大陸を車で駆け抜ける旅の途中、ハンドルを握る腕に少しばかりの休息を与えるため、僕はタイの王室リゾート地、ホアヒンに立ち寄りました。灼熱のアスファルトから離れ、目に飛び込んできたのは、息をのむほどに美しい緑の絨毯。それが、今回僕が挑むことになる「ブラックマウンテンゴルフクラブ」との出会いでした。元自動車整備士として、常にエンジンの鼓動や路面の感触と向き合ってきた僕にとって、静寂の中で自分自身と向き合うゴルフは、最高のデトックス。しかし、この楽園は、ただ美しいだけではなかったのです。緻密に計算されたコースレイアウト、微笑みの国ならではのホスピタリティ、そして予期せぬ自然の洗礼。今回は、僕が体験したブラックマウンテンでの一日を、これから訪れるあなたのための完全ガイドとして、余すところなくお伝えします。予約のコツから失敗談、持っていくべきアイテムまで、この記事を読めば、あなたはもうブラックマウンテンのスタートティーに立つ準備ができているはずです。
なぜブラックマウンテンなのか? 僕がホアヒンで選んだ理由

ホアヒンには、タイ王室御用達のゴルフコースをはじめ、多くの名門コースが点在しています。その中で、なぜ僕がブラックマウンテンを選んだのか。理由は複数ありますが、最大の決め手となったのは「挑戦心を刺激する評判」でした。アジアPGAツアーの舞台として何度も使われ、世界のトッププロたちがその戦略性に感嘆したという話は、旅人の冒険心に火をつけるには十分すぎるほどの材料だったのです。
かつて鉱山だった場所に作られたという背景も、僕の心を強く惹きつけました。荒々しい岩山を背に、完璧に手入れされたフェアウェイが広がる様子。そのコントラストは、まるで自然と人間の知恵が融合した芸術作品のように感じられました。元整備士として、機能美や設計の巧みさにいつも魅了される性分も影響しているのかもしれません。エンジンが芸術品であるのと同じように、ゴルフコースも大地をキャンバスにした壮大なアートだと実感したのです。
もちろん、現実的な側面も見逃せません。バンコクからのアクセスが良好で、レンタカーで約2時間半から3時間という距離感は、大陸横断のルートに組み込みやすい絶好のロケーションでした。オンライン上での評価も圧倒的に高く、施設のクオリティやスタッフのホスピタリティ、何よりコースコンディションの素晴らしさを称賛する声が多く寄せられていました。旅の貴重な一日を費やすなら、絶対に後悔しない場所にしたい。そう思った時、僕のカーナビが指し示した先は、自然とブラックマウンテンだったのです。
この選択が、僕のゴルフの見方を変え、旅の思い出をどれほど豊かにしてくれたのか。これから、その詳細をじっくりと紐解いていきましょう。
プレイ前のQ&A:予約からコース到着まで、知っておきたい全て

楽園での一日を最高に楽しむためには、準備が非常に重要です。特に海外でのゴルフは国内とは勝手が異なることも多いため、注意が必要です。ここでは、私が実際に体験した内容をもとに、予約からコース到着までの流れをQ&A形式で詳しくご紹介します。この記事を参考にすれば、スムーズに安心して準備を進められるはずです。
Q1. 予約はどの方法が最適?
海外ゴルフの最初のハードルが予約です。予約の方法は主に以下の4つが挙げられます。
- 公式ウェブサイトからの直接予約
- ゴルフ専門のオンライン予約プラットフォーム
- 現地の旅行代理店やゴルフツアー会社を利用
- 宿泊ホテルを通じての予約
それぞれ一長一短はありますが、私が選んだのは「ゴルフ専門のオンライン予約サイト」でした。理由は複数のゴルフ場の料金や空き状況を簡単に比較でき、プロモーションや割引が適用されることが多い点です。特に、グリーンフィー、キャディフィー、カート料金がセットになっている料金プランが多く、総額を把握しやすいのが大きな魅力でした。
利用したサイトでは、希望日と時間帯、人数を入力するだけで空き状況を簡単に検索できました。早朝や午後スタートは割引率が高い傾向にあり、私はタイの日差しを避けるために朝7時台の早朝スタートを選択しました。予約も非常に簡単で、名前、メールアドレス、クレジットカード情報を入力すれば完了。すぐに予約確認メールが届き、そのメールやバウチャーを当日受付で提示するだけです。英語が苦手でも、サイトの指示通りに進めば問題ありません。
【ここでDO情報:賢い予約のヒント】 予約時には、ぜひブラックマウンテンゴルフクラブ公式サイトもチェックしてください。公式限定のパッケージや最新の割引情報が掲載されていることが多いです。数日間ホアヒンでラウンドするなら、複数ラウンド割引のプランが見つかる場合もあります。比較検討は賢い旅行者の基本です。
また、予約サイトごとにキャンセル規定が異なるため、予め確認しておくことを強くおすすめします。タイの天候は変わりやすいため、万が一の変更に備えましょう。私が利用したサイトでは、「72時間前までキャンセル無料」という規定がありました。
Q2. 費用はどれくらい?節約のポイントは?
最も気になるのが費用面です。ブラックマウンテンはタイを代表する高級ゴルフ場であり、その料金もそれに見合ったものです。しかし、値段以上の価値があると断言できます。
費用の内訳を大まかに挙げると以下の通りです。
- グリーンフィー(プレイ料金)
- キャディフィー(キャディへの報酬)
- ゴルフカート代
- キャディへのチップ
- レンタルクラブ・シューズ代(必要な場合)
- 飲食代など
私が体験した平日早朝のパッケージ料金は、グリーンフィー、キャディフィー、カート代込みで約18,000円(日本円換算)でした。これはハイシーズンの料金で、ローシーズン(おおよそ5〜10月の雨季)は少し割安になる傾向があります。
【小さな失敗談:チップの用意】 タイのゴルフ場では、通常プレイ後にキャディへ直接チップを渡します。相場は1ラウンドあたり400〜500バーツ(約1,600円〜2,000円)程度です。私もそのことを知っていたのですが、当日持っていたのが大きな紙幣ばかりで、準備不足に気づきました。プレイ後に慌ててプロショップで何か購入し、お釣りをもらって何とか対応しましたが、あまりスマートな対応ではありませんでした。皆さんも事前に小額のバーツ(100バーツ札)を用意しておくことを忘れずに。感謝の気持ちをスムーズに伝えるためにも、細かいお金は必須です。
【ここでDO情報:費用節約のコツ】 料金を抑えたい場合は、「トワイライトプレー」を狙うのがおすすめです。午後2時半や3時以降のスタートプランで、通常料金より割安に設定されています。全ての18ホールを回りきれない可能性はありますが、夕暮れの涼しい時間帯にプレーできるのは格別です。ただし、この時間帯は人気が高いため、早めの予約が大切です。また、レンタルクラブは1セット3,000〜5,000円程度かかるため、可能な限り自分のクラブを持ち込むのが経済的です。
Q3. 服装のルールは厳しい?
名門ゴルフ場だけに、服装規定は気になるところですが、ブラックマウンテンのドレスコードは決して堅苦しいものではなく、ゴルファーとしての常識の範囲内です。
【服装規定のポイント】
- トップス: 襟付きのゴルフシャツ(ポロシャツなど)が必須です。TシャツやタンクトップはNG。女性も同様に、襟付きウェアやゴルフ用のモックネックシャツが推奨されます。
- ボトムス: ゴルフ用スラックス、チノパン、または膝丈程度のショートパンツが許容されます。ジーンズ、カーゴパンツ、ジャージは不可。私は通気性の良いゴルフ用ショートパンツを選びました。タイの気候には最適です。
- シューズ: ソフトスパイクのゴルフシューズが必須で、メタルスパイクは禁止。スニーカーやサンダルではプレーできません。
- その他: 強烈な日差し対策として帽子やサンバイザーは必需品です。
プロショップには最新のゴルフウェアも揃っているので、忘れ物があっても現地調達できます。ロゴ入りのオリジナルウェアも多く、記念に購入するのも一つの楽しみです。ただし、価格は日本と同等かやや高めなので、基本的には日本から準備していくことが賢明です。タイのゴルフ場はスポーツへの敬意を重視しており、ドレスコードを守ることはその文化へのリスペクトの第一歩と捉えましょう。
Q4. バンコクやホアヒン市内からのアクセスはどうすれば?
目的地までの移動手段も旅行計画の重要な一部です。特に大きなゴルフバッグを持っている場合は配慮が必要です。
- レンタカー: 私が選んだ方法で、自由度が高いのが魅力です。バンコクのスワンナプーム国際空港で車を借り、高速道路を利用してゴルフ場に向かいました。途中サービスエリアでローカルフードを楽しんだり、気になる景色を見つけて車を停めるのも自由。旅そのものを満喫したい方にはおすすめです。タイは右ハンドル・左側通行のため、日本人には運転しやすい環境ですが、都市部の混雑やバイクの動きには注意してください。元整備士の視点からアドバイスすると、出発前にタイヤの空気圧とブレーキの効き具合を必ずチェックしましょう。海外での運転は特に安全確認が重要です。
- おすすめのドライブ用BGM: タイへのドライブには軽快なトロピカルハウスがぴったりです。KygoやJonas Blueの曲を流せば気分が盛り上がります。私はタイのインディーポップバンド「POLYCAT」の音楽もよく聴いていました。どこか懐かしさを感じる心地よいサウンドが、タイの風景とよく合います。
- タクシーや配車アプリ: ホアヒン市内滞在ならタクシーやGrabなどの配車アプリが便利です。料金交渉が必要な場合もあるので乗車前にしっかり確認しましょう。Grabなら料金が事前に確定するため安心です。帰りのゴルフ場から市内への送迎も、クラブハウススタッフに依頼すれば手配してくれます。
- 送迎サービス: ゴルフ場や旅行会社が用意する送迎サービスを利用する手もあります。料金はやや高めですが、ドアツードアで快適に移動可能です。運転の不安がある方やグループでの移動に適しており、予約はゴルフの予約と一緒に済ませておくとスムーズです。
ブラックマウンテンの駐車場は広大で問題なく駐車可能。クラブハウスの前に車を停めると、スタッフがすぐに駆け寄り、ゴルフバッグをカートまで運んでくれます。その瞬間から非日常の一日が始まると胸が高鳴ったのを、今でも鮮明に思い出します。
いざコースへ! ブラックマウンテンの絶景と悪魔の罠

入念な準備を終え、ついにコースへ足を踏み入れました。クラブハウスの扉をくぐった瞬間から、ブラックマウンテンが世界中のゴルファーを虜にする理由を身をもって実感することができました。
ゴージャスな魅力!クラブハウスとプロショップの誘惑
ヨーロッパの高級ヴィラを想起させる、広々として開放感あふれるクラブハウス。高い天井と大きな窓から差し込む陽光が、磨き込まれた床を輝かせています。受付スタッフは流暢な英語で、満面の笑みとともに迎えてくれました。予約の確認を終えると、ロッカーキー、スコアカード、そしてカートのキーを手渡されました。
ロッカールームは清潔感があり広々としていて、シャワールームも完備。アメニティも充実しており、プレー後に汗を流してリフレッシュするには十二分の設備です。私はここでゴルフウェアに着替え、気持ちを試合モードへ切り替えました。
受付の隣にあるプロショップは、まさにゴルファーの夢の空間です。有名ブランドの最新ウェアやギアはもちろん、ブラックマウンテンのロゴ入りポロシャツやキャップ、ボールマーカーなどがズラリと並んでいます。特に、黒い岩山をモチーフにしたロゴはとてもスタイリッシュで、お土産や記念品にぴったりです。私は旅の記念にロゴ入りのボールマーカーを購入。手に取るたび、あの日の高揚感がよみがえります。品揃えが豊富ゆえ、つい時間を忘れてしまいそうになりますが、スタート時間には遅れないように注意が必要です。
1番ホールからの冒険:コースレビューと私の奮闘記
練習グリーンでパッティングの感覚を確かめ、担当キャディさんと挨拶を交わし、ついに1番ホールのティーグラウンドへ。目の前に広がる光景に、思わず息を呑みました。完璧に刈り込まれたフェアウェイの向こうには、コース名の由来となった黒い岩山がそびえ立ち、青空と見事なコントラストを織り成していました。
ブラックマウンテンのコースは一言で言うと「美しさと難しさの共存」。各ホールは戦略性に富み、単にまっすぐ飛ばせばいいというわけではありません。池やクリーク、バンカーが巧みに配置され、常にプレーヤーに判断を迫ります。
その中でも特に印象に残ったホールをいくつかご紹介します。
- シグネチャーホールの11番(パー3): グリーンが池に囲まれたいわゆるアイランドグリーン。ティーグラウンドからの景観はまるで絵画のようで美しいのですが、プレッシャーは相当なものです。ショットが少しでもぶれると、ボールは容赦なく水しぶきを上げて消え去ります。私のボールもわずかに右に逸れ、無情にも池に落ちました。まさに天国と地獄が隣り合わせのホールです。
- 難関の7番(パー4): ティーショットの着弾地点が狭く、左右にクリークが流れるホール。正確性が求められる上、グリーンのアンジュレーション(起伏)が激しく、簡単には攻略できません。キャディさんの「右のバンカー狙いで!」という助言を半信半疑で無視し、少し左へ打った結果、ボールはクリークへ転がり落ちてしまいました。このコースではキャディさんの言葉はまさに神の教えであることを痛感したホールです。
【私の奮闘記と小さな失敗】 この日は、絶景に心を奪われつつ、コースの罠にはまり続けました。普段はしないようなミスを連発し、スコアは散々。しかし、不思議と悔しさよりも楽しさが勝っていました。一打一打に明確な意図が求められ、自分の技術と真剣に向かい合う濃密な時間だったからです。
失敗談を一つ紹介すると、タイのゴルフコースはフェアウェイやグリーンだけでなく、ラフの芝も非常に元気です。ボールがラフに入ると、まるで海苔の佃煮のようにクラブに絡みつき、簡単には脱出させてくれません。私も何度かこの「粘り強いラフ」の餌食になり、無駄な一打を費やしました。ボールがラフに入ったら無理をせず、とにかくフェアウェイに戻すことを優先すべきです。欲張ってグリーンを狙うと、さらに深みにはまってしまいます。これはブラックマウンテン攻略の鉄則と言えるでしょう。
名物キャディさんとの出会い:タイゴルフの醍醐味
タイでのゴルフにおいて、キャディさんの存在は欠かせません。ブラックマウンテンのキャディは非常に教育が行き届いており、そのホスピタリティと的確なアドバイスは特筆すべきものです。
私に付いてくれたのはPloy(プロイ)さんという、笑顔が素敵な女性キャディでした。彼女は私の拙い英語にも辛抱強く付き合い、常にポジティブな言葉をかけてくれました。
「翔太、ナイスショット!」 「大丈夫、次はバーディーチャンスよ!」
ミスショットで落ち込んだ時も、彼女の明るい声に幾度も救われました。さらに彼女のアドバイスは非常に的確で、特にグリーンのライン読みは完璧でした。私が「これはスライスラインかな?」と迷っていると、彼女は「ううん、ストレート。ちょっと強めにね」と自信満々に教えてくれました。半信半疑で打ったパットが、見事にカップインした衝撃は忘れられません。
【役立つ情報:キャディさんとのコミュニケーションとチップ】 キャディさんとコミュニケーションを取ることは、タイゴルフの楽しみの一つです。簡単な挨拶(「サワディークラップ(こんにちは)」「コップンクラップ(ありがとう)」)をタイ語で伝えるだけで、関係がぐっと近くなります。
また、プレー終了後にはチップを渡すのがマナーです。相場は400〜500バーツで、これはキャディフィーとは別に感謝を込めて直接手渡します。私はプレー後、クラブハウスでPloyさんに「Thank you for everything. This is for you.」と言いながら500バーツ札を手渡しました。彼女は両手を合わせて笑顔で「コップンカー」と返してくれました。このやり取りこそが、素晴らしい一日を締めくくる最高のセレモニーなのです。
プレイ後の楽しみと、ちょっとしたトラブル対処法

18ホールの戦いを終えた後も、ブラックマウンテンでの楽しみは尽きません。汗をかいた身体を癒し、興奮を落ち着かせるひとときもまた、最高の贅沢と言えるでしょう。
汗を流した後の極上の一杯!絶景レストランでのランチタイム
ロッカールームのシャワーで汗を流した後、僕はクラブハウスの2階にあるレストランへ向かいました。テラス席に腰を下ろすと、目の前には先ほどプレーしていた18番ホールのグリーンと、その先に広がる雄大なコースのパノラマビューが広がっています。この景色を眺めながらの食事は、まさに至福の時間です。
メニューは本格的なタイ料理からサンドイッチやパスタなどの洋食まで幅広く揃っていました。僕は迷わずタイの定番料理「パッタイ(タイ風焼きそば)」と、冷えた「シンハービール」を注文。運動で火照った身体に染みわたるビールの爽快感と、甘酸っぱくスパイシーなパッタイの味わいは格別でした。自身のプレーを振り返りつつ、雄大なコースを眺めるこの時間は、本当に贅沢の極みです。料金は市街地のレストランと比べるとやや高めですが、このロケーションと雰囲気を考えれば十分に価値ある出費だと言えるでしょう。ゴルフに興味のない人でも、ここだけを目当てに訪れる価値があるほどです。
充実の併設施設!ウォーターパークとウェイクボードパーク
ブラックマウンテンの魅力は、ゴルフコースだけにとどまりません。敷地内には大規模なウォーターパークとウェイクボードパークも併設されています。特に家族連れの方には嬉しいポイントです。
Black Mountain Water Parkは、9種類のウォータースライダーや流れるプールなど、大人も子どもも丸一日楽しめる本格的な施設です。ゴルフに興味がないご家族がいても、お父さんがゴルフを楽しんでいる間、他のメンバーはウォーターパークで過ごすといった過ごし方が可能です。
僕もプレー後に少し立ち寄ってみましたが、多くの家族連れが歓声を上げて楽しんでいる様子を見ているだけで、自然と幸せな気分になりました。大陸横断の一人旅をしていると、こうした光景が心にじわりと染み渡るのです。次に仲間や家族と訪れる機会があれば、ぜひゴルフとウォーターパークを組み合わせたプランを立てたいと心から思いました。
【失敗談】スコール襲来!途中中断や中止の際の対処法とは?
僕がプレーした日は運良く晴天でしたが、タイの天候は予測が難しいものです。特に雨季は、突然空が暗くなり、まるでバケツをひっくり返したような激しい雨、いわゆる「スコール」が頻繁に襲ってきます。
実は、僕がレストランで食事をしている最中にそのスコールがやってきました。さっきまでの青空が嘘のように激しい雨がコースに降り注ぎ、雷鳴が轟いたのです。もしプレー中にこのような状況になったら、どうすればよいのでしょうか?
【ここでDO情報:悪天候時の対応策】
- 雷が鳴った場合: すぐにプレーを中断することが鉄則です。ゴルフ場ではサイレンで中断の合図が出されますので、その指示に従いカートで迅速にクラブハウスへ戻るか、コース途中に設けられた避難小屋(ティーハウス)へ避難してください。カーボン製のゴルフクラブは雷を誘導しやすく非常に危険です。開けた場所に居続けること自体もリスクが高いため、必ずゴルフ場の指示に従い、自分の判断でプレーを続行しないようにしましょう。
- 雨による中断・中止: スコールは短時間で止むことも多いため、しばらく待機して天候回復を待つのが一般的です。ですが、雨が長引きプレーが続けられないと判断された場合、「レインチェック」と呼ばれる制度が適用されることがあります。これは、プレーできなかったホール数に応じて後日無料でプレーできる権利(バウチャー)が発行されるものです。
返金やレインチェックのルールはゴルフ場や予約サイトによって異なりますので、悪天候により中断となった際は慌てず受付スタッフに状況を確認しましょう。「Can I get a rain check?(レインチェックはもらえますか?)」と尋ねてみてください。
僕が事前に調べたところ、ブラックマウンテンはこうした対応がとても丁寧との評判です。公式サイトのFAQをチェックしたり、予約時に直接お問い合わせしておくと、いざという時に慌てずに済みます。旅のトラブルは避けたいものですが、正しい対処法を知っていることが最高の旅のスキルの一つと言えるでしょう。
ブラックマウンテンで最高の1日を過ごすための持ち物リスト&心構え

最高の体験は、万全の準備から生まれます。ここでは、かつて整備士であった私が、経験と少しのこだわりを込めて選んだ「ブラックマウンテン攻略に欠かせない持ち物リスト」と、充実した時間を過ごすための心構えをご紹介します。
元整備士が厳選する「これだけは必ず持っていくべき!」アイテムリスト
車の整備において適切な工具選びが作業結果を左右するのと同様に、ゴルフも準備する道具次第で快適さやスコアに大きく影響します。
- ゴルフの必需品: ゴルフクラブ、ゴルフシューズ、グローブ、ボール、ティー、マーカーは当然欠かせません。特にボールは多めに用意することをおすすめします。美しい池が待ち受けているため、想像以上にボールが犠牲になるかもしれませんから。
- 強烈な日差し対策セット:
- 日焼け止め: 日本の夏の紫外線とは質が異なるため、SPF50+、PA++++といった最高レベルの日焼け止めを選びましょう。スプレーとクリームの両方を活用し、スタート前だけでなく、ハーフターン時にもこまめに塗り直すことが重要です。
- サングラス: 紫外線から目を守るだけでなく、グリーンの芝目を読む際にも役立ちます。偏光レンズタイプを強く推奨します。
- 帽子・サンバイザー: 頭部を直射日光から守ることは熱中症予防に欠かせません。通気性の良い素材のものを選ぶと快適さが増します。
- アームカバー・ネッククーラー: 最近ではプロゴルファーも愛用しているアイテムです。長袖よりも涼しく、効果的に日焼けを防止できます。ネッククーラーは首筋を冷やして体感温度を大幅に下げてくれます。
- タイの環境に対応したセット:
- 虫よけスプレー: 豊かな自然環境には虫も多いもの。特に水辺の近くは蚊が多いため、肌の露出部分にはしっかり虫よけスプレーを施しましょう。
- 塩分補給タブレット・スポーツドリンクの粉末: 多量の発汗によって水分補給だけでは不十分です。気づかぬうちに脱水症や熱中症になる危険があるため、ミネラルウォーターにスポーツドリンクの粉末を溶かして飲むのが効果的です。コース内の売店でもミネラルウォーターは入手可能です。
- 替えのウェア一式: プレイ後は汗で服がびっしょりになるため、シャワーを浴びた後は清潔な服に着替えると、心身ともにリフレッシュできます。クラブハウスで快適に過ごすためにも必ず持参しましょう。
- 小銭(タイバーツ): キャディさんへのチップやコース途中の売店での飲み物購入に必要です。100バーツ札や20バーツ札を多めに準備しておくとスムーズです。
- あると便利なガジェット:
- ポータブル扇風機: ゴルフカートでの移動中やショット待ちの時間に、涼しい風があると非常に快適です。コンパクトで充電式の製品が特におすすめです。
- 防水スマートフォンケース: 突然のスコールに備え、電子機器をしっかり保護しておくことが賢明です。
旅人ゴルファーとしての心得
ブラックマウンテンを思い切り楽しむためのポイントを最後にいくつか挙げます。
- スコアよりも体験を優先する: 素晴らしいスコアで回れれば理想ですが、とらわれすぎると目の前の絶景やキャディさんとの交流を楽しむ余裕が失われます。ここは世界的にも美しいコースのひとつ。ミスショットに一喜一憂せず、訪れたこと自体を満喫しましょう。
- 現地の人々とのコミュニケーションを楽しむ: キャディさんや同伴者、すれ違う他のプレイヤーとの交流は旅ゴルフの醍醐味です。片言の英語やタイ語でも、笑顔で挨拶すれば心がつながります。
- トラブルも旅のスパイスとして受け入れる: ボールが池に落ちたりスコールに見舞われたりしても、それらもかけがえのない思い出の一部です。予期せぬ出来事を楽しむくらいの心の余裕が、旅をさらに豊かにします。車旅でもパンクやエンジントラブルはつきものですが、それを乗り越えた先に新たな景色が待っています。
ホアヒンゴルフ旅の拠点に!おすすめの滞在エリアとホテル

ブラックマウンテンでのプレーを計画する際は、滞在場所の選択も重要なポイントとなります。ホアヒンには魅力的なエリアがいくつかあり、自分の旅のスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
- ホアヒン市街地: ナイトマーケットや評判のレストラン、マッサージ店が集まる最も賑やかなエリアです。ゴルフ以外の時間もアクティブに楽しみたい方におすすめで、夜遅くまで街の活気を満喫したいならこちらが最適です。私自身も今回はこのエリアの比較的手頃なホテルに宿泊し、夜は地元の屋台でローカルフードを楽しみました。
- ビーチフロントエリア: 美しいホアヒンビーチに沿って、高級リゾートホテルからブティックホテルまで多彩な宿泊施設が並んでいます。朝は波の音で目を覚まし、ゴルフの後はプールサイドでゆったり過ごすといった優雅なリゾート滞在を望む方には最適なエリアです。カップルや家族連れでゴルフとバケーションを両立させたい場合にぴったりです。
- ゴルフ場周辺エリア: ブラックマウンテン周辺にも、ヴィラタイプのリゾートなどが点在しています。早朝スタートを予約している方や、数日にわたってゴルフ三昧の時間を過ごしたい熱心なゴルファーには利便性の高いエリアです。移動時間を極力減らし、プレーに集中できる環境が整っています。
ホアヒンには非常に多様な宿泊施設が揃っているため、より詳しい観光情報やホテル選びの参考に、タイ国政府観光庁の公式サイトをチェックしてみてください。旅の予算や目的に合わせて、最適な拠点を見つけましょう。
大陸横断の途中で見つけた、忘れられない緑の楽園

車のハンドルを握り、ただひたすら道を走り続ける日々。その旅の合間に立ち寄ったブラックマウンテンゴルフクラブでの一日は、僕にとって単なるゴルフ以上の、特別な意味を持つ体験となりました。
そこは、エンジンの轟音とはまったく対照的な静寂の中で、自分の内なる声に耳を澄ます時間でした。一打一打に集中し、判断を下し、結果を受け入れる。そうした過程は人生の営みにも通じているように感じました。また、言葉や文化の壁を越えて、キャディのPloyさんと笑い合った瞬間は、この旅が生んだかけがえのない宝物の一つです。
もと整備士として、僕は常に物事の構造や仕組みへの関心を持ち続けています。このゴルフコースも、デザイナーの意図や自然の地形、そして日々丹念に行われるメンテナンスという無数の要素が織り成した、一つの精密な機械のように思えました。その美しくも挑戦的な設計のもとで、不完全な自分がどう立ち向かうか。それは最高のエンターテインメントであり、同時に自己探求の旅でもありました。
もしあなたが日常から少し離れてリフレッシュしたいと考えているなら。もし心が震えるような美しい景観の中で、何かにチャレンジしたいと思っているなら。次の旅先の候補に、「タイ・ホアヒンでのゴルフ」を加えてみてはいかがでしょうか。
大陸横断の旅はまだ続きます。これからどんな景色や出会いが待っているのかは分かりません。ただ、僕の胸には、あの黒い岩山を背景に広がる鮮やかな緑の記憶が、これからもずっと、旅路を照らす灯りの一つとして輝き続けるでしょう。ブラックマウンテンは、僕にとって忘れがたい緑の楽園なのです。

