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天空の回廊を歩く。ポルトガル領マデイラ島、アリエイロ山絶景ハイキングのすべて

大西洋に浮かぶ常春の楽園、ポルトガル領マデイラ島。そのあまりの美しさから「大西洋の真珠」と謳われるこの島には、訪れる者を圧倒する大自然が息づいています。数ある魅力の中でも、私の心を掴んで離さないのが、島の屋根を縦走するハイキングコースからの眺め。特に、標高1818mのピコ・ド・アリエイロから始まる天空の散歩道は、まさに別格の体験でした。眼下に広がるのは、どこまでも続く雲の海。朝日を浴びて黄金色に輝く雲平線を眺めながら、地球の雄大さを肌で感じる。それは、単なる山歩きという言葉では表しきれない、魂が震えるような感動の連続でした。

この記事では、私が実際に歩いたアリエイロ山のハイキングコースについて、その準備からアクセス方法、そして息をのむような絶景、道中で交わした心温まる会話まで、余すところなくお伝えします。この記事を読み終える頃には、あなたもきっと、この天空の回廊を歩いてみたくなるはず。さあ、一緒にマデイラ島の頂を目指す旅に出かけましょう。

この天空の回廊を歩いた後は、神秘的な雰囲気に包まれたマデイラ島のヌンズバレーへ足を延ばすのもおすすめです。

目次

アリエイロ山ハイキングとは?天空を歩くということ

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マデイラ島のハイキングコースとして知られる「レヴァダ」と呼ばれる灌漑用水路沿いの道が有名ですが、今回ご紹介する「PR1 Vereda do Arieiro」はそれらとは一線を画し、島の最高峰エリアを結ぶ本格的なマウンテントレイルです。まず初めに、このコースがなぜ世界中のハイカーを惹きつけてやまないのか、その概要をご紹介しましょう。

マデイラ島の第3位の高峰から最高峰へと進むトレイル

このトレイルは、マデイラ島で3番目に高い山、ピコ・ド・アリエイロ(標高1818m)を起点とし、島最高峰のピコ・ルイヴォ(標高1862m)を目指す、まさに島の頂を歩くルートです。アリエイロ山の山頂までは車でアクセス可能なため、多くのハイカーはここからルイヴォ山を目指し、その先の駐車場アシャダ・ド・テイシェイラ(Achada do Teixeira)まで歩き切る片道コースを選びます。

コースの全長は約7kmですが、この数字だけで軽く見てはいけません。急なアップダウンが繰り返され、狭い尾根道や岩をくり抜いたトンネルなど、多様な地形が連続します。累積標高差はかなりのボリュームで、健脚な人でも3時間半から4時間ほどかかるのが一般的です。容易な道ではありませんが、その先には予想を超える絶景が待ち受けています。

雲海が広がる奇跡のロケーション

アリエイロ山の最大の魅力は、雲海に出会える確率が非常に高い点にあります。島の北東から湿った風が吹き込むことで、山の中腹に雲がたまりやすい地形となっているのです。特に風が穏やかな早朝は、まるで白い絨毯のような雲の海が眼下に広がることが多く、太陽の昇る時間にかけて刻々と変化する雲の動きは、まさに自然が見せる芸術作品のようです。日の出を狙って訪れる人が絶えない理由も納得できます。

私が訪れた際も、夜明け前は満天の星空が広がっていましたが、太陽が地平線から姿を現すと同時に、足元からぼわっと雲が立ち上り、瞬く間に360度の雲海に包まれました。その光景は非現実的で、まるで神々が棲む世界に迷い込んだかのような幻想を味わいました。

ハイキングの準備:完璧な旅はここから始まる

これほどの絶景が待ち受けているとはいえ、ここは標高1800メートルを超える本格的な山岳地帯です。十分な準備なしでは、この天空の回廊を安全に楽しむことは難しいでしょう。今回は、私が実際に用意した内容をもとに、適した服装や持ち物、そして心得ておくべきルールについて詳しくご紹介します。あなたの冒険が最高の思い出となるよう、しっかりとチェックしてください。

服装のポイント:ファッションと機能性の見事な融合

山の天候は非常に変わりやすいのが基本です。特にマデイラ島の山岳地帯では、麓のフンシャルが晴れていても、山頂では強風や霧、時には雨に遭遇することが多々あります。アパレル業界に身を置く私としては、機能性は大切にしつつ、気分が上がるスタイリッシュな装いを心がけたいところです。最も重要なのは「レイヤリング(重ね着)」です。

  • ベースレイヤー(肌着)

汗をかいてもすぐ乾くポリエステルなどの化学繊維やメリノウール素材の長袖シャツが理想的です。コットン素材は乾きにくく、濡れた状態で体温を奪ってしまうため避けるべきです。この「汗冷え」という現象は低体温症のリスクを高める非常に危険な状態です。デザイン性の高いアウトドアブランドのものを選べば、一枚で着てもおしゃれに決まります。

  • ミドルレイヤー(中間着)

体温調節の役割を果たす大切な一枚です。薄手のフリースや軽量ダウンジャケットがぴったりです。歩き始めは寒く感じても、登るにつれて体が温まります。暑くなったら脱いでザックにしまい、休憩時や風の強い場所で寒さを感じたらすぐに羽織れる着脱のしやすさが重要です。私は鮮やかな色のフリースを選び、写真映えも意識しました。

  • アウターレイヤー(上着)

これが最も重要な装備と言っても過言ではありません。必ず「防水性」と「防風性」を兼ね備えたジャケットを用意してください。ゴアテックスなどの高機能素材が理想的で、雨だけでなく稜線での強風から体温を守るシェルターとしての役割も果たします。コンパクトに収納できるタイプを選ぶと、荷物がかさばらず助かります。

  • ボトムス

動きやすいトレッキングパンツがベストです。伸縮性と速乾性に優れたものが快適に過ごせます。ジーンズは硬く動きにくく、濡れた場合乾きにくいため避けましょう。女性ならトレッキング用のレギンスにショートパンツを重ねるスタイルもおすすめです。

  • 足元

靴は、自分がよく履き慣れたトレッキングシューズやハイキングシューズを用意してください。足首までカバーするミドルカット以上のタイプは、捻挫防止にもなり安心感が増します。靴底は岩場でも滑りにくいグリップ力の高いものを選び、スニーカーは滑りやすく怪我の原因になるため避けてください。靴下も衝撃吸収ができる厚手のトレッキング用がおすすめです。

必携アイテム:安心して歩くための必須装備

服装と同じくらい大切なのがザックの中身です。安全と快適さを保つために、以下のアイテムは必ず持参しましょう。

  • ザック(バックパック)

容量は20〜30リットル程度の日帰り登山用が適当です。ウエストベルトやチェストストラップ付きだと体にしっかりフィットし、揺れにくく肩への負担も軽減されます。ザックカバーも忘れずに携帯してください。急な雨から中身を守るのに役立ちます。

  • 水分

最低でも1.5リットルは確保してください。夏場や汗をかきやすい人は2リットルあるとより安心です。コース途中に給水ポイントはありません。こまめな水分補給は熱中症や高山病予防に不可欠です。

  • 行動食

エネルギー補給用の軽食です。ナッツ、ドライフルーツ、チョコレート、エナジーバーなど、手軽に食べられ高カロリーなものが適しています。絶景の中でのひと休みとおやつは、最高の贅沢です。

  • ヘッドライトまたは懐中電灯

このルートには照明のない長いトンネルが複数あるため必須です。スマートフォンのライトでも代用できますが、片手を塞ぎバッテリーも気になるのでヘッドライトが断然おすすめです。足元が濡れている箇所もあるため、安全のためにも必携です。

  • 日焼け対策用品

標高が高い場所は紫外線が非常に強力です。日焼け止め、つばの広い帽子、サングラスを必ず持参してください。特にサングラスは強い日差しだけでなく、風による砂埃からも目を守ってくれます。

  • その他

モバイルバッテリー、簡易応急処置セット(絆創膏、消毒液など)、地図(オフラインでも使えるアプリが便利)、トレッキングポール(膝の負担軽減)、手袋(岩場や鎖場で役立つ)などがあると、より安全で快適なハイキングになります。

注意事項と山のマナー:自然への配慮を忘れずに

この美しい自然環境を後世に残すために、ハイカーとして守るべきルールがあります。難しいことではなく、自然にお邪魔させていただいているという謙虚な姿勢が大切です。

  • ゴミは必ず持ち帰る

これが根本のルールです。食べ物の包装紙はもちろん、果物の皮なども自然には分解されにくいので必ず持ち帰りましょう。

  • 植物や岩を採取しない

マデイラ島には固有の貴重な植物が数多くあります。写真におさめるだけに留め、決して持ち帰らないでください。

  • 登山道から外れない

道を外れると植物を傷めるだけでなく、遭難や滑落のリスクも高まります。

  • ドローンの使用

自然保護や他のハイカーへの配慮から、ドローン飛行は制限されている場合があります。飛ばしたい場合は、事前にマデイラ観光局公式サイトなどで最新の規制情報を確認してください。

アリエイロ山へのアクセス:冒険のスタート地点へ

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ハイキングの出発地点であるピコ・ド・アリエイロへアクセスする方法は、主にレンタカー、タクシー、またはツアーの3つに分かれます。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分の旅のスタイルに合った手段を選ぶことが大切です。

レンタカーで行く自由な旅

時間を気にせず自分のペースで動きたい方にはレンタカーがおすすめです。フンシャル市街地からピコ・ド・アリエイロまでは、曲がりくねった山道を約45分走行します。道路はしっかり舗装されており、運転に慣れている人なら問題なく運転できるでしょう。

ただし、いくつか注意すべき点もあります。まず駐車場の問題です。特に日の出の時間帯は、展望台に一番近い駐車場がすぐに満車となります。そうなると少し離れた路肩に駐車することになりますが、こちらも駐車スペースに限りがあります。そのため、かなり早い時間に到着する必要があります。

そして最大の課題は、ピコ・ド・アリエイロからルイヴォ山、さらにアシャダ・ド・テイシェイラまで歩く片道ルートを選んだ場合、スタート地点に停めた車をどのように回収するかということです。往復で歩く(約6〜7時間)ことも可能ですが、体力的にかなり厳しいでしょう。現実的には、ゴール地点のアシャダ・ド・テイシェイラからタクシーでアリエイロに戻る方法ですが、ゴール地点でタクシーを呼ぶのは簡単ではありません。事前に予約しておくことが必須です。

タクシーやツアーを利用する賢い選択

最も手軽で効率の良い方法は、タクシーのチャーターや送迎サービス、あるいはハイキングツアーを利用することです。特に片道ルートの場合、この選択肢が最適と言えます。

私自身は今回、フンシャルのホテルから往復送迎してくれるプライベートサービスを利用しました。ドライバーは日の出に合わせてホテルへ迎えに来てくれ、ピコ・ド・アリエイロのスタート地点まで送り届けてくれます。そして私たちがハイキングを終える頃を見計らって、ゴール地点のアシャダ・ド・テイシェイラで待機してくれました。費用はかかりますが、駐車場の確保や帰りの足の心配が一切ないため、ハイキングに専念できる価値は十分にありました。

フンシャルには多くのツアー会社があり、このような送迎サービスやガイド付きハイキングツアーを提供しています。ホテルのフロントで相談したり、事前にオンラインで予約することも可能です。ガイド付きツアーならば、マデイラの自然について詳しい解説を聞きながら歩けるという利点もあります。

いざ、天空の回廊へ:アリエイロ山ハイキング体験記

万全の準備を終え、いよいよ冒険の幕開けです。ここからは私が実際に歩んだ道程を、その折々の感動や、旅の途中で出会った人々との交流を織り交ぜつつ、臨場感たっぷりにお伝えしていきます。

夜明け前の出発と、雲海を染める朝日の輝き

送迎車がホテルに到着したのは、まだ空が深い藍色に包まれていた午前5時30分。眠たげな目をこすりながら車に乗り込み、フンシャルの街明かりを背にして、曲がりくねった山道を登っていきます。標高が高くなるにつれ、冷たい空気が車窓から入り込んできました。

アリエイロ山の駐車場に到着したのは、日の出の約40分前。すでに多くの車が並び、同じく朝日を待つ人々の息遣いが感じられます。ヘッドライトの光を頼りに展望台へと向かうと、そこには息を呑むほどの景色が広がっていました。満天の星空。フンシャルの街明かりが届かない山頂では天の川までくっきりと見え、まるで宇宙に浮かんでいるかのような不思議な感覚に包まれます。

やがて東の空が徐々に白んできた頃、足元で白い塊がもぞもぞと動き始めました。それは雲。最初は谷間に漂う霧でしたが、急速に厚みを増し、私たちの足元を覆い尽くしていきます。そしてその瞬間が訪れました。稜線から太陽が姿を現すと、一面の雲海が黄金色に輝き始めたのです。

「わあ……」

隣の知らない人も私も、思わずため息が漏れました。言葉は必要ありません。ただただ、この荘厳な光の饗宴に心を奪われるばかり。この光景を観るためだけに、マデイラ島へ来る価値があると、心から感じた瞬間でした。

道中の交流:世界各国のハイカーとの出会い

太陽が完全に昇り、世界が明るさを取り戻すと、いよいよハイキングのスタートです。展望台のすぐそばから、ピコ・ルイヴォへと続く石畳の道が伸びています。

歩き出しは緩やかな下り坂。眼下に広がる雲海を眺めながら歩く空中散歩は、格別の気分です。しばらく歩くと、前方から恰幅の良いドイツ人のご夫婦がやってきました。

「Guten Morgen!ピコ・ルイヴォまで行くのかい?」 「はい、そうする予定です。先の道は険しいでしょうか?」 「ああ、アップダウンが激しくなかなかタフだけど、景色は最高だよ。特に『マンタの巣』というポイントからの眺めは見逃せない。楽しんで!」

陽気な彼らのアドバイスに感謝しつつ先を進みます。こうした一期一会の出会いも旅の楽しみの一つ。道中では、世界各地から集まったハイカーたちと「こんにちは」「ハロー」と挨拶を交わします。同じ目的を持ってこの道を歩むという一体感が、自然と笑顔を呼び起こすのかもしれません。

絶壁に刻まれた道と、スリル溢れる階段

ドイツ人夫婦が教えてくれた「マンタの巣(Ninho da Manta)」と呼ばれる展望台に到着すると、その名称の意味がすぐに理解できました。崖から突き出るように設けられた展望台からは、これから進む道が一望できました。まるで巨大な龍の背に沿うような、鋭く切り立った尾根伝いに続いています。道幅は狭く、片側は断崖。もちろん頑丈な手すりは取り付けられていますが、高所が苦手な人は少し足がすくむかもしれません。

ここからが最もハードな区間です。急な石段をひたすら下り、そしてまた登るという繰り返し。一歩一歩、呼吸と心拍に集中しながら踏みしめます。途中で小休止すると、隣にカナダから来た若いバックパッカーの女性が座りました。

「すごい階段ね。天国への階段か、それとも地獄への階段かしら」と彼女は笑います。 「本当に。でも、この景色を見ると疲れも吹き飛びますね」 「ええ、昨日AllTrailsでレビューを読んで、絶対に歩きたいと思ったの。来てよかったわ」

彼女との短いやり取りに元気をもらい、再び歩みを進めます。辛い道も、誰かと感情を共有すると不思議と軽く感じられます。

暗闇のトンネルを抜けて

コース中には、山をくり抜いて作られたトンネルが5か所あります。短いものは数メートルですが、最長は150メートル超で、内部は真っ暗闇。ここで持参したヘッドライトの出番です。

トンネル内は壁から沁み出た水で足元が濡れている箇所が多く、天井も低いため頭上にも気を配る必要があります。スマホのライトで歩く人もいましたが、足元と頭上を同時に照らすのは難しそう。ヘッドライトのおかげで両手が自由で、安心して歩けました。ひんやりしたトンネルを抜け、再び太陽の光を浴びた時のほっとした感覚は格別でした。

目的地、ルイヴォ山荘でひと休み

数々のアップダウンとトンネルを越え、最後の急な登りを登りきると、目の前に山小屋が姿を現します。ピコ・ルイヴォ山頂のすぐ下にある、ルイヴォ山荘(Casa de Abrigo do Pico Ruivo)です。

ここまで来ればもうすぐゴール。山荘では飲み物や軽食が購入でき、トイレも利用可能。多くのハイカーが休憩を取り、エネルギーを補給していました。私も温かいコーヒーを注文し、テラスのベンチに腰を下ろします。目の前には、今まで歩いてきたアリエイロ山からの稜線がはっきりと見渡せました。

「あのギザギザの道を自分の足で歩いてきたんだ……」

自ら踏破した道を眺めながら味わうコーヒーは、これまでに飲んだどのコーヒーよりも格別に美味しく感じられました。山荘からピコ・ルイヴォの山頂まではすぐそこ。整備された道を約10分登れば、ついにマデイラ島の最高峰に到達します。山頂からは360度の大パノラマが広がり、島の大半を見渡せました。達成感と感動に包まれつつ、しばらくその絶景を心に刻みました。

安全に楽しむために:知っておきたいトラブル対策

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素敵な体験も、安全があってこそ成り立ちます。ここでは、現実に起こり得るトラブルとその対処法についてご紹介します。特に女性の一人旅や登山経験が少ない方は、ぜひ注意深く読んでしっかり備えてください。

急な天候変化への備え

山の天候は非常に変わりやすく予測が難しいものです。私が歩いた際も、途中で突然霧が立ち込め、視界が数メートル先しか見えなくなる時間がありました。そんな時には慌てず冷静に行動することが肝心です。

  • 出発前に天気予報を必ず確認:フンシャルの街の天気ではなく、必ず山岳地帯の天候をチェックしてください。`Madeira Weather`のようなアプリや、Madeira Webcamsなどの山のライブカメラ映像を提供するサイトで、リアルタイムの状況を確認するのがおすすめです。
  • 撤退する勇気を持つこと:ハイキング中に天候が急激に悪化した場合(強風や豪雨、濃い霧など)は無理に進むのは危険です。特に雷が鳴り始めたら、すぐに稜線歩きを中止しましょう。目的地に到達できなくても、安全に下山することが何より重要です。「引き返す勇気」を忘れないでください。

もし道に迷ってしまったら?万が一に備える連絡方法

PR1トレイルは基本的に一本道で案内標識もしっかりしているため、迷うことはほとんどありません。ただし、濃霧時など視界が悪い場合は不安になることもあるでしょう。

  • オフライン地図を用意しておく:あらかじめスマートフォンの地図アプリでハイキングエリアの地図をダウンロードしておきましょう。電波が届きにくい場所でもGPSを使って現在地を把握できるので安心です。
  • 緊急連絡先の確認:ポルトガルを含むヨーロッパ全域の緊急番号は「112」です。怪我で動けなくなった際は、この番号に連絡してください。ただし谷間など携帯の電波が届かない場合もあるため注意が必要です。ツアー参加時はガイドが無線機を携帯していることが多く、より安全です。

体調管理と高山病への注意

ピコ・アリエイロやピコ・ルイヴォは標高約1800メートルで、本格的な高山病のリスクは比較的低いものの、寝不足や体調不良だと頭痛や吐き気などの症状が出ることがあります。

  • 前日は十分な睡眠をとる:特に日の出を見るために早朝出発する場合は、夜更かしを避けましょう。
  • 自分のペースを守って歩く:周囲の hikers のペースに惑わされず、自分が無理なく進める速度を維持してください。息が苦しくなったら立ち止まり、ゆっくり呼吸を整えましょう。
  • こまめな水分補給とエネルギー補給を心がける:喉が渇く前に水分を取り、空腹を感じる前にエネルギーを補給することが体力維持と高山病予防につながります。

ハイキング後の楽しみ:マデイラの魅力をもっと

素晴らしいハイキングで心と体をリフレッシュした後は、ぜひマデイラ島の他の魅力にも触れてみましょう。頑張った自分へのご褒美として、美食や癒しのひとときを楽しむのはいかがでしょうか。

フンシャルの街で味わう地元の美食

ハイキングで消費したエネルギーは、マデイラの絶品料理でしっかり補いましょう。私のイチオシは「エスぺターダ」。月桂樹の枝に刺した牛肉を炭火でじっくり焼き上げた串焼きで、滴る肉汁と月桂樹の清々しい香りが食欲を刺激し、疲れた体に活力を与えてくれます。また、地元の名産マデイラワインと一緒に味わえば、至福のひととき間違いなしです。フンシャルの旧市街には、エスぺターダが評判のレストランが数多くありますよ。

天然の溶岩プールで心身を癒す

筋肉の疲れを和らげたいなら、島の北西部に位置するポルト・モニスの天然溶岩プールがおすすめです。火山活動で形成された溶岩の岩礁をそのまま利用したこのプールは、大西洋の荒波を間近に感じながら海水浴が楽しめる、非常にダイナミックな景観が魅力です。自然の力強さを感じつつ、海水に身をゆだねてリラックスする時間は、最高のクールダウンとなるでしょう。

アリエイロ山ハイキング Q&A

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最後に、この記事を読んで実際に行動を起こす際に気になるであろう点を、Q&A形式でまとめてみました。

ベストシーズンはいつ?

マデイラ島は年間を通して温暖な気候ですが、ハイキングに最適な時期は、気候が安定する春(4月〜6月)と秋(9月〜10月)とされています。夏(7月〜8月)は日差しが強く暑くなりますが、ハイキング自体は可能です。冬(11月〜2月)は雨が多く、山頂付近では稀に雪が降ることもあります。防寒・防水対策をしっかりと行えば歩けますが、天候の変化には特に注意が必要です。

トイレはどこにある?

トレイル上で利用可能なトイレは非常に限られています。スタート地点のピコ・ド・アリエイロ山頂にあるカフェテリア、中間地点のルイヴォ山荘(ピコ・ルイヴォ寄り)、そしてゴール地点のアシャダ・ド・テイシェイラ駐車場の3か所のみです。約7kmのトレイルの途中にはトイレがないため、出発前に必ず用を済ませておきましょう。

一人でも歩ける?

ハイシーズンの日中であれば、多くのハイカーが歩いているので一人でも歩くことは可能です。私自身も今回一人で歩きました。ただし、単独での行動はより慎重な計画と準備が必要です。もしもの事態に備え、登山計画を家族や友人に伝えたり、オフラインマップやモバイルバッテリーを必ず持参するなど、安全対策を徹底してください。不安が少しでもある場合は、ガイド付きツアーに参加するのが最も安全な方法です。

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この記事を書いたトラベルライター

アパレル企業で培ったセンスを活かして、ヨーロッパの街角を歩き回っています。初めての海外旅行でも安心できるよう、ちょっとお洒落で実用的な旅のヒントをお届け。アートとファッション好きな方、一緒に旅しましょう!

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