MENU

マデイラ島の天空散歩!テレフェリコで巡る絶景パノラマと山上の楽園

大西洋に浮かぶ常春の島、マデイラ。その中心都市フンシャルの街に降り立つと、温暖な風が花の香りを運び、どこか懐かしいヨーロッパの港町の風景が広がります。切り立った崖と深い青の海が織りなすダイナミックな景観は、訪れる者の心を瞬時に捉えて離しません。この島の魅力を、まるごと体感できる特別な方法があるのをご存知でしょうか。それが、フンシャルの街とモンテの丘を結ぶロープウェイ、「テレフェリコ・ド・フンシャル」です。

オレンジ色の屋根瓦が宝石のようにきらめく街並みを見下ろし、ゆっくりと空へ昇っていく時間は、まるで映画のワンシーンのよう。日常の喧騒から解き放たれ、空と海と緑に抱かれる約15分間の空中散歩は、マデイラ島でしか味わえない、まさに至高の体験と言えるでしょう。今回は、このテレフェリコに乗って街を一望する最高の体験を、チケットの買い方から山頂での楽しみ方、そして旅に役立つ実践的な情報まで、余すところなくお届けします。さあ、一緒に天空の旅へと出発しましょう。

テレフェリコでマデイラ島の絶景を空から楽しんだ後は、海に溶け込むような体験ができるポルトモニスの天然溶岩プールも訪れてみてはいかがでしょうか。

目次

旅のはじまりは「大西洋の真珠」マデイラ島から

madeira-island-aerial

テレフェリコの話に入る前に、まずはこの魅力あふれる舞台であるマデイラ島について少しご紹介したいと思います。マデイラ諸島はポルトガル本土から南西へ約1000キロメートル、アフリカ大陸に近い大西洋上に位置しています。その主島であるマデイラ島は、年間を通じて温暖な気候に恵まれ、「大西洋の真珠」や「花の島」と称される美しい別名を持っています。

火山活動が創り出した亜熱帯の楽園

マデイラ島の地形は、はるか昔の火山活動の結果として形成されました。そのため、海岸線からは急峻な山々が立ち並び、島の中央部には標高1800メートルを超える山脈が広がっています。この標高差が、非常に豊かな自然環境を生み出しているのです。海岸沿いは温暖な亜熱帯気候で、ハイビスカスやブーゲンビリアといった色とりどりの花々が咲き誇ります。一方で山間部には、世界遺産に登録されているラウリシルヴァ(照葉樹林)の原生林が茂っており、まるで太古の時代に迷い込んだかのような神秘的な空気が漂い、訪れる人々を魅了しています。

この特異な地形を活かして作られたのが「レヴァダ」と呼ばれる水路網です。降水量の多い北部や山間部から、水が乾燥する南部や海岸沿いの農地へと供給されるように、何百年にもわたって島の各地に張り巡らされました。現在では、このレヴァダ沿いに整備された散策路がマデイラ島で最も有名なハイキングコースとして世界中のトレッカーから人気を集めています。初心者でも楽しめる平坦なコースから、上級者向けの険しいコースまで幅広く揃っており、自分の体力や経験に合わせて、手付かずの自然を存分に味わうことができます。

歴史と文化が漂う街、フンシャル

島の南部に位置する首都フンシャルは、マデイラ島の入り口であり、政治や経済、文化の中心地です。15世紀の大航海時代、ポルトガル人によって発見されたこの島は、ヨーロッパと新大陸を結ぶ重要な中継地点として栄えました。フンシャルの名前は、当時この地に多く自生していた「フンショ(ウイキョウ)」に由来すると言われています。

湾に沿ってすり鉢状に広がる街並みは、白い壁にオレンジ色の瓦屋根が密集し、美しいコントラストを作り出しています。石畳が敷かれた旧市街(Zona Velha)を歩けば、歴史ある教会や邸宅が点在し、懐かしさを感じさせる雰囲気に包まれます。一方、港の周辺には近代的なホテルやレストランが立ち並び、活気あふれるエリアとなっています。新旧が見事に調和したフンシャルの街並みは、散策するだけでも心が躍るひとときを提供してくれるでしょう。

食の宝庫、マデイラの味覚

旅の醍醐味といえば、美味しい食事は欠かせません。マデイラ島は、豊かな海の幸と山の幸に恵まれたグルメの宝庫でもあります。ぜひ味わっていただきたいのが名物料理「エスぺターダ」。牛肉の大きな塊を月桂樹の串に刺して炭火で豪快に焼き上げる伝統料理で、香ばしい香りとジューシーな肉汁が堪りません。また、近海で獲れるタチウオの一種「エスパーダ」も欠かせない一品です。見た目はやや独特ですが、白身は淡白で上品な味わい。揚げたり焼いたりして楽しめ、とくにバナナを添えたソテーはマデイラならではのユニークな料理です。

そしてマデイラ島を語るうえで忘れてはならないのが、世界三大酒精強化ワインのひとつに数えられる「マデイラ・ワイン」です。長い船旅でも品質が劣化しないようにアルコールが添加されたのがその始まりで、加熱熟成を経て生まれる独特の風味と豊かなコクが特徴です。食前酒に適したドライなタイプから、デザートに合う甘口まで多彩なバリエーションがあり、ワイナリーでのテイスティングを楽しむのもおすすめです。

空へ続く道、テレフェリコ・ド・フンシャル

さて、マデイラ島の魅力を感じたところで、いよいよ本題となるテレフェリコについてご紹介します。フンシャルの海岸線近く、旧市街の東端にある乗り場から、標高およそ550メートルのモンテの丘までを、わずか15分ほどで結んでいます。正式名称は「Teleférico do Funchal」ですが、地元の人々や観光客の間では単に「テレフェリコ」と呼ばれ、日常の重要な交通手段として親しまれています。

このテレフェリコは、2000年に運行を開始しました。それ以前は、モンテへは曲がりくねった急勾配の坂道を車やバスで登るしかなく、時間もかかっていました。しかし、このテレフェリコの開通によって、フンシャル中心部からモンテの観光スポットへのアクセスが劇的に改善されました。全長は約3,200メートルで、8人乗りのゴンドラが次々に出発し、眼下に広がる絶景を思う存分堪能できます。

さあ乗車!チケット購入から天空の旅へ

旅の計画を立てる際、具体的な手順を知っておくことは非常に大切です。ここでは、私が実際に体験したチケット購入から乗車までの流れを詳しく解説します。これを読めば、スムーズに天空の旅をスタートできることでしょう。

チケットの種類と購入方法

テレフェリコのチケットには、いくつかの種類があります。

  • 片道(One Way): モンテまでの上り、または下りのみを利用する方に適しています。特に下りは後述の名物・トボガン(籠そり)を利用する人たちに人気です。
  • 往復(Return): 最も一般的なチケットで、モンテ観光後に再びテレフェリコでフンシャルへ戻る方に向いています。
  • セット券: テレフェリコの往復チケットと、モンテにある「モンテ宮殿熱帯庭園」や「マデイラ植物園」の入場券が一緒になったお得なパッケージもあります。両施設を訪れる予定のある方には、こちらの購入がおすすめです。

チケット購入の方法は主に3つです。

  • 乗り場の窓口: 最も分かりやすい方法で、乗り場施設内のチケットカウンターでスタッフに希望のチケットを伝えて購入します。現金(ユーロ)またはクレジットカードが利用可能で、簡単な英語も通じます。「Return ticket, please.(往復券をください)」と伝えれば十分です。
  • 自動券売機: 窓口が混雑している場合に便利な方法です。言語選択で英語を選び、画面の指示に従って操作すれば簡単に購入可能です。現金とカードの両方に対応しています。
  • オンライン予約: 事前に計画を立てたい方や、ハイシーズンの混雑を避けたい場合に便利です。公式サイトのMadeira Cable Carで購入手続きができ、購入後に送られてくるEチケット(QRコード)をスマートフォンに保存すれば、当日は列に並ばず直接乗り場へ進めます。時間を有効に使いたい方には特におすすめの方法です。

料金は変動することがありますが、2024年時点では大人の往復チケットが18ユーロ前後です。最新の料金は公式サイトで確認するのが確実です。

準備・持ち物・服装について

テレフェリコの旅を存分に楽しむために、少しの準備が役立ちます。アパレル業界で働く私から、いくつかのポイントをご紹介します。

  • 服装: フンシャル市街地は暖かくても、モンテの丘の上は少し肌寒く感じることがあります。特に風の強い日や曇天時は気温差が大きくなるため、薄手のカーディガンやウインドブレーカーなど、軽く羽織れるものを持参すると安心です。また、モンテの庭園などを歩く際は、足元が歩きやすいスニーカーが最適です。石畳の道が多いため、ヒールの靴は避けたほうが無難です。
  • 持ち物:
  • カメラ・スマートフォン: 絶景を写真に収めるために必須です。バッテリー残量を事前に確認しておきましょう。
  • 日焼け止め・サングラス・帽子: マデイラの日差しは想像以上に強烈です。ゴンドラ内は日よけがないため、紫外線対策は特に念入りに。
  • 水: 特に夏場はこまめな水分補給が必要です。乗り場や山頂でも購入できますが、1本持ち歩くと便利です。
  • 現金: 山頂の小さなカフェやお土産屋さんでは、カード不可の場合が稀にあります。少額の現金を持っておくと安心です。

禁止事項とルール

安全かつ快適な利用のために、いくつかルールがあります。ゴンドラ内での飲食や喫煙は禁止です。また、大きなスーツケースなどの大型荷物は持ち込みできないケースがあるため、身軽な装いで訪れるのがおすすめです。ペット同伴については、小型ケージに入れている場合など特定条件で許可されることもありますが、事前に公式サイトの規定を確認しておくと安心です。

眼下に広がる絶景パノラマ

チケットを手に乗車口へ向かい、スタッフの案内に従ってゆっくりと近づくゴンドラに乗り込みます。ドアが静かに閉まると、ふわりと浮くような感覚とともにゴンドラは滑らかに上昇を開始します。この瞬間、旅への期待が最高点に達するでしょう。

最初に見えるのは、すぐ目の前に広がる旧市街の屋根群です。赤やオレンジ色の瓦屋根がパッチワーク状に並び、その合間を細い路地が縫うように走っています。洗濯物が風に揺れる生活感あふれる風景がだんだんと遠ざかり、まるで鳥になって街を上空から見下ろしているような不思議な感覚に包まれます。

高度が上がるにつれて視界は一気に広がります。フンシャルの港に停泊する巨大なクルーズ船がまるでおもちゃのように小さく見え、その向こうにはどこまでも続く大西洋の深い青色が広がっています。太陽の光に照らされてキラキラと輝く海面は、まさに「大西洋の真珠」と呼ぶにふさわしい美しさ。この景色を眺めているだけで、日常の悩みがすべて小さく感じられます。

右手側には、フンシャルの街を囲むように緑豊かな山々が迫ります。急斜面に立ち並ぶ家々や段々畑が見え、厳しい自然環境の中で育まれた人々の暮らしが垣間見えます。時にはゴンドラが民家の庭先やバナナ畑の真上を通ることもあり、マデイラの生活を間近に感じられるのもこのテレフェリコの魅力の一つです。

約15分の空中散歩はあっという間に感じられるかもしれませんが、その短い時間の中にフンシャルの街の魅力やマデイラの大自然、そして人々の温かい生活がぎゅっと詰まっています。シャッターチャンスは無限大ですが、ぜひ数分だけでもカメラを置いて、目と心でこの壮大なパノラマを味わってください。風の音や遠くの街のざわめき、そして目前に広がる鮮やかな色彩の洪水。この五感で味わう体験は、きっと忘れられない思い出となるでしょう。

天上の楽園、モンテの丘を巡る

monte-hill-paradise

テレフェリコの山頂駅に降り立つと、フンシャル市街地とは異なる、ひんやりと澄んだ空気が出迎えてくれます。モンテは、19世紀にヨーロッパの富裕層が避暑地として訪れた高級リゾートとして知られていました。その名残を感じさせる優雅な邸宅や美しい庭園が点在し、訪れる人々を惹きつけています。テレフェリコで登ってきたからこそ楽しめる、モンテの丘の見どころをじっくりご案内いたします。

モンテ宮殿熱帯庭園(Monte Palace Tropical Garden)

山頂駅を出てすぐの場所に広がっているのが、「モンテ宮殿熱帯庭園」です。ここは単なる庭園にとどまらず、世界各地から集められた植物と東洋の美術、さらにポルトガルの伝統が絶妙に融合した、まさに芸術的な空間になっています。広大な敷地内には日本の庭園を模したエリアがあり、赤い太鼓橋や灯篭、鯉が泳ぐ池が配されていて、遠く離れたポルトガルの地で日本の美を感じることができます。

園内のあちこちで見られるのが、ポルトガル伝統の装飾タイル「アズレージョ」です。なかでも、ポルトガルの歴史を年代順に描いた巨大なパネル群は圧巻の一言。一枚一枚丹念に描かれたタイルアートを眺めながら歩くと、まるで美術館の中を散策しているかのような気分に浸れます。アパレルデザインにも通じる、その色彩感覚や構図の美しさには、思わず息をのんでしまうほどです。

園内には世界各国の珍しい植物が巧みに配置されています。マデイラ固有の植物はもちろんのこと、南アフリカのプロテアやスコットランドのヒース、ベルギーのアザレアなど、多彩なコレクションが揃っています。緑豊かな小道を歩きながら滝の音に耳を澄ませ、美しい花々の香りに包まれる時間は、心から癒されるひとときとなるでしょう。庭園は非常に広大で見どころも多いため、少なくとも2〜3時間は見積もることをおすすめします。園内にはカフェもあり、美しい景色を眺めながらの休憩も格別です。詳細は公式サイトMonte Palace Madeiraにてご確認ください。

ノッサ・セニョーラ・ド・モンテ教会

モンテ宮殿熱帯庭園から少し歩いた丘の最も高い場所にそびえるのが「ノッサ・セニョーラ・ド・モンテ教会」です。18世紀に建てられたバロック様式のこの美しい教会は、マデイラの守護聖女が祀られ、島の人々にとって重要な巡礼地のひとつとされています。白と黒の鮮やかなコントラストを描くファサードと、ふたつの鐘楼が印象的です。

教会の正面には長く続く階段があり、熱心な信者が膝をついて登る姿も見られます。この階段を昇り切ると、素晴らしい眺望が広がります。教会の中から見下ろすフンシャルの街並みと海の光景は、テレフェリコからの眺めとはまた異なる趣があり、心が荘厳な気持ちに包まれます。教会内部の装飾も見事で、特に銀製の祭壇は圧巻です。またここには、オーストリア=ハンガリー帝国最後の皇帝カール1世が亡命の末に眠る棺も安置されています。歴史の舞台となった場所を訪れることで、旅の深みが一層増すことでしょう。

もうひとつの空の路線、マデイラ植物園へ

実はモンテにはもうひとつ、テレフェリコが存在することをご存知でしょうか。モンテ宮殿熱帯庭園の近くから、さらに別の谷を越えて「マデイラ植物園(Jardim Botânico da Madeira)」へ向かうロープウェイです。時間に余裕があり、植物に興味が深い方には、この空中散歩もぜひ体験してほしいおすすめのアクティビティです。谷の深さを見下ろしながら進むゴンドラは、フンシャルからのテレフェリコとはまた違ったスリルと絶景を堪能できます。

マデイラ植物園は、その名のとおり世界各地の植物、特にマデイラ諸島固有の希少植物を体系的に収集し展示しています。幾何学的な模様で美しくデザインされた花壇は、まるで巨大な花の絨毯のような壮観さです。園内には鳥類公園も併設されており、鮮やかな色彩のインコやオウムに出会うことも珍しくありません。植物好きにはたまらない、知的好奇心を刺激するスポットです。

モンテ名物!トボガンでスリル満点のダウンヒル

モンテの丘で十分に楽しんだ後の下山手段として、ぜひ試していただきたいのが、マデイラの名物「トボガン(Carreiros do Monte)」です。これは柳の枝で編まれた二人乗りの籠そりに乗り、急傾斜の坂道を滑り降りるという、世界的にも珍しいユニークな乗り物です。

その起源は19世紀にまで遡り、当時はモンテの住民がフンシャルへ迅速に移動するための交通手段として用いられていました。現在ではマデイラを象徴する観光スポットとなり、世界中から多くの観光客が訪れます。乗り場はノッサ・セニョーラ・ド・モンテ教会の階段下に位置し、白い制服とカンカン帽を身に着けた「カレイロス」と呼ばれる2名の男性が、そりの操縦とブレーキ操作を担当しています。

石畳の路面を巧みな足捌きでコントロールしながらスピードを上げて滑り降りる様子は迫力満点で、カーブでは遠心力で身体が大きく揺さぶられ、思わず歓声を上げてしまうほどです。しかし、熟練のカレイロスによる操縦で安全性はしっかり確保されています。風を切りながら坂を下る爽快感と、どこか懐かしさを感じさせる乗り心地は、一度体験すると忘れられない思い出となるでしょう。

約2キロのコースを約10分で滑り降りた先の終着点はリヴラメント地区です。ただし、ひとつ注意点があります。トボガンの終着地はフンシャルの中心部から少し離れており、そこから中心街へ戻る際は、待機しているタクシーを使うか、歩いてバス停まで行き路線バスを利用する必要があります。タクシーは料金がやや高めに設定されることがあるため、乗車前に料金を確認したり、メーター使用を依頼するのが賢明です。特に女性の一人旅の場合は、明朗会計のバスを利用するのも安心できる選択肢でしょう。このユニークな体験は、旅の中でも特に印象深いハイライトとなること間違いありません。

旅を成功させるための実践ガイド

kyoto-travel-guide

ここまでテレフェリコの魅力やモンテの楽しみ方についてお伝えしてきましたが、最後に、あなたの旅がより快適でスムーズに進むよう、具体的な情報を整理しておきましょう。

天候およびトラブル時の対応について

マデイラ島は「山の天気は変わりやすい」という表現がよく似合います。特にモンテの丘周辺は霧がかかりやすく、突然の雨に見舞われることも珍しくありません。テレフェリコは強風や悪天候の場合、安全を考慮して運行を休止することがあります。もし事前にオンラインで購入したチケットの運休が発生した際には、払い戻しや別の日への振替が可能です。手続きについては公式サイトの問い合わせフォームや現地のチケット売り場でご確認ください。公式サイトVisit Madeiraには最新の観光情報や緊急連絡先も記載されているため、ぜひブックマークしておくことをおすすめします。

代替手段としては、フンシャル市内からモンテ方面へ向かう路線バスが運行しています。時間はかかりますが、窓からの景色を楽しみつつ地元の人々の足として丘を登る体験はまた違った趣があります。余裕を持ったスケジュールで柔軟に対応できるプランを立てることが、充実した旅の秘訣です。

テレフェリコ周辺の楽しみ方

テレフェリコの旅は、乗車時間だけが醍醐味ではありません。その前後の時間もまた、マデイラの魅力を堪能する絶好の機会です。

出発点・フンシャル旧市街(Zona Velha)

テレフェリコの乗り場がある旧市街は、石畳の細い路地が入り組む趣深いエリアです。特に注目したいのが「アートな扉プロジェクト(Arte de Portas Abertas)」。このプロジェクトは、古い建物の扉に地元アーティストが絵を描き、街全体を一つのギャラリーに仕立てる取り組みです。唯一無二のカラフルで個性的な扉を探しながら散策するのは、まるで宝探しのような楽しみがあります。アートやおしゃれが好きな方には、特におすすめの散策ルートです。

さらに、このエリアには新鮮なシーフードを提供するレストランや、地元の人々が集う小さなバーが多数点在しています。テレフェリコに乗る前や降りた後に、マデイラ料理や地元ワインを味わいながら一息つくのも至福のひとときです。少し歩くと、色とりどりの果物や花、活気あふれる魚市場が広がる「ラヴラドーレス市場(Mercado dos Lavradores)」があり、マデイラの暮らしを身近に感じることができるでしょう。

空と海と緑に抱かれる、忘れられない時間を

フンシャルのテレフェリコは、ただの移動手段にとどまりません。わずか15分という短時間で、マデイラ島が持つ多層的な魅力を劇的に映し出す、壮大な物語の序章とも言える体験です。ゴンドラがゆっくりと高度を上げるにつれて、私たちの視点も心も日常の世界から解き放たれていきます。

眼下に広がるオレンジ色の屋根の群れ、果てしなく広がる青い大西洋、そして生命力に満ちた山々の緑が織りなす景色は、一枚の絵画のように完璧で、訪れる者の心に深く刻み込まれます。モンテの丘に降り立てば、そこには歴史と自然が調和する静かな楽園が広がっています。美しい庭園を散策し、荘厳な教会で祈りを捧げ、トボガンに乗って風を感じる—こうした体験が、あなたの旅をかけがえのない思い出にしてくれるでしょう。

マデイラ島を訪れた際は、ぜひ時間をかけてこの天空の散歩を楽しんでみてください。ゴンドラの窓から吹き込む心地よい風を感じながら、移り変わる景色に身をまかせる。それは、この島の本当の美しさと豊かな魅力を知るための、最高のショートカットとなるはずです。あなたのマデイラ島での一日が、空の上から始まる輝かしい時間となりますように。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いたトラベルライター

アパレル企業で培ったセンスを活かして、ヨーロッパの街角を歩き回っています。初めての海外旅行でも安心できるよう、ちょっとお洒落で実用的な旅のヒントをお届け。アートとファッション好きな方、一緒に旅しましょう!

目次