花の都パリ。石畳の美しい街並み、歴史ある美術館、心ときめくショッピング。しかし、この素晴らしい旅の体験を少しだけ悩ませる存在、それが「荷物」です。チェックイン前やチェックアウト後の中途半端な時間、大きなスーツケースをガラガラと引きずりながら石畳を歩くのは想像以上に大変です。美術館やデパートでは、大きな荷物の持ち込みが制限されていることもしばしば。そんな時、あなたの強力な味方となるのがコインロッカーや手荷物預かりサービスです。パリの街には、旅行者のそんな悩みを解決してくれる便利なサービスが数多く存在します。この記事では、パリの主要駅に設置されている公式のコインロッカーから、シャルル・ド・ゴール空港の荷物預かり所、そして近年急速に普及している民間の手荷物預かりサービスまで、あらゆる選択肢を徹底的に解説します。料金や使い方、営業時間といった基本情報はもちろん、万が一のトラブル対処法や、あなたの旅のスタイルに合わせた最適なサービスの選び方まで、この記事を読めばパリの荷物問題はすべて解決するはずです。さあ、重たい荷物から解放されて、心ゆくまで身軽なパリ散策を楽しみましょう。
荷物を預けた後は、フランスの歴史に思いを馳せてナポレオンの足跡を辿る旅に出かけてみるのも一興です。
なぜパリで荷物預かりサービスが必要なのか?具体的な利用シーン

パリ旅行を計画する際、荷物を預けるというアイデアは意外と見過ごされがちです。しかし実際に現地に行くと、「荷物を預けたい!」と強く感じる場面が数多くあります。どのような状況で荷物預かりサービスが役立つのか、いくつか具体例を挙げてみましょう。これらのシーンをあらかじめイメージしておけば、よりスマートで快適な旅行プランを立てられます。
- ホテルのチェックイン前やチェックアウト後
もっとも代表的な利用シーンと言えます。例えば早朝にパリに到着したものの、ホテルのチェックインは午後からだったり、最終日のフライトが夜なのにチェックアウトは午前中だったりする場合です。こうした時に預ける場所がなければ、半日以上も重い荷物を持ち歩きながら観光しなければならず、石畳や階段が多いパリの街では想像以上の負担となります。荷物を預けてしまえば、到着日も出発日も時間を無駄にせず、身軽に観光や食事、最後のショッピングを楽しめます。
- 美術館や観光施設への入場時
世界的に有名なルーヴル美術館やオルセー美術館をはじめ、多くの観光施設ではセキュリティ上、大きな手荷物の持ち込みが厳しく制限されています。バックパック程度なら問題ないこともありますが、スーツケースや大きな旅行バッグは持ち込み不可です。施設内のクロークもサイズ制限があったり、混雑時には預けられないケースもあります。近隣に荷物を預ける場所があれば、入場時に断られる心配なく、安心して芸術鑑賞に集中できます。
- ショッピングで荷物が増えたとき
シャンゼリゼ通りでのブランドショッピングや、マレ地区での雑貨探し、デパートでのコスメ購入など、パリは買い物好きにはまさに天国です。しかし気づけば両手が紙袋でいっぱいに。すべての買い物を持ち歩きながら次の目的地に移動するのは大変です。そんな時、一度駅や近くの預かり所に荷物を預ければ、再び手ぶらで行動できます。計画的に利用すれば、買い物の効率も格段に上がるでしょう。
- 乗り換え時間の合間のショートトリップ
パリはヨーロッパの交通の要衝でもあります。鉄道でほかの都市へ移動する際に、パリで数時間の乗り換え時間がある場合も少なくありません。その時間を活用して少しだけパリを散策したいというのは自然なことです。駅のコインロッカーに大きな荷物を預けておけば、数時間でもノートルダム大聖堂の外観を見たり、カフェでゆったり過ごしたりと、短時間ながら充実したパリ体験が可能です。
- コンサートやスポーツ観戦の前に
スタッド・ド・フランスでのサッカー観戦やアコー・アリーナでのコンサートなど大規模なイベント会場では、手荷物のサイズ制限が非常に厳しいです。安全面から大きなバッグの持ち込みは基本的に禁止されているため、イベント前に荷物を預ける場所を確保しておくことが、スムーズな入場を実現するうえで重要です。
これらの場面は、多くのパリ旅行者が体験するものです。荷物の制約から解放されることで、旅行の自由度や快適さは一気に向上します。次のセクションでは、こうした悩みを解決するための具体的な方法について詳しく解説していきます。
パリの主要駅にある公式コインロッカー(Consignes automatiques)
パリの旅の拠点となる主要ターミナル駅には、SNCF(フランス国鉄)が運営する公式コインロッカー、フランス語で「Consignes automatiques(コンシーニュ・オトマティック)」が設置されています。これらのロッカーは駅構内の利便性の高い場所にあり、鉄道で移動する旅行者にとっては手軽かつ信頼性のある荷物預かりの選択肢となっています。本記事では、主要駅におけるロッカーの設置状況から使い方・料金体系、利用時の注意点まで、詳しくご紹介します。
主要駅のロッカー設置状況と特徴
パリのすべての駅にコインロッカーが設置されているわけではなく、主にTGVや国際列車が発着する大型のターミナル駅に限られています。ここでは、観光客が利用しやすい代表的な駅の情報をまとめました。
- パリ北駅(Gare du Nord)
ユーロスターがロンドンへ、タリスがベルギー・オランダ・ドイツ方面へ向かうパリの国際的な玄関口です。シャルル・ド・ゴール空港からのRER B線も乗り入れており利用者が非常に多いため、ロッカーは混み合うことが多いです。
- 設置場所: 地下1階、ユーロスターのチェックインカウンターやRER駅へのエスカレーター近くにあり、青い「Consignes」の看板が目印です。
- 営業時間: 通常は午前6時頃から午後11時過ぎまで。ただし変更の可能性があるため、事前に公式サイトで最新情報を確認すると良いでしょう。
- 特徴: パリ最大の駅でロッカー数も豊富ですが、ハイシーズンや週末は満室になることがあるため、早めの利用がおすすめです。
- パリ東駅(Gare de l’Est)
ドイツ、ルクセンブルク、スイス方面への列車が発着し、北駅から徒歩圏内の重要ターミナルです。
- 設置場所: 地下1階、駐車場へ向かう通路付近に「Consignes」の案内に従って進みます。
- 営業時間: 北駅とほぼ同様に、早朝から深夜まで営業しています。
- 特徴: 北駅ほど混雑しませんが、特にドイツ方面へ向かう旅行者にとって便利です。
- リヨン駅(Gare de Lyon)
南フランス(マルセイユ、ニースなど)、スイス、イタリア方面へ向かうTGVが発着し、駅舎の美しさも有名です。
- 設置場所: ホール3の地下、23番線付近で「Consignes」の表示を探してください。
- 営業時間: おおむね午前6時頃から午後10時頃までです。
- 特徴: 南仏方面のバカンス客でにぎわい、ロッカーはやや見つけにくいこともありますが、案内表示をよく確認すれば問題ありません。
- モンパルナス駅(Gare Montparnasse)
フランス西部(ブルターニュ地方、ボルドーなど)へ向かうTGVの起点駅で、オルリー空港へのバスも発着します。
- 設置場所: ホール1の2階、24番線附近に設置されています。
- 営業時間: 通常は午前7時から午後11時まで営業。
- 特徴: 駅が複数のホールに分かれており非常に広いため、当日利用する路線の乗り場とロッカーの位置を事前に把握しておくとスムーズです。
- オステルリッツ駅(Gare d’Austerlitz)
主にフランス中部方面の夜行列車や国内線が発着し、現在は改装工事中のためロッカーの場所が変わる可能性もあります。
- 設置場所: 到着エリアの1番線から7番線の向かい側です。
- 営業時間: おおむね午前7時から午後11時頃まで営業。
- 特徴: 規模は他駅より小さめですが、夜行列車利用時には便利な施設です。
- マルヌ=ラ=ヴァレ=シェシー駅(Marne-la-Vallée–Chessy)
ディズニーランド・パリの最寄り駅で、TGVやRER A線が乗り入れています。パーク入口の隣接駅です。
- 設置場所: 駅の2階、パーク入口とは反対側にあります。
- 営業時間: 多くの場合、パークの営業時間に合わせて早朝から深夜まで利用可能です。
- 特徴: パーク利用者向けのサービスとして便利で、最終日に荷物を預けて遊んだ後、そのままTGVで空港や他都市へ移動するケースに適しています。パーク内の手荷物預かり所より大型荷物の収納に対応しています。
公式コインロッカーの利用手順【ステップ・バイ・ステップ説明】
フランスの自動コインロッカーは日本のものと操作方法に違いがありますが、一度覚えれば簡単に使えます。以下に基本的な流れを説明します。
- ① ロッカーエリアを探す
駅構内で「Consignes」や荷物マークの青い看板を探しましょう。セキュリティ上、入口で手荷物のX線検査を受ける場合がありますので係員の指示に従ってください。
- ② 空いているロッカーを選ぶ
ロッカーエリアに入ったら、サイズ別のロッカーが並んでいます。扉が開いているか、緑ランプが点灯しているものが空きの合図です。荷物に合ったサイズの空きロッカーを選びましょう。
- ③ 荷物を入れて扉を閉める
ロッカーに荷物を入れ、扉を確実に閉めます。閉めると自動的に仮ロックがかかり、支払いとレシートの発行まで開けられません。忘れ物がないか必ず確認してから閉めてください。
- ④ 中央の支払い端末で操作
ロッカーエリア中央にあるタッチパネル式操作端末で言語を選択します。多くの場合、フランス語、英語、スペイン語があり、英語を選ぶと案内も英語表記に切り替わります。
- ⑤ 支払い手続き
画面の案内に従い、「Deposit a bag(荷物を預ける)」などの項目を選択し、自分のロッカー番号を入力するか、ロッカー配置図から選びます。料金が表示されたら、希望の支払い方法を選びましょう。
- ⑥ 支払いとレシート受け取り
支払いはICチップ付きクレジットカード(Visa、Mastercardなど)か硬貨が利用できます。紙幣対応の端末はほぼありません。カード決済時は暗証番号入力を求められます。支払い完了後、バーコードやQRコード、数字コードの入ったレシートが発行されるので、紛失しないよう財布やスマホケースなどに安全に保管してください。
- ⑦ 荷物の受け取り
取り出す際は再び支払い端末で「Withdraw a bag(荷物を取り出す)」を選び、レシートのバーコードやQRコードをスキャナーにかざすか、数字コードを入力して認証します。認証が成功するとロッカーが自動解錠されるので、荷物を取り出し扉を閉めて終了です。
料金体系と支払い方法
料金はロッカーのサイズと預入期間によって決まります。最初の24時間分が基本料金で、超過すると24時間ごとに追加料金が発生します。
- サイズ別料金の目安(24時間あたり)
- 小(Petit): 機内持ち込みサイズの小型スーツケース一つ程度。約5.50ユーロ。
- 中(Moyen): 中型スーツケース1つと小さめのバッグ。約7.50ユーロ。
- 大(Grand): 大型スーツケースや複数のバッグに対応。約9.50ユーロ。
※料金は駅や時期により変動することがあるため、現地で必ず確認してください。
- 支払い方法
ICチップ付きクレジットカードと硬貨が主流です。日本の磁気ストライプのみのカードは使えない場合があるため必ずICチップ付きカードを持参しましょう。カードが利用できない場合に備え、ある程度の硬貨を用意しておくと安心です。
- 延長料金について
24時間を超えて荷物を預ける場合、取り出す際に追加料金の支払いが必要です。レシートをスキャンした後に表示されるので、現地で追加料金を支払うとロッカーが開きます。
利用上の注意点とルール
公式ロッカーは便利ですが、利用にあたって守るべきルールや注意点があります。これらを守らないとトラブルの原因となったり、最悪の場合は荷物を失うこともあります。
- 預けられないもの
安全面から以下の品物は預かり禁止です。
- 貴重品: 現金、クレジットカード、パスポート、宝石、PCやカメラなどの高価な電子機器。これらは自己責任で管理する必要があり、紛失や盗難の補償はありません。
- 危険物: 引火性物質(スプレー缶等)、爆発物、武器、薬品類。
- 生鮮品: 食品や動物など、腐敗しやすいもの。
- 違法物品
- 営業時間について
ほとんどのロッカーは24時間営業ではなく、早朝から夜23時頃までの営業が一般的です。営業時間外はロッカーエリアが閉鎖され、荷物の出し入れはできません。深夜や早朝のフライト・列車を利用する場合は、必ず現地の営業時間を事前にチェックしましょう。SNCF公式サイト Consignes en gare – Gares & Connexions でも情報が確認できますが、現地表示を優先してご確認ください。
- 預け入れ可能期間
最大で72時間(3日間)までの預かりが一般的です。期限を超えると係員が荷物を回収し、別の保管場所へ移すことがあります。取り戻す際には多額の追加料金や手続きが必要となるため、必ず期限内に引き取りましょう。
- トラブル発生時の対処法
- レシートを紛失した場合: 最も多いトラブルです。絶対に紛失しないのが望ましいですが、無くしてしまった場合はすぐに駅の案内所(Accueil)に相談してください。パスポートなど身分証明書の提示とロッカー番号、荷物の特徴(色・形・中身など)説明が必要です。本人確認が済めば係員が荷物を取り出せますが、手数料(およそ10〜20ユーロ)がかかることが一般的です。
- 機械の故障やカードが読み取れない場合: 支払いができない、レシートが出ない、扉が開かないなどの問題が起きたら、ロッカーエリアに記載された緊急連絡先に連絡するか駅の係員に助けを求めましょう。慌てずに状況を明確に説明することが大切です。
空港の荷物預かりサービス(シャルル・ド・ゴール空港、オルリー空港)

フライトの乗り継ぎ時間を利用してパリ市内を観光したい場合や、早朝に到着してホテルへ向かう前に身軽になりたい場合など、空港で荷物を預けられると非常に便利です。ここでは、パリの主要な空の玄関口であるシャルル・ド・ゴール空港(CDG)とオルリー空港(ORY)の荷物預かり状況についてご紹介します。
シャルル・ド・ゴール空港(CDG)の荷物預かり所
パリ最大のハブ空港であるシャルル・ド・ゴール空港には、「Bagages du Monde」という会社が運営する有人の荷物預かりサービスがあります。
- 設置場所とアクセス方法
- 預かり所はターミナル2に位置しています。具体的には、TGVやRER B線の駅「Aéroport Charles de Gaulle 2」のすぐそば、レベル4にあります。各ターミナルからは無料のシャトルトレインCDGVALを利用して移動可能で、「Baggage Storage」や「Consignes」といった案内表示に従えばスムーズにたどり着けます。
- 営業日時
- 通常は早朝から深夜まで営業していますが、フライトスケジュールにより変動することもあるため、利用前にパリ空港公式サイトで最新の営業時間を確認するのがおすすめです。
- 料金の概要
- 空港内の荷物預かり所は、一般的な駅のコインロッカーとは異なり、時間単位での課金が基本です。荷物の数やサイズによって料金が異なります。
- 料金の目安
- 0〜3時間:おおよそ10ユーロから
- 3〜6時間:おおよそ15ユーロから
- 24時間:おおよそ18ユーロから
- スーツケースだけでなく、コートや小型バッグなど多様なサイズの荷物を預けることが可能です。やや料金は高めですが、有人サービスならではの安心感があります。
- ご利用の手順と準備
- 手続きの流れ:カウンターで荷物を預ける際、パスポートなどの身分証明書の提示を求められます。あらかじめ用意しておきましょう。係員が荷物を点検し、料金を計算します。支払い後、荷物引換証(レシート)が渡されます。この引換証は荷物を受け取る際に必須ですので、大切に保管してください。
- 必要な持ち物:パスポート、航空券(Eチケット)、支払い用のクレジットカードや現金など。
- 公式情報の確認先
- 最新の料金や営業時間、場所の詳細については、パリ空港公式サイトの荷物預かりサービスページでの確認が最も確実です。旅行前に一度チェックしておくことをおすすめします。
オルリー空港(ORY)の荷物預かりサービス
オルリー空港については注意が必要です。かつては荷物預かりサービスがありましたが、セキュリティ上の理由などからサービスが停止されたり、場所が頻繁に変わったりしています。2024年現在、オルリー空港内に恒久的な公式荷物預かり所が存在しない可能性が高いです。そのため、オルリー空港を利用する際に荷物を預けたい場合は、空港周辺の民間手荷物預かりサービスを探すか、パリ市内の駅まで移動して預けるなどの代替策を検討する必要があります。旅行計画を立てる際にはこの点を念頭に入れておきましょう。最新情報もパリ空港公式サイトで随時ご確認ください。
もっと自由に、もっと便利に!民間の手荷物預かりサービス
駅のコインロッカーが満杯だったり、現在の場所から駅が遠かったり、もっと柔軟な時間帯で荷物を預けたい場合に非常に役立つのが、近年パリで急速に普及している民間の手荷物預かりサービスです。これらのサービスは、ホテルやカフェ、お土産屋などの空きスペースを活用し、シェアリングエコノミーの仕組みで運営されています。アプリやウェブサイトから手軽に予約できるのも魅力です。ここでは代表的なサービスの特徴や使い方、メリット・デメリットについてご紹介します。
民間サービスの利点と注意点
- 利点
- 提携拠点が豊富: パリ市内の様々な場所に提携店舗(預かり場所)が点在しているため、主要駅だけでなく、観光スポットやホテルの近くなど、自分の都合に合わせた場所で荷物を預けることが可能です。
- オンラインでの事前予約が可能: スマホ一つで簡単に空き状況を確認し、予約・支払いまで完了できます。現地でロッカーが満杯で困ることを避けられます。
- 料金が比較的リーズナブル: 多くのサービスが1日あたりの固定料金制で、駅のコインロッカーより安価なことが多いです。複数個の荷物を預ける場合は特にお得になる傾向があります。
- 補償制度が整っている: 多くのサービスで、預けた荷物の紛失や破損に対して補償が付いています。
- 注意点
- 営業時間は店舗による: 預け先の店舗の営業時間に準じるため、24時間対応の場所は限られています。早朝や深夜に利用したい場合は対応可能な店舗を事前に確認しておく必要があります。
- セキュリティの差がある場合も: 提携店舗の種類が多彩なため、安全性に差があることもあります。大手サービスは厳しい審査基準を設けていますが、利用者レビューを参考に選ぶと安心です。
- ほとんどが事前予約制: 飛び込み利用はできないことが多く、必ずオンラインで予約を済ませておく必要があります。
Nannybag(ナニーバッグ)
フランス発祥で、ヨーロッパを中心に世界中に広がる代表的な手荷物預かりサービスです。パリ市内には多数の提携店舗(Nannyと呼ばれています)が存在します。
- 料金: 1日1個あたり6ユーロの定額料金が基本で、非常にシンプルでわかりやすい料金体系です。
- 特徴: 予約プロセスが簡単で、日本語のサイトやアプリも利用可能です。最大1000ユーロまでの荷物補償がついており、各預かり場所ではセキュリティシールを使って荷物に封をすることができます。
- 利用手順
- 場所を探す: 公式サイト Nannybag または公式アプリを開き、地図から預けたいエリア(例:「ルーヴル美術館」など)を検索します。
- 予約する: 預ける日時、引き取り日時、荷物個数を入力。利用可能な提携店舗一覧から営業時間やレビューを確認し、店舗を選択して予約とオンライン決済(クレジットカード)を行います。
- 荷物を預ける: 予約完了後、確認メールと預かり場所の詳細住所が届きます。指定時間に店舗へ行き、店員に予約確認画面(QRコード等)を見せて荷物を預けます。店員がセキュリティタグを付けます。
- 荷物を受け取る: 指定した時間に再度店舗を訪れ、予約確認画面を提示して荷物を引き取ります。
Stasher(スタッシャー)
イギリス発のサービスで、世界的に展開しており、パリ市内に多くの預かり拠点(StashPoint)を持っています。Accor Hotelsグループなど大手ホテルと提携しており、信頼性が高い点が特徴です。
- 料金: 1日1個あたり約5ユーロからと、非常にリーズナブルです。
- 特徴: Nannybag同様に最大1000ユーロ程度までの補償があり、大手ホテルとの連携によりセキュリティ面での安心感があります。日本語対応のウェブサイトも提供されています。
Bounce(バウンス)
アメリカ発のサービスで、近年拠点数を急速に拡大しています。パリでも数多くの選択肢を持ち、他サービスで預け先が見つからない場所でも対応できることがあります。
- 料金: 1日1個あたり約5ユーロの固定料金が一般的です。
- 特徴: 最大1万ドルまでの補償があり、補償額が非常に高いのが大きな魅力です。24時間365日のカスタマーサポートも充実しているため、トラブル時も安心です。
民間手荷物預かりサービス利用時の注意点
これらのサービスを効果的に利用するために、以下のポイントを事前にチェックしておきましょう。
- 準備と持ち物: インターネットに接続できるスマートフォンと、オンライン決済可能なクレジットカードは必須です。予約確認メールやアプリの画面をすぐに提示できるように準備しておきましょう。
- 営業時間の確認: 予約時に預け先店舗の営業時間を必ず確認し、自身のスケジュール(特に引き取り時間)と合っているか確かめてください。深夜フライトの場合は特に注意が必要です。
- 補償内容の把握: 多くのサービスに補償制度はありますが、現金や宝石類、電子機器など補償対象外の品物が設定されています。高価な荷物は預けないことが推奨されます。
- 利用者レビューの活用: 予約サイトに掲載されている実際の利用者の口コミを参考にしましょう。スタッフの対応や場所の分かりやすさなど、生の声は安心して預ける場所を選ぶ際の重要な情報源です。
- トラブル時の対応方法: 万一店舗で問題が起きた場合は、直接店舗と交渉するのではなく、利用したサービス提供会社(NannybagやStasherなど)のカスタマーサポートへ連絡するのが基本です。連絡先はアプリやウェブサイトに明示されています。
こんな時はどうする?パリの荷物預かりQ&A

ここでは、パリで荷物を預ける際によく起こる疑問やトラブルについて、Q&A形式で具体的に解説します。事前に把握しておくことで、いざという時に落ち着いて対応できます。
- Q1: 駅のコインロッカーがすべて埋まっていた場合は?
- A: これは特に週末や観光シーズンによく見られる状況です。以下のような対処法があります。
- 時間をズラす:少し時間を置けば空きが出ることがあります。30分程度周辺で過ごした後、再度チェックしてみましょう。
- 別の駅へ移動する:時間に余裕があれば、メトロで一駅または二駅離れた主要駅のロッカーを探してみるのも一案です。例えば、北駅が満杯の場合は東駅を試すなどです。
- 民間の預かりサービスを利用する:これが最も確実かつ便利な方法です。スマートフォンでNannybagやStasherなどのアプリを使い、周辺の提携店を検索・予約しましょう。多くは駅から徒歩圏内に複数の預かり場所が見つかります。
- Q2: レシート(暗証番号)を紛失したらどうする?
- A: 慌てず冷静に対処しましょう。
- 駅のロッカーの場合:すぐに駅の案内カウンター「Accueil」に行き、「J’ai perdu mon ticket de consigne.(ジュ ペルデュ モン ティケ ドゥ コンシーニュ/ロッカーのレシートをなくしました)」と伝えます。ロッカー番号、預けた時間、荷物の特徴(色・形・内容など)を詳しく説明し、本人確認のためパスポートの提示が必要です。確認が取れれば係員がロッカーを開けてくれますが、通常10~20ユーロ程度の手数料がかかります。
- 民間サービスの場合:予約はアプリやアカウントに紐づいているため、紙のレシートはありません。スマホで予約確認画面を表示できれば問題ありません。もしスマホを紛失した場合は、他のデバイスからアカウントにログインするか、カスタマーサポートに連絡して対応を依頼してください。
- Q3: 預けてはいけないものは何?
- A: これは非常に重要な点です。どのサービスを利用する際も、以下のものは絶対に預けないでください。
- 貴重品:パスポート、現金、クレジットカード、航空券、宝石類などは常に携帯してください。
- 精密機器:ノートパソコン、カメラ、タブレット等は、衝撃や温度変化で故障する恐れがあり、補償対象外がほとんどです。
- 危険物・違法物:可燃性スプレー、武器、麻薬などの持ち込みは禁止されています。
- 医薬品:特に常用薬など、すぐに必要なものは手元に置くようにしましょう。
- 食品や動物:衛生面の理由から預けることはできません。
結局のところ、「もし紛失や破損が起きると旅に支障が出るもの」は預けないのが鉄則です。
- Q4: クレジットカードが使えない場合は?
- A: 駅のロッカー支払い端末で、日本発行のクレジットカードが認識されないことがあります。
- ICチップの有無を確認:磁気ストライプのみの旧タイプのカードは利用できない可能性が高いです。
- 他のカードを試す:VisaやMastercardなど複数の国際ブランドのカードを試してみてください。American ExpressやJCBは使えない場合があります。
- カードの挿入方向:機械によってカードの挿入方向が決まっているため、画面の指示をよく確認しましょう。
- 最終手段は現金:カードがどうしても使えない場合に備え、10ユーロ程度の硬貨(1ユーロや2ユーロ硬貨)を持っておくと安心です。紙幣はほとんどの端末で使えません。
- Q5: 予約なしで民間の荷物預かりサービスは利用できる?
- A: 基本的に利用できません。民間の手荷物預かりサービスは、オンラインで事前予約と決済を済ませることが前提となっています。これは、スペースの確保やセキュリティ、補償の適用に不可欠な仕組みです。直接店舗に行っても予約がない場合は断られることが多いため、必ず利用前にアプリやウェブサイトで予約を完了させてください。
パリの主要観光スポット周辺の荷物預かり事情
パリの人気観光スポットの多くでは、手荷物の持ち込みに制限が設けられています。観光計画を立てる際には、各施設の規則を確認し、それに合わせて荷物の預け先を事前に検討しておくと、当日のスムーズな行動につながります。
ルーヴル美術館
世界最大級の美術館であるルーヴル美術館では、大きな手荷物の持ち込みが禁止されています。ただし、館内には無料で利用できるクローク(vestiaire)が用意されています。
- クロークの情報: ピラミッド下のナポレオン・ホールにセルフサービスのロッカーがあり、費用はかかりません。
- 荷物のサイズ制限: 預けられる荷物のサイズは「55cm x 35cm x 20cm以下」という厳しい基準が設けられています。これは一般的な機内持ち込みサイズのスーツケースよりも小さいため、この規定を超える荷物は預けられません。
- 対策: 大きなスーツケースを持っている場合は、ルーヴル美術館訪問前に最寄りのメトロ駅(パレ・ロワイヤル=ミュゼ・デュ・ルーヴル駅など)周辺にある民間の手荷物預かりサービス(Nannybagなど)を利用するのが安全で確実です。
オルセー美術館
印象派作品で有名なオルセー美術館でも、手荷物に関するルールが設けられています。
- クロークの情報: 館内にはクロークがあり、小さなバッグやリュック程度であれば預けることができます。
- 荷物のサイズ制限: 大きなスーツケースの持ち込みや預かりはできません。公式サイトに具体的なサイズの記載がない場合もありますが、一般的なデイパックサイズまでが許容範囲と考えてください。三脚や自撮り棒などもクロークに預ける必要があります。
- 対策: オルセーに行く際は、サンジェルマン・デ・プレ地区やチュイルリー公園周辺の民間手荷物預かりサービスを利用するか、乗り換え駅(例:RER C線サン=ミッシェル=ノートルダム駅など)のロッカーを活用するのがおすすめです。
エッフェル塔
パリの象徴ともいえるエッフェル塔は、非常に厳しいセキュリティ管理が敷かれています。
- 荷物預かりの有無: エッフェル塔内には、観光客向けのコインロッカーや荷物預かり所は存在しません。
- 持ち込み制限: 大型の荷物やスーツケースを持っていると、敷地への入場が認められません。セキュリティチェックで止められるため、小さなバックパック程度の手荷物に限定されます。
- 対策: エッフェル塔へ訪れる際は、必ず事前に荷物を預けておく必要があります。最寄り駅(シャン・ド・マルス=トゥール・エッフェル駅、ビル・アケム駅など)付近の民間預かりサービスを予約し、荷物を持ったまま訪問しないようにしましょう。
ディズニーランド・パリ
夢の国ディズニーランド・パリでは、手荷物関連のサービスが充実しています。
- パーク内の手荷物預かり所: エントランス近くに有料のゲスト・ストレージ(Consigne)が設置されています。ただしこちらは小さめの荷物向けで、利用料金がやや高めの場合があります。
- 駅のコインロッカー: 最も便利なのは、隣接するマルヌ=ラ=ヴァレ=シェシー駅のコインロッカーです。大型スーツケースが収納できるロッカーもあり、料金はパーク内のサービスよりもリーズナブルです。ホテルをチェックアウト後に荷物を駅で預け、一日中パークで楽しみ、その後は駅から直接TGVやRERで空港や次の目的地へ向かうという効率的な動きが可能です。
あなたの旅のスタイルに合わせた最適な荷物預かりサービスの選び方

これまでにさまざまな荷物預かりサービスをご紹介してきましたが、どれが自分にとって最適か迷うこともあるでしょう。そこで、あなたの旅行スタイルや状況に合わせて、どのサービスを選ぶべきかの指針をまとめました。
駅の公式ロッカーがおすすめの方
- 鉄道利用がメインの方: パリの駅を拠点にTGVなどの都市間移動をする場合、駅構内で完結する公式ロッカーは最も動線がスムーズです。重い荷物を持ち歩く必要がありません。
- 1〜2日の短期間で預けたい方: 料金は基本的に24時間単位なので、日帰りや1泊2日の滞在など短期間利用に適しており、コストパフォーマンスも優れています。
- オンライン予約に抵抗がある方: アプリ操作や事前のオンライン決済が苦手な方にとっては、現地で直接操作し支払いができる駅のロッカーは分かりやすく簡単な選択肢です。
民間の手荷物預かりサービスが向いている方
- 駅以外のエリアで預けたい方: 美術館やショッピングエリアなど観光地の近くに荷物を預けたい場合、多数の拠点を持つ民間サービスの利便性が際立ちます。
- 複数の荷物や長期間預けたい方: 1個あたりの固定日額料金のため、複数の小さいバッグを預ける場合や、数日間にわたって預けたい時、駅ロッカーよりも総額でお得になることがあります。
- アプリ予約・管理に慣れている方: スマートフォン操作に慣れた方なら、予約から支払い、場所の確認までスマホで完結できる手軽さが大きな魅力です。
- 駅のロッカーが満杯の場合の代替を探す方: 駅ロッカーが利用できなかった時の予備プランとして、民間サービスを知っておくと安心です。
空港の預かり所がおすすめの方
- 乗り継ぎ時間が長く、手ぶらで市内観光を楽しみたい方: 数時間から半日程度の乗り継ぎがある際、空港で大きな荷物を預けてRERで市内へ行くのが効率的です。帰りに市内で荷物を受け取る必要がありません。
- フライトの前後で大きな荷物を預ける必要がある方: 早朝到着で夜便出発の場合や、一度空港に荷物を預けてから地方へ日帰り旅行に行くなど、特殊なスケジュールにも便利です。
パリの旅を身軽に楽しむための最終チェックリスト
最後に、パリでの荷物預かりサービスをスムーズに利用し、旅の楽しみを最大限に引き出すためのチェックリストをご紹介します。出発前および現地での行動前に、ぜひ一度ご確認ください。
準備と持ち物のポイント
- パスポートのコピーまたは写真データ: 駅のロッカーでレシートを無くした場合や、何かトラブルが起きたときの本人確認に役立ちます。原本は大切に自身で管理しましょう。
- ICチップ搭載のクレジットカード: 駅ロッカーや民間の荷物預かりサービスでの支払いには欠かせません。最低でもVisaかMastercardを1枚は用意しておくと安心です。
- 予備の硬貨: クレジットカードが使えないケースに備え、1ユーロや2ユーロ硬貨を合わせて10ユーロ程度用意しておくと便利です。
- スマートフォンとモバイルバッテリー: 民間サービスの予約や管理はもちろん、地図アプリで場所の確認やトラブル時の連絡にも不可欠です。電池切れを防ぐため、モバイルバッテリーは必ず携帯しましょう。
- 荷物の分類意識: 預けるものと持ち歩くものをしっかり区別しましょう。
- 手元に絶対持つもの: パスポート、現金、カード、航空券、スマートフォン、常備薬、家の鍵など。
- 預けて問題ないもの: 衣類、洗面用具、お土産など、すぐには使わない品物。
行動計画のポイント
- 事前調査の徹底: 利用予定の駅ロッカーや民間サービスの場所、特に営業時間を事前に確認しておきましょう。Googleマップなどでブックマークしておくと便利です。
- 時間に余裕を持つ: 荷物の預け入れや受け取りにはスケジュールに余裕を持って行動しましょう。特に最終日は空港や駅への移動時間を踏まえ、早めにピックアップ計画を立ててください。道に迷う場合や混雑を考慮することも重要です。
- レシートや予約画面の管理: 駅ロッカーのレシートは紛失しないよう必ず保管し、民間サービスの予約画面はスクリーンショットを撮っておくと、オフラインでも確認できて安心です。
重い荷物は旅の楽しさを半減させがちな厄介な存在です。しかし、パリにはあなたのニーズに合わせて選べる多彩で便利な荷物預かりサービスが多数揃っています。これらを賢く活用すれば、まるで重さから解放されたかのように自由に、心ゆくまでこの魅力あふれる街を楽しめるでしょう。さあ、身も心も軽やかに、最高のパリ滞在の思い出を作りに出かけましょう。

