「未来都市」と聞いて、あなたの頭にはどんな光景が浮かびますか?空飛ぶ車、そびえ立つ摩天楼、そして、テクノロジーと自然が見事に融合した風景…。僕がカナダの広大な自然の中でワーキングホリデーを過ごしていた頃、そんな未来はまだ遠い先の話だと思っていました。ロッキー山脈の麓で見る満点の星空や、どこまでも続くメープル街道の紅葉は、人の手が及ばない、ありのままの自然の美しさそのものでしたから。
しかし、シンガポールに降り立った瞬間、その考えは根底から覆されました。特に、あの場所を訪れた時の衝撃は、今でも鮮明に覚えています。まるでSF映画のセットに迷い込んだかのような、圧倒的な非日常感。それでいて、どこか心が安らぐ緑の温もり。それが、今回ご紹介する「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」です。
ここは単なる美しい植物園ではありません。シンガポールという国家が世界に示す、未来の都市と自然のあり方そのもの。初めてスーパーツリーを見上げた時の高揚感、クラウドフォレストの滝のミストを浴びた時の清涼感、そして光と音のショー「ガーデン・ラプソディ」に包まれた時の感動…。この場所には、訪れる人の五感を揺さぶり、価値観すらも変えてしまうほどのパワーが秘められています。
この記事では、僕自身の成功談、そしてちょっぴり恥ずかしい失敗談も交えながら、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの魅力を余すところなくお伝えします。チケットの賢い買い方から、おすすめの回り方、写真映えするスポットまで、あなたが最高の体験をするための全てを詰め込みました。さあ、一緒に未来への扉を開けてみましょう。
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイとは?未来と自然が交差する奇跡の庭園
まずは、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイがどのような場所であるか、その壮大な規模からご紹介しなければなりません。ここはシンガポールの中心部、あの有名なマリーナベイ・サンズのすぐ隣に広がる、総面積101ヘクタール(東京ドーム約22個分!)もの広さを誇る巨大な国立植物園です。
とはいえ、「ただ広い植物園」という表現だけでは、この場所の本質を到底伝えきれません。ガーデンズ・バイ・ザ・ベイは、シンガポールが国家の理念として掲げる「City in a Garden(庭園の中の都市)」というビジョンを具現化した、まさに国家プロジェクトの結晶と言えます。経済発展を象徴する高層ビル群と、豊かな緑を共存させることで、生活の質を向上させ、世界中から人々を引きつける魅力的な都市を創り上げる。その壮大な構想の中心に、この庭園が位置しています。
2012年の開園以来、世界各国から数え切れないほど多くの観光客が訪れ、数々の国際的な賞を受賞してきました。その魅力は、単に珍しい植物が集められているだけでなく、独創的かつ未来的な建築物、最先端の環境技術、そして訪れる人を楽しませるエンターテイメント性が見事に融合している点にあります。
園内は大きく分けて、屋外庭園と2つの巨大なドーム型温室(クーリング・コンサバトリー)で構成されています。屋外庭園の象徴といえば、何と言っても天に向かってそびえ立つ巨大な人工樹「スーパーツリー」です。そしてドーム内には、世界中の花々が集められた「フラワードーム」と、熱帯の雲霧林を再現した「クラウドフォレスト」が広がっています。
これらの主要な見どころだけでも圧倒されますが、敷地内にはテーマ別の小さな庭園や子ども向けの水遊び場、またレストランやカフェも点在しており、一日中過ごしても飽きることがありません。むしろ、一日では全てを見て回るのが困難なほど、その広さと見どころの多さが魅力です。
私が初めて訪れた際、MRTのベイフロント駅から地上に出た瞬間、目の前にそびえ立つスーパーツリーの異様でありながら美しい姿に、思わず息を呑みました。それはまるで地球ではない、別の惑星に降り立ったかのような錯覚を覚える光景で、カナダで見たどこまでも続く水平線や地平線とは全く異なる、垂直に伸びる未来の森を感じさせました。この対比こそが、私がシンガポールという国、そしてガーデンズ・バイ・ザ・ベイに瞬時に心を奪われた理由かもしれません。
圧巻の光景!スーパーツリー・グローブの昼と夜
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイと言えば、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが、あのスーパーツリー・グローブでしょう。高さは25メートルから50メートルにも及び、まさに巨大な木と呼ぶにふさわしい12本の人工樹が林立するエリアです。この場所は、昼と夜でまったく異なる顔を見せ、訪れる人々を何度も驚かせてくれます。
昼の表情:空へと伸びる壮大な樹木たち
日中のスーパーツリー・グローブは、その名の通り、未来的な森(グローブ)を思わせる景観です。紫色の鉄骨で組まれた幹と広がる巨大なキャノピー(樹冠)は、一見すると無機質な人工物に見えます。しかし、幹にはシダ植物やラン、パイナップル科の植物など、200種類以上、16万本を超える着生植物がぎっしりと植えられており、豊かな生命力に満ちています。
このスーパーツリーは、見た目のユニークさだけでなく、高い機能性も兼ね備えています。キャノピー部分には太陽光発電パネルが設置されており、園内の照明に必要な電力を生み出しています。また、雨水の収集を行い、灌漑用水として利用するとともに、ドーム施設の冷却システムの一部としても活用されるなど、環境維持に欠かせない重要な役割を担う持続可能な建築物です。まさに、デザインと機能の見事な融合であり、シンガポールの合理性と先進性を象徴しているかのようです。
スーパーツリー・グローブを訪れた際には、ぜひ体験してほしいのが「OCBCスカイウェイ」です。地上22メートルの高さに架けられた、スーパーツリー同士を繋ぐ全長128メートルの吊り橋で、ここを渡るとまるで鳥になったかのような視点から庭園全体やマリーナベイの絶景を見渡せます。
正直に言うと、私は少し高所恐怖症の傾向があります。カナダでバンジージャンプに挑もうとした際、間際で尻込みした苦い経験もあります。なので、スカイウェイを渡る前は少し不安でした。実際に橋の上に立つと、足元は金網で下が透けて見え、風が吹くとわずかに揺れます。最初は手すりを強く握っていましたが、眼前に広がる景色に見入っているうちに恐怖心はいつの間にか消え去りました。眼下に広がる緑豊かな庭園、遠くにはマリーナベイ・サンズやシンガポール・フライヤー。地上から見上げるのとはまったく異なる、この眺望は特別な感動をもたらします。
ここで一つアドバイスです。スカイウェイは一方通行で、滞在時間も15分ほどに制限されています。ただ渡るだけでなく、最高の写真を撮る場所を事前にイメージしておくのがおすすめです。特に、マリーナベイ・サンズを背景にスーパーツリーを一緒に撮るアングルは絶品です。夕暮れ時に訪れると、沈みゆく太陽の光に街並みが黄金色に照らされ、息を呑むほど美しい光景が広がります。ただし、その時間帯は非常に混み合うため、少し早めに行って列に並ぶ覚悟が必要です。
夜の表情:光と音のハーモニー「ガーデン・ラプソディ」
そして、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの夜の最大の魅力が、光と音のショー「ガーデン・ラプソディ」です。毎晩2回(通常は19:45と20:45)、スーパーツリー・グローブ全体が巨大なステージに変わります。
ショーが始まると、荘厳なクラシック音楽や映画のサントラ、あるいは陽気なクリスマスソングなど、テーマや季節に応じた音楽が流れ、それに呼応して何万ものライトがスーパーツリーを鮮やかに彩ります。赤、青、緑、黄色…多彩な光が点滅し、波打ち、まるで巨大な生命体が呼吸しているかのよう。音楽の盛り上がりに合わせて光が夜空へと駆け上る瞬間は、鳥肌が立つほどの美しさと迫力を誇ります。
最もおすすめの鑑賞スポットは、間違いなくスーパーツリーの根元です。多くの人々が芝生やベンチに座ったり、そのまま地面に寝転んだりしてショーの開始を待ちます。私も初めて鑑賞した際は、周囲の人に倣って地面に大の字になりました。視界いっぱいに広がる光の洪水、全身に響き渡る音楽は、まるで宇宙空間に浮かんでいるかのような、不思議な没入感をもたらします。これはぜひ体験してほしい鑑賞スタイルです。
ここで私の失敗談を一つ。初めてガーデン・ラプソディを見に行った時、開始直前に到着してしまいました。当然、良い場所はほとんど埋まっていて、木々の陰で見えにくい場所にしか空きがありませんでした。ショーはどこからでも楽しめますが、最高のポジションから見る感動はやはり格別です。開始の少なくとも20〜30分前にはスーパーツリー・グローブに到着し、寝転べるスペースを確保することを強くお勧めします。近くの売店でビールやスナックを購入し、ピクニック気分で待つのも最高のひとときになるでしょう。
この「ガーデン・ラプソディ」は、なんと無料で鑑賞可能です。これほど高品質なショーを無料で提供していることからも、シンガポールの観光に対する本気度がうかがえます。シンガポールへ訪れた際は、この光と音の魔法に包まれる体験をぜひ見逃さないでください。
2つの巨大温室(クーリング・コンサバトリー)を徹底解剖
スーパーツリーと並んで、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイを代表するもう一つの見どころが、2つの巨大なドーム型温室、「フラワードーム」と「クラウドフォレスト」です。これらは「クーリング・コンサバトリー」と呼ばれ、特殊なガラス素材と最先端の冷却技術によって、熱帯に位置するシンガポールにいながらも地中海や高地特有の涼しく乾燥した気候を忠実に再現しています。常夏の屋外から一歩足を踏み入れると、ひんやりとした空気に驚くことでしょう。両ドームはそれぞれ異なるコンセプトで設計されており、両方を巡ることでその対照的な魅力に深く引き込まれる体験ができます。
世界中の花が咲き誇る楽園「フラワードーム」
まずご紹介するのは、世界最大のガラス温室としてギネス世界記録にも登録されている「フラワードーム」です。広さは約1.2ヘクタールあり、内部には柱が一本も存在しないため、広々とした空間が果てしなく続いているかのような開放感を味わえます。
このドーム内には、地中海沿岸や南アフリカ、カリフォルニア、オーストラリアの一部など、涼しく乾燥した気候帯に育つ植物が集められています。バオバブの木や古いオリーブの木、多肉植物といった日本ではなかなか見られないユニークな植物がテーマ別に区分された9つの庭園で美しく展示されています。
私が特に感銘を受けたのは、その圧倒的な花の量と色彩の豊かさです。カナダの春が雪解けと共にチューリップや水仙が一斉に咲き誇るように、短い期間を全力で彩りますが、このフラワードームは「常春の楽園」とも言える存在で、年間を通じていつ訪れても咲き誇る花々が迎えてくれます。
また、このドームの大きな特徴は中央にある「フラワーフィールド」で行われる季節ごとの特別展示です。私が訪れた際は、色とりどりのチューリップが見事に咲き誇る「チューリップマニア」が行われていました。オランダの風車を模したオブジェの周囲に、赤、白、黄、紫のチューリップがまるで絨毯のように広がる様子は圧巻の光景でした。ほかにも春の桜、秋のダリア、冬のポインセチアなど、四季折々のテーマが変わり、訪れるたびに新鮮な発見と感動を味わえます。まさに何度でも足を運びたくなる魔法の庭園と言えます。
ここではゆったりと時間をかけて散策することをおすすめします。植物の説明プレートをじっくり読むのもよし、花の香りをゆっくり楽しむのもよし、美しい花々を背景に写真を撮るのも楽しいでしょう。暑い屋外で疲れた時は、冷涼で快適なこのドームでしばし休憩し、美しい景色に癒されるのも最高の過ごし方です。あまりの心地よさに、気がつくと2時間以上も滞在してしまいました。
霧に包まれた神秘の世界「クラウドフォレスト」
フラワードームが「陽」の魅力を持つ明るい楽園であるなら、次にご紹介する「クラウドフォレスト」は「陰」の神秘的な魅力に満ちた空間です。ドームの扉を開けた瞬間、まず目に飛び込んでくるのは高さ35メートルもある巨大な人工の山「クラウド・マウンテン」と、そこから轟音とともに流れ落ちる世界最大の屋内滝です。冷気と滝のミストが肌を優しく撫で、瞬く間に熱帯の高地にワープしたかのような錯覚に陥ります。
クラウドフォレストは、標高1,000メートルから3,000メートルにある熱帯山岳地帯の「雲霧林」を再現したものです。常に霧や雲に覆われ高い湿度を保っているため、ランやシダ、食虫植物など珍しい着生植物が数多く見られます。
見学はまずエレベーターで頂上まで上がり、そこから「クラウド・ウォーク」と呼ばれる空中にかかったスリリングな遊歩道を下る形で、様々な角度から山の植生や滝を鑑賞する構成になっています。足元が透けて見える部分もあり、迫力満点です。フラワードームののんびりした散策とは対照的に、冒険心をくすぐられる体験が楽しめます。
特に私が興味を惹かれたのは食虫植物のコーナーです。ウツボカズラなどがユニークな形で虫を待ち構えている姿は、生命の神秘と多様性を強く感じさせてくれます。加えて、霧が噴射される時間(通常は2時間おき)には、ドーム全体が真白な霧に包まれ、幻想的な空気が一層高まります。まるで雲の中を歩いているかのようで、どこからか妖精が現れてもおかしくない、不思議な光景が広がります。
さらにクラウドフォレストには環境問題への強いメッセージも込められています。見学の最後には「+5°C」というエリアがあり、地球温暖化によって気温が5度上昇した場合、高山植物の多くが絶滅の危機に瀕するという現実を映像や展示を通して伝えています。ただ美しいだけでなく、訪れた人に地球環境の大切さを考えさせるきっかけを与える点も、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの魅力の一つだと感じました。
ここで一つ私の失敗談を。始めてクラウドフォレストに入った際、滝のミストとドーム内の高湿度のためにカメラのレンズがあっという間に曇ってしまいました。拭いてもすぐにまた曇り、最初は満足な写真がなかなか撮れませんでした。ドームに入る前にカメラを外気に慣らすか、レンズ用の曇り止めを用意しておくのが良いでしょう。また、フラワードームよりもさらに涼しいため、寒がりの方は薄手の羽織るものを忘れずに持参することを強くおすすめします。
まだまだある!ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの隠れた魅力
スーパーツリー・グローブと2つのドームだけでも十分に満足できそうですが、広大なガーデンズ・バイ・ザ・ベイには、まだまだ探索したくなる魅力的なエリアが数多く存在しています。主要なスポットに加えて、こうした隠れた場所にも足を運ぶことで、この庭園の奥深さをよりいっそう感じられるでしょう。
子どもから大人まで楽しめるスポット
家族連れの方や、ちょっと変わった体験を求める方におすすめしたいエリアをご紹介します。
- フローラル・ファンタジー (Floral Fantasy)
スーパーツリーやドームとは別料金のアトラクションですが、こちらも非常に見応えがあります。名前の通り「花のファンタジー」をコンセプトに、天井から吊り下げられた無数の花々や、小川が流れる幻想的な空間など、異なる4つのテーマ庭園が広がっています。まるでアートの世界を散策しているかのような雰囲気です。そして最後には、トンボの視点でガーデンズ・バイ・ザ・ベイを飛び回る4Dライドも用意されており、風や水しぶきを感じる臨場感あふれる体験は、大人も子どもも興奮間違いなしです。
- ファーイースト・オーガニゼーション・チルドレンズ・ガーデン (Far East Organization Children’s Garden)
小さなお子様連れなら絶対に外せないスポットです。広々とした水遊びエリアには、水が飛び出すインタラクティブな仕掛けがたくさんあり、センサーで反応します。暑いシンガポールの陽射しの中、子どもたちが歓声を上げながら水しぶきを浴びて遊ぶ様子は、とても微笑ましい光景です。着替えやタオルの準備が必要ですが、入場無料なのが嬉しいポイントです。隣接する遊具のあるプレイグラウンドもあり、子どもたちの元気なエネルギーを発散させるのにぴったりの場所です。
- 静寂を味わう庭園エリア
賑やかなメインエリアから少し歩き出すと、静かに自然と向き合える美しい庭園が点在しています。例えば、マリーナ貯水池に面した「セレニティ・ガーデン(Serenity Garden)」は、その名前の通り、穏やかで静かな空間が広がっており、水音を聞きながら瞑想にふけるのに最適です。また、珍しい砂漠植物を集めた「サン・パビリオン(Sun Pavilion)」も訪れる人が少なく、ゆっくりとサボテンなどの珍しい植物を観察できる穴場スポットです。人混みを避けて、静かなひとときを過ごしたい時にぜひ足を運んでみてください。
食事と休憩のおすすめスポット
広大な園内を歩き回ると、自然とお腹も空き休憩もしたくなりますよね。ガーデンズ・バイ・ザ・ベイには予算や気分に合わせて選べる、多彩な飲食施設が揃っています。
- 高級レストランで特別なひとときを
特別なディナーを楽しみたい方には、最も高いスーパーツリーの頂上にあるレストラン&バー「IndoChine」がおすすめです。360度のパノラマビューを眺めながら、インドシナ料理を味わえます。特に夜景は格別で、記念日やロマンチックなディナーシーンにぴったりです。ただし、ドレスコードがあり、予約も必須なので事前の準備をお忘れなく。
- 気軽にローカルフードを味わうなら
私が個人的に一押ししたいのは、屋外フードコートの「サテー・バイ・ザ・ベイ(Satay by the Bay)」です。その名の通り、シンガポール名物のサテー(串焼き肉)をはじめ、ホッケン・ミー(福建麺)、チキンライス、シーフードなど、多彩なローカルフードを手頃な価格で楽しめます。スーパーツリーのライトアップを眺めながら、オープンエアの席でローカルグルメとビールを堪能する時間はまさに至福のひととき。観光客のみならず地元の人々にも人気で、賑やかな雰囲気が旅の気分をさらに盛り上げてくれます。
- 散策の合間にカフェでひと休み
園内にはスターバックスやカフェ・クレマなどのカフェも点在しています。中でも、フラワードーム内にある「Pollen」のアフタヌーンティーは特に人気です。暑い屋外から涼しいドームに移動し、美味しいコーヒーやケーキで一息つくひとときは、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイならではの贅沢な楽しみ方と言えるでしょう。歩き疲れたら無理せず、こまめに休憩を取りながら快適に園内散策を満喫してください。
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ攻略のための実践的アドバイス
せっかく訪れるなら、時間も費用も無駄にせず、思い切り楽しみたいものです。ここでは、私の体験をもとに、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイを効率よく楽しむための実用的なポイントをご紹介します。
チケット購入のおすすめ方法
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイのチケットは現地の窓口でも購入可能ですが、私が特に推奨したいのは「事前にオンラインで購入する」方法です。
- 公式サイトを利用する
公式ウェブサイトからは、フラワードームとクラウドフォレストのセット券をはじめ、OCBCスカイウェイやフローラル・ファンタジーなど各施設のチケットを購入できます。あらかじめ購入しておけば、現地の長い行列に並ぶ手間が省け、時間を賢く使えます。
- 旅行予約サイトを活用する
KlookやKKdayといった予約サイトも非常に便利です。これらのサイトでは、公式サイトより若干割引価格での販売や、他の観光スポットと組み合わせたお得なコンボチケットを見つけられることが多いです。私はいつも公式サイトとこれら予約サイトの価格を比較し、もっともお得な方法でチケットを購入しています。スマホに届くQRコードを見せるだけで入場でき、非常にスムーズです。
訪問に適した時間帯と所要時間の目安
約101ヘクタールの広大な敷地をどう効率的に回るか計画することが重要です。
- 所要時間の目安
- スーパーツリー・グローブとOCBCスカイウェイ:約1〜1.5時間
- フラワードーム:約1.5〜2時間
- クラウドフォレスト:約1.5〜2時間
これら主要スポットだけでも最低4〜5時間は確保するのが望ましいです。加えて食事やその他の庭園散策を楽しむなら、半日から丸一日かけてじっくり訪れるのがおすすめです。
- おすすめの1日モデルコース
- 午後3時頃到着: 比較的混雑の少ない屋外庭園(例えばセレニティ・ガーデン)をのんびり散策します。
- 午後4時頃: 暑さを避けて、クラウドフォレストとフラワードームの2つのドーム内を見学。快適な空調の中で過ごせます。
- 午後6時半: 「サテー・バイ・ザ・ベイ」で早めの夕食を楽しみ、ローカルフードを堪能します。
- 午後7時半頃: スーパーツリー・グローブに移動し、19:45開始の「ガーデン・ラプソディ」第1回目のショーを鑑賞するために良い場所を確保。
- 午後8時過ぎ: ショーの余韻に浸りながらOCBCスカイウェイに上り、夜のシンガポールの絶景を満喫します。
このプランで昼間から夜のショーまで、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの多彩な魅力を余すところなく体験できます。
アクセス方法の比較
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイへのアクセスはとても便利です。
- MRTが最もおすすめ
トムソン-イーストコースト線またはサークル線の「ベイフロント駅(Bayfront / CE1/DT16)」で降り、B出口から地下通路を通ってすぐ着きます。この通路は園内へ直結しており、雨や強い日差しを気にせず快適にアクセス可能です。
- タクシー・配車アプリ(Grab)
複数人での移動や荷物が多い場合はタクシーやGrabの利用も便利です。メインエントランスにはタクシー乗り場があり、帰りもストレスなく乗車できます。「Gardens by the Bay Main Entrance」と伝えれば問題ありません。
- マリーナベイ・サンズから徒歩
ホテル宿泊者や周辺観光の方は、マリーナベイ・サンズとガーデンズ・バイ・ザ・ベイをつなぐ「ライオンズ・ブリッジ」を経由して歩いてアクセス可能です。橋の上からの眺めも一見の価値があります。
持ち物と服装のポイント
快適に過ごすために、持ち物や服装の準備は欠かせません。私の失敗談も交えて参考にしてください。
- 服装: 基本的には通気性の良い軽装でOKです。Tシャツに短パンや軽やかなワンピースがおすすめ。ただし、ドーム内は冷房が効いて涼しいので、薄手のカーディガンやパーカーなど羽織る物は必ず持っていきましょう。
- 靴: 広い敷地内を歩くことが多いので、歩きやすいスニーカーがマストです。おしゃれなサンダルで行き、足が痛くなって後悔した友人もいます。
- 日差し対策: シンガポールの日差しは強烈です。帽子、サングラス、日焼け止めは忘れずに用意しましょう。
- 雨対策: 熱帯気候のため、急なスコールも珍しくありません。折りたたみ傘やレインコートを携帯すると安心です。
- その他の便利アイテム:
- 飲み物:園内に自販機や売店はあるものの、熱中症予防のためにも持参がおすすめです。
- カメラ・モバイルバッテリー:写真撮影の機会が多いため、バッテリー切れに注意。
- 虫除けスプレー:屋外では蚊がいることもあるので、敏感な方は準備しておくと安心です。
人工と自然の共生が示すシンガポールの未来像
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの旅も、そろそろ終わりに近づいてきました。スーパーツリーの煌めく光、ドーム内で咲き誇る多彩な花々、そして滝の轟き…。どの光景も、鮮やかな記憶として心に深く刻み込まれていることでしょう。しかし、この場所の真の価値は、目に見える美しさだけにとどまりません。それは、この庭園全体を貫く「サステナビリティ(持続可能性)」という理念に根ざしています。
シンガポール政府観光局の紹介によれば、この庭園は単なる観光スポットではなく、先進的な環境技術の実証場でもあります。前述のとおり、スーパーツリーは太陽光発電や雨水の収集機能を備えています。さらに園内で出る植物廃棄物はバイオマス発電の燃料として活用され、ドームの冷却に必要なエネルギーの一部を賄っているのです。このように園内全体でエネルギーと水の循環システムを構築し、環境負荷を可能な限り軽減する工夫が随所に施されています。
私がカナダのワーキングホリデーで目にしたのは、人の手がほとんど介入していない、壮大かつ原初の自然そのものでした。果てしなく広がる森、氷河に削られた谷間、エメラルドグリーンに輝く湖。その圧倒的なスケールの前では、人間はほんの小さな存在に過ぎません。その威厳ある美しさは、畏敬の念を抱かせるものでした。
一方、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイで示されたのは、人間の英知と技術、そして綿密な計画によって創造された「計算し尽くされた自然」です。限られた国土の中で、いかにして緑豊かな環境を保ち、さらに発展させていくのか──シンガポールという国が抱える国家的な課題への一つの回答がここにあります。
どちらが優れているということではありません。手つかずの自然も、人の手で育まれた自然も、どちらも尊く、美しいものです。重要なのは、私たちがこれから何を目指して自然と共存していくべきかを考えること。ガーデンズ・バイ・ザ・ベイは、急速に都市化が進む現代社会において、テクノロジーが自然を破壊するどころか、守り育むための強力なツールとなり得ることを力強く示しています。
この未来的な庭園を歩きながら、そんな思いにふけりました。ここは訪れる人々に感動と楽しさをもたらすだけでなく、未来の地球や都市のあり方について、静かにしかし雄弁に語りかけてくる場所でもあります。もしあなたがこの場を訪れるなら、きっと単なる旅の思い出を超えた、特別なインスピレーションを受け取ることでしょう。SF映画の一場面のような光景のなかで、私たちの未来について、少し立ち止まって想いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

