イタリア旅行を計画しているけれど、ちょっと変わった体験がしたい。そんな風に考えているアクティブなあなたに、全力でおすすめしたい場所があります。それは、イタリア半島にぽつんと浮かぶように存在する、世界で5番目に小さな国、そして世界最古の共和国「サンマリノ共和国」。
切り立った崖の上のティターノ山に築かれた城塞都市は、まるでおとぎ話の世界。息をのむような絶景、迷路のような石畳の路地、そして中世の空気を色濃く残す街並み。アドリア海から吹き抜ける風を感じながら、歴史と自然が織りなす絶景を全身で体感する旅が、ここサンマリノでは叶います。
「海外の小さな国って、なんだかアクセスが難しそう…」「予算が心配…」なんて思うかもしれません。でも大丈夫!実は、イタリアの有名ビーチリゾート「リミニ」からバスで1時間もかからず、日帰りで気軽に訪れることができるんです。しかも、楽しみ方次第では驚くほどリーズナブルに、アクティブな一日を満喫できます。
この記事では、予算重視の旅が大好きな私が、サンマリノの魅力を最大限に味わうためのアクティビティ中心のモデルプランをご紹介します。3つの塔を巡る絶景ハイキングから、ちょっと変わった博物館探訪、そして旅の記念になる特別な体験まで。これを読めば、あなたもきっとサンマリノの虜になるはず。さあ、天空の冒険へ出発しましょう!
イントロダクション:サンマリノって、どんな国?

本格的な冒険に出発する前に、まずは私たちが目指す場所、サンマリノ共和国について少し知識を深めておきましょう。この国のことを理解すれば、旅がさらに魅力的になるはずです。
最古の共和国が織りなす物語
サンマリノの歴史は、西暦301年にまでさかのぼります。ローマ皇帝のキリスト教徒迫害から逃れた石工職人マリヌスが、このティターノ山に仲間たちと小さな共同体を築いたことが起源とされています。「外部に支配されず、自由に生きる」という彼の理念は、1700年以上経った今でもこの国の精神の根幹をなしています。
イタリアに完全に囲まれているにもかかわらず、一度も他国の支配を受けずに独立を維持し続けてきた奇跡の国。それほど小さな国土の中に、自由と平和を愛する人々の誇りがぎっしり詰まっています。街を散策すれば、その歴史の重みや独立国家としての威厳を肌で感じ取ることができるでしょう。旧市街全体が「サンマリノの歴史地区とティターノ山」としてユネスコの世界遺産に登録されているのも、この地の歴史的価値の証明です。
ティターノ山頂に広がる天空の街
サンマリノの国土は、標高739メートルのティターノ山を中心に広がっています。私たちが訪れる旧市街は、まさにこの山頂に位置しています。崖の縁に築かれた城壁と3つの塔は、遠くから見るとまるで空に浮かんでいるかのようです。この素晴らしい景観こそが、サンマリノの最大の魅力となっています。
通貨はユーロが使われており、公用語はイタリア語です。しかし、世界中から観光客が訪れるため、観光の中心地では英語もかなり通用します。挨拶だけでも「ボンジョルノ(こんにちは)」「グラツィエ(ありがとう)」とイタリア語で話しかけてみると、地元の人たちとの距離がぐっと縮まるかもしれません。
気候は地中海性で、イタリア中部とほぼ同じと考えてよいでしょう。夏は強い日差しと乾燥が特徴で、冬は比較的穏やかですが、山の頂上に位置するため平地より気温は低めです。特に冬に訪れる際は、風が強まることもあるので、防寒対策はしっかりと行いましょう。
アクセス完全攻略!リミニ駅からバス一本で天空の城へ

いよいよ具体的な旅の計画に入ります。サンマリノへの最も一般的なアクセス方法は、イタリアのアドリア海沿岸にあるリミニ(Rimini)という街からのバス利用です。このルートを押さえておけば、誰でも簡単に天空の城へ辿り着けます。
出発地点は「リミニ駅」
まずはイタリア国鉄(Trenitalia)や私鉄を乗り継いで、リミニ中央駅を目指しましょう。ボローニャからはおよそ1時間、フィレンツェやヴェネツィアからも2~3時間ほどで到着できる、交通の要所です。
リミニ駅に着いたら、サンマリノ行きのバス乗り場を探します。駅を出て目の前の道を渡った先にバス停がいくつか並んでいますが、サンマリノ行きの停留所は少しわかりづらいかもしれません。目印はバーガーキングのほぼ向かい側あたりです。不安な場合は、駅構内のタバッキ(Tabacchi)やインフォメーションで「Bus per San Marino?(ブス・ペル・サンマリノ?)」と尋ねてみてください。きっと親切に教えてくれるはずです。
バスチケットの買い方【Do情報】
バスチケットは事前に購入しておくとスムーズです。主な購入場所は以下の通りです。
- リミニ駅構内の観光案内所: 最も確実で簡単な方法です。スタッフに「San Marino, andata e ritorno(サンマリノ、往復)」と言えば往復チケットを発券してくれます。片道のみの場合は「Solo andata(ソロ・アンダータ)」と伝えましょう。往復購入で割引はありませんが、帰りのチケットを買う手間が省けるのでおすすめです。
- バス停近くの券売機や窓口: バス会社の窓口や券売機が設置されている場合があります。
- バスの運転手から直接購入: もし事前購入ができなくても、乗車時に運転手から買うことが可能です。ただし、お釣りがない場合や混雑時はスムーズに乗れないこともあるため、なるべく事前に用意しておきましょう。
料金は片道で5~6ユーロ程度、往復で10~12ユーロが目安です。支払いは主に現金ですが、窓口ではクレジットカードが使えることもあります。細かいお金を用意しておくと安心です。
バスの時刻表と乗車の流れ【Do情報】
バスはBonelli Busという会社が運行しています。公式サイトで最新の時刻表を必ず確認しておきましょう。季節や曜日によって便数が変わることがあるため、特に帰りの最終バスの時間は忘れずにチェックしてください。日帰りの場合、最終便を逃すと困ることになります。
通常、バスは1時間に1~2本程度の間隔で運行されています。観光シーズン中は混雑が予想されるので、乗りたい便の15分前にはバス停に着いておくと安心です。
バスが来たら、乗車時に運転手にチケットを見せるか、車内にある刻印機で打刻を忘れないようにしましょう。イタリアの公共交通機関では、この打刻がないとチケットが無効とみなされ、検札で罰金の対象になることがあります。
リミニからサンマリノまでは約50分。車窓にはのどかな田園風景が広がり、だんだんとティターノ山の壮大な姿が見えてきます。山を駆け登る感覚も、この旅の醍醐味のひとつです。
バスに乗り遅れた場合の対処法【トラブル対応】
もし目的のバスに乗り遅れたり、満席で乗れなかった場合でも慌てないでください。まずは次のバスが何分後に来るか時刻表で確認しましょう。通常、30分から1時間以内で次の便が来ます。その間に駅前のカフェで一息つくのも良いでしょう。
購入済みのチケットは基本的に当日中であればどの便でも使えます。不安があればチケット購入時に窓口で「This ticket is valid for any bus today?(このチケットは今日のどのバスでも有効ですか?)」と尋ねておくと安心です。
これぞサンマリANO!3つの塔を巡る絶景ハイキング

サンマリノに到着したら、いよいよアクティブな観光が始まります!この国のシンボルであり、最大の見どころは何といってもティターノ山の尾根上に連なる三つの塔です。この塔を巡る散策路は、まさに天空の散歩道と呼ぶにふさわしいもの。歴史と美しい景観が織りなす感動的な体験があなたを待っています。
バスの終点で降りると、そこはすでに旧市街の入り口です。城壁をくぐり、石畳の坂道を登れば、壮大な景色が目の前に広がります。さあ、歩きやすい靴の紐をしっかり締めて、絶景を楽しむハイキングに出発しましょう!
準備と持ち物リスト【Do情報】
このハイキングをより楽しむために、以下の準備をしておくことをおすすめします。
- 服装: 何よりも歩きやすい靴が必須です。スニーカーやトレッキングシューズがおすすめ。石畳や急な坂、階段ではサンダルやヒールは特に危険です。服装は体温調節しやすい重ね着がベスト。夏でも山頂付近は涼しい場合があり、冬は防寒対策がしっかり必要です。
- 持ち物:
- 水: 坂道や階段の上り下りで喉が渇きやすいので、ペットボトルの水を必ず持参しましょう。
- 日焼け止め・帽子・サングラス: 特に夏は紫外線が強いので、しっかり対策を。
- カメラ・スマートフォン: 絶景が続くため、充電は満タンに。モバイルバッテリーもあると安心です。
- 現金(ユーロ): 入場チケットの購入や途中のカフェでの休憩用に。
- ウェットティッシュ: 小さな汚れを拭くのに便利です。
お得な共通チケットを活用しよう!
三つの塔のうち、見学可能なのは第一の砦「グアイタ」と第二の砦「チェスタ」です。各々で入場券を買うこともできますが、サンマリノの他の博物館にも興味があるなら、「Multi-museum pass(共通券)」が断然お得です。
この共通券では、グアイタ、チェスタに加えて、政庁舎(プッブリコ宮殿)、国立博物館、サン・フランチェスコ教会博物館などの主要な施設にも入場可能。料金は時期によって変動することがありますが、塔二つ分の料金に少し上乗せするだけで他の施設も楽しめるため、非常にコストパフォーマンスが高いです。
チケットは各塔の入口や政庁舎、観光案内所で購入できます。詳しくは、サンマリノ国立博物館の公式サイトでご確認ください。すべてを一日で回るのは難しいかもしれませんが、訪れたいスポットを絞って、自分だけの観光ルートを計画するのも楽しみのひとつです。
第一の砦「グアイタ(Guaita)」
まずは最古かつ最も有名な第一の砦「グアイタ」を目指しましょう。11世紀に築かれたこの砦は、かつては見張り台や牢獄として使われていました。その力強い無骨な姿は、サンマリノの独立の歴史を象徴するかのようです。
城壁の中に入ると、そこはまさに中世の世界。狭い階段を登って城壁の上を歩けば360度のパノラマが広がります。眼下には可愛らしいサンマリノの街並みが広がり、遠くにはイタリアの広大な大地やキラキラと輝くアドリア海も見渡せます。風を感じながらこの景色を楽しむと、まるで鳥になったかのような気分に浸れます。
砦内部も見学可能で、当時の礼拝堂や牢獄の様子を間近に観察できます。塔の頂上まで登ることもでき、そこからの眺めはまさに絶景。第二の砦「チェスタ」へ向かう尾根道もはっきり見え、これから始まる冒険への期待が高まります。
第二の砦「チェスタ(Cesta)」
グアイタから石畳の小径「魔女の小道」を約10分ほど歩くと、次に到着するのがティターノ山の最高地点に建つ第二の砦「チェスタ」です。13世紀に築かれたこの砦は五角形の形状が特徴的で、グアイタとは異なる優雅な雰囲気を漂わせています。
現在、チェスタ内部は「武器博物館」として公開されています。中世の鎧や剣、槍、クロスボウに加え、初期の銃器まで約2000点のコレクションが展示されており、その規模は圧巻の一言。武器にあまり興味がなくても、その精緻な作りや歴史的背景を知ると、思わず見入ってしまいます。
また、ここからの眺望も格別です。グアイタの全景を収める絶好の写真スポットであり、崖の上に堂々とそびえるグアイタの姿は、サンマリノ訪問の思い出にぴったりの一枚となるでしょう。
第三の砦「モンターレ(Montale)」
チェスタからさらに森の小径を進むと、三つ目の砦「モンターレ」が見えてきます。14世紀に建てられたこの塔は、他の二つに比べて規模が小さく、見張り専用の塔でした。
残念ながら、モンターレの内部は一般公開されていません。そのため訪れる観光客はやや少ないものの、だからこそ訪問の価値があります。観光客の喧騒から離れ、静かな森の中で鳥のさえずりに耳を傾けながら、ひっそり佇む塔を眺める時間は贅沢なひとときです。
モンターレ周辺は手つかずの自然が残る絶好のハイキングスポット。ここから振り返るチェスタやグアイタの風景も絶景です。時間に余裕があれば、ぜひ静寂の砦まで足を伸ばし、歴史の息吹と自然の美しさをじっくり味わってみてください。
絶景だけじゃない!旧市街で楽しむアクティビティ5選

3つの塔を巡るハイキングでサンマリノの壮大な景色を満喫した後は、次に旧市街の迷路のような細い路地を探検してみましょう。この小さな街には、歴史的な名所はもちろん、個性的で興味深いアクティビティも数多く隠されています。
1. 拷問博物館でスリリングな体験を
少し刺激的な体験を求めるなら、「拷問博物館(Museo della Tortura)」への訪問がおすすめです。名前の通り、中世ヨーロッパで実際に使われた多彩な拷問器具が展示されています。
鉄の処女やギロチン、頭蓋骨粉砕機など、リアルな展示品と薄暗い照明が組み合わさり、背筋が凍るような独特の雰囲気を作り出しています。展示の解説を読みながら、当時の人々の生活や思想に思いを馳せると、歴史の陰の部分を垣間見ることができます。決して楽しい場所ではありませんが、強烈な印象と忘れられない体験になることは間違いありません。ホラーが苦手な方はご注意ください。
2. 蝋人形博物館で歴史を身近に感じる
もう少しソフトな歴史体験を望むなら、「蝋人形博物館(Museo delle Cere)」がぴったりです。ここには、サンマリノの歴史に欠かせない人物や世界の有名な歴史的人物たちの蝋人形が展示されています。
聖マリヌスやナポレオン、リンカーン大統領など、教科書で見覚えのある人物たちが驚くほどリアルな姿で目の前に現れます。一緒に写真を撮れば、まるで時間を遡ったかのようなユニークな記念写真が撮れます。さらに、歴史的な出来事をジオラマで再現したコーナーもあり、サンマリノの歴史を楽しく学べます。
3. 国境越えの記念に!パスポートにスタンプをゲット【Do情報】
サンマリノはシェンゲン協定の加盟国ではないため、イタリアとの間に正式な出入国審査がありません。つまり、気づかないうちに国境を越えていることになります。しかし、独立国家を訪れた記念に何か欲しいですよね。そんな方にぴったりなのが、記念の入国スタンプです。
このスタンプは、旧市街の中心にある観光案内所(Ufficio del Turismo)で押してもらえます。
- 手順:
- 観光案内所へ向かう。
- 窓口でパスポートを提示し、「Stamp, please(スタンプ、お願いします)」と伝える。
- 手数料(約5ユーロ)を支払う。
- その場で公式のサンマリノ共和国スタンプをパスポートに押してもらえます。
手続きはこれだけで完了。数分で、あなたのパスポートに旅の貴重な証しが刻まれます。このスタンプは法的な効力はありませんが、旅の思い出としては最高のお土産になるはずです。友人に自慢できること間違いなしです!
4. ケーブルカー(Funivia)で空中散歩と絶景を楽しむ
ティターノ山の頂上に位置する旧市街と、麓の町ボルゴ・マッジョーレ(Borgo Maggiore)はケーブルカーで結ばれています。このケーブルカーに乗れば、また違った視点からサンマリノの絶景を満喫できます。
片道わずか数分の乗車時間ですが、高度を徐々に上げたり下げたりしながら、アドリア海まで広がる壮大な平野を一望する光景は圧巻です。特に夕暮れ時の乗車は、オレンジ色に染まる空と街並みが織りなす幻想的な景色に出会えるかもしれません。
麓のボルゴ・マッジョーレでは、曜日によって市場が開かれ、地元の人々の生活風景を垣間見ることもできます。時間に余裕があれば、ケーブルカーで降りて散策するのも楽しいプランです。
5. 中世のお祭りで弩(クロスボウ)の迫力を体感
サンマリノでは、歴史的伝統を守る祭りが年間を通じて開かれています。特に有名なのが、クロスボウ(弩)射手たちによる競技会です。伝統的な制服に身を包んだ射手たちが、古式ゆかしい儀式に則って腕を競い合う姿は見応え十分です。
残念ながら、観光客が気軽にクロスボウ射撃を体験できる常設施設はありません。しかし、運が良ければ射手たちのパレードや練習風景に偶然出会えることもあります。特に9月3日の共和国記念日や夏に開催される「中世の日々(Giornate Medioevali)」の期間中は、街全体が中世の雰囲気に包まれ、様々なイベントが催されます。旅行の計画を立てる際には、サンマリノ政府観光局の公式サイトで最新のイベントカレンダーを確認することをおすすめします。特別な日に訪れれば、忘れがたい思い出になるでしょう。
予算1万円で満喫!グルメ&ショッピングガイド

アクティブに動き回ると、自然とお腹が空いてきますよね。サンマリノには、絶景を眺めながら食事を楽しめるレストランから、手軽に味わえるB級グルメまで、多彩で魅力的なグルメが揃っています。さらに、国全体が免税エリアになっているため、ショッピングも大きな楽しみのひとつです。ここでは、予算を抑えつつサンマリノを思い切り楽しむためのグルメ&ショッピング情報をご紹介します。
手軽に味わえる!サンマリノのB級グルメ
- ピアディーナ(Piadina):
この地域の名物といえば、何と言ってもピアディーナです。小麦粉で作られた薄く無発酵のパン生地を焼き、生ハムやチーズ、野菜などを挟んだ、イタリア風のクレープやサンドイッチのような一品。注文を受けてからその場で焼き上げるお店が多く、熱々でモチモチの生地に新鮮な具材が絶妙にマッチします。価格はおよそ5~8ユーロとリーズナブルで、手に持って気軽に歩きながら食べられるため、観光の合間のランチに最適です。旧市街のあちこちにピアディーナ専門店(Piadineria)が点在しているので、ぜひお気に入りを探してみてください。
- ジェラート(Gelato):
イタリア訪問の際には外せないジェラート。サンマリノにも美味しいジェラート店が数多くあります。坂道を歩き回って疲れた時に、冷たくて爽やかなジェラートは最高の癒しです。ピスタチオやヘーゼルナッツといった定番フレーバーから、旬の果実を使ったものまでバリエーションも豊富。絶景を望むベンチに腰かけて味わうジェラートの美味しさは、格別です。
お土産にぴったり!名物スイーツ
- ティターノ山のケーキ(Torta Tre Monti):
サンマリノを象徴するお土産といえば、この「ティターノ山のケーキ」。ヘーゼルナッツとチョコレートのクリームを挟んだ円盤状のウエハースを何層にも重ね、ダークチョコレートで包んだお菓子です。その形は、サンマリノのシンボル「三つの塔」にちなんでいるそう。サクサクした食感と濃厚なクリームの絶妙なハーモニーが楽しめ、コーヒーや紅茶にもよく合います。スーパーマーケットや土産物店で気軽に購入でき、可愛らしいパッケージもお土産として喜ばれること間違いなしです。
レストランの選び方のポイント
旧市街には多彩なレストランが軒を連ねていますが、特に城壁沿いのテラス席がある店は、絶景が楽しめる反面、やや料金が高めの傾向があります。予算を抑えたい場合は、メインストリートから少し入った路地裏に目を向けてみましょう。地元の人にも愛される、アットホームで美味しいお店が見つかることも多いです。
また、ランチタイムには「Menu Turistico(観光客向けメニュー)」というセットメニューを提供している店も多く見られます。前菜、パスタ、メイン料理などがセットになって15〜25ユーロ程度の価格でアラカルトよりお得な場合があるため、店頭のメニュー看板をチェックしてみてください。
免税ショッピングを満喫しよう!
サンマリノは全域が免税地域(タックスフリー)なので、イタリア本土よりもお得にショッピングできる商品が豊富に揃っています。
- 香水・化粧品: 有名ブランドの香水や化粧品が、イタリア国内の価格より安く手に入ることがあります。
- お酒・タバコ: ワインやリキュール類も免税価格で購入可能。サンマリノ産のワインや独自ラベルのリキュールは土産として人気です。
- 革製品・サングラス: イタリアブランドの革製品やサングラスも狙い目です。
また、サンマリノならではのユニークなお土産も見逃せません。
- 切手・コイン: サンマリノ独自の切手やユーロコインは、美しいデザインで世界中のコレクターから人気です。郵便局やお土産店で記念切手セットやコインセットを購入できます。旅の記念として自分宛にサンマリノから絵葉書を送るのも素敵な体験です。
- 陶器・工芸品: 手描きの美しい陶器や中世をモチーフにした工芸品も、サンマリノらしいお土産。職人の技が光る一点物を探す楽しみがあります。
ただし、免税だからといってあまり買い込みすぎるのは注意が必要です。日本に持ち帰る際には、日本の免税対象範囲を超えた分に対して関税がかかる場合があることを忘れないでください。
知っておくと安心!サンマリノ旅のQ&A

最後に、サンマリノを訪れる際に役立つ情報や、緊急時の対応方法をQ&A形式でまとめました。これを事前に読んでおけば、より安心して旅を満喫できるでしょう。
Q1. サンマリノの治安はどう?注意すべき点はある?
サンマリノは非常に安全な地域で、ヨーロッパの中でもトップレベルの治安を誇ります。夜間に一人で歩いてもほとんど危険を感じることはないでしょう。ただし、世界中から観光客が訪れるため、スリや置き引きのリスクを完全に排除することはできません。貴重品の管理には十分注意し、特に人混みや飲食店ではバッグから目を離さないよう気をつけましょう。基本的な海外旅行の注意点を守れば、大きな問題は起こりにくいです。
Q2. トイレはどこで利用できる?
旧市街には数か所、有料の公衆トイレが設置されています。バス停の近くや主要な広場周辺にあり、料金は€0.50から€1程度です。小銭を用意しておくとスムーズに利用できます。また、レストランやカフェ、博物館を利用する際に、その施設のトイレを借りるのが最も確実です。利用前に「Bagno?(バーニョ?=トイレはありますか?)」と尋ねるのが礼儀です。
Q3. サンマリノのWi-Fiや通信環境はどう?
多くのレストランやカフェ、ホテルでは無料のWi-Fiが利用可能です。旧市街の主要エリアでは「WiFi San Marino」といった公共のフリーWi-Fiも飛んでいます。ただし、接続が不安定だったり、登録が必要な場合もあるため、常時快適に使えるとは限りません。地図アプリを使ったり現地情報を調べる頻度が高い場合は、日本で海外用ポケットWi-Fiをレンタルするか、eSIMや海外ローミングサービスを利用するのがより確実です。
Q4. トラブルに遭ったときの連絡先は?
もしパスポート紛失や盗難、急病やけがなどのトラブルが発生した場合は、以下の連絡先にご連絡ください。
- 救急・警察・消防: ヨーロッパ共通の緊急番号「112」
- サンマリノ警察(Gendarmeria): 113
- 在イタリア日本国大使館: サンマリノには日本の大使館・領事館がありません。そのため、ローマにある在イタリア日本国大使館が管轄となります。パスポートの再発行などが必要になった場合は、こちらに連絡してください。連絡先は事前にメモするか、オフラインでも見られるようスマートフォンに保存しておくと安心です。
Q5. チケットを紛失したら?返金は可能?
- バスチケットを紛失した場合: 基本的に再発行や返金はできません。新たに購入する必要があるため、チケットは財布やパスケースなど決まった場所に保管しましょう。
- 博物館の共通券を紛失した場合: 再発行は難しいことが多いですが、購入時のレシートがあれば、事情を説明し窓口で相談することで対応してもらえる可能性もあります。まずは購入した窓口で問い合わせてみてください。
- 悪天候などでケーブルカーが運休した場合: 往復券を購入し片道しか乗れなかった場合は、返金交渉が可能なこともあります。状況に応じてスタッフへ確認しましょう。
トラブルが発生した際は、まず落ち着いて公式の窓口やスタッフに相談することが大切です。
天空の城での一夜。サンマリノの夕景と星空に感動

多くの観光客はリミニから日帰りでサンマリノへ足を運びます。もちろん、それでも十分に楽しむことは可能ですが、もし旅程に少し余裕があるなら、ぜひサンマリノでの宿泊を検討してみてください。昼間の賑わいとはまったく異なる静寂に包まれる夜の旧市街は、日帰りでは味わえない特別な魅力で満ちています。
夕暮れ時、西の空がオレンジ色から深い紫へと美しいグラデーションを描き、街の灯りが灯り始めると、サンマリノは幻想的な表情を見せ始めます。城壁の展望台から眼下に広がるイタリアの街々の夜景を眺める瞬間は、まさに魔法のような体験です。遠くアドリア海に煌めく漁火は、地上の星空のように輝きます。
観光客が去った後の石畳の路地をゆっくり散策するのもおすすめです。中世の時代から時が止まったかのような静寂のなか、自分の足音だけが響きわたります。ライトアップされた三つの塔は昼間とは異なる荘厳な姿で夜空に浮かび上がり、その美しさに思わず息を呑むことでしょう。
夜が更けて空を仰げば、満点の星空が広がっています。標高の高い山上に位置し、大きな都市の明かりもほとんどないため、サンマリノから見る星空は驚くほどクリアです。天の川や数えきれない星々が、まるで宝石を散りばめたかのように輝きを放ちます。この星空のもと過ごすひとときは、旅の疲れを癒し、心に深い安らぎをもたらしてくれるに違いありません。
「宿泊は予算面で不安…」とお考えかもしれませんが、旧市街内には比較的手ごろな料金のB&B(ベッド&ブレックファスト)や小規模なホテルがいくつもあります。さらに少し足を伸ばして旧市街の外に宿を取れば、宿泊の選択肢は一層広がります。
日帰りだとどうしても駆け足になってしまうサンマリノの魅力を、時間を気にせずじっくりと味わう贅沢。それはきっと、あなたの旅の中で最も忘れがたい思い出のひとつになるでしょう。朝、鳥のさえずりで目覚め、朝霧に包まれた幻想的な旧市街を散策する。そんな特別な体験が、このサンマリノであなたを待っています。さあ、天空の城塞国家で、あなただけの物語を紡いでみませんか。









