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タイのソンテウ徹底攻略!歴史から乗り方・料金まで完全ガイド

タイの街角を歩いていると必ず目に飛び込んでくる、カラフルな屋根付きのピックアップトラック。それこそが、タイの人々の生活に欠かせない庶民の足「ソンテウ」です。バンコクのような大都会の裏路地から、チェンマイの歴史ある旧市街、パタヤのビーチ沿いまで、タイ全土で活躍するこの乗り物は、単なる交通手段以上の文化的な深みを持っています。タクシーよりも安く、トゥクトゥクよりも開放的で、バスよりも小回りが利く。そんなソンテウを完璧に乗りこなすことができれば、あなたのタイ旅行はより深く、より自由なものになるはずです。今回は、世界30か国を旅してきた私、さくらえみが、ソンテウの歴史から具体的な乗り方、トラブル回避術まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。

ソンテウでタイの街を自由に移動した後は、タイの最高学府チュラロンコン大学への進学について学んでみるのも良いでしょう。

目次

ソンテウとは何か?その語源と構造を探る

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「ソンテウ」という言葉がタイ語で何を意味するか、ご存じでしょうか。タイ語の「ソン」は「2」を、「テウ」は「列」を表します。つまり、「ソンテウ」とは、荷台に2列の座席が設けられた車を指す言葉です。主に日本のトヨタやいすゞ製のピックアップトラックを改造して作られており、荷台には屋根が取り付けられ、左右に対面式のベンチシートが配置されています。窓ガラスはなく、走行中は常にタイの熱気や風を直接感じられるのが特徴です。

この乗り物の魅力は、その「絶妙な曖昧さ」にあります。路線バスのように決まったルートを走るものもあれば、タクシーのように目的地を伝えて料金交渉をするタイプもあり、その形態は地域ごとに様々です。乗客が満員になると、後方のステップにぶら下がって乗る強者も見られますが、これは観光客には少々ハードルが高いかもしれません。それでも、地元の人々と一緒に風を切って進む体験は、高級車の送迎では決して味わえない、まさにタイの日常そのものと言えるでしょう。

ソンテウの歴史的背景とタイ社会への浸透

ソンテウがタイの街中を走り始めたのは、第二次世界大戦後のことだとされています。当時、日本から輸入されたトラックが物流の中心を担っていましたが、公共交通機関が十分に整備されていなかった地方や郊外において、人々を運ぶために荷台を改造したのが起源です。高価なバスを導入できない地域でも、既存のトラックを改造するだけで多数の乗客を運べるソンテウは、瞬く間にタイ全土に広まりました。

さらに、ソンテウはタイの「互助精神」を象徴する乗り物としても知られています。昔は近隣住民が共同で所有したり、特定の村の人が運転して街まで買い物に出かけるための手段として利用されていました。現在でも、スクールバスの代わりに使われるソンテウや、工場へ通勤する従業員専用のソンテウなど、社会のさまざまな場面でその姿を見ることができます。近代的なBTS(高架鉄道)や地下鉄が整備されたバンコクの街でも、駅から遠く離れた住宅街(ソイ)の入り口には、いまだにソンテウが待機しており、最後の一マイルを繋ぐ役割を果たしています。

地域別ソンテウの特徴と色のルール

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タイのソンテウは地域ごとに「色」で役割が割り当てられていることが多い点が興味深い特徴です。これを知っておくだけで、初めての土地でも迷わずに移動できるようになります。

チェンマイでは、「ロット・デーン(赤い車)」として知られる赤色のソンテウが特に有名です。これは特定の路線を持たず、市内を自由に走り回り、乗客の目的地に応じてルートを組み立てるシェアタクシーのような役割を果たしています。一方、チェンマイ郊外へ向かうソンテウは、黄色、白、青、緑などの色で行き先ごとに区別されているのが特徴です。

パタヤでは、ビーチロードとセカンドロードを循環するダークブルーのソンテウが主に利用されています。こちらは1回の乗車につき10バーツの固定料金(2024年時点)で、定められた一方通行のルートを繰り返し回っています。バンコク周辺では、主にスクムビット通りなどの大通りから分かれた細い道(ソイ)を往復する短距離の路線が多く、こちらも白や赤、青など地域のコミュニティごとに色分けされています。

ソンテウに乗る前に用意すべき持ち物とマインド

ソンテウは非常に便利な交通手段ですが、日本のタクシーに見られるようなホスピタリティを期待するのは避けたほうが良いでしょう。乗車前には最低限準備しておくべきものがあります。まず最も重要なのは「20バーツ札と10バーツ硬貨」です。ソンテウの料金は10バーツから50バーツ程度と手頃ですが、運転手が大きな額のお釣りを用意していないことがよくあります。1000バーツ札を渡して困らせるのはマナー違反であり、場合によっては「お釣りがない」と言われて乗車を拒否されることもあるため注意が必要です。

次に欠かせないのが「Googleマップ」です。ソンテウには車内放送や電光掲示板がないため、自分がどこを走っているのか、目的地まであとどのくらいかを把握するにはスマホのGPS機能が必須となります。また、行き先をタイ語で書いたメモや写真を用意しておくと、ドライバーとのコミュニケーションがスムーズに進みます。そして何より大事なのは、「少しの排気ガスや揺れを笑い飛ばす心の余裕」です。窓がないため交通量の多い道では排気ガスがそのまま入ってきますし、舗装が良くない道ではかなりの揺れを感じます。これもタイならではの体験と捉え、楽しむ気持ちを持つことが、ソンテウでの旅をより快適にするポイントです。

実践編!ソンテウの正しい乗り方手順

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いよいよソンテウの乗り方を詳しくご説明します。初めての方は緊張するかもしれませんが、一度慣れてしまえばこれほど簡単な乗り物はありません。まず、道端でソンテウを見かけたら、片手を斜め下に差し出して合図を送ります。これはタクシーを呼び止める時と同じ動作ですが、あまり高く手を上げすぎないのがタイ流のマナーです。車が停車したら、運転席の窓越しに目的地を伝えましょう。もし路線が決まっているソンテウであれば、行き先を確認するだけで問題ありません。

料金が気になる場合は「タオライ(いくらですか)?」と尋ねても良いですが、地元の人が多く利用している路線では、黙って乗り込むほうがスマートです。料金を事前に聞くと「観光客用の割高料金」を提示されることがあるためです。目的地が合っていることを確認したら、後ろのステップから荷台へ乗り込みます。空いている席に座り、走行中は必ず手すりを握ってください。揺れが激しいこともあるので、スマートフォンの操作に夢中になりすぎて転落しないよう十分注意が必要です。

ソンテウを降りる時のサインと支払い方法

目的地が近づいたら、降車ボタンを押してください。ボタンは天井や柱などさまざまな場所に設置されていますが、時には故障していることもあります。その際は、運転席と仕切られた窓を軽く叩くか、大きな声で「ジョート・ドゥアイ(止めてください)」と伝えましょう。車が完全に停止したら、素早くステップから降り、運転席の方へ回ります。

支払いは降車後、助手席の窓越しに現金を手渡すのが通常の方法です。料金があらかじめ分かっている場合は、お釣りが出ないようにコインを用意しておくと大変スムーズです。支払いが済んだら軽く会釈をして立ち去りましょう。この一連の流れをスムーズにこなせれば、タイの旅に慣れてきた実感が湧いてくることでしょう。なお、複数人でチャーターした場合は、最後に代表者がまとめて支払う形となります。

ソンテウ利用時の禁止事項とマナー

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ソンテウは共有空間であり、現地の人々が日常的に利用する場所であることを忘れずに、最低限のマナーを守りましょう。まず、車内での喫煙は禁止されています。また、強い匂いのする食べ物、特にドリアンの持ち込みは多くのドライバーに嫌がられるだけでなく、場合によっては乗車を断られることもあります。タイの寺院巡りの際に利用することも多いですが、露出の多い服装で座席に座るのは、現地の文化に配慮し避けるのが無難です。

さらに、後方のステップに立って乗る「ハングオン」スタイルは、現地の人々が混雑時によく利用しますが、観光客にはおすすめできません。落下のリスクがあるほか、万が一事故に遭った際に保険の適用が難しくなる可能性もあります。座席が満席の場合は、無理をせず次の車を待つのが賢明です。加えて、走行中に身を乗り出して写真を撮る行為も、対向車や看板に接触する危険があり非常に危険です。安全を最優先にして、楽しく利用しましょう。

料金相場とぼったくりを回避するテクニック

ソンテウの料金には、大きく分けて「固定料金」と「交渉料金」の2種類があります。パタヤの循環ソンテウやバンコクのソイ内路線では、基本的に固定料金(おおよそ10〜20バーツ)が適用されます。一方で、チェンマイの赤いソンテウや観光地で利用するチャータータイプは、料金が交渉制となっています。交渉をスムーズに進めるには、事前に相場を把握しておくことが重要です。例えば、チェンマイ市内であれば、1人あたり30バーツ前後が標準的な料金です。あまりにも高額な提示を受けたら、笑顔で「ペン・パイ(高いですね)」と伝え、別のソンテウを探すのが良いでしょう。

さらに、最初から「〇〇までいくらですか?」と聞くのではなく、自然な態度で乗り込み、降りる際に相場の料金を支払うという方法もあります。ただし、このやり方はルートが決まっている場合に限られます。不安がある場合は、ホテルのスタッフや現地の人に「ここから〇〇までソンテウでいくらかかるか」をあらかじめ尋ねておくと、自信を持って交渉に臨めます。また、配車アプリの「Grab」や「Bolt」を使ってタクシー料金の相場を調べ、それよりも少し安い価格を目標にするのも効果的な手段です。

トラブル時の対応方法と安全対策

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どれだけ注意を払っていても、旅先ではトラブルがつきものです。例えば、降りたい場所を通り過ぎてしまった場合、慌てて飛び降りるのは避けましょう。冷静に次の停止ボタンを押し、降りた場所から歩くか、反対方向のソンテウに乗り換えるのが賢明です。また、運転手と料金でトラブルになることも稀にありますが、数バーツから数十バーツの差であれば、時間や安全を優先して支払い、その場を離れるのが大人の対応と言えます。タイは「マイペンライ(気にしない)」の精神が根付いています。小さなことにこだわらず、次に活かすことが旅を楽しむポイントです。

もしひったくりなどの犯罪が心配であれば、できるだけ運転席に近い奥側の席に座ると安全です。端の席は、外から手が伸びてくる可能性がゼロではありません。バッグは膝の上に置き、ストラップを腕にかけるなど、基本的な防犯対策を心がけましょう。また、夜間に一人でソンテウをチャーターすることは、特に女性の場合避けるのが無難です。夜はできるだけ大通りを走る路線ソンテウを利用するか、信頼できる配車アプリの利用をおすすめします。

ソンテウを乗りこなすための上級者向けアドバイス

ソンテウの利用に慣れたら、次はもう一歩踏み込んだ楽しみ方に挑戦してみましょう。たとえば、タイ語の数字や簡単な方向を示す言葉を覚えるだけで、運転手とのやり取りが格段にスムーズになります。「リオー・サーイ(左折)」「リオー・クワー(右折)」「トロン・パイ(まっすぐ)」といった表現は、目的地をより正確に伝える際に非常に役立ちます。また、地元の人たちが活用している「ViaBus」というアプリもぜひチェックしてください。一部の地域ではソンテウの位置がリアルタイムで確認できるため、待ち時間を大きく短縮できます。

さらに、目的地を決めずに最初に来た色のソンテウに乗るという「ソンテウ・ルーレット」という遊び方もおすすめです。思わぬローカルマーケットや、観光案内には載っていない静かな寺院に偶然出会えるかもしれません。ソンテウは移動手段であると同時に、タイの生活空間を肌で感じられる魅力的な体験の場でもあります。この便利な乗り物を活用して、ガイドブックに載っていない本当のタイの姿を探しに出かけましょう。

旅の役立つ情報や公式のルールについては、以下のサイトを参照すると良いでしょう。 タイ国政府観光庁公式サイトでは、各地の交通手段に関する基本的な情報が網羅されています。また、現地のニュースサイトBangkok Postでは、ソンテウの規制変更や新路線に関する最新ニュースを時折取り上げています。交通ルールや安全基準の詳細については、タイ運輸省(Ministry of Transport)の公式情報をご確認いただくのが最も信頼できます。

タイのソンテウは時代の流れとともに少しずつ変化してきましたが、今なお多くの人々の生活に欠かせない存在です。その揺れに身をゆだね、隣に座った地元の人と気軽に挨拶を交わす――そんな日常の一コマこそ、あとから振り返った時にかけがえのない思い出となるでしょう。さあ、勇気をもってあの赤や青の荷台に飛び乗ってみてください。そこには、あなただけの新たなタイの風景が広がっています。

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この記事を書いたトラベルライター

旅行代理店で数千人の旅をお手伝いしてきました!今はライターとして、初めての海外に挑戦する方に向けたわかりやすい旅ガイドを発信しています。

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