地中海の太陽が降り注ぐ街、バルセロナ。ガウディの奇想天外な建築群や、世界最高峰のサッカーチームが注目されがちですが、この街の真の魅力は、歴史が幾重にも折り重なった旧市街(シウタ・ベリャ)の迷路のような路地にこそ宿っているのかもしれません。一歩足を踏み入れれば、そこはまるで中世にタイムスリップしたかのような石畳の世界。そして、その路地の至る所から漂ってくるのは、食欲をそそるオリーブオイルとニンニクの香り。そう、バルセロナは、港町ならではの新鮮な海の幸を活かした「タパス文化」が花開いた美食の都でもあるのです。この記事では、バルセロナ旧市街の4つの個性的な地区を巡りながら、地元の人々の生活に深く根付いたタパスの魅力、その楽しみ方の神髄に迫ります。歴史散策と美食探訪を一度に味わう、忘れられない旅へご案内しましょう。
旧市街での歴史と美食の旅をさらに充実させるには、家族で楽しむバルセロナの魅力についてもチェックしてみましょう。
4つの顔を持つバルセロナの心臓部「旧市街(シウタ・ベリャ)」

バルセロナの旧市街は、カタルーニャ語で「シウタ・ベリャ(Ciutat Vella)」、すなわち「古い街」と呼ばれています。かつて城壁に囲まれていたこの地域は、およそ2000年の歴史を誇り、バルセロナの発祥の地として知られています。そして、このシウタ・ベリャは、それぞれ独自の個性と魅力を持つ4つの地区で構成されています。各地区の雰囲気を理解することが、旧市街をより深く楽しむための第一歩となります。
時が止まった迷宮「ゴシック地区(バリ・ゴティック)」
バルセロナ観光の中心地として最も歴史を感じられるのが、このゴシック地区です。その名のとおり、中世のゴシック建築が数多く保存されており、細く入り組んだ道はまるで迷路のようです。車の進入が制限された小道も多く、歩いていると偶然に隠れた美しい広場や何百年も続く老舗の店を見つけることができます。バルセロナの象徴的存在である大聖堂(カテドラル)が雄々しくそびえ立ち、その周辺にはローマ時代の遺跡も点在。歴史好きにはたまらない、時を越えた散策が堪能できるエリアです。
おしゃれな職人街「ボルン地区(エル・ボルン)」
ゴシック地区の東側に位置するボルン地区は、洗練された空気が漂うエリアです。かつては職人たちの拠点として栄え、今でもその面影を残す小さな工房やアトリエが点在しています。また、若手デザイナーが手がける個性的なブティックや、おしゃれなカフェ、アートギャラリーが立ち並び、バルセロナの最新トレンドを発信する場所としての顔も持っています。ピカソが若き日々を過ごしたことでも知られ、「ピカソ美術館」はこの地区の必見スポットの一つです。ステンドグラスが美しいサンタ・マリア・デル・マル教会を中心に、アート、ファッション、グルメが見事に調和した感性を刺激するエリアです。
潮風香る港町「バルセロネータ地区(ラ・バルセロネータ)」
地中海に面したバルセロネータは、その名の通り「小さなバルセロナ」という意味を持ち、もともとは漁師たちの街として栄えました。碁盤目状に整備された通り沿いには、今でも潮風に揺れる洗濯物が見られる庶民的なアパートが立ち並び、どこか懐かしい雰囲気が漂っています。目の前には広々としたビーチが広がり、夏場には海水浴や日光浴を楽しむ人々で活気に満ちます。加えて、この地区の最大の魅力は新鮮な魚介類。港で水揚げされたばかりのシーフードを使った絶品のタパスを提供するバルが多数あり、海を眺めながらの一杯は格別の味わいです。
多文化が交差する「ラバル地区(エル・ラバル)」
旧市街の西側、有名なランブラス通りの向かいに広がるのがラバル地区です。かつては主に労働者階級が暮らす街で、治安に不安があるとされていましたが、近年は再開発が進み、バルセロナ現代美術館(MACBA)やバルセロナ現代文化センター(CCCB)といった文化施設が立ち並んでいます。古い建物とモダンなアートが共存し、世界中からの移民が生活する多様な文化のエネルギーに満ちた地域です。ヴィンテージショップや個性的なバーも多く、他の地区とは一線を画す、ディープで刺激的な魅力を持つ場所と言えるでしょう。
港町バルセロナが育んだタパス文化の神髄
バルセロナの食文化を語る際に欠かせないのが「タパス」です。ただし、タパスとは単なる小皿料理の意味だけではありません。それは、複数のバルをはしごしながら、ワインやビールを片手に仲間と語らい、少量ずつさまざまな料理を楽しむという、スペイン独特の陽気で社交的な食のスタイルそのものなのです。特に港町バルセロナでは、地中海の恵みが豊富に反映され、このタパス文化により深みを添えています。
タパスとは?ピンチョスとの違いについて
「タパス」と「ピンチョス」はしばしば混同されやすいので、簡単にその違いを説明します。
タパス(Tapas): 小皿料理全般を指し、素焼きの小皿(カスエラ)に盛られた一品料理が中心です。冷たいものではオリーブや生ハム、温かいものではアヒージョやトルティージャ(スペイン風オムレツ)など多種多様。語源はスペイン語の「タパ(Tapa)」=「蓋」から来ており、昔はワインのグラスに虫や埃が入らないようにパンやハムで蓋をしていたという説が有力です。
ピンチョス(Pinchos): 主にスペイン北部、特にバスク地方発祥のスタイルで、「ピンチョ」は「串」や「楊枝」を意味します。スライスしたパンの上に多彩な具材を載せ、楊枝で固定したものが典型的。カウンターいっぱいに並ぶカラフルなピンチョスから好きなものを選び、自分で取って食べるスタイルが特徴です。会計はお皿に残った串の数で計算されます。
バルセロナでは両スタイルを楽しめますが、特にカタルーニャ地方の伝統料理を小皿で提供するタパス文化が根強く根付いています。
バルセロナ流タパスの楽しみ方「タパスホッピング(Tapas Hopping)」
バルセロナの人々の夜の定番レジャーは「タパスホッピング(カタルーニャ語でPica-pica)」、つまりバルのはしごです。一軒でじっくり食べるのではなく、人気のメニューを1〜2品とドリンク一杯ずつ注文し、次のバルへと移動していきます。これを何軒か繰り返すことで、多様なバルの雰囲気や味を少しずつ楽しむスタイルは非常に粋とされています。
注文方法と会計のポイント
初めてのバルでは緊張するかもしれませんが、ルールは非常にシンプルです。気軽に挑戦してみましょう。
ステップ1:入店し場所を確保
混み合う店内に入り、カウンター近くや空いているスペースを見つけます。人気店は立ち飲みスタイルが多いため、遠慮せずぐっと中に入るのがポイントです。
ステップ2:ドリンクを注文
まずは飲み物をオーダー。店員(カマレロ/カマレラ)と目が合ったら人差し指を立て、「Una caña, por favor(ウナ カーニャ ポル ファボール)」と言えば、小グラスの生ビールが出てきます。ワインの場合は「Un vino tinto(赤ワイン)」「Un vino blanco(白ワイン)」でOKです。
ステップ3:タパスを注文
タパスの注文は以下の方法があります。
- カウンターの料理を指さす:最も簡単で確実。ガラスケースに並ぶタパスを指し、「Esto, por favor(エスト ポル ファボール)」=「これください」で伝わります。
- 黒板や壁のメニューを見る:スペイン語やカタルーニャ語のメニューから選択。Google翻訳のカメラ機能も便利です。「Patatas Bravas(ピリ辛ソースとアイオリソースがかかったフライドポテト)」「Pimientos de Padrón(青唐辛子の素揚げ)」「Boquerones en Vinagre(イワシの酢漬け)」などが定番なので覚えておくと便利です。
- 店員におすすめを尋ねる: 「Qué me recomienda?(ケ メ レコミエンダ?)」=「おすすめは何ですか?」と聞けば、その日の新鮮な食材を使ったおすすめ料理を教えてもらえます。
ステップ4:会計
会計は基本的に後払い。食べ終わったら店員に「La cuenta, por favor(ラ クエンタ ポル ファボール)」=「お会計お願いします」と伝えましょう。食べたものを自己申告する場合や、店員が記憶している場合など、店舗によって異なりますが、明朗会計なので心配いりません。チップは必須ではありませんが、サービスが良かったと感じたときはお釣りの小銭をテーブルに置くとスマートです。
タパスバルでの暗黙のルールとマナー
地元の人のようにバルを楽しむために、知っておきたいマナーをいくつか紹介します。
- 長居は避ける:タパスホッピングが文化なので、一軒のバルに長時間滞在するのは避けましょう。混雑時は特に、さっと食べてさっと次へ移動するのが粋な行動です。
- 床にゴミを捨てる文化?:店によりますが、昔ながらのバルでは使い終わった紙ナプキンやオリーブの種を床に捨てることが「美味しかった」という合図とされます。ただし、清潔でおしゃれなバルではマナー違反です。周囲の地元客の様子を見て、その店のスタイルに合わせましょう。
- コミュニケーションを楽しむ:カウンター越しに店員と交わす会話もバルの醍醐味です。片言のスペイン語でも笑顔で「¡Hola!(オラ=こんにちは)」「Gracias(グラシアス=ありがとう)」「¡Muy bueno!(ムイ ブエノ=とても美味しい)」と伝えれば、距離がぐっと縮まります。
亜美が選ぶ!旧市街の必食タパスとおすすめバル

では、ここからは私が旧市街を実際に歩き回って見つけた、本当におすすめしたいバルと、そこでぜひ味わってほしい看板タパスを紹介します。伝統的な老舗からモダンで人気の店まで、各エリアの特色が色濃く表れた名店の数々です。
ゴシック地区で歴史を感じる老舗バル
迷路のような細い路地に佇む老舗バルでは、長年守り続けられてきた伝統の味に出会うことができます。
El Xampanyet(エル・シャンパニェット)
1929年創業。ボルン地区のピカソ美術館のすぐそばにあり、青いタイルと古びた木のカウンターがその歴史を物語る名店です。店名にもなっている自家製スパークリングワイン「シャンパニェット」は必ず注文したい一杯。これに合わせて味わいたいのは、店の看板メニューであるアンチョビ(Anchoas)。肉厚で塩気のしっかり効いたアンチョビは、少し甘めのシャンパニェットと驚くほどの相性を見せます。常に地元客と観光客で賑わっていますが、その活気こそがこの店の魅力と言えるでしょう。カウンターで肩を寄せ合いながら味わう一口は、バルセロナ旅行の忘れがたい思い出になるはずです。スペイン政府観光局のサイトでも、こうした伝統的なバル文化が紹介されています。
Bar del Pla(バル・デル・プラ)
ボルン地区とゴシック地区の境界付近にある、地元で非常に高い人気を誇るバル。伝統的なカタルーニャ料理をベースに、少しモダンな風味を取り入れたタパスが楽しめます。ぜひ頼んでほしいのは「Calamarcets amb mongetes de Santa Pau(小さなイカと白いんげん豆の煮込み)」。柔らかいイカとほくほくとした豆の食感が絶妙に絡み合い、深みのある味わいが口いっぱいに広がります。人気店のため予約が取りにくいので、開店直後に行くか、事前に公式サイトから予約をしておくことをおすすめします。
ボルン地区のおしゃれな創作タパスバル
アートとファッションが息づくボルン地区には、味はもちろん見た目も美しい創作タパスを提供するバルが数多くあります。
Cal Pep(カル・ペップ)
バルセロナでトップクラスのシーフードタパスが楽しめる店として世界的に知られる伝説的な一軒。メニューは用意されておらず、カウンターに座ると店主のペップさんがその日入荷した最高の食材を使った料理を次々と提供してくれる「おまかせスタイル」が基本です。特に、手長エビやアサリ、マテ貝などを鉄板でシンプルに焼く「Plancha(プランチャ)」は、素材の良さが際立つ必食メニュー。価格はやや高めですが、その価値は確実にあります。開店前から行列ができるため、30分以上前に並ぶ心づもりで訪れるのが良いでしょう。
Elsa y Fred(エルサ・イ・フレッド)
レトロで温もりのある内装が魅力の、地元のおしゃれな人々が集うレストランバル。朝食からディナーまで営業しており、終日利用できる便利さも人気の理由です。伝統的なものから独創的なタパスまで幅広く揃っていますが、中でもおすすめは「Steak tartar(タルタルステーキ)」。新鮮な牛肉の旨味にスパイスが効いた味付けが絶妙で、ワインが進むこと間違いなし。週末のブランチ営業も高い人気を誇ります。
バルセロネータで味わう絶品シーフードタパス
港町バルセロネータに訪れたら、新鮮な海の幸をしっかり味わうことが欠かせません。
La Cova Fumada(ラ・コバ・フマダ)
看板も出ていない、知る人ぞ知る漁師町の伝説的バル。ここで生まれたと言われているのが、バルセロナ名物「Bomba(ボンバ)」です。ボンバは「爆弾」の意味を持ち、マッシュポテトの中にひき肉を包んで揚げ、ピリ辛ソースとアイオリソースをかけたコロッケのような一品。その名の通り、刺激的な美味しさが口いっぱいに広がります。もちろん、炭火焼きのイワシ(Sardinas a la plancha)など、新鮮なシーフード料理も絶品。飾り気のない本物の味を求めるならぜひ訪れてほしい一軒です。
Vaso de Oro(バソ・デ・オロ)
細長いカウンターのみのビアバー(セルベセリア)ですが、ここのタパスも侮れません。自家製ビールは泡のきめ細かさが特徴で、ビール好きにはたまらない味わいです。多くの客がビールと一緒に注文するのが「Solomillo con Foie(牛ヒレ肉とフォアグラのソテー)」。小さなパンの上に、絶妙な火加減で焼かれたジューシーな牛ヒレととろけるフォアグラがのった贅沢な一品。濃厚な旨みがビールと抜群の相性で、旅の疲れも一気に癒されることでしょう。
バルセロナ旧市街を安全に楽しむためのヒント
魅力的な旧市街ですが、残念ながら観光客を狙ったスリや置き引きが多発しているのも事実です。特に人混みの中では十分な注意が求められます。楽しい旅を台無しにしないために、女性の視点から見た安全対策をいくつかご紹介します。しっかりと準備を整え、安心して散策を楽しみましょう。
スリ・置き引き対策の基本ポイント
「自分だけは大丈夫」と油断することが最も危険です。常に狙われている可能性を意識することが、防犯上非常に重要です。
- 準備と持ち物について
- ジッパー付きのバッグで斜めがけできるものを選ぶ:リュックは背後が死角になりやすいため、前に抱えるよう心掛けましょう。口が開いたトートバッグは非常に危険なので、必ずジッパーやボタンで閉じられ、斜めがけできるバッグを持つことが大切です。
- セキュリティポーチの活用:パスポートや多額の現金、予備のクレジットカードは、服の下に隠せるセキュリティポーチに入れて持ち歩くのが最も安心できます。
- 財布は分散して持つ:必要な分だけの少額の現金とカード一枚を小さな財布に入れ、バッグの取り出しやすい場所に収納します。大金を入れたメインの財布はセキュリティポーチかバッグの奥にしまいましょう。
- 行動時の注意点
- 貴重品から目を離さない:カフェやレストランでスマートフォンをテーブルの上に置いたり、バッグを椅子の背もたれにかけたりするのは避けてください。バッグは常に膝の上か、足の間にしっかりと挟んでおきましょう。
- 混雑した場所では特に警戒を:ランブラス通りや地下鉄の駅・車内、市場(ボケリア市場など)、観光地の入り口など、人が密集するところはスリの格好の狙い目です。バッグは体の前でしっかり抱え、周囲に気を配ってください。
- 過度に親切な人に注意:液体をかけられたり親しげに話しかけられたりして注意をそらされている間に、別の仲間に貴重品を盗られる集団スリの手口があります。不自然な状況に遭遇したら、まず貴重品を確保し、その場から離れることを最優先にしましょう。
夜間の旧市街を歩く際の注意事項
ライトアップされた旧市街は幻想的で美しいものの、夜は昼間とは異なる雰囲気となり、一部では危険な場所もあります。
- 危険エリアは避ける:特にラバル地区の南側は、夜になると雰囲気が一変し、売春やドラッグの売買が行われる危険な通りも存在します。土地に不慣れな観光客が夜間に一人で細い路地に入るのは避けましょう。宿泊先がそのエリアにある場合は、タクシーを利用するなど安全面を最優先に行動してください。
- 明るく人通りの多い大通りを歩く:夜間はできるだけ人出が多く照明が十分な大通りを選びましょう。ゴシック地区やボルン地区でも、一歩路地に入ると急に暗く人気がなくなる場所があるため注意が必要です。
- 泥酔は避ける:タパスホッピングは楽しいですが、飲み過ぎには気をつけましょう。酔いが回ると判断力が鈍り隙が生まれ、犯罪に狙われやすくなります。自分の限界を把握し、節度をもってお酒を楽しんでください。
トラブル発生時の対応方法
万一盗難などの被害に遭った際に備え、適切な対処法を知っておくことも重要です。
- 警察への通報:緊急時の警察・消防・救急の電話番号は「112」です。盗難に遭った場合は最寄りの警察署(Comisaría)に行き、盗難届(Denuncia)を作成してもらいましょう。この控えは海外旅行保険の請求やクレジットカード・パスポートの再発行手続きに必要となります。
- カード会社や携帯電話会社への連絡:クレジットカードやスマホが盗まれたら、すぐにカード会社や携帯電話会社に連絡して利用停止の手続きを行いましょう。連絡先は事前にメモするかクラウドなどに保存しておくと安心です。
- 公式情報の活用:在バルセロナ日本国総領事館では、パスポート紛失・盗難時の手続きやその他のトラブルに関する相談に応じています。渡航前に公式サイトで連絡先や所在地を確認しておくことをおすすめします。在バルセロナ日本国総領事館のウェブサイトには、安全情報も掲載されています。
旧市街散策とタパス巡りのモデルプラン

どこから回ればよいか迷う方のために、旧市街の魅力を効率的に楽しめるモデルコースをご紹介します。これを参考に、関心のあるスポットを追加したり、所要時間を調整したりして、自分だけのオリジナルプランを作成してみてください。
半日で楽しむ!ゴシック地区&ボルン地区 アートとグルメの旅
バルセロナのエッセンスを短時間で味わいたい方向けのおすすめコースです。
午前10:00:ピカソ美術館でアート鑑賞
まずはボルン地区に位置するピカソ美術館からスタート。若きピカソの作品群は見逃せません。人気のスポットですので、チケットは事前に公式サイトでオンライン購入しておくのが必須。予約した時間帯に入館すると、長蛇の列に並ばずに済みます。
午後12:00:ボルン地区を散策&ショッピング
美術館の見学後は、サンタ・マリア・デル・マル教会へ向かい、その荘厳な内部に圧倒されることでしょう。そのあとは周辺のおしゃれなブティックや雑貨店を巡ってみてください。アパレル業界にいる私としては、個性豊かで質の良いレザー製品や地元デザイナーの洋服を見て回る時間が特に楽しいです。
午後2:00:ゴシック地区で歴史散策
ボルン地区からゴシック地区へ移動。まずはバルセロナ・カテドラルの壮大な姿に感激します。カテドラル内部を見学する際は、服装に注意が必要です。肩や膝が露出するタンクトップやショートパンツは入場を断られる場合があるため、夏でも羽織れるストールやカーディガンなどを持っておくと安心です。その後、サン・ジャウマ広場や王の広場を訪れ、中世の雰囲気を感じる石畳の路地を気の向くまま歩いてみましょう。
午後4:00:早めのタパスホッピングをスタート
ひと息ついたら、いよいよ楽しみのタパスタイムへ。夕食にはまだ早いこの時間帯は、人気のバルも比較的空いています。まずはゴシック地区やボルン地区の老舗バルで、カヴァやビールを片手に伝統的なタパスを1〜2品味わい、その後は別の店に移動して気になったタパスをつまむ。そんな贅沢な午後の過ごし方はいかがでしょうか。
海風を感じる!バルセロネータの満喫プラン
都会の喧騒から離れ、ゆったりとした一日を過ごしたい方へ。
午前11:00:バルセロネータビーチでゆったりと
地下鉄L4線のバルセロネータ駅で下車し、海辺へ向かいます。サン・セバスティアン・ビーチの砂浜を散歩したり、ビーチ沿いのカフェ「チュリンギート」で海を眺めながらコーヒーを楽しんだりして、のんびりとした時間を過ごしましょう。
午後1:00:港町のバルで絶品シーフードランチ
お腹が空いてきたら、バルセロネータ地区の路地裏へ。目指すは「La Cova Fumada」や「Vaso de Oro」などの名店。獲れたての新鮮な魚介を使ったタパスを、地元の漁師たちと肩を並べて味わうのは格別の体験です。
午後3:00:ロープウェイでモンジュイックの丘へ
食後の散策に、港から出ているロープウェイ「アエリアル・デル・ポルト」に乗ってモンジュイックの丘へ空中散歩。バルセロネータの街並みと地中海の絶景が目の前に広がります。丘の上にはカタルーニャ美術館やミロ美術館、オリンピック施設など見どころも豊富です。
バルセロナの旅をさらに豊かにする豆知識
最後に、バルセロナでの滞在がより快適で楽しいものになるための、いくつかのポイントをご紹介します。
シエスタ(昼休み)に気をつけよう!
スペインの伝統文化として知られるシエスタ(昼休み)。バルセロナのような大都市では、デパートや大型店舗の多くが通し営業を行うケースも増えていますが、旧市街の個人商店や一部のレストランでは、今なおシエスタの習慣が根強く残っています。多くの場合、午後2時から午後5時ごろまで休業することが多いため、行きたいお店がある場合は、あらかじめ営業時間をしっかり確認しておくことが大切です。バルセロナ観光公式サイトなどで最新情報を確認する習慣をつけると安心です。
公共交通機関の賢い利用法
旧市街では基本的に歩いての観光が主流ですが、やや離れた場所へ移動する際は公共交通機関が非常に便利です。特におすすめなのが、地下鉄やバスで10回分利用可能な回数券「T-Casual」。1回ごとに切符を購入するより経済的で、複数人での共有はできませんが、一人旅の方にはコストパフォーマンス抜群のチケットです。券売機で簡単に手に入ります。購入時は言語を英語に設定し、「T-Casual 1 Zone」を選ぶだけでOK。現金・クレジットカード両方に対応しています。
現地のオプショナルツアーを活用しよう
「一人でバルに入るのはちょっと緊張する」「もっと深くタパス文化を知りたい」と感じる方には、現地発のオプショナルツアーへの参加がおすすめです。日本語ガイド付きのタパスホッピングツアーなら、言葉の心配なく地元民しか知らない名店を案内してもらえます。また、旧市街の歴史を詳しく学べるウォーキングツアーに参加すれば、普段何気なく見ていた建物の裏に隠されたストーリーを知ることができ、街歩きの楽しさが何倍にも広がります。自分の旅のスタイルに合わせ、こうしたツアーを上手に取り入れるのも賢い旅のコツと言えるでしょう。

