バルト三国の中でも、どこか奥ゆかしく、深い森と琥珀の輝きを秘めた国、リトアニア。その首都ヴィリニュスや第二の都市カウナスの名は耳にしたことがあっても、「アリートゥス」という街を知る人は、まだそう多くはないかもしれません。
リトアニア南部に広がるズーキヤ地方の中心都市であり、「リトアニアの緑の首都」という美しい愛称を持つアリートゥス。その名の通り、街は豊かな松林と公園に包まれ、雄大なネムナス川がゆったりと蛇行しています。歴史の面影を残す丘、街中に点在するアート、そして温かい地元の人々の暮らし。派手さはないけれど、心からリラックスできる、そんな穏やかな時間が流れる場所です。
今回は、世界30カ国を旅した私が、まだガイドブックにもあまり載っていない宝物のような街、アリートゥスの魅力と、実際に旅するための具体的な方法を余すところなくご紹介します。この記事を読み終える頃には、きっとあなたもアリートゥス行きのバスのチケットを探し始めているはずですよ。
アリートゥス行きのバスのチケットを探し始めているはずですよ。また、リトアニアの首都であるヴィリニュスの観光ガイドも合わせてご覧いただくと、旅の計画がさらに広がります。
アリートゥスってどんな街?南リトアニアの中心地の素顔

リトアニアで6番目に大きな都市であるアリートゥス。しかし、「大都市」という言葉から連想されるような騒がしさとは無縁で、落ち着いた雰囲気が何よりの魅力です。人口は約5万人ほどで、ネムナス川が街の中心で大きく湾曲し、その両岸には緑豊かな公園や住宅地が広がっています。
歴史を感じさせる要塞都市の名残
アリートゥスの歴史は古く、14世紀の文献にその名が見られます。ドイツ騎士団の侵攻に備え、ネムナス川を見渡す丘の上に城を築いたことが始まりです。現在も残る「アリートゥスの丘の城址」は、この街の起源を示す象徴的な場所。その後は交易の拠点として発展し、多くの歴史的変遷を経験してきました。
ソ連時代には工業都市として成長しましたが、独立回復後は自然の豊かさを活かし、「緑の都市」という新たなアイデンティティを築いていきます。街を歩くと、ソ連時代の集合住宅とモダンな建築、そして歴史的な教会が混在しており、この地が歩んできた独自の歴史を感じ取ることができるでしょう。
「緑の首都」と称される理由
アリートゥスを訪れて最も印象に残るのは、その圧倒的な緑の多さです。市域の3分の1以上が公園や森林で占められており、まるで街全体が森の中にあるかのような景観です。特に市の中心に位置する「市立公園」や広大な「若者の公園」は、市民の憩いの場として親しまれています。
澄み切った空気、松の香り、鳥たちのさえずり。都会の喧騒から離れて、ただ自然の中に身を置くだけで心が癒されるような感覚を味わえます。サイクリングロードも整備されているため、自転車を借りて緑の中を駆け抜けるのも最高の楽しみ方です。
首都ヴィリニュスからのアクセス徹底ガイド
日本からリトアニアへの直行便はないため、多くの旅行者はヨーロッパの主要都市で乗り継ぎ、首都ヴィリニュスを訪問の拠点とすることが一般的です。アリートゥスはヴィリニュスの南西約100kmに位置し、日帰りでもアクセス可能な距離にあります。主な交通手段はバスです。
バス移動が便利!チケット購入から乗車までの流れ
リトアニア国内の移動手段としてバスは発達しており、料金も手頃で便利に利用できます。ヴィリニュスからアリートゥスへは1日に複数の便が運行されており、所要時間は約1時間30分から2時間程度、料金は片道およそ10ユーロ前後と非常にリーズナブルです。
【手順解説】バスチケットの購入方法
バスのチケットは、事前にオンラインで購入する方法と、当日にバスステーションで購入する方法があります。個人的には、座席を確保でき、言語面でも安心なオンラインでの事前購入をおすすめします。
- オンライン購入について
リトアニアの長距離バスチケットをまとめて扱うウェブサイト Autobusubilietai.lt を活用しましょう。英語表示も可能で安心です。
- 出発地(Vilnius)、目的地(Alytus)、日付を選択して検索します。
- 希望のバス時間を選び、乗客情報を入力します。
- クレジットカードで決済を行います。
- 決済完了後、Eチケットがメールで送られてきます。スマートフォンの画面に表示するか、PDFとして保存または印刷しておきましょう。乗車時に運転手に提示が必要です。
- バスステーションでの購入について
ヴィリニュス中央駅の隣にあるヴィリニュス・バスステーション(Vilniaus autobusų stotis)でも購入可能です。
- 窓口(Kasa): 「Alytus」と書いたメモを見せれば、スタッフが次の便のチケットを発行してくれます。現金もしくはクレジットカードが利用可能です。
- 券売機: 英語表示に切り替えられる自動券売機も設置されています。操作は簡単で、目的地と時間を選んで購入するだけです。
【準備と持ち物】快適なバス旅のために
- Eチケットや現金: オンライン購入の場合はスマートフォンの充電を十分に用意しましょう。バスステーションで購入する際は、少額のユーロ現金があるとスムーズです。
- パスポート: 乗車時に提示を求められることは稀ですが、身分証明として必ず携帯してください。
- 飲み物や軽食: 約2時間の移動時間があるため、水やお菓子などを持っておくと便利です。バスステーション内のキオスクでも購入可能です。
- 羽織るもの: 夏でもバス内の冷房が強い場合があるため、薄手のカーディガンやジャケットを用意すると安心です。
- モバイルバッテリー: チケットの表示や地図の確認でスマホの電池が減りやすいため、予備のバッテリーがあると心強いです。
【トラブル対策】もしもの場合の対応法
- バスに乗り遅れた場合
乗り遅れたチケットの多くは無効となり、払い戻しや変更ができるかどうかはバス会社やチケット種別によって異なりますが、基本的には新たに次の便のチケットを購入しなければなりません。時間に余裕を持ち、出発の15分前にはバスステーションに着くようにしましょう。
- 乗り場がわからないとき
ヴィリニュス・バスステーションは広いため、乗り場の番号(Platform / Aikštelė)を必ず確認しましょう。番号はチケットに記載されているほか、ステーション内の電光掲示板にも表示されます。「Alytus」と書かれた案内を探してください。迷った際は、遠慮せずにインフォメーションセンターや周囲の人にチケットを見せて尋ねてみましょう。リトアニアの人々は親切に教えてくれます。
アリートゥスの必見スポット5選!自然とアートを満喫しよう

アリートゥスに到着したら、早速街の散策に出かけてみましょう。コンパクトな街なので、主要な観光スポットは徒歩で十分に巡ることが可能です。ここでは、特におすすめしたい5つの場所をご紹介します。
1. 天使の橋(Baltosios Rožės tiltas) – 白バラの橋
アリートゥスを代表する風景といえば、間違いなくこの「天使の橋」です。正式名称は「白バラの橋」ですが、その美しさから「天使の橋」として親しまれています。この橋はかつて鉄道橋だった場所を再利用して建設され、高さ38.1メートルでリトアニアで最も高い歩行者・自転車専用橋となっています。
橋の上からは、大きく蛇行するネムナス川と、その両岸に広がる深い森の絶景が楽しめます。特に夕暮れ時には、空と川面がオレンジ色に染まり、その美しさには息をのむことでしょう。橋を渡る風を感じながら、ゆったりと景色を味わう時間は、アリートゥスならではの贅沢な体験です。橋の中央部分にはガラス張りの床があり、少しスリリングな感覚も味わえます。写真好きには絶好の撮影スポットでもあります。
2. アリートゥス市立公園(Alytaus Miesto Sodas)
街の中心に位置する市立公園は、丁寧に手入れされた花壇や優雅な噴水、そして豊かな緑を楽しめる市民の憩いの場です。19世紀に造られた歴史あるこの公園内には、リトアニアを代表する著名人の胸像やモダンな彫刻が点在しており、散策しながら美術鑑賞も楽しめます。
晴れた日にはベンチに腰掛けて読書にふけったり、地元の家族連れが楽しそうに過ごす様子を眺めたりするのも心地よい時間です。旅の合間にこうした穏やかなひとときを過ごすのもおすすめ。公園内にはカフェもあり、美味しいコーヒーを飲みながら一息つくのも良いでしょう。リトアニアの日常にそっと溶け込める、居心地の良いスポットです。
3. 若者の公園(Jaunimo parkas)
市立公園の対岸、ネムナス川を挟んだ場所に広がるのが、より広大な「若者の公園」です。こちらは自然の雰囲気を残しつつ整備されており、松林の中を散策路が巡っています。公園内には個性的な彫刻が点在しており、「彫刻の道」をたどりながらアート作品を探し歩く楽しみもあります。
この公園の隣には、後ほど詳しく紹介するアドベンチャーパーク「Tarzanija」があり、アクティブに過ごしたい方に人気のスポットです。スケートパークや子ども向けの遊具も充実しており、その名の通り若者や家族連れで賑わっています。広々とした芝生エリアでのんびりとピクニックを楽しむのも格別です。
4. アリートゥスの丘の城址(Alytaus piliakalnis)
街の歴史が始まった場所、それがこの「アリートゥスの丘の城址」です。14世紀に、ドイツ騎士団から国を守るために、このネムナス川沿いの丘に木造の城が築かれました。現在は建物こそ残っていませんが、丘の上に立つとここがかつて戦略的に重要な地だったことを実感できます。
丘の頂上からはアリートゥスの街並みとネムナス川を一望でき、草に覆われた静かな場所で、遠い昔の騎士たちの戦いに思いを馳せるのもひと味違った体験です。地元の人々にとっても大切な場所であり、夏至祭などの伝統行事もここで催されます。歴史と景観を同時に楽しめる、アリートゥス訪問の際にはぜひ訪れたいスポットです。
5. 聖天使守護教会(Šv. Angelų Sargų bažnyčia)
街の中心、自由広場(Laisvės aikštė)の近くに堂々とそびえる美しい赤レンガ造りの教会が「聖天使守護教会」です。19世紀末に建てられたネオゴシック様式の建築で、その高くそびえ立つ双塔は街のどこからでも視認できるランドマークとなっています。
教会内部に足を踏み入れると、高い天井と色鮮やかなステンドグラスから差し込む光が心を洗い清めてくれるようです。静謐で厳かな雰囲気に包まれており、旅の安全祈願にもぴったりの場所です。
【禁止事項・ルール】教会見学のマナー
教会は神聖な祈りの場です。見学時には以下のマナーに気をつけましょう。
- 服装: 肌の露出が多い服装(タンクトップやショートパンツなど)は避けましょう。特に夏場は肩を覆うショールなどを携帯すると便利です。男性は帽子を脱ぐのがマナーです。
- 行動: 教会内では静かに過ごし、大声での会話は控えましょう。ミサや祈りが行われている際には、邪魔をしないよう十分に配慮してください。
- 写真撮影: 撮影が許可されているか必ず確認しましょう。許可されていても、フラッシュの使用は禁止されている場合がほとんどです。
アリートゥスで体験したい!ユニークなアクティビティ
美しい景観を楽しむだけでなく、身体を動かしてアリートゥスの自然を全身で味わうことも旅の大きな魅力です。ここでは、とくにおすすめしたいアクティビティを2つご紹介します。
アドベンチャーパーク「Tarzanija」でスリルを満喫
アクティブな体験がお好みの方には、アドベンチャーパーク「Tarzanija」がぜひ外せません。若者の公園の隣、ネムナス川沿いの美しい森の中に、多彩なアスレチックコースが設置されています。
木々のあいだに張られたワイヤーを滑り下りるジップラインや、揺れる橋やネットを渡るコースなど、難易度別に様々なコースが用意されているため、子どもから大人まで幅広く楽しめます。特にネムナス川を横断するジップラインは爽快感が抜群で、まるで鳥のように自然の雄大さを満喫できますよ。
【体験の流れ】Tarzanijaを楽しむためのステップ
- 予約: 週末や夏の繁忙期は混雑することが多いため、公式サイトから事前に予約するのがおすすめです。コースや開始時間を選んで申し込めます。
- 受付と支払い: 現地に着いたら、まず受付で予約内容を伝え、料金を支払います。料金は選んだコースにより異なります。
- 装備の装着と安全講習: スタッフがハーネスやヘルメットなど安全装備を正しく装着してくれます。続いて地上の練習コースで器具の使い方や安全確保の方法を丁寧に教わります。
- コースにチャレンジ: 講習を終えたら、自分が選んだコースに挑戦しましょう。コース上ではスタッフが常に見守っているため安心です。
【準備・持ち物】
- 動きやすい服装: ズボンの着用を必ず守りましょう。スカートは避けてください。汚れても良い服装が望ましいです。
- 運動靴: サンダルやヒールは危険なので、足にしっかりフィットするスニーカーを用意してください。
- 軍手: ロープを握る際に手を保護できるため便利です。現地で販売やレンタルもあります。
- 飲み物: 体を動かすと喉が渇くので、水分補給用の飲み物を忘れずに持参しましょう。
最新の料金や営業時間、予約状況については、Tarzanija公式サイトでご確認ください。
ネムナス川でカヤックやカヌーを楽しむ
アリートゥスの魅力を語るうえで欠かせないネムナス川。この川をカヤックやカヌーで下る体験は、リトアニアの豊かな自然を肌で感じる最高のアクティビティです。穏やかに流れる川面にゆだねながら、両岸に広がる緑豊かな森を眺める時間は、まさに贅沢なひととき。水鳥を見つけたり、川岸で休憩してピクニックを楽しんだりと、自由な過ごし方が可能です。
アリートゥス市内やその周辺には、カヤックのレンタルやガイド付きツアーを提供する業者が複数あり、数時間のショートトリップから1日かけてじっくり楽しむプランまで多彩に揃っています。
【準備・持ち物】
- 濡れても良い服装: 水しぶきで濡れることがあるため、速乾性のあるTシャツやショートパンツなどが適しています。
- 着替えとタオル: 体験後に着替えられる服とタオルは必須です。
- 日焼け対策: 帽子やサングラス、日焼け止めを忘れずに用意してください。水面の反射が予想以上に強いので注意が必要です。
- 防水バッグ: スマートフォンやカメラなどの電子機器を水濡れから守るため、防水バッグやケースの使用がおすすめです。
- ライフジャケット: レンタル業者が必ず用意していますが、自分の身体に合ったものを正しく着用しましょう。
アリートゥスのグルメを堪能!おすすめレストラン&カフェ

旅の醍醐味のひとつといえば、やはり現地で味わう美味しい食事です。アリートゥスでは、リトアニアの伝統料理から居心地の良いカフェまで、多彩な食の楽しみ方ができます。
リトアニアを代表する料理
まずは、リトアニアでぜひ体験してほしい代表的な料理をいくつかご紹介します。
- ツェペリナイ(Cepelinai): すりおろしたジャガイモの生地で、ひき肉やカッテージチーズを包んで茹でたリトアニアの国民食です。名前は飛行船(ツェッペリン)に形が似ていることに由来します。もちもちとした食感が特徴で、サワークリームとベーコンのソースをかけていただきます。
- シャルティバルシチ(Šaltibarščiai): 鮮やかなピンク色が目を引く、ビーツを使った冷製スープです。ケフィア(発酵乳)をベースに、刻んだきゅうりやディルが加えられています。さっぱりとした味わいで特に夏に愛されており、茹でたジャガイモが添えられるのがリトアニア流です。
- キビナイ(Kibinai): 三日月型のパイで、中には刻んだ肉や野菜の具が詰まっています。もとはリトアニア西部に住む少数民族カライム人の伝統的な食べ物ですが、現在ではリトアニア全土で親しまれています。
おすすめのレストラン&カフェ
伝統料理を楽しむなら「Dzūkų alaus restoranas」
ズーキヤ地方の郷土料理と自家製ビールが自慢のレストランです。木材を活かした温かみのある空間で、本格的なリトアニア料理をじっくり味わえます。名物のツェペリナイは特に絶品で、たっぷりボリュームがあるためお腹を空かせて訪れるのがおすすめ。地元産の素材を活かしたメニューは、どれも素朴でほっとする味わいです。
居心地抜群のカフェ「Kavos namai」
散策に疲れたときは、美味しいコーヒーとスイーツでリラックスしませんか?「Kavos namai(コーヒーハウス)」は地元の人にも愛される居心地の良いカフェです。こだわりのコーヒーはもちろん、手作りのケーキやペストリーの種類も豊富。窓際の席に座り、街を行き交う人々を眺めながらゆったり過ごす時間は旅の素敵な思い出になるでしょう。
注文方法とチップのマナー
- 注文: 多くのレストランでは、席につくと店員がメニューを持ってきてくれます。注文が決まったら、店員と目を合わせるか軽く手を挙げて合図しましょう。英語メニューを用意している店も多いです。
- お会計: 食事を終えたら、「Bill, please」やリトアニア語で「Sąskaitą, prašau(サースカイタ、プラシャウ)」と伝えると伝票を持ってきてくれます。テーブル会計が一般的です。
- チップ: リトアニアではチップは義務ではありませんが、サービスに満足した場合は料金の5〜10%程度をテーブルに置くか、お釣りの小銭を「結構です」と伝えるのがスマートです。クレジットカードで支払う際にチップの額を入力できる場合もあります。
旅の計画に役立つ!アリートゥス滞在のヒント
アリートゥスへの旅を、より快適かつ安全に楽しんでいただくための実用的な情報をご紹介します。
宿泊施設の選択について
アリートゥスでは、快適なホテルからキッチン付きのアパートメントまで、多様な宿泊施設が揃っています。
- ホテル: 市街地の中心部には観光に便利なホテルが点在しています。また、郊外にはスパ施設を備えたリゾートタイプのホテルもあり、リラクゼーションを求める方に最適です。
- アパートメント: Booking.comなどの予約サイトでは、個人所有のアパートメントが多数見つかります。キッチン完備のため、地元のスーパーで食材を購入して自炊も可能です。まるで暮らすような旅がしたい方におすすめです。
市内の交通手段
アリートゥスの中心街はコンパクトなため、主要な観光スポットは徒歩で十分に巡ることができます。
- 市バス: 少し離れた場所へ移動する際には市バスが便利です。バス停にある券売機やキオスクでチケットを購入でき、乗車時には車内の改札機で必ず刻印してください。
- タクシーアプリ: リトアニアでは「Bolt」などの配車アプリが広く利用されています。行き先をアプリで入力し、料金を事前に確認できるため、言葉の壁を気にせず安心して乗ることができます。
最適な季節と服装のポイント
アリートゥスを訪れるのに最も適しているのは、日照時間が長く気候が穏やかな5月から8月です。緑が美しく、イベントも多彩に開催されます。
【服装と持ち物の目安】季節別の準備
- 夏(6月~8月): 日中はTシャツで過ごせる日が多いものの、朝晩は冷えることがあります。薄手のジャケットやカーディガンを持参しましょう。強い日差し対策として、サングラスや帽子、日焼け止めも必須です。
- 春・秋(4月~5月、9月~10月): 気温の変動が激しいため、重ね着ができる服装がおすすめです。セーターやフリース、防水ジャケットがあると安心です。
- 冬(11月~3月): 冬は長く寒さが厳しく、時にはマイナス20度を下回る日もあります。ダウンジャケット、厚手のセーター、ヒートテックなどの防寒インナーは必須です。さらに帽子、手袋、マフラーも忘れずに。路面凍結があるため、滑りにくい靴底のブーツを準備しましょう。
役立つ基本情報
- 通貨: ユーロ(EUR)が使われています。クレジットカードはホテルや大型レストラン、スーパーで広く使用可能ですが、市場や小規模の個人商店、バスのチケット購入には現金が求められる場合もあるため、少額の現金を携帯すると便利です。
- 言語: 公用語はリトアニア語です。観光地や若い世代の多くは英語を話しますが、簡単な挨拶を覚えておくと地元の人との交流がよりスムーズになります。
- こんにちは:Laba diena(ラバ・ディエナ)
- ありがとう:Ačiū(アーチュウ)
- はい/いいえ:Taip(タイップ)/Ne(ネ)
- 治安: アリートゥスはリトアニアの中でも比較的治安が良い街です。ただし、どの国でも同様に貴重品管理は徹底し、スリや置き引きに注意してください。夜間の人気のない場所を一人で歩くことは避け、基本的な安全対策を心がけましょう。
- 緊急連絡先: 警察、消防、救急はすべて共通の「112」に繋がります。万が一のトラブルに備えて、海外旅行保険へ必ず加入してください。また、パスポート紛失に備え、在リトアニア日本国大使館の連絡先もあらかじめ控えておくと安心です。
アリートゥスから足を延ばしてみたい近郊の魅力

もしアリートゥスでの滞在に余裕があれば、ぜひ周辺の町や国立公園も訪れてみてください。ズーキヤ地方のさらなる魅力を感じることができるでしょう。
ズーキヤ国立公園(Dzūkijos nacionalinis parkas)
アリートゥスの南側に広がるリトアニア最大の国立公園です。広大な松林や緩やかに蛇行する川、神秘的な湿地帯など、手つかずの自然が豊かに残っています。整備されたハイキングコースを歩くだけで、森林浴を楽しみながら心身ともにリフレッシュできます。
この地域はキノコやベリーが豊富で、秋にはキノコ狩りやベリー摘みを楽しむ多くの人々で賑わいます。また、公園内には伝統的な木造家屋が残る美しい村々も点在し、リトアニアの原風景を垣間見ることができます。アクセスはアリートゥスからバスやレンタカーが便利です。
ドルスキニンカイ(Druskininkai)
アリートゥスからバスでおよそ1時間の場所にある、リトアニアを代表するスパリゾートタウンです。古くからミネラルウォーターの湧出地として知られ、多数のサナトリウムやスパホテルが軒を連ねています。豊かなミネラル温泉や、治癒効果が期待されるヒーリングマッド(泥)を使ったトリートメントで、旅の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。
さらに、巨大なウォーターパーク「Aqua Park」や、一年中スキーやスノーボードが楽しめる屋内スキー施設「Snow Arena」などのレジャー施設も充実しており、家族連れにも人気の目的地です。緑豊かな公園も美しく、ゆったりと過ごすのに最適な町で、アリートゥスからの日帰り旅行にも十分対応可能です。
アリートゥスはまだ多くの観光客に知られていない、静かで美しい隠れた宝石のような街です。豊かな自然に囲まれ、穏やかな人々の暮らしに触れる旅は、きっとあなたの心に深く刻まれる特別な体験となるでしょう。この記事が、あなたの次なる冒険への第一歩となればこれ以上の喜びはありません。準備を整えて、ぜひリトアニアの緑の首都へ足を運んでみてください。









