バンコクの喧騒、プーケットの賑わい。それらがタイのすべてだと思っていませんか。世界中を飛び回る中で、私は常に「次なるデスティネーション」を探し求めています。クライアントとの厳しい交渉、深夜まで続く資料作成。そんな日常からエスケープするために必要なのは、ありきたりなリゾートではなく、五感を揺さぶり、心身をリフレッシュさせてくれる本物の体験です。
今回ご紹介するのは、タイ東部に位置する隠れた宝石、ラヨーン(Rayong)。バンコクから車でわずか2時間半ほどの距離にありながら、手つかずの自然とアドレナリンを刺激するアクティビティが旅人を待っています。ここは、ガイドブックの1ページ目には載らないかもしれない。しかしだからこそ、知る人ぞ知る、本物の冒険が眠っているのです。
この記事は、単なる観光案内ではありません。あなたがラヨーンを訪れ、その魅力を最大限に味わい尽くすための、実践的なアクションプランです。チケットの買い方から、必要な持ち物、万が一のトラブル対処法まで。私が実際に足を運び、体験し、得た知見のすべてをここに記します。さあ、新たな冒険の扉を開きましょう。
なぜ今、ラヨーンなのか? バンコクの喧騒を離れた冒険の始まり

私がラヨーンに惹かれるのは、その絶妙なバランス感覚にあります。バンコクという大都市の利便性からほどよく距離がありながらも、アクセスは非常に良好で、週末を利用した短期の旅行にも最適です。一歩足を踏み入れれば、都会の喧騒を忘れさせる豊かな自然が広がっています。
多くの観光客がパタヤで立ち止まる一方で、その少し先のラヨーンまで足を伸ばす人はまだ少数です。そのため、ここには過度に商業化されていない、ありのままのタイの姿が色濃く残っています。真っ白な砂浜が連なる海岸線、熱帯雨林が息づく国立公園、そして地元の人々の温かい笑顔が一体となり、訪れる人に深い安らぎと感動をもたらしてくれます。
ラヨーンは、静かにビーチでゆったり過ごしたい方にも、アクティブに動き回りたい方にも、どちらの希望も満たしてくれる稀有な場所です。特に、体を動かし自然と一体化することを求める旅人には、ここはまさに理想の楽園と言えるでしょう。これからその具体的な魅力をひとつずつご紹介していきます。
ラヨーンの楽園「サメット島」で過ごす究極のアイランドホッピング

ラヨーン旅行を語るうえで、サメット島(Koh Samet)の存在は欠かせません。ラヨーン本土のバーンペー港からわずか6.5km沖合に浮かぶこの島は国立公園に指定されており、その美しさを国が厳しく保護しています。きめ細かい白砂はまるで小麦粉のように柔らかく、エメラルドグリーンに輝く海との鮮やかなコントラストが訪れる人の心を強く惹きつけます。
サメット島へのアクセス方法:冒険のスタート
まずは、この楽園へ向かうための基本的なアクセス方法をご紹介しましょう。出発地点はラヨーン本土のバーンペー港(Ban Phe Pier)です。ここからサメット島へ渡る手段は主に二つに分かれます。
- 大型フェリー(Slow Ferry):
最も一般的かつ費用を抑えられる方法です。所要時間は約40分で、片道約70バーツ、往復では100〜120バーツが相場。ゆったりと潮風を感じながらの船旅は、旅の期待感を高めてくれます。チケットは港に並ぶ複数のカウンターで購入でき、料金やサービスはほぼ同等です。大きな荷物を持っていても問題なく乗船可能です。
- スピードボート(Speedboat):
時間を節約したい方やグループでの移動に適しています。所要時間は15〜20分程度で、片道200〜300バーツ、往復ではやや割引が適用されることもあります。スピードボートの大きな魅力は、島の中心となるナダン港に加え、宿泊先ホテルの目の前のビーチへ直接アクセスできる場合がある点。到着後の移動が格段に楽になります。
【Do情報】チケット購入と乗船の流れ
バーンペー港に到着すると、多くの客引きが声をかけてきますが、慌てずにまずは正規のチケットカウンターを見つけましょう。「Ferry Ticket」や「Speedboat to Koh Samet」と記された看板が目印です。
- チケットカウンターへ:港には複数の船会社のカウンターがあります。フェリーかスピードボートか、利用したい方法を決めて向かいましょう。
- 行き先を伝える:サメット島の主要港は「ナダン港(Na Dan Pier)」ですが、スピードボートなら特定のビーチ(サイケオビーチやアオプラオなど)を指定することで直接アクセスできる場合があります。
- 料金の確認と支払い:料金表が明示されているカウンターを選び、片道(One Way)または往復(Round Trip)かを伝えましょう。支払いは基本的にタイバーツの現金です。クレジットカードが使えないことも多いため、現金は多めに準備しておくのがおすすめです。
- 乗船:チケットを受け取り、指定された乗り場へ。スタッフが案内してくれるので、その指示に従ってください。フェリーは決まった時間に出発し、スピードボートは人数が揃い次第出発することが多いです。
なお、サメット島は国立公園のため、ナダン港到着後に入園料(タイ国籍者40バーツ、外国人200バーツ)の支払いが必要となります。このチケットは滞在中有効なので、紛失しないよう大切に保管してください。
見事な白砂が広がるサイケオビーチで体験するマリンスポーツ
サメット島で最も賑わい、かつ美しいと評されるサイケオビーチ(Hat Sai Kaew)。その名は「ダイヤモンドの砂浜」を意味し、約1kmにわたって続く純白の砂浜は、日差しに照らされてキラキラと輝きます。波は穏やかで遠浅なため、海水浴にはぴったりのスポットです。
活動的な旅がお好みなら、ここで楽しめる多彩なマリンスポーツがおすすめです。ビーチ沿いには多数の業者がブースを設けており、さまざまなアクティビティを提供しています。
- ジェットスキー: 爽快感抜群。青い海を高速で駆け抜ける感覚は日々のストレスを吹き飛ばしてくれるでしょう。料金は15分で約800バーツ、30分なら1,500バーツ前後が一般的。操作方法や安全面については必ず事前説明を受けてください。
- パラセーリング: 空中からサメット島の絶景を一望できる人気のアクティビティ。ボートで引かれて舞い上がると、エメラルドグリーンの海と白い砂浜が織りなす絶景が眼下に広がります。料金は1名あたり800〜1,200バーツ程度。
- バナナボート: 友人や家族と盛り上がりたい時にピッタリ。遠心力に耐えながらの滑走は笑いとスリル満点。最後には海へ落とされるのもご愛嬌です。1人あたり300〜500バーツで体験可能です。
【Do情報】マリンスポーツを最大限楽しむために
- 持ち物:
- 水着(ホテルから着用していくと便利)
- 速乾性のラッシュガード(日焼けやクラゲ対策に有効)
- 強力なウォータープルーフの日焼け止め
- サングラス、帽子
- 防水バッグやスマホ用防水ケース(貴重品の管理に役立ちます)
- 現金(支払いは現金が基本)
- タオル
- 料金交渉:
オフシーズンや平日は交渉可能な場合があります。複数のアクティビティをセットで申し込む際に割引をお願いするのもよいでしょう。ただし、度を越えた交渉は避け、お互いに気持ちよく取引できる範囲を大切にしてください。
- 安全面:
活動前に必ずライフジャケットを着用し、業者が保険に加入しているか、安全設備が整っているかを自分の目でしっかり確認しましょう。不安を感じた場合は、その業者の利用を控えることが賢明です。
- ルール:
ジェットスキーは遊泳区域から離れたエリアで楽しむのが原則。泳いでいる人のそばで高速走行をするなど危険な行為は絶対に避けてください。
静かなひとときを求めるならアオプラオへ。サンセットカヤックがおすすめ
サイケオビーチのにぎやかさとは対照的に、島の西側に位置するアオプラオ(Ao Prao)は高級リゾートが点在し、落ち着いたプライベート感を味わえるビーチです。ここでは太陽が海に沈む様子を真正面から望めることから「サンセットビーチ」としても知られています。
日中の喧騒から離れ、静寂な時間を過ごしたい人には、夕暮れ時のシーカヤックやSUP(スタンドアップパドルボード)がおすすめです。波がほとんどなく穏やかな湾内は初心者でも安心して楽しめます。
茜色に染まる空と、それを映す静かな海面の中、パドルの音だけが聞こえる時間はまさに至福。水平線に沈む夕日を海の上から眺める体験は心に深く刻まれるでしょう。
【Do情報】サンセットカヤックの楽しみ方
- レンタル場所: アオプラオビーチ周辺のホテルや小さなレンタルショップでカヤックやSUPを借りられます。料金はおよそ1時間200〜300バーツ。
- 最適な時間帯: 日没の約1時間前から始めるのがベスト。タイの日没時刻は季節により変わるため、事前に確認しておきましょう(通常18:00〜18:30頃)。
- 安全装備: ライフジャケットは必ず装着し、暗くなるのが早いため防水ライトの携帯を推奨。携帯は防水ケースに入れて持ち歩いてください。
- 漕ぐルート: 基本的には湾内を自由に巡りましょう。ただし岸からあまり離れすぎないよう注意し、潮の流れにも気をつけてください。体力に自信がなければ無理をしないことが大切です。
- 返却: 時間内にレンタル元へ返却。暗くなる時間帯の場合は事前に伝えておくとスムーズです。
夜のひとときに!アオパイで繰り広げられる迫力のファイヤーショー
サメット島の夜は静かに過ぎるだけではありません。サイケオビーチ隣のアオパイ(Ao Phai)ビーチでは毎晩、圧倒的な迫力のファイヤーショーが繰り広げられます。ビーチに並べられたマットに寝そべりながら、カクテルを片手に眺める炎の舞は、まさにアイランドリゾートならではの醍醐味です。
Ploy Talay Restaurantなどの名高い店舗では、火のついた棒やボールを手際よく操る屈強なパフォーマーによるアクロバティックな技が次々に披露されます。火花が闇夜に舞い散る幻想的な光景とアップテンポな音楽が観客の興奮を最高潮に高めます。
【Do情報】ファイヤーショーを楽しむポイント
- 開催場所・時間: アオパイビーチやサイケオビーチのレストランバーで、毎晩20:00頃から始まることが多く、特に週末は盛り上がります。
- 席の確保: 観覧に適した最前列の席は人気が高いため、19:00頃までにレストランを訪れ、食事をしながら席を確保するのが賢明です。
- 料金: ショー自体は無料ですが、レストランやバーでの飲食が条件となります。
- 服装・注意点: ビーチでの鑑賞なのでカジュアルな服装で問題ありません。ただし最前列は火の粉が飛んでくる可能性があるため、高価な服や燃えやすい素材は避けましょう。また、パフォーマーの妨げにならないようフラッシュ撮影は控えるのがマナーです。
緑深きジャングルへ!カオチャマオ=カオウォン国立公園トレッキング

ラヨーンの魅力は美しい海に限りません。本土に広がる「カオチャマオ=カオウォン国立公園(Khao Chamao-Khao Wong National Park)」は、熱帯雨林の豊かな生命力があふれる、もう一つの冒険の舞台です。ここでは、滝を目指すハイキングや神秘的な鍾乳洞の探検など、ジャングルならではのアクティビティが楽しめます。
この国立公園は手つかずの自然が豊かに残されており、多種多様な動植物の生息地となっています。タイ国立公園の公式サイトによれば、テナガザルをはじめ、さまざまな鳥類や美しい蝶が観察できるとのことです。都会の生活では感じられない、濃密な緑の香りと生命のざわめきに包まれる体験は、心身共に深いリフレッシュをもたらしてくれるでしょう。
8段の滝に挑む!カオチャマオ滝ハイキング
この国立公園の目玉は、何と言ってもカオチャマオ滝(Khao Chamao Waterfall)です。滝は8つの段に分かれ、麓から最上部まで約2.5kmのトレイルが整備されています。
最初の1〜2段目は駐車場からすぐ到達可能。滝壺は天然のプールとなっており、多くの魚(プラープルワン)と一緒に泳げます。この魚は人の角質を食べると言われており、足を浸すと無数の魚が寄ってくる、天然ドクターフィッシュの体験が楽しめます。驚きはありますが、痛みはまったくありません。
登るにつれて道は次第に険しくなります。整備された遊歩道から岩や木の根が露出した本格的な山道へと変わり、冒険心を刺激します。各段で異なる滝の姿が見られ、苦労して登った者だけが味わえる絶景が待っています。最上段の8段目まで到達した際の達成感は格別です。
**【Do情報】滝ハイキングの実践ガイド**
- アクセスと入園料: ラヨーン市街地から車で約1時間半。レンタカーかチャータータクシーが一般的な移動手段です。入園料は外国人200バーツ、タイ人40バーツです。
- 準備と持ち物:
- 服装: 速乾性のTシャツとパンツが基本。足元は滑りにくいトレッキングシューズか濡れても問題ないスポーツサンダルを推奨します。ビーチサンダルは危険なので避けましょう。
- 水着: 滝壺で泳ぐ予定がある場合は、予め服の下に着用しておくと便利です。
- 着替えとタオル: 泳いだり汗をかいたりした後のために、車に置いておくと快適です。
- 飲み水: 最低1リットルは必ず持参を。園内に売店はありますが、トレイル途中にはありません。
- 虫除けスプレー: ジャングル環境のため、蚊などの虫対策は必須です。
- 防水バッグ: カメラやスマートフォンを水や湿気から守るために役立ちます。
- 行動のポイント:
- 時間配分: 麓から最上段まで往復すると、休憩や遊泳時間を含めて3〜4時間は見積もりましょう。涼しい午前中に出発するのがおすすめです。
- 体力レベル: 3段目までは比較的楽に登れますが、それ以上は健脚向け。自分の体力と相談し、無理なく楽しんでください。途中で引き返す判断も大切です。
- 禁止事項: 動植物の採取は禁止。ゴミは必ず持ち帰りましょう。
神秘の鍾乳洞を探検!カオウォン洞窟
カオチャマオ滝から車でさらに約30分の場所に、もう一つの見どころ、カオウォン洞窟(Khao Wong Caves)があります。大小80個以上の石灰岩洞窟が点在し、自然が作り出した芸術作品のような景観です。その中の一部は一般公開されています。
洞窟に入るとひんやりとした空気が肌を包み、外界とは隔絶された神秘的な空間が広がります。懐中電灯に照らされるのは、何万年もの歳月をかけて形成された鍾乳石や石筍。その奇妙で美しい形状は、訪れる人の想像力をかき立てます。
探検には現地ガイドを雇うことも可能です。彼らは安全なルートを案内するだけでなく、鍾乳石の形状の由来などを解説してくれ、洞窟探検を一層楽しいものにしてくれます。
**【Do情報】洞窟探検の注意点**
- 必須アイテム: 強力なヘッドライトまたは懐中電灯は必携です。洞窟内は完全な闇の場所もあり、スマートフォンのライトでは光量が不十分です。
- 足元: 洞窟内は湿って滑りやすい場所が多いため、グリップ力のあるトレッキングシューズなどの着用を推奨します。
- 服装: 汚れてもよい長袖・長ズボンが理想的です。岩肌での擦り傷防止と洞窟内の虫対策に効果的です。
- ガイド: 特に奥深く探検する場合は、安全面から現地ガイドの同行が強く推奨されます。洞窟入り口のレンジャーオフィスで手配可能です。
ローカル体験でラヨーンの文化に触れる

激しいアクティビティの合間には、ラヨーンの豊かな文化や産業に触れる体験を取り入れることをおすすめします。この土地独自の魅力を知ることで、旅の楽しみが一層深まります。
フルーツ天国を堪能!スーパットラーランド果樹園
タイが「フルーツ王国」と称される理由を存分に味わえるのが、「スーパットラーランド果樹園(Suphattra Land Orchard)」です。約320ヘクタールもの広大な敷地には、ドリアン、マンゴスチン、ランブータン、マンゴーといった南国を代表する様々なフルーツが豊富に実っています。
この果樹園の最大の魅力は、園内をトラムで巡りながら旬のフルーツをその場で収穫し、好きなだけ味わえる食べ放題ツアーです。フルーツの王様ドリアンの濃厚な風味や、女王と称されるマンゴスチンの繊細で甘酸っぱい味わい。収穫したての新鮮なフルーツの味は、市販のものとは比べものになりません。
また、タイ伝統のサラダ「ソムタム」作りのデモンストレーションや養蜂場の見学など、食文化にまつわる多彩な体験も用意されており、子どもから大人まで楽しめる内容です。
**【Do情報】果樹園を楽しむためのポイント**
- チケット: 入園料(ツアー込み)は入り口のカウンターで支払い、料金はおよそ600バーツですが、季節によって変動することがあります。予約は必須ではありませんが、団体と重なるのを避けたい場合は事前に問い合わせるのが安心です。
- ベストシーズン: 最も多くの種類のフルーツが旬を迎えるのは、雨季にあたる5月から7月頃。この時期に訪れると、最高のフルーツ体験を楽しめます。
- 持ち物: ウェットティッシュや手指消毒ジェルがあるとフルーツの食後のベタつきをすぐに拭き取れて便利です。虫除けスプレーの持参もおすすめします。
- 公式サイトの活用: 訪問前にはスーパットラーランド公式サイトで最新の開園時間や料金、現在味わえるフルーツの種類などを確認しておくと良いでしょう。
ラヨーン水族館でタイ湾の海洋生態を学ぶ
バーンペー港近くにある「ラヨーン水族館(Rayong Aquarium)」は、派手さは控えめながらも、タイ湾の海洋生物に特化した展示が魅力の施設です。大きな水槽の中を悠然と泳ぐサメやエイ、多彩な熱帯魚の群れは、つい時間を忘れて見入ってしまいます。
特に人気のスポットは水中トンネル。まるで海中を散歩しているかのように、魚たちの生態を間近で観察できます。屋外にはウミガメの保護区もあり、愛らしい子ガメの姿に癒されることでしょう。
マリンスポーツやダイビングで海に潜る前に訪れると、タイ湾の生態系への理解が深まり、海での体験がより豊かになります。家族連れはもちろん、大人だけでもじっくり楽しめる知的なアクティビティとしておすすめです。
ラヨーン滞在を成功させるための実践的アドバイス

冒険を存分に楽しむためには、綿密な準備が欠かせません。ここでは、アクセス方法から滞在のコツ、万一のトラブル対処法まで、旅をよりスムーズに進めるための具体的な情報をお届けします。
ラヨーンへのアクセス徹底ガイド
バンコクからラヨーンへ向かう主な交通手段は以下の通りです。
- バス: 経済的で最もよく利用されている手段です。バンコク東バスターミナル(エカマイ)からラヨーン行きのバスが頻繁に運行されており、所要時間は約3時間、料金はおおよそ200バーツ程度です。サメット島へ直行する場合は、バーンペー港行きのバスを選ぶと便利です。
- ロットゥー(ミニバン): バスよりやや速く、所要時間は約2時間半、料金は約250バーツです。戦勝記念塔(ビクトリーモニュメント)周辺など複数のバンコク市内発着ポイントがあります。ただし、大きな荷物を持っていると追加料金を請求されたり、乗車を断られたりする場合があるため注意が必要です。
- タクシー/配車アプリ: 快適性やプライベートな移動を重視する場合におすすめです。バンコク市内からチャーターすると料金は2,000〜2,500バーツが目安です。Grabなどの配車アプリを使えば料金交渉の煩わしさがなく、安心して利用できます。複数人で移動する場合は、一人あたりの費用も抑えられます。
- レンタカー: 自由に行動したいアクティブな旅人に最適です。スワンナプーム国際空港には大手レンタカー会社のカウンターがあり、スムーズに手続きが可能です。タイの交通ルール(左側通行)に慣れていれば、国立公園や郊外の果樹園など、公共交通機関では訪れにくいスポットへも気軽に足を伸ばせます。
滞在エリアと宿泊施設の選び方
- ラヨーン本土(ビーチエリア): 静かに過ごしたい方や、レンタカーで広範囲を巡る予定の方には、ラヨーン本土のビーチ沿いの宿泊が向いています。メーランプンビーチ周辺には、コスパに優れたリゾートから長期滞在向けアパートメントまで、多彩な宿泊施設が揃っています。
- サメット島: アイランドライフを満喫したいなら、迷わずサメット島に宿泊しましょう。
- サイケオビーチ/アオパイ: にぎやかな雰囲気で夜まで楽しみたい人にぴったり。レストランやバー、ショップが多く便利です。
- アオウォンドゥアン/アオチョー: にぎやかさと静けさがほどよく調和したエリアで、家族連れやカップルに人気です。
- アオプラオ/アオキオ: プライベート感を優先する方は、西海岸に並ぶ高級リゾート地区がおすすめ。落ち着いた大人の滞在に最適な静かな環境です。
旅の準備と持ち物チェックリスト
- 必携アイテム:
- パスポート(有効期限が6ヶ月以上残っていること)
- 現金(タイバーツ):屋台やローカル店はクレジットカード非対応のことが多いため多めに用意しましょう。
- クレジットカード(VISAやMastercardが主流)
- 海外旅行保険証:病気や怪我に備え必ず加入しておくことが望ましいです。
- 服装:
- 通気性の良い夏用衣類(Tシャツやショートパンツなど)
- 水着やラッシュガード
- 薄手の長袖羽織り:冷房対策や日焼け防止、寺院訪問時の服装として活躍します。
- サンダルと歩きやすいスニーカーまたはトレッキングシューズ
- 日焼け・虫よけ用品:
- 日焼け止め(SPF50+、PA++++推奨)
- サングラスと帽子
- 虫よけスプレー(DEET配合のものが効果的)
- かゆみ止め薬
- その他:
- 常備薬、モバイルバッテリー、変換プラグ(タイではA型とC型が一般的。多くの場合、日本のA型プラグがそのまま使用可能)
- 防水バッグ
緊急時のトラブル対処法
楽しい旅でも予期せぬトラブルに遭遇することがあります。冷静に対応できるよう、あらかじめ知識を備えておきましょう。
- 体調不良や怪我の場合: まずは宿泊施設のフロントに相談し、最寄りの医療機関を案内してもらいましょう。ラヨーンには外国人対応が整っている私立病院(例:バンコクホスピタル・ラヨーン)があります。海外旅行保険に加入していればキャッシュレス治療も可能なケースが多いので、保険会社の提携医療機関を事前に確認しておくと安心です。
- 盗難や紛失時: パスポートを紛失した場合は、まず最寄りの警察署でポリスレポート(紛失証明書)を受け取り、その後バンコクの日本国大使館で再発行手続きか「帰国のための渡航書」を申請してください。クレジットカードを紛失した際は、すぐにカード会社へ連絡し利用停止手続きを行いましょう。
- アクティビティ中のトラブル: 参加前に催行会社が保険に加入しているか確認することが重要です。事故が発生した場合は速やかに報告し、必要であれば病院での診察を受けましょう。保険請求に備え、事故状況や治療内容の記録をきちんと残しておくことが大切です。
最新の安全情報は、在タイ日本国大使館の公式サイトで随時確認できます。渡航前に一度目を通すことをおすすめします。
ラヨーンの美食を味わい尽くす

アクティビティで消費したエネルギーは、美味しい料理でしっかり補いましょう。ラヨーンは海に面しているため、新鮮な魚介類が名物となっています。
バーンペー港周辺やビーチ沿いには、採れたての魚介を好きな調理法で楽しめるシーフードレストランが数多く並んでいます。炭火で豪快に焼き上げた大きなエビ(クンパオ)、ニンニクと唐辛子で炒めたイカ(プラームック・パット・ガティアム)、レモングラスの酸味とハーブの香りが際立つ魚の蒸し料理(プラーヌンマナーオ)など、どれも絶品です。
さらに、ラヨーンはタイでも有数のフルーツ産地として知られています。市場や道端の屋台を訪れれば、驚くほど手頃な価格で美味しい季節のフルーツに出会えます。特にドリアンは有名で、シーズン中には「ドリアン・ビュッフェ」が開催されるほどです。その独特の香りに臆せず、ぜひ一度、本場の味を体験してみてください。
新たな冒険の扉を開く、ラヨーンという選択肢

バンコクから少し足を伸ばすだけで、これほどまでに豊かで刺激的な世界が広がっていることに改めて気づかされました。ラヨーンは、まさにその事実を教えてくれた場所です。輝く海でのマリンスポーツ、深い緑に包まれたジャングルでのトレッキング、そして地元の人々の温かさにふれるローカルな体験。ここでは、定番の観光ルートを辿るだけでは味わえない、本物の感動と発見が待っています。
仕事に追われる毎日では、どうしても視野が狭くなりがちですが、ラヨーンの自然に身を置くと、硬くなった心や思考がほどけていき、新たなエネルギーが湧き上がるのを感じます。ここは単なるリゾート地ではなく、自分を解放し、リセットし、次のステージへと進むための「冒険の拠点」なのです。
この記事を読んで、もし次の旅先に迷っているなら。あるいは、誰もが知る観光地ではない、特別な場所を求めているなら。ぜひラヨーンを選択肢に加えてみてください。あなたの冒険心を刺激する、まだ知られていないタイの魅力が、そこであなたを待っています。









