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天空の隠れ里、マデイラ島ヌンズバレーへ。絶景と歴史が織りなす神秘の谷を歩く旅

大西洋に浮かぶ緑豊かな島、マデイラ。その美しさから「大西洋の真珠」と称えられるこの島の心臓部に、ひっそりと息づく谷があります。その名は「クッラル・ダス・フレイラス」、日本語で「修道女の谷」を意味するヌンズバレー。切り立った険しい山々に四方を囲まれ、まるで時が止まったかのような静寂と、息をのむほどの絶景が広がる場所です。

かつて海賊の襲撃から逃れた修道女たちが安住の地としたこの谷は、単なる景勝地ではありません。そこには人々の祈りと生活の歴史が深く刻まれ、訪れる者の心に静かな感動を与えてくれます。フンシャルの喧騒から少し足を延せば出会える、もうひとつのマデイラの顔。今回は、そんな神秘的なヌンズバレーの魅力を、展望台からの絶景、谷底の村歩き、そしてアクティブなハイキングまで、余すところなくご紹介します。この記事を読めば、きっとあなたも天空の隠れ里への旅の扉を開きたくなるはずです。さあ、一緒にマデイラの奥深くへと分け入る旅に出かけましょう。

旅の計画を立てる際には、マデイラ島での宿泊先選びも重要なポイントとなるでしょう。

目次

ヌンズバレーとは?歴史に隠された修道女たちの聖域

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ヌンズバレーはポルトガル語で「Curral das Freiras」と呼ばれ、この詩情あふれる地名は直訳すると「修道女の囲い」または「修道女の谷」を意味します。その名前の由来は16世紀にまで遡ります。当時、マデイラ島の中心地であるフンシャルは、頻繁に海賊の襲撃に苦しんでいました。特に1566年、フランスの海賊ベルトラン・ド・モンリュック率いる一団がフンシャルを襲撃し、街は破壊と略奪に見舞われます。この際、フンシャルのサンタ・クララ修道院にいた修道女たちは、貴重な聖遺物や財産を携えて、島の内陸のより安全な場所へ逃げ込みました。

彼女たちが辿り着いたのがこの谷です。標高1000メートルを超える険しい山々に囲まれ、外部からの侵入が極めて困難なこの地は、まさに天然の要塞といえます。谷は深く、空の上から見下ろさなければ存在に気づくことも難しいでしょう。修道女たちはこの隠れ里に身を寄せ、海賊の脅威が去るまで静かに祈りを捧げる日々を過ごしたと伝えられています。この歴史的な出来事がきっかけで、この谷は「修道女の谷(ヌンズバレー)」と呼ばれるようになったのです。

地質学的には、この巨大な渓谷は太古の火山噴火口が長い年月をかけて浸食された結果、あるいは大規模な地滑りによって形成されたものと考えられ、諸説が存在します。いずれにせよ、その圧倒的な規模と劇的な地形は自然の力の偉大さを物語っています。現在、谷底には約2000人が暮らす小さな村があり、かつての隠れ里はマデイラ島を訪れる観光客を惹きつける名所となっています。しかし村に足を踏み入れると、今なお外界から切り離されたような穏やかで素朴な雰囲気が漂い、修道女たちがこの地に安らぎを求めた理由を実感できるでしょう。

息をのむ絶景!ヌンズバレーを望む2大展望台

ヌンズバレーの真価を味わうなら、まずは谷全体を一望できる展望台からの眺めを楽しむのがおすすめです。まるで神の目線で見下ろすかのような壮大なパノラマが広がっています。ここでは特に代表的な2つの展望台をご紹介します。

エイラ・ド・セラード展望台 (Miradouro da Eira do Serrado)

ヌンズバレー観光の目玉といえば、このエイラ・ド・セラード展望台からの景色が挙げられます。標高1,095メートルに位置し、フンシャルから最もアクセスしやすい展望スポットとして多くの観光客で賑わいます。駐車場から展望台までは整備された短い遊歩道があり、数分歩くだけで驚くような絶景が目の前に広がります。

展望台の柵の向こうには、深くえぐられた大きな谷が横たわり、その谷底にはまるでミニチュアのようにヌンズバレーの村々が寄り添うように見えます。白壁にオレンジ色の屋根を持つ家々、小さな教会、段々畑が点在し、それらを囲むのは垂直に切り立つ岩肌の山々です。天候次第では谷を覆う雲海が広がり、山頂だけが雲の上に浮かぶ幻想的な光景にも出会えます。その眺めはまさに天空の城ラピュタの世界観を思わせます。風の音以外何も聞こえない静寂の中、この絶景と向き合うと、自分の小ささを実感すると同時に自然との一体感に包まれる不思議な感覚が味わえます。

展望台へのアクセスと楽しみ方

フンシャル市街地からは、公共バス81番線がこの展望台近くまで運行しており、所要時間は約40~50分です。曲がりくねった山道を登るため、車窓からの風景も楽しめます。バスの時刻表はHorários do Funchal公式サイトで事前に確認することをお勧めします。特に帰路のバスの時間はあらかじめ把握しておくと安心です。本数が少ないため、乗り遅れた場合はタクシーなど別の手段を考える必要があります。

展望台の隣には「Estalagem Eira do Serrado」というホテルがあり、館内にはカフェやレストラン、ギフトショップが併設されています。絶景を眺めながらのコーヒータイムやマデイラワインを楽しむひとときは格別です。また、ヌンズバレーの名物である栗を使ったケーキやリキュールもここで味わえます。標高が高いため、夏場でもフンシャル市内より涼しく風が強いことが多いので、羽織るものを持参するとよいでしょう。突然の雨に備え、折りたたみ傘やレインウェアも持っていくと安心です。

パレドス展望台 (Miradouro do Paredão)

エイラ・ド・セラードが「定番」と言える展望台ならば、こちらパレドス展望台はやや通好みと言える場所です。エイラ・ド・セラードよりも標高が高く、異なる角度からヌンズバレーの全景を望めます。主要道路から少し外れた場所にあり、主にハイキングコースの途中で立ち寄るスポットとして知られています。

ここからの眺めはより野性味あふれ、雄大な印象を受けます。エイラ・ド・セラードでは見えなかった谷の別側面や、遠く連なるマデイラの中央山脈まで見渡せるのが特徴です。訪れる人が比較的少なく、静かにゆったりと絶景を独り占めできる可能性が高いのも魅力のひとつ。健脚で少し冒険を楽しみたい方には、パレドス展望台を目指すハイキングにチャレンジするのも一層豊かな体験となるでしょう。ただし、アクセスには自動車か、しっかりとしたハイキングの準備が必要です。

谷底の村へ。ヌンズバレーの村を歩く

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展望台からその眺めを楽しんだ後は、ぜひ谷底にある村「クッラル・ダス・フレイラス」へ足を運んでみてください。バスや車で曲がりくねった道を下ると、先ほどまでミニチュアのように見えていた村が、生活感あふれるリアルな姿で目の前に広がります。

栗の恵みと地元の味覚を堪能する

ヌンズバレーの村で欠かせない話題のひとつが「栗(Castanha)」です。この土地のやせた土壌でもよく育つ栗は、昔から村人にとって貴重な食料であり、暮らしに深く根付いてきました。村を歩けば、至るところで栗を使った料理やお菓子、飲み物に出会えます。

ぜひ味わっていただきたいのが、濃厚で心温まる「栗のスープ(Sopa de Castanha)」。また、素朴で優しい甘さが魅力の「栗のケーキ(Bolo de Castanha)」もおすすめです。村のカフェやレストランのメニューには、ほとんどの場合、栗を使った一品が並んでいます。さらに、食後酒として人気の栗リキュールも見逃せません。アルコール度数は高めですが、香ばしい栗の風味が口いっぱいに広がります。お土産としても喜ばれるため、小さなボトルをひとつ購入してみるのもよいでしょう。

毎年11月1日には、収穫を祝う「栗祭り(Festa da Castanha)」が盛大に開催されます。この時期に訪れると、村中が焼き栗の香ばしい香りに包まれ、伝統的な音楽やダンスとともに、さまざまな栗料理の屋台を楽しめます。タイミングが合えば、ぜひこの祭りを狙って訪れてみてください。なお、お祭りの詳細な日程はマデイラ観光局の公式サイトなどでご確認いただけます。

レストランやカフェでのポイント

村のレストランやカフェは家庭的な雰囲気の店が多いです。英語メニューを用意している店もありますが、簡単なポルトガル語の挨拶(こんにちは:Olá、ありがとう:Obrigado/Obrigada)を覚えておくと、よりスムーズにコミュニケーションがとれます。小規模なお店ではクレジットカードが使えない場合もあるため、多少の現金(ユーロ)を持参するのが安心です。

村の中心部と教会を散策する

ヌンズバレーの村は非常に小さく、30分ほどで中心部を一周できます。観光地として整備された場所というよりは、住民の日常がそのまま息づく素朴な空気感が魅力です。石畳の細い路地を自由に歩きながら、地元の人々の生活を垣間見るのも楽しいひとときです。

村の中心には、18世紀に建てられた「ノッサ・セニョーラ・ド・リヴラメント教会(Igreja de Nossa Senhora do Livramento)」が静かに佇んでいます。華美な装飾はありませんが、そのシンプルな佇まいからは、この谷の歴史や人々の信仰の深さが伝わってきます。内部に入って、静かな祈りの空間で心を落ち着けるのも良いでしょう。

散策の際は、ここが人々の生活の場であることを忘れずに行動してください。民家の敷地に無断で立ち入ったり、住民の写真を無遠慮に撮影したりすることは控え、静かに敬意を払って歩くことが大切です。また、村内にはゴミ箱が少ない場所もあるため、自分の出したゴミは必ず持ち帰るマナーを守りましょう。

ヌンズバレーをアクティブに楽しむ!ハイキング&トレッキング

マデイラ島といえば、「レヴァダ」と呼ばれる灌漑用水路沿いのウォーキングが名高いですが、ヌンズバレー周辺では、より本格的な山岳ハイキングを体験できます。展望台からの絶景に魅了されたなら、次は自らの足でその雄大な自然の中を歩いてみてはいかがでしょうか。

エイラ・ド・セラードからの下り道

最も人気が高く、初心者でも挑戦しやすいのが、エイラ・ド・セラード展望台から谷底のヌンズバレー村へと続く古道を下るハイキングルートです。このルートはかつて村と外部を結ぶ主な道であり、大部分が石畳で整備されています。距離は約2キロメートルですが、急な下り坂が連続するため、足元には十分な注意が必要です。

所要時間は下りで約1時間から1時間半。谷の息を呑むような景色を絶えず楽しみながら歩ける、贅沢なコースです。木々の間から時折見える村の姿は、一歩一歩近づくにつれて徐々に大きく鮮明に映ってきます。自分の足で谷底にたどり着く達成感は、バスで下るのとは異なる格別なものになるでしょう。ただし、下りとはいえ膝には大きな負担がかかるため、トレッキングシューズの使用を強くおすすめします。また、雨の後は石畳が滑りやすくなるので、天候には十分注意してください。

上級者向けトレイル:ピコ・グランデへの挑戦

さらに本格的な登山を望む健脚なハイカーには、ヌンズバレーを起点としてマデイラ島で3番目に高い山、ピコ・グランデ(標高1,654メートル)を目指すルートがあります。往復で6~7時間かかる本格登山コースで、しっかりとした準備と十分な体力、経験が求められます。しかし、山頂からはヌンズバレーはもちろん、マデイラ島中央山脈の360度の大パノラマも堪能できます。挑戦する際は、信頼できるガイドが同行するツアーに参加するか、詳細な地図やGPSを携行し、天候を慎重に見極めることが不可欠です。特に経験が浅い場合は、単独での挑戦は避けるべきです。

ハイキングの準備と持ち物リスト

ヌンズバレー周辺のハイキングに臨む際は、慎重な準備が大切です。山の天気は非常に変わりやすく、フンシャルの晴天が突然変わることも少なくありません。

  • 必携アイテム
  • トレッキングシューズ:足首をしっかり支え、滑りにくい靴底のもの。スニーカーは避けましょう。
  • 十分な飲料水:最低でも1.5リットルを用意してください。
  • 行動食:ナッツ、ドライフルーツ、エナジーバーなど、手軽にエネルギー補給できるもの。
  • レインウェア:防水・防風性能のあるジャケットとパンツで、急な雨や風から身を守ります。
  • 防寒着:フリースなど軽量で保温性の高い衣服。標高が上がると気温が急激に下がるため必須です。
  • 地図とコンパス、またはGPSアプリ:オフラインでも利用できる地図は必ずダウンロードしておきましょう。
  • あると便利なアイテム
  • トレッキングポール:特に下り坂で膝の負担を軽減します。
  • 日焼け止め、帽子、サングラス:標高が高い場所では紫外線が強いため対策が必要です。
  • ヘッドランプ:万が一、日没後に行動する場合に備えて持参しましょう。
  • 簡易救急セット:絆創膏、消毒液、鎮痛剤などを準備しておくと安心です。

トラブル発生時の対応

万が一道に迷った場合は、慌てず冷静に行動してください。来た道が分かる場合は、安全に戻れるポイントまで慎重に引き返すのが基本です。怪我をして動けない場合や完全に道が分からなくなった場合は、その場で動かず救助を待ちましょう。マデイラ島の緊急通報番号は「112」ですので、携帯電話に登録しておくことをおすすめします。また、安全確保のため、出発前に必ずホテルのスタッフなど信頼できる人に行き先と帰着予定時刻を伝えておくことが重要です。

ヌンズバレーへのアクセス完全ガイド

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フンシャルからヌンズバレーへアクセスする方法は主に公共バス、レンタカー、タクシー、現地ツアーの4種類があります。それぞれの利点と欠点を把握し、ご自身の旅行スタイルに合った方法を選びましょう。

公共バス(Horários do Funchal)

最もコストパフォーマンスに優れ、地元の雰囲気を楽しめるのが公共バスです。フンシャル中心部のアヴェニダ・ド・マール(Avenida do Mar)沿いのバス停などから、81番線のバスに乗車します。この路線はヌンズバレーの谷底の村まで運行し、途中でエイラ・ド・セラード展望台付近も通ります。

  • 利用方法と注意点: チケットは乗車時に運転手から現金で購入可能ですが、お釣りが出ないこともあるため、小銭を用意しておくと便利です。観光客向けのプリペイドカード「Giro Card」も利用できます。料金は片道約3.35ユーロ(2024年現在)ですが変動する場合があるため、乗車時に必ず確認しましょう。所要時間は目的地によって異なりますが、展望台まで約40分、谷底の村までは約50分が目安です。山道を走るため揺れが激しく、乗り物酔いしやすい方は酔い止めを持参すると安心です。バスの本数は1〜2時間に1本程度と限られているため、観光情報サイトなどで最新時刻表を事前に確認し、計画をしっかり立てておくことが大切です。

レンタカー

時間に縛られず、自分のペースで自由に島内を巡りたい方にはレンタカーがおすすめです。ヌンズバレーに向かう途中には絶景スポットが数多く点在しており、気に入った場所で自由に停車して写真撮影や景色を楽しめるのがレンタカーの魅力です。

  • 手続きと注意事項: レンタカー利用には日本の運転免許証と国際運転免許証が必要です。予約は空港、フンシャル市内の営業所、あるいはオンラインで行えます。マデイラ島の道路は幅が狭く、急勾配やヘアピンカーブが多いことで知られています。特にヌンズバレーへ向かう山道は運転経験者でも慎重を要します。対向車とすれ違う場面も多いため、自信のない方は無理せず他の移動手段を検討したほうがよいでしょう。エイラ・ド・セラード展望台や村の中心部には無料駐車場が設けられていますが、観光シーズンは混雑が予想されます。

タクシーまたは配車アプリ

快適さと利便性を重視するならタクシーが有力な選択肢です。運転手と交渉して、展望台や村を巡るチャーターサービスを依頼することも可能です。料金は公共バスより高額になりますが、人数が多ければ割安となることもあります。フンシャル市内ではBoltなどの配車アプリも普及しており、タクシーより安価に利用できる場合があります。ただし、ヌンズバレーのような山間部では帰りの車を呼びにくいケースもあるため、その点は計画に加味しておきましょう。

現地ツアー

運転の心配なく効率的に観光したい方には、現地ツアーへの参加が最も手軽で安心です。フンシャル発の半日または一日ツアーが多数催行されており、ヌンズバレーは非常に人気のある観光地の一つです。多くのツアーでは断崖絶壁のカボ・ジラン(Cabo Girão)や、カラフルな漁村カマラ・デ・ロボス(Câmara de Lobos)など他の名所と組み合わせています。

  • 予約方法とメリット: ツアーはホテルのフロントやフンシャル市内のツアー会社、またGetYourGuideなどのオンライン予約サイトで簡単に申し込めます。ガイドが歴史や文化を丁寧に解説してくれるため、ヌンズバレーの魅力をより深く理解できる点が大きな利点です。移動手段や時間の心配をせず、観光に専念できるのも魅力の一つです。

ヌンズバレー観光のモデルプラン

どう巡るのが効率的かイメージしづらい方へ向けて、具体的なモデルプランを二つご紹介します。

半日で満喫!絶景とグルメの定番コース

  • 午前9:00:フンシャル発、81番のバスに乗車。
  • 午前9:45:エイラ・ド・セラード展望台に到着。天空のパノラマを30分から1時間程度じっくり楽しみ、カフェでひと息つくのもおすすめです。
  • 午前11:00:展望台から谷底の村へ向けて約1時間のハイキング、もしくは次のバスを待って村へ移動。
  • 午後12:00:ヌンズバレー村に到着。村のレストランで名物の栗のスープや地元料理のランチを味わいます。
  • 午後1:30:村の中心部を散策。教会を訪れたり、お土産店をのぞいたりして過ごします。
  • 午後2:30:帰路のバスに乗ってフンシャルへ戻ります。

1日かけてアクティブに!絶景ハイキングコース

  • 午前9:00:フンシャルからバスでエイラ・ド・セラード展望台へ出発。
  • 午前10:00:展望台での景色を堪能した後、ヌンズバレー村へ向けてハイキングを開始。
  • 午前11:30:村に到着し、まずはゆったりランチ休憩。
  • 午後1:00:村を散策した後、村周辺の別のハイキングコースを1〜2時間ほど歩くか、もしくは村でのんびり過ごし、カフェで読書なども楽しめます。
  • 午後4:00:最終バスの時間を確認し、フンシャルへ戻る準備。
  • 午後4:30:バスに乗車してフンシャルに帰着。

旅のヒント:女性ライター亜美のワンポイントアドバイス

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せっかくの素晴らしい旅なら、快適でおしゃれに、そして何より安全に楽しみたいものです。アパレル業界で働く私から、少しだけアドバイスをお伝えします。

ファッションと持ち物のポイント

ヌンズバレーは絶景が楽しめるだけでなく、本格的な山岳地帯でもあります。ファッション性と機能性のバランスが大切です。

  • レイヤード(重ね着)が基本です:標高差が大きいため、簡単に脱ぎ着できる服装が欠かせません。薄手の長袖Tシャツに、保温性に優れたフリースや軽量ダウンジャケット、防風・防水性能を持つシェルジャケットを重ねるのが理想的です。これで暑さや寒さの変化にも柔軟に対応できます。
  • 足元はデザイン性のあるトレッキングシューズを:機能面はもちろんですが、近年は見た目にも優れたトレッキングシューズが豊富にあります。ブラウンやブラックなど落ち着いた色合いを選べば、街歩きの際も違和感なく使えます。
  • 小物でアクセントを加えましょう:機能重視の装いはどうしても色味が抑えられがちです。そこで、鮮やかな色のスカーフやニット帽を取り入れてみてください。首元を暖かく保つ実用性とともに、写真映えもぐっと良くなります。UVカット機能のあるストールも日差し対策におすすめです。

安全対策と注意事項

マデイラ島は全体的に治安が良好ですが、基本的な防犯意識は忘れないようにしましょう。

  • 貴重品の管理を徹底する:バスなどの公共交通機関や展望台といった人が多く集まる場所ではスリに注意が必要です。リュックは前に抱える、貴重品は内ポケットに入れるなど、基本的な対策を心掛けてください。
  • ハイキング時の安全確保:女性一人でのハイキングは、できるだけ人が多いメジャーなルートを選びましょう。また、日没前に下山できるよう、早めに出発することが重要です。万が一に備え、携帯電話のバッテリーはフル充電にしておき、モバイルバッテリーの持参も安心につながります。
  • 緊急連絡先を必ず携帯する:ポルトガルの緊急通報番号「112」はもちろん、滞在先のホテルの連絡先や、クレジットカードの紛失・盗難対応デスクの番号もメモして持ち歩くと、いざという時に慌てずに済みます。

ヌンズバレーの先へ、マデイラ島のさらなる魅力

ヌンズバレーの壮麗な風景に触れることは、マデイラ島の深遠な魅力を知るための素晴らしい入口となります。しかし、この島の魅力はそれだけにとどまりません。歴史的建造物が軒を連ねるフンシャルの旧市街を歩き、ケーブルカーでモンテの丘に登れば、美しいトロピカルガーデンが迎えてくれます。島全体に広がるレヴァダを辿れば、古代から続くラウリシルヴァの森の神秘に触れることができるでしょう。夏の暑い日には、ポルト・モニスの天然溶岩プールでの海水浴も絶好の楽しみです。

そして、忘れてはならないのがマデイラの食文化です。新鮮な魚介類、特にタチウオの「エスパーダ」や牛肉の串焼き「エシュペターダ」は格別の味わいを誇ります。地元産のサトウキビからつくられるラム酒「アグアルデンテ」を使ったカクテル「ポンシャ」で、地元の人々と乾杯するひとときも、心に残る思い出になるでしょう。ヌンズバレーで感じた大自然の偉大さを胸に、ぜひマデイラ島の多彩な魅力をさらに探索してみてください。この緑豊かな楽園は、あなたの期待をはるかに超える感動と発見で、きっと心を満たしてくれることでしょう。

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この記事を書いたトラベルライター

SimVoyage編集部は、世界を旅しながら現地の暮らしや食文化を体感し、スマホひとつで快適に旅する術を研究する旅のプロ集団です。今が旬の情報から穴場スポットまで、読者の「次の一歩」を後押しするリアルで役立つ記事をお届けします。

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