュエカ地区には個性的なブティックやヴィンテージショップが点在しています。おしゃれなカフェも多く、街を歩くだけでもたくさんのインスピレーションが湧いてきます。
このように、マドリードは文化、歴史、食、ファッション、そして安全面においても、女性二人が心ゆくまで楽しめる要素が満載の街なのです。
賢く安全に!旅の準備と知っておきたいこと
旅の準備は、楽しい旅の始まり。特に海外旅行、それも女二人旅となると、細かな準備が安心に繋がります。
航空券・宿泊の手配:どこに泊まる?
航空券は、早めに予約するほどお得になることが多いです。直行便はANAやイベリア航空が運航しています。乗り継ぎ便も選択肢に入れると、航空会社や時間帯の選択肢が広がり、価格も抑えられる可能性があります。
宿泊先は、立地がとても重要です。マドリード市内の主要観光スポットへのアクセスが良いエリアを選ぶと、移動時間が短縮され、観光に時間を有効活用できます。おすすめは、以下のエリアです。
- ソル(Sol)広場周辺: マドリードの中心地で、どこへ行くにも便利。観光客が多く、賑やかで、夜遅くまで人通りがあるため、比較的安心感があります。ただし、ホテルによっては少し騒がしいと感じるかもしれません。
- グランビア(Gran Vía)周辺: ショッピングや劇場を楽しむならここ。おしゃれなホテルも多く、夜の外出にも便利です。こちらも常に人通りがあり、活気があります。
- レティーロ(Retiro)公園周辺: プラド美術館やレティーロ公園に近く、落ち着いた雰囲気。上品なホテルが多く、静かに過ごしたい方におすすめです。
- ラ・ラティーナ(La Latina)地区: 昔ながらのタパスバーが多く、地元の雰囲気を味わいたい方に。日曜のフリーマーケット「エル・ラストロ」が有名です。ただ、夜は細い路地が多いため、少し注意が必要です。
ホテル選びのポイントとしては、口コミ評価が高いこと、セキュリティがしっかりしていること、そして交通機関(特にメトロ駅)からの距離を確認することです。私たちは、ソル広場とグランビアの中間あたりにあるホテルを選びました。どこへ行くにも徒歩圏内で、とても便利でしたよ。
移動手段:メトロが最強!
マドリード市内の移動は、メトロが断然おすすめです。料金も手頃で、路線図も分かりやすく、主要な観光地はほとんどカバーしています。空港からのアクセスもメトロや近郊線(Cercanías)で可能です。
- メトロ(地下鉄): 観光客には「マルチカード(Multi Card)」という非接触型ICカードの購入が便利です。駅の券売機でチャージして利用します。10回券や観光パスなど、滞在日数や利用頻度に合わせて選べます。
- タクシー: 夜遅い時間や荷物が多い時、疲れている時にはタクシーも有効な選択肢です。流しのタクシーも多いですが、ホテルで呼んでもらうか、アプリ(Free Nowなど)を利用するとより安心です。空港から市内中心部までは定額料金が設定されています。
- 徒歩: 観光スポットが密集しているエリアでは、徒歩での移動も十分楽しめます。石畳の道が多いので、歩きやすい靴は必須です。街の雰囲気を肌で感じられるのが、徒歩の最大の魅力ですよね。
言語:ちょっとしたスペイン語フレーズで心を開いて
公用語はスペイン語です。観光地やホテルでは英語が通じることがほとんどですが、ローカルなタパスバーやお店ではスペイン語のみの場合もあります。簡単なスペイン語の挨拶や注文のフレーズを覚えておくと、地元の人とのコミュニケーションがスムーズになり、旅がより一層楽しくなりますよ。
- 「Hola」(オラ):こんにちは
- 「Gracias」(グラシアス):ありがとう
- 「Por favor」(ポルファボール):お願いします
- 「Adiós」(アディオス):さようなら
- 「Una cerveza, por favor」(ウナ セルベッサ ポルファボール):ビールを一杯ください
- 「La cuenta, por favor」(ラ クエンタ ポルファボール):お会計をお願いします
通貨と支払い:現金とカードを使い分けよう
スペインの通貨はユーロ(€)です。クレジットカードは主要な場所ではほとんど使えますが、小さなカフェやタパスバー、市場などでは現金のみの場所もあります。少額の現金は常に持っておくと安心です。
チップは義務ではありませんが、サービスに満足した際や、高級レストランでは、お会計の5~10%程度を置くのが一般的です。カフェやバルでは、お釣りの中から小銭を残す程度でも十分です。
持ち物リスト:女子旅ならではの視点で
- 歩きやすい靴: 石畳が多いので、スニーカーやフラットシューズなど、履き慣れたものが最適です。ヒールは避けるのが賢明。
- 防犯対策グッズ:
- 斜めがけバッグ: 必ず体の前に回して持つこと。開口部がファスナーでしっかり閉まるタイプを選びましょう。
- スキミング防止対策: クレジットカードやパスポートをスキミングから守るケースなど。
- 簡易南京錠: ホテルのスーツケースやバックパックのファスナーに。
- ダミー財布: 万が一の時のために、少額の現金と不要なカードを入れておくと良いでしょう。
- 服装:
- 重ね着できる服: 朝晩は冷え込むこともあるので、薄手の羽織ものがあると便利です。美術館内は冷房が効いていることもあります。
- おしゃれ着: ディナーやフラメンコショーを楽しむ際には、少しドレッシーな服装があると気分が上がります。
- 日焼け対策: 日差しが強いので、帽子やサングラス、日焼け止めは必須です。
- 変換プラグ・変圧器: スペインのコンセントはCタイプ、電圧は230Vです。日本の電化製品を使う場合は、変換プラグと、必要であれば変圧器を忘れずに。
- 常備薬: 頭痛薬、胃腸薬など、使い慣れたものを。
- ポケットティッシュ・ウェットティッシュ: トイレに紙がないことや、衛生的でないこともあります。
- エコバッグ: ショッピングの際に便利です。
- 予備のマスク: 公共交通機関や人混みでは、念のため持っていくと安心です。
治安情報とスリ対策:これだけは押さえて!
マドリードは比較的安全な街ですが、観光客が多い場所ではスリや置き引きが多発しています。特に「女二人旅」は、ターゲットにされやすい傾向もあるため、以下の対策を徹底しましょう。
- バッグの持ち方: リュックサックは前抱きに、ショルダーバッグは体の前で斜めがけし、常に手で押さえる意識を持つこと。
- 貴重品は分散: 現金、クレジットカード、パスポートなどの貴重品は、一箇所にまとめず、分けて持ちましょう。例えば、ホテルに置いていくもの、身につけるもの、バッグの中に入れるもの、というように。
- 人混みでの注意: メトロの車内、駅のホーム、ソル広場やマヨール広場などの観光名所、サン・ミゲル市場などの人混みでは特に警戒が必要です。身体に密着するポケットや、内ポケットを活用しましょう。
- カフェやレストランでの注意: 席を離れる際は、椅子にかけた上着やバッグに貴重品を残さないこと。足元に置いたバッグも、気づかないうちに盗まれることがあります。常に目の届く場所に置きましょう。
- 見知らぬ人からの声かけ: 地図を広げて道案内を装ったり、何かを落としたと教えてきたりして気をそらせる手口もあります。親切な声かけに見えても、まずは警戒し、貴重品から目を離さないようにしましょう。
- 夜間の外出: 人通りの少ない道は避け、明るい大通りを利用しましょう。不安な場合は、タクシーを利用するのが賢明です。
- ATM利用時: 周囲に不審な人物がいないか確認し、人前で多額の現金を引き出さないようにしましょう。
これらの対策をしっかり行えば、マドリードでの女子旅を心ゆくまで安全に楽しめます。私も常に意識して行動することで、一度もトラブルに巻き込まれることなく過ごせましたよ。
SIMカード・eSIM:いつでも繋がる安心感
海外でスマートフォンを利用するには、現地のSIMカードを購入するか、日本でeSIMを契約していくのが便利です。地図アプリや翻訳アプリ、SNSの利用など、旅先でのスマホはもはや必需品。
- SIMカード: 空港や市内の携帯ショップで購入できます。プリペイド式のデータSIMを選びましょう。
- eSIM: 物理SIMカードの差し替えが不要で、事前に日本でオンライン契約できるため、到着後すぐにネットに繋げられるのが最大のメリットです。対応機種は限られますが、最近は多くのスマートフォンがeSIMに対応しています。
私たちは、渡航前にeSIMを契約していきました。到着後すぐにネットが使えて、空港での手間も省けるので、旅のスタートがとてもスムーズでしたよ。
【1日目】情熱の首都に足を踏み入れる – アートと美食の夜

さあ、いよいよマドリードでの旅の始まりです!到着日の午後は、早速スペインが誇る美術の世界へ。夜は活気あふれるタパス文化に触れ、マドリードの夜を満喫しましょう。
マドリード到着、ホテルへ移動
日本から飛行機で約13時間。マドリード・バラハス国際空港(Adolfo Suárez Madrid–Barajas Airport / MAD)に到着!長時間のフライトで疲れているけれど、期待で胸がいっぱいです。
空港から市内中心部への移動は、いくつか選択肢があります。
- タクシー: ターミナルを出てすぐタクシー乗り場があります。市内中心部までは定額料金(約30ユーロ)なので、安心して利用できます。荷物が多い場合や、複数人で移動する場合には便利です。
- メトロ: 各ターミナルにメトロの駅があり、市内中心部まで乗り換えなしで行ける路線もあります。安価ですが、ラッシュ時は混雑することもあります。
- 空港バス(Express Aeropuerto): 24時間運行しており、アトーチャ駅やシベレス広場など市内主要駅まで行きます。こちらも比較的安価で、乗り換えの心配がないのが利点です。
私たちは、到着が少し遅い時間だったため、ホテルまで直接行けるタクシーを選びました。大きなスーツケースがあったので、正解でしたね。ホテルにチェックインし、荷物を置いたら、さあ、マドリードの街へ繰り出しましょう!
私たちのホテルはソル広場に近い場所でしたので、観光スポットへのアクセスは抜群。周辺にはカフェやショップも多く、少し散策するだけでも街の活気を感じられます。
午後:プラド美術館でスペイン美術の真髄に触れる
マドリードに来たら絶対に外せないのが、世界三大美術館の一つに数えられるプラド美術館です。ゴヤ、ベラスケス、エル・グレコといったスペイン絵画の巨匠たちの作品を間近で見られるなんて、美術好きにはたまらない体験ですよね。
ホテルからプラド美術館までは、メトロで数駅、または徒歩でもアクセス可能な場所が多いです。私たちは、少し街並みを見ながら歩いて向かいました。レティーロ公園の近くに位置し、周辺の雰囲気もとても上品です。
美術館に着くと、その威厳ある外観に圧倒されます。チケットは、事前オンライン予約が必須級。特に週末や観光シーズンは長蛇の列ができるため、必ず公式サイトで日時指定チケットを購入しておきましょう。私たちは2週間前に予約しておいたので、スムーズに入場できました。
中に入ると、広大な空間に数えきれないほどの名画が展示されています。見どころが多すぎるので、事前に見たい作品をいくつかピックアップしておくのがおすすめです。
- ベラスケス「ラス・メニーナス(女官たち)」: プラド美術館の至宝とも言える作品。その大きさ、構図、光の表現は、何度見ても新たな発見があります。
- ゴヤ「着衣のマハ」「裸のマハ」: 妖艶なマハの表情に引き込まれます。
- ゴヤ「1808年5月3日、マドリード」: ナポレオン軍による虐殺を描いた、衝撃的な作品です。
- エル・グレコ「胸に手を置く騎士」: エル・グレコ特有の宗教的な神秘性と色彩感覚が光ります。
私たちは、特にベラスケスの作品に時間をかけて鑑賞しました。絵画に描かれた人物たちの視線や表情、そして画家が込めたメッセージを感じ取ろうと、友人と語り合いながら作品と向き合う時間は、本当に贅沢なものでした。プラド美術館は、作品数が非常に多いので、全てをじっくり見ようとすると丸一日かかってしまいます。2~3時間で効率よく名作を巡るか、特定の画家に絞って鑑賞するか、事前に計画を立てておくと良いでしょう。オーディオガイドも借りると、より深く作品を理解できますよ。
美術館鑑賞後、私たちは館内のカフェで一休み。美しい中庭を眺めながら、コーヒーと軽いスイーツで、感動の余韻に浸りました。
夕食:美食の都でタパス巡り
プラド美術館で感性を刺激された後は、マドリードの胃袋を満たす時間!スペインの夜は遅いことで知られていますが、夕食はタパス巡りで決まりです。
マドリードのタパス文化は、本当に奥深いんです。タパスとは、小皿料理のこと。色々な種類のタパスを少しずつ食べられるので、食いしん坊な女子には最高のシステムですよね。一軒で何種類か食べて、気に入ったら次のお店へ…という「バル巡り」が、マドリード流の楽しみ方です。
私たちは、タパス巡りの定番エリアである「ラ・ラティーナ地区(La Latina)」を目指しました。プラド美術館から少し離れていますが、メトロでアクセス可能です。このエリアは、昔ながらのバルがひしめき合い、夜になると地元の人々や観光客で活気に満ち溢れます。
最初のバルは、外観からして歴史を感じさせる雰囲気。カウンターに並べられたタパスの数々に目移りしてしまいます。私たちは、定番の「トルティージャ(スペイン風オムレツ)」、「ハモン・セラーノ(生ハム)」、そして「パタタス・ブラバス(フライドポテトの辛口ソースがけ)」を注文。飲み物は、スペインの代表的なビール「クルスカンポ」と、カバ(スペインのスパークリングワイン)をいただきました。
カウンターで立ち飲みをするのがスペインスタイルですが、私たちはテーブル席に座ってゆっくりと。お店の人も陽気で、片言のスペイン語と英語を交えながら、おすすめのタパスを教えてくれました。
二軒目は、魚介系のタパスが美味しいと評判のお店へ。「ガンバス・アル・アヒージョ(エビのアヒージョ)」は、ニンニクとオリーブオイルの香りが食欲をそそり、パンにつけて食べるのが最高です。新鮮なシーフードのフリットも絶品でした。ここでは、地元のワイン「リオハ」をチョイス。
どのお店もそれぞれ個性があって、様々な味を楽しめるのがタパス巡りの醍醐味です。お店の外まで人が溢れかえり、活気と熱気に包まれたマドリードの夜は、本当に素晴らしい体験でした。
夜:マヨール広場とサン・ミゲル市場の夜景散策
タパスでお腹を満たした後は、マドリードの歴史を感じさせる広場を散策しましょう。夜のライトアップされた広場は、昼間とは全く異なる幻想的な表情を見せてくれます。
まずは、壮麗なマヨール広場(Plaza Mayor)へ。四方を歴史的な建物に囲まれた広々とした空間は、かつては公開処刑や闘牛が行われた歴史を持つ場所です。夜になると、広場を囲む建物のアーチや窓から漏れる光が温かく、ロマンティックな雰囲気に包まれます。カフェやレストランのテラス席では、人々がワインを片手に談笑し、広場には大道芸人がパフォーマンスを披露しています。私たちは広場のベンチに座って、その活気ある光景を眺めながら、今日一日の旅の始まりを噛みしめました。
マヨール広場からほど近くにあるのが、美食の殿堂として名高いサン・ミゲル市場(Mercado de San Miguel)です。昼間は観光客でごった返していますが、夜もまた違った賑わいを見せます。鉄骨とガラスでできた美しい市場の建物は、夜になると内部の照明に照らされ、まるで宝石箱のように輝きます。
市場の中には、生ハム、チーズ、オリーブ、シーフード、スイーツなど、ありとあらゆるスペインの美食が小さな屋台形式で売られています。夜遅くまで開いているので、タパスの「〆」にもぴったり。私たちは、色とりどりのピンチョスを眺めたり、デザートにチュロスとチョコレートをシェアしたりと、食の宝庫を楽しみました。もちろん、お土産になりそうなものもたくさんあるので、目星をつけておくのも良いでしょう。
市場を出て、ソル広場方面へ向かいながら、ライトアップされた街並みをゆっくりと歩きました。マドリードの夜は、情熱的でありながら、どこか優雅さを感じさせます。初日から、美食とアート、そして街の活気を存分に味わうことができ、明日の旅への期待がますます高まりました。ホテルに戻ってシャワーを浴びたら、ぐっすり眠って、明日に備えます。
【2日目】王宮の華麗なる歴史とマドリードのトレンドを発見

2日目は、マドリードの壮麗な歴史と、現代的な魅力に触れる一日です。午前中は王宮の豪華さに圧倒され、午後はショッピングと自然を満喫。夜はマドリードならではの伝統料理を味わい、カルチャー体験で締めくくりましょう。
午前:マドリード王宮とアルムデナ大聖堂の壮麗さに息をのむ
マドリードのシンボルの一つであるマドリード王宮(Palacio Real de Madrid)は、その規模と豪華さにおいて、西ヨーロッパで最も大きな宮殿の一つです。現在も公式行事に利用されており、現役の王宮としての威厳を保っています。
私たちは午前中の早い時間帯に訪れることにしました。というのも、王宮は非常に人気が高く、開館直後から多くの観光客で賑わうからです。ここでも、事前オンライン予約がおすすめです。公式サイトで日時指定チケットを購入しておけば、チケット売り場の長蛇の列に並ぶ必要がありません。
王宮に到着すると、その威風堂々とした佇まいに思わず「わあ!」と声が出ました。白い石造りの壮麗なファサードが青い空に映え、まさに「王者の宮殿」といった風格です。
内部は、豪華絢爛の一言に尽きます。2,800室以上ある部屋の一部が公開されており、見学できるのは主要な広間や謁見室、舞踏室、晩餐室、王室礼拝堂など。
- 王座の間: 金と深紅の装飾が施された、最も豪華な部屋の一つ。玉座が置かれ、威厳に満ちています。
- ガラの晩餐室: 100人以上を収容できる広大な空間。豪華な食器や装飾品に目を奪われます。
- ストラディバリウスの間: 世界的に有名な弦楽器、ストラディバリウスが展示されている部屋。
- 王室薬局: 歴代の王室が使用していた薬瓶や医療器具が展示されており、まるでタイムスリップしたような気分になります。
- 武器庫: 歴代の王や騎士が使用した甲冑や武器がずらりと並び、歴史の重みを感じさせます。
私たちは、オーディオガイドを借りて、それぞれの部屋の歴史や用途、装飾の細部にわたる説明を聞きながらじっくりと見学しました。見事なタペストリー、フレスコ画、調度品、そして壁や天井の装飾に至るまで、全てが最高級の芸術作品。当時のスペイン王室の栄華を肌で感じることができました。
王宮の隣にそびえ立つのが、アルムデナ大聖堂(Catedral de la Almudena)です。王宮の壮麗さとは対照的に、ネオゴシック様式で建てられた内部は、モダンなステンドグラスが光を取り込み、独特の美しさを放っています。マドリードの守護聖人であるアルムデナの聖母が祀られており、王室の結婚式もここで行われることがあります。内部は入場無料で、王宮とはまた異なる神聖な雰囲気を味わえます。私たちは、静かにステンドグラスの光に包まれながら、その美しさに心を洗われました。
王宮と大聖堂を見学し終えた頃には、もうお昼時。王宮の広大な敷地内には、サバティーニ庭園やカンポ・デル・モーロ庭園など美しい庭園もありますが、今回は時間の都合上、外から眺めるだけに留めました。
昼食:王宮周辺で優雅なランチタイム
王宮周辺には、歴史的な街並みに溶け込むように、趣のあるレストランやカフェが点在しています。私たちは、王宮の見学で少し疲れた足を休めるため、落ち着いた雰囲気のレストランでランチを取ることにしました。
選んだのは、マドリードの伝統的な郷土料理が味わえる「カストリアーナ料理」のレストラン。スペイン料理と聞くとパエリアが有名ですが、マドリードは内陸にあるため、魚介類よりも肉料理や煮込み料理が発達しています。
私は「コシード・マドリレーニョ(Cocido Madrileño)」を注文。これは、ひよこ豆、様々な種類の肉(豚肉、牛肉、鶏肉、チョリソーなど)、野菜をじっくり煮込んだ、マドリードを代表する伝統的な鍋料理です。通常は、まずスープ、次にひよこ豆と野菜、最後に肉と、3回に分けて提供されるボリューム満点の一品。友人は「ボカディージョ・デ・カラマレス(Bocadillo de Calamares)」、つまりイカのフリットを挟んだサンドイッチをチョイス。これもマドリードの定番ファストフードで、サクサクのイカとシンプルなパンの組み合わせが絶妙です。
地元のワインと共に、ゆっくりとランチを楽しみました。店内は地元の人々で賑わっていて、美味しい食事と温かい雰囲気で、午後の観光に向けてエネルギーをチャージできました。
午後:グランビア通りのショッピングとレティーロ公園でのんびり
お腹も満たされたところで、午後はマドリードの現代的な魅力に触れる時間です。まずは、マドリードの目抜き通りであるグランビア通り(Gran Vía)へ。
グランビア通りは、マドリードの「ブロードウェイ」とも称される、ショッピング、エンターテイメント、そして壮麗な建築が融合した大通りです。両側には、ZARA、MANGO、H&Mといったファストファッションブランドの大型店舗がずらりと並び、ショッピング好きにはたまらない場所です。他にも、デパートや映画館、劇場なども多く、常に多くの人で賑わっています。
私たちは、ZARAの旗艦店へ。スペイン発のブランドだけあって、品揃えが豊富で、日本未入荷の商品や、一足早くトレンドを取り入れたアイテムが見つかることも。友人とあれこれ試着して、お気に入りのトップスをゲットしました。他にも、靴やバッグのお店、スペインらしいアクセサリーショップなどを覗き、マドリードの最新トレンドを肌で感じることができました。ウィンドウショッピングだけでも十分楽しめますよ。
グランビア通りでショッピングを楽しんだ後は、少し喧騒から離れて、マドリードのオアシスとも呼ばれるレティーロ公園(Parque del Retiro)でリラックスタイム。グランビア通りからは少し歩きますが、メトロでもアクセス可能です。
レティーロ公園は、かつて王室の庭園だった広大な公園で、市民の憩いの場となっています。美しい並木道、噴水、彫刻、そしてクリスタル宮殿など、見どころがたくさんあります。私たちは、広々とした芝生の上で少し休憩したり、園内のクリスタル宮殿(Palacio de Cristal)を訪れたりしました。
クリスタル宮殿は、鉄骨とガラスでできた美しい温室で、現在は美術館の展示スペースとして利用されています。光が差し込む内部は、とても幻想的で、写真映えも抜群!宮殿の前には池があり、ボートに乗って楽しむ人々を眺めるのも、絵になる光景です。私たちはボートに乗って公園の景色を水上から眺めることにしました。のんびりとした時間が流れ、旅の疲れが癒されていくのを感じました。
公園内には、バラ園や記念碑なども点在しており、全てをゆっくり見て回るとあっという間に時間が過ぎてしまいます。私たちは、夕暮れ時の公園の散策を楽しみ、心地よい風を感じながら、次の目的地へ向かいました。
レティーロ公園を満喫し、夕食の時間まで少しホテルで休憩。今日の午後は、マドリードの多様な顔を体験できましたね。ショッピングの楽しさと、自然の中での癒し。女子旅ならではの充実した時間でした。
夕食:マドリードならではの伝統料理を味わう
マドリードの夜はまだまだこれから!2日目のディナーは、もう少し本格的なスペインの伝統料理を味わってみませんか。
今回は、マヨール広場周辺の歴史あるレストランを予約しました。このエリアには、創業何百年という老舗レストランが数多く存在します。私たちは、「ボティン(Botín)」という世界最古のレストランとしてギネスブックにも登録されているお店の近くのレストランを選びました。
メニューには、前日に食べたコシード・マドリレーニョはもちろん、カスティーリャ地方の代表的な肉料理が並びます。私が特に試してみたかったのが、「アサード」と呼ばれるオーブンでじっくり焼き上げた肉料理。特に「コチニージョ・アサード(子豚の丸焼き)」や「コルデロ・アサード(仔羊の丸焼き)」は、皮はパリパリ、肉はとろけるように柔らかく、一度食べたら忘れられない味です。私たちは仔羊のローストをオーダー。香ばしい香りが食欲をそそり、一口食べるとそのジューシーさに感動しました。
友人は、スペインの代表料理であるパエリアに挑戦。マドリードは内陸のため、魚介のパエリアよりは肉や野菜のパエリアが多いのですが、海の幸も豊富に取り揃えられているお店を選びました。大きなパエリア鍋で炊き上げられた熱々のパエリアは、サフランの香りが豊かで、魚介の旨味がご飯にしっかり染み込んでいて、本当に美味しかったです。
スペインワインとの相性も抜群で、赤ワインの「リオハ」や「リベラ・デル・ドゥエロ」を合わせて、食事をさらに贅沢なものにしました。
レストランの雰囲気も素晴らしく、歴史を感じさせる内装や、きびきびと働くウェイターさんのサービスも心地よかったです。まさに「旅の思い出に残るディナー」となりました。
もし時間に余裕があれば、フラメンコショー付きのディナーもおすすめです。マドリードには、タブラオ(フラメンコを上演する劇場)がいくつかあり、本場の情熱的なフラメンコを間近で鑑賞しながら、食事やお酒を楽しむことができます。私たちは今回は食事に集中しましたが、次回はぜひフラメンコショーも体験してみたいと思っています。
夜:劇場街でのカルチャー体験
ディナーの後は、せっかくグランビア通りの近くにいるのですから、マドリードの夜を締めくくるカルチャー体験はいかがでしょうか。
グランビア通りは、スペインの「ブロードウェイ」とも呼ばれる劇場街でもあります。華やかなネオンサインが輝き、ミュージカルや演劇、コンサートのポスターがずらりと並んでいます。スペイン語の演目が多いですが、有名なミュージカル作品であれば、ストーリーが分からなくても舞台演出や音楽だけでも十分に楽しめます。
私たちは、たまたま滞在中に上演されていた人気のミュージカルのチケットを事前にオンラインで購入しておきました。劇場はグランビア通り沿いにある歴史ある建物で、内装もとても豪華。開演前には、おしゃれをした地元の人々や観光客でロビーが賑わっていました。
舞台が始まると、その迫力に圧倒されます。スペイン語のセリフや歌詞は完璧には理解できませんでしたが、役者たちの情熱的な演技や歌声、そして華やかな衣装や舞台装置に、終始引き込まれました。インターミッション(休憩)の時間には、バーでカクテルを片手に友人と感想を語り合ったり、劇場内の装飾を眺めたりと、非日常的な空間を楽しみました。
マドリードの夜は、食だけでなく、こういった芸術文化にも触れることができるのが魅力です。普段日本ではなかなか観ることのないスペインの演劇文化に触れることで、より一層、旅の深みが増したように感じました。
劇場を出ると、夜遅くにもかかわらず、グランビア通りはまだ活気に満ちています。私たちは、余韻に浸りながらホテルへと戻りました。マドリードの歴史と現代、そして情熱的な文化を存分に味わえた2日目。充実感に満たされながら、深い眠りにつきました。
【3日目】アートの深淵と感性を刺激するファッション、そして特別な夜

3日目は、マドリードのアート探求をさらに深め、地元のおしゃれなエリアを散策して、感性を刺激するファッションやストリートアートに触れます。夜は、これまでの旅を締めくくるような、とっておきのグルメ体験と夜景で特別な時間を過ごしましょう。
午前:ソフィア王妃芸術センターで現代アートに触れる
マドリード3大美術館の一つ、ソフィア王妃芸術センターは、20世紀以降の近現代美術を中心に収蔵しています。中でも、パブロ・ピカソの傑作「ゲルニカ」は、この美術館のハイライトであり、多くの人々を魅了し続けています。
私たちも、この「ゲルニカ」を見るために、午前中の早い時間から美術館へ向かいました。プラド美術館からは徒歩圏内、アトーチャ駅のすぐそばに位置しています。ここでも、事前のオンライン予約は必須。特に「ゲルニカ」があるフロアは非常に混み合うため、開館直後を狙って訪れるのがおすすめです。
美術館は、旧病院を改装した建物で、中央には広々としたパティオ(中庭)があり、自然光が差し込む明るい空間です。近現代美術の美術館らしい、開放的でモダンな雰囲気が漂います。
- パブロ・ピカソ「ゲルニカ」: この作品は、スペイン内戦中にナチス・ドイツ軍によって無差別爆撃されたゲルニカの悲劇を描いたもの。その巨大なキャンバス(約3.5m×7.8m)に描かれた、モノクロームの衝撃的な構図は、戦争の悲惨さと人間性の絶望を強烈に訴えかけます。
「ゲルニカ」の展示室は、特別な空間になっています。作品保護のため、この部屋での写真撮影は一切禁止。私たちは、警備員の指示に従い、静かに作品と向き合いました。間近で見ると、絵の具の厚みや筆致、そして構図の力強さに圧倒されます。作品の周りには、制作過程で描かれたスケッチや関連資料も展示されており、ピカソがこの作品に込めた思いや、制作にかけた情熱を感じることができます。
「ゲルニカ」の鑑賞には、本当に多くの時間がかかります。一つ一つのモチーフが持つ意味や、ピカソが表現したかった感情を、友人と静かに語り合いながら、深く作品を読み解こうとしました。この作品の前では、誰もが言葉を失い、戦争の記憶と芸術の力を感じざるを得ません。
「ゲルニカ」以外にも、ソフィア王妃芸術センターには、スペインを代表するシュルレアリスムの巨匠サルバドール・ダリや、ミロの作品も数多く展示されています。抽象的な表現や、現代社会へのメッセージが込められた作品が多く、鑑賞するたびに新たな発見や考察が生まれます。
私たちは、特にダリの作品に魅せられました。彼の独特な世界観や、夢と現実が入り混じるような表現は、見ているとどんどん引き込まれていきます。美術館を巡る中で、友人と「この作品はどういう意味だろうね?」「私はこう感じるよ」と意見を交換し合う時間は、女子旅ならではの貴重な体験です。
昼食:ラ・ラティーナ地区でこだわりのランチ
ソフィア王妃芸術センターでアートに浸った後は、再びラ・ラティーナ地区へ。昨夜の賑やかなバルとは違い、昼間のこの地区は、もう少し落ち着いた雰囲気で、隠れた名店や雰囲気の良いカフェがたくさんあります。
私たちは、ラ・ラティーナ地区の細い路地を散策しながら、気になるお店を探しました。石畳の道に、色とりどりの花が飾られたバルコニー、そして小さなブティックが並び、歩いているだけで心が躍ります。
ランチに選んだのは、地元の人々に愛される、こぢんまりとしたレストラン。手書きのメニューに、その日の新鮮な食材を使ったおすすめ料理が並んでいました。私たちは、スペインの伝統的なスープ「ガスパチョ」と、新鮮な野菜と山羊のチーズを使ったサラダ、そして「プルポ・ア・ラ・ガジェガ(ガリシア風タコ)」をオーダー。タコは、茹でたタコを薄切りにして、パプリカパウダーとオリーブオイルで味付けしたもので、柔らかくて旨味が凝縮されていて、本当に美味しかったです。
食後には、カフェコンレチェ(ミルクコーヒー)を飲みながら、友人と今日見たゲルニカについて深く語り合いました。作品が与える衝撃や、戦争と平和について考えさせられる、意義深い時間でした。
午後:マラサーニャ地区でヴィンテージ&ブティック巡り
午後は、マドリードで最もトレンディでおしゃれなエリアの一つ、マラサーニャ地区(Malasaña)へ繰り出します。プラド美術館や王宮といったクラシックな魅力も素晴らしいですが、マドリードには、若者文化やファッションの中心地としての顔もあるんです。
マラサーニャ地区は、ヴィンテージショップ、個性的なブティック、ストリートアート、おしゃれなカフェやバーがひしめき合うエリアです。グランビア通りから少し入っただけで、雰囲気がガラリと変わり、まるで別の街に来たかのような感覚になります。
私たちは、まずヴィンテージショップ巡りからスタート。ヨーロッパならではの、質の良い古着やアンティークアクセサリー、雑貨などがたくさん見つかります。一つ一つ丁寧に見て回ると、掘り出し物に出会えることも。私も、レトロなデザインのピアスと、友人はヴィンテージのスカーフをゲットして大満足。
次に、このエリアに点在するインディペンデントなブティックへ。スペインの新進気鋭のデザイナーが手掛ける洋服や、一点物のハンドメイドアクセサリーなど、他では見つからないような個性的なアイテムがたくさんあります。アパレル企業に勤める私としては、マドリードの最新ファッションや、デザイナーたちのクリエイティブな感性に触れることができる、とても刺激的な時間でした。
マラサーニャ地区を歩いていると、至る所で目を引くストリートアートにも出会えます。カラフルな壁画やグラフィティが街のあちこちに描かれていて、街全体がアートギャラリーのようです。気に入った壁画の前で写真を撮ったり、友人とアート作品について語り合ったりと、普段の旅行では味わえないような、クリエイティブな散策を楽しみました。
散策の途中で、おしゃれなカフェで休憩。マドリードの若者たちが集うカフェは、インテリアも凝っていて、どこを切り取っても絵になります。美味しいコーヒーを飲みながら、この街の自由でクリエイティブなエネルギーを存分に吸収しました。このエリアは、夜になるとバーやクラブが賑わい、また違った表情を見せますが、昼間の散策も十分楽しめますよ。
夕食:特別な夜を彩る、とっておきのグルメ体験
マラサーニャ地区で感性を磨いた後は、マドリードでの最後の夜を彩る、特別なディナータイムです。これまでのタパス巡りや伝統料理とは趣を変えて、少し贅沢なグルメ体験を計画しました。
私たちは、マドリードで今話題のモダン・スペイン料理が楽しめるレストランを予約しました。ミシュランの星付きレストランや、新しいフュージョン料理を提供するお店も多く、食の都マドリードの奥深さを感じさせてくれます。
選んだのは、歴史的建造物の中にありながら、内装はモダンで洗練された雰囲気のレストラン。予約の際に、ドレスコードについて確認しておくと安心です。私たちは、少しおしゃれをして、とびきりの夜を演出しました。
メニューは、地元の新鮮な食材を使いながらも、伝統的なスペイン料理に革新的なアレンジを加えた、クリエイティブな料理が中心。盛り付けも美しく、まるでアート作品のようです。
私たちは、前菜に新鮮な魚介のマリネと、イベリコ豚の生ハムの盛り合わせを。メインは、私は珍しいキノコとトリュフを使ったリゾット、友人は、シェフ自慢の魚料理をオーダーしました。一皿一皿が丁寧に作られていて、口に運ぶたびに新しい発見があります。ソムリエに相談して、料理に合うスペインワインを選んでもらい、会話も弾みました。
食後には、パティシエが手掛ける美しいデザートと、スペイン産のコーヒーを。この日のディナーは、単なる食事ではなく、五感を刺激する芸術体験そのものでした。マドリードでの旅の締めくくりとして、最高の思い出となりました。
もし、もっとカジュアルに楽しみたい場合は、再びサン・ミゲル市場で食べ歩きをするのも良いでしょう。夜の市場は、また違った活気があり、様々な美食を少量ずつ楽しめるので、何度行っても飽きません。お土産になりそうなオリーブオイルやチーズ、生ハムなどを吟味するのも楽しい時間です。
夜:ルーフトップバーでマドリードの夜景を一望
特別なディナーの後は、マドリードの美しい夜景を眺めながら、旅の思い出を語り合いましょう。マドリードには、おしゃれなルーフトップバーがたくさんあります。
私たちは、グランビア通り沿いの高層ホテルにあるルーフトップバーへ向かいました。予約必須のところも多いですが、私たちは運良く席を確保できました。バーのテラス席からは、ライトアップされたグランビア通りの華やかな光と、マドリードの街並みが360度見渡せます。
冷たいカクテルを片手に、煌めく夜景を眺める時間は、本当にロマンティックで贅沢なひとときです。遠くには王宮のシルエットや、シベレス広場の美しい噴水も見えます。日中に訪れた場所が、夜になるとこんなにも幻想的な表情を見せるのかと、改めてマドリードの美しさに感動しました。
友人と、これまでの3日間の旅を振り返り、印象に残ったアート作品や美味しかった料理、楽しかった出来事などを語り合いました。笑い声が響き渡る賑やかなバーの雰囲気も、マドリードの夜の魅力の一つ。旅の締めくくりにふさわしい、最高の夜となりました。
ホテルに戻る途中、まだ賑わう街の様子に、マドリードの尽きないエネルギーを感じました。明日はいよいよ帰国ですが、この街で得た感動やインスピレーションは、きっと長く心に残るでしょう。
【4日目】名残惜しい最終日:お土産探しと旅の余韻

いよいよマドリードでの最終日。フライトの時間に合わせて、名残惜しい気持ちを抱きながらも、最後のショッピングやお土産探しを楽しみましょう。そして、マドリードで過ごした素晴らしい時間を胸に、帰路につきます。
午前:太陽の広場で最後のショッピングと散策
最終日の午前中は、マドリードの中心地であるソル広場(Puerta del Sol)周辺で、最後のショッピングと散策を楽しみましょう。ソル広場は、スペインの道路の起点となる「ゼロポイント」がある場所であり、マドリードのシンボルである「熊とイチゴの木(Oso y el Madroño)」の像がある場所でもあります。
広場周辺には、デパートや様々なお土産店がひしめき合っています。
- エル・コルテ・イングレス(El Corte Inglés): スペイン最大のデパートで、食品からファッション、雑貨まで何でも揃います。スペイン産の高品質な食材やお菓子、ワインなどのお土産を探すのに最適です。地下の食料品売り場は、見ているだけでも楽しいですよ。
- 専門店: 革製品、陶器、扇子、フラメンコ衣装など、スペインらしいアイテムを扱う専門店も多いです。品質の良い革製品は、長く愛用できるお土産になります。
- ファストファッションブランド: 最終セール品や、日本未入荷品を探すのも楽しいでしょう。
私たちは、友人とそれぞれ、家族や友人へのお土産を選びました。私は、スペイン産のオリーブオイルや、サフラン、パプリカパウダーといった調味料を。友人は、伝統的なデザインの陶器の小物や、スペインワイン、そして少し珍しいフレーバーのチョコレートなどを購入。旅の思い出を形に残せるお土産選びは、本当に楽しい時間ですよね。
ショッピングの合間には、ソル広場に建つ「熊とイチゴの木」の像と記念撮影。そして、ゼロポイントのプレートにも立ち寄り、旅の足跡を刻みました。広場を行き交う人々を眺めながら、この街での出会いや体験を思い出しました。
昼食:心に残る最終日のランチ
マドリードでの最後の食事は、心に残るものにしたいですよね。私たちは、ソル広場から少し裏道に入ったところにある、地元の人々に人気のタパスバーでランチを取ることにしました。
昨夜の贅沢ディナーとは趣を変えて、よりカジュアルで、マドリードの日常を感じられるようなお店を選んだのです。ここは、カウンターに並べられたタパスがどれも美味しそうで、賑やかな雰囲気が魅力。
私は、スペインの定番である「ハモン・イベリコ(イベリコ豚の生ハム)」をじっくりと味わうことに。口の中でとろける脂の甘みと、独特の風味がたまらない逸品です。友人は、前日に食べ損ねた「トルティージャ・デ・パタタス(じゃがいも入りのスペイン風オムレツ)」をオーダー。シンプルながらも、お店ごとの個性が出る料理で、家庭の味が感じられます。
ワインやビールを片手に、友人と旅の感想を語り合いました。「この街のアートには本当に感動したね」「あのタパスが忘れられない」「こんなに歩いたのは久しぶりだよ」と、話は尽きません。名残惜しさも感じますが、それ以上に、この街で過ごした時間に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
午後:空港へ、次回の旅の計画を立てながら
充実したマドリードの旅も、いよいよ終盤。フライトの時間に合わせて、ホテルから空港へと向かいます。
ホテルから空港までの移動は、初日と同じくタクシーかメトロ、空港バスが選択肢となります。荷物が多い場合は、やはりタクシーが便利です。私たちは、少し時間に余裕があったので、メトロで空港まで向かいました。
空港に到着したら、まずは免税手続き(Tax Refund)を忘れずに。EU圏外に持ち出す商品に対して、消費税が還付される制度です。購入した際のレシートと、商品、パスポートを準備し、空港の免税カウンターで手続きを行います。手続きには時間がかかることもあるので、フライトの2~3時間前には空港に到着しておくのが安心です。
手荷物検査を終え、搭乗ゲートへ。出発ロビーでは、たくさんの人々が旅立ち、そして再会を喜び合っています。私たちは、次回の女子旅はどこに行こうかと、さっそく次の旅の計画を立て始めていました。スペインの別の都市、例えばバルセロナやセビリアも魅力的ですし、南米の情熱的な街もいいな、なんて話が尽きません。
飛行機がマドリードの街を離れていくのを見ながら、この3泊4日の旅が、いかに私たちにとって素晴らしい経験であったかを改めて感じました。美食、アート、ファッション、そして人々の温かさ。マドリードは、女子二人旅にぴったりな、情熱と魅力に溢れた街でした。
マドリード女子旅を終えて:亜美からのメッセージ

マドリードでの3泊4日の女子旅を終え、心はまだその情熱と活気に満ち溢れています。アパレル企業に勤める私にとって、街を彩るアートやファッションは、日々の仕事へのインスピレーションを与えてくれる大切な要素です。マドリードは、その期待をはるかに超える感動と発見に満ちた場所でした。
プラド美術館やソフィア王妃芸術センターで世界的な名画と対峙する時間は、まさに心の栄養。特にゲルニカの持つ重厚なメッセージは、いつまでも心に響いています。王宮の壮麗さには息を呑み、歴史の深遠さを感じました。一方で、マラサーニャ地区のようなトレンド発信地では、最先端のファッションやストリートアートに触れ、この街のクリエイティブな息吹を肌で感じることができました。
美食の体験も忘れることができません。活気あふれるタパスバーでのバル巡り、伝統的なコシード・マドリレーニョ、そして最後の夜を飾ったモダン・スパニッシュ料理。どれもが舌を唸らせる美味しさで、ワインと共に味わう時間は至福そのものでした。スペインの食文化の奥深さを、存分に堪能できましたね。
何より、友人と一緒に旅の感動を分かち合えたことが、この旅をより一層特別なものにしてくれました。美術館で作品について語り合ったり、美味しいタパスを分け合ったり、ルーフトップバーで夜景を眺めながら思い出話に花を咲かせたり。女子二人だからこそ、共有できる感動や楽しさがたくさんありました。
治安に関しては、出発前は少し心配もありましたが、常に基本的な防犯対策を心がけることで、一度もトラブルに巻き込まれることなく安全に過ごせました。斜めがけバッグを体の前に回す、貴重品は分散して持つ、人混みでは特に注意する、夜間は人通りの多い道を選ぶなど、当たり前のことを徹底するだけで、心置きなく旅を楽しめます。これは、女性が安心して海外旅行を楽しむ上で、最も大切なことだと改めて感じました。
マドリードは、その情熱的な文化、歴史と現代の融合、そして人々の温かさで、私たちを迎え入れてくれました。この街で得た経験は、きっとこれからも私のクリエイティブな活動や、人生に大きな影響を与えてくれるでしょう。
もし、あなたがマドリードへの女子旅を検討しているなら、自信を持って「絶対におすすめ!」と伝えたいです。きっと、この街が持つ尽きない魅力に、あなたも私も、再び恋することになるでしょう。
¡Hasta pronto, Madrid!(またね、マドリード!)
女子旅に役立つQ&A

マドリードへの女子旅を計画する上で、よくある疑問や、さらに知っておくと便利な情報をお伝えしますね。
旅の予算は?
マドリードでの3泊4日の女子旅の予算は、旅行のスタイルや時期によって大きく変動しますが、一般的な目安としては、一人あたり15万円〜30万円程度を見ておくと良いでしょう。
- 航空券: シーズンや予約時期によりますが、日本からの直行便で往復10万円~20万円。乗り継ぎ便であれば、もう少し安くなることもあります。
- 宿泊費: 1泊あたり一人5,000円~15,000円程度。ホテルのグレードや立地によります。私たちは中心地のホテルに泊まり、1泊一人1万円程度でした。
- 食費: 1日あたり5,000円~10,000円程度。タパス巡りならもう少し抑えられますし、高級レストランでの食事を楽しめば高くなります。ワインやカクテルを楽しむ費用も考慮に入れましょう。
- 交通費: メトロの10回券で約12ユーロ(約2,000円)程度。観光スポットが集中しているので、あまりかからないことが多いです。
- 観光・アクティビティ費: 美術館の入場料は各15ユーロ前後(約2,500円)。フラメンコショーやミュージカルを見る場合は、別途費用がかかります。
- お土産・ショッピング: 個人の趣味によりますが、予算をあらかじめ決めておくと良いでしょう。
これらに加えて、海外旅行保険や通信費(SIMカード・eSIM)、そして予備費を考慮に入れておくと安心です。私たちは、航空券とホテルを少し早めに予約することで費用を抑え、その分食事やショッピングに予算を回すことができました。
移動手段のおすすめは?
マドリード市内での移動は、断然メトロ(地下鉄)がおすすめです。
- メトロ: 料金が手頃で、主要な観光スポットのほとんどをカバーしています。治安も比較的良く、女性二人でも安心して利用できます。頻繁に利用するなら「マルチカード」に10回券をチャージするのがお得です。
- 徒歩: 観光スポットが密集しているエリア(ソル広場、マヨール広場、王宮周辺、美術館エリアなど)では、徒歩での散策も非常に楽しいです。街の雰囲気を肌で感じられ、思わぬ発見があることも。ただし、石畳が多いので、歩きやすい靴は必須です。
- タクシー: 夜遅い時間や、荷物が多い時、疲れている時には便利です。空港から市内中心部までは定額料金なので安心です。アプリ(Free Nowなど)で呼ぶことも可能です。
- 観光バス: 「Madrid City Tour」のような周遊バスも、主要な観光スポットを効率よく巡りたい場合に便利です。乗り降り自由なタイプを選べば、自分のペースで観光を楽しめます。
私たちは、主にメトロと徒歩を組み合わせて移動しました。メトロを降りて少し歩くと、すぐに目的地に着くことが多く、非常に便利でしたよ。
一人でも楽しめる?
マドリードは一人旅でも十分に楽しめる街です。活気があり、人々もフレンドリーなので、一人でも寂しいと感じることは少ないでしょう。
- 美術館巡り: 自分のペースでじっくりと作品を鑑賞できます。
- タパスバー: カウンター席で地元の雰囲気を感じながら、少量ずつ様々なタパスを楽しめます。店員さんとの会話も弾むかもしれません。
- カフェ: おしゃれなカフェでゆっくりと読書をしたり、街行く人を眺めたり。
- 散策: レティーロ公園やマラサーニャ地区など、歩くだけで楽しいエリアがたくさんあります。
ただし、一人旅の場合でも、治安にはより一層注意が必要です。夜間の外出は控えめにしたり、タクシーを利用したり、常に周囲に警戒心を払うことを忘れないでくださいね。私たちは二人で旅しましたが、もし一人旅をするなら、こういった安全対策はさらに徹底するだろうなと感じました。
服装のポイントは?
マドリードの気候は、夏は暑く乾燥し、冬は寒く乾燥します。春と秋は比較的過ごしやすい季節です。服装選びのポイントは以下の通りです。
- シーズンに合わせた服装:
- 春(3月~5月): 日中は暖かくても朝晩は冷えることがあるので、薄手のコートやカーディガンなど羽織れるものがあると便利です。
- 夏(6月~9月): 日差しが非常に強いので、帽子、サングラス、日焼け止めは必須。薄手の通気性の良い服を選びましょう。夜は涼しくなることもあります。
- 秋(10月~11月): 比較的過ごしやすいですが、気温の変化が大きいので、重ね着できる服装がおすすめです。
- 冬(12月~2月): 寒く乾燥します。暖かいコートやマフラー、手袋などの防寒対策をしっかりしましょう。
- 歩きやすい靴: マドリード市内は石畳が多く、美術館巡りや散策でたくさん歩くため、スニーカーやフラットシューズなど、履き慣れた歩きやすい靴を何足か持っていくことをおすすめします。
- おしゃれ着: ディナーやフラメンコショーなど、少しおしゃれをして出かけたいシーンもあるでしょう。ワンピースやブラウスなど、気分が上がるような服も一着持っていくと、より旅を楽しめます。
- 防犯対策: スリ対策として、貴重品は体の前に回せる斜めがけバッグや、内ポケットのある服を選びましょう。
私たちは春に訪れたので、昼間はブラウス一枚で過ごせる日もありましたが、朝晩や美術館内は肌寒く感じることもあったので、カーディガンや薄手のジャケットが大活躍しました。
写真映えスポットは?
マドリードには、思わずシャッターを押したくなるような写真映えスポットがたくさんあります。
- マヨール広場: 広々とした広場全体が絵になります。夜のライトアップも幻想的です。
- レティーロ公園(クリスタル宮殿): 鉄骨とガラスでできたクリスタル宮殿は、光が差し込むと特に美しく、インスタ映え間違いなし。宮殿前の池も素敵です。
- マドリード王宮: 壮麗な宮殿の外観はもちろん、庭園や、王宮からアルムデナ大聖堂を望むアングルも美しいです。
- グランビア通り: ヨーロッパらしい重厚な建築物や、ネオンサインが輝く夜景は、マドリードならではの雰囲気を醸し出します。
- マラサーニャ地区のストリートアート: カラフルな壁画やグラフィティは、背景として写真に写るととても個性的です。
- サン・ミゲル市場: 美しい鉄骨とガラスの建物、そして色とりどりのタパスや食材が並ぶ様子は、まさに食の宝石箱。活気ある雰囲気も伝わる写真が撮れます。
- ルーフトップバー: マドリードの夜景を一望できるルーフトップバーからの眺めは、最高の思い出の一枚になるでしょう。
私たちも、これらのスポットでたくさん写真を撮り、旅の思い出をSNSで友人と共有しました。あなたもぜひ、マドリードの美しい瞬間をカメラに収めてくださいね。



