「ガタン、ゴトン」という心地よい響きと共に、街の景色がゆっくりと流れていく。そんな旅情あふれる体験ができるのが、路面電車の魅力です。日本全国で路面電車が走る街は数少なくなってきましたが、ここ富山県富山市では、今もなお路面電車が市民の足として、そして観光の主役として大活躍しています。しかも、ただの路面電車ではありません。歴史を感じさせるレトロな車両から、グッドデザイン賞を受賞したスタイリッシュな次世代型トラムまで、多種多様な車両が共存し、訪れる人々を魅了してやまないのです。
こんにちは、元自動車整備士で、現在は世界中を車で旅するライターの翔太です。普段はエンジンの鼓動やタイヤのグリップを感じながら走るのが好きですが、富山の路面電車には、車とは全く違う次元の「機械としての魅力」と「旅の楽しさ」が詰まっていると感じます。低床車両の滑るような走り、旧型車両の武骨ながらも温かみのある乗り心地。そのどれもが、富山の街並みと見事に調和し、一つの美しい風景を作り出しています。この記事では、そんな富山の路面電車の魅力を余すところなくお伝えすると共に、きっぷの買い方からおすすめの沿線スポット、さらにはトラブル対処法まで、あなたが明日からでも路面電社の旅に出られるように、実践的な情報を詰め込みました。さあ、一緒に富山の路面電車を巡るディープな旅に出かけましょう。
富山の路面電車で味わうような、街並みと調和した旅の魅力は、洗練された街並みを歩く大人の散策でも体感できます。
富山の路面電車ってどんなもの?- 2つの路線を徹底解説

富山市内を走る路面電車は、富山地方鉄道(通称「地鉄」)が運営しています。路線は大きく2系統に分かれており、それぞれ異なる歴史と特色を持っています。かつてはJR富山駅を挟んで南北に分断されていましたが、2020年3月に両路線がついに接続され、富山の交通網は大きく利便性を増しました。まずは、それぞれの路線の魅力を紐解いてみましょう。
富山市内軌道線 – 市街地を駆け抜ける生活の足
富山市内軌道線は、昔から富山の中心市街地を走ってきた、いわば「伝統ある路面電車」です。主に3系統に分かれており、富山の主要スポットを結んでいます。
環状線「セントラム」
最初に紹介するのは、2009年に開業した環状線で、通称「セントラム」と呼ばれています。富山駅を起点に丸の内、大手モール、グランドプラザ前など中心市街地を一周し、約25分で回れる路線です。この路線の最大の特徴は、その先進的なデザイン。黒を基調としたスタイリッシュで未来的な低床車両が、美しい街並みの中を滑るように走る様は、多くの人を引きつけます。また、一部区間では車道の中央ではなく歩道寄りの車線を走る「サイドリザベーション方式」を採用しており、車窓から商店街や街路樹が間近に感じられるのも魅力です。観光客にとっては主要観光地を効率的に巡れる頼もしい路線で、富山城址公園や富山市ガラス美術館などへのアクセスも簡単です。
富山駅~南富山駅前ルート
こちらは市内軌道線の主要ルートで、JR富山駅から南へ延び、終点の南富山駅前までを結びます。この路線では、最新型の「セントラム」に加え、昔ながらのレトロな「デ7000形」車両も現役で活躍しており、新旧車両が同じ線路を走る姿は鉄道ファンだけでなく多くの人を楽しませています。沿線は地元住民の生活圏である商店街や住宅街が広がり、富山の日常風景を感じられる路線です。のんびりと地域の雰囲気を味わいたい方に特におすすめです。南富山駅前にある車庫では、多くの路面電車が休憩している様子を見ることができるのも、知る人ぞ知る楽しみの一つです。
富山大学前支線
南富山へ向かう途中の「大学前」停留所から分岐する支線もあり、富山大学キャンパスへとつながっています。通学時間帯は学生で賑わい、活気が感じられます。この短い支線を利用することで、またひと味違った富山の姿を垣間見ることができるでしょう。
富山港線「ポートラム」 – 港町へと伸びる新たな道
次に紹介するのは、富山駅の北側に位置し、富山港の岩瀬浜までを結ぶ富山港線です。この路線はかつてJR西日本が運行していたローカル線「富山港線」を、2006年に日本初の本格的なLRT(次世代型路面電車システム)として生まれ変わらせた革新的な路線で、愛称は「ポートラム」と呼ばれています。
LRT化による大きな変化
LRT化にあたり、従来の鉄道とは異なる多くの改良が施されました。まず電停数が増え、地域住民の利用しやすさが向上しました。さらに運行本数も増え、昼間は約15分間隔での高頻度運行を可能にしました。加えて、バリアフリー対応の超低床車両を導入し、高齢者や車いす利用者、ベビーカーを使う方も乗降がスムーズになりました。元整備士の視点からも、既存のインフラを最大限活用しつつ、全く新しい交通システムに転換したこのプロジェクトは技術的にも非常に興味深いものです。
沿線の魅力的な景観
富山港線を利用する旅の楽しみは、車窓の美しい変化にあります。富山駅から発車するとしばらくは市街地を走りますが、その後富岩運河沿いの風光明媚な景色を楽しめます。特に有名なのが「富岩運河環水公園」で、世界一美しいと評されたスターバックスコーヒーがあることでも知られ、ポートラムを降りての散策に最適なスポットです。さらに北へ進むと、国の重要文化財である「中島閘門」を望みながら、終着駅の岩瀬浜に到着します。岩瀬エリアはかつて北前船の寄港地として繁栄した歴史ある港町で、今も昔ながらの街並みが保存されています。ポートラムの旅は、近代都市の景観から水辺の自然、歴史的な港町の趣までを短時間で存分に楽しめる贅沢なルートです。
2系統が一体化!南北接続がもたらした大きな変化
冒頭でも述べたように、長らく富山駅を境に分断されていた市内軌道線と富山港線。南側へは南口の電停から、北側へは北口の電停からそれぞれ乗車し、乗り換え時には駅の改札を通ってコンコースを歩く必要がありました。しかし2020年3月21日、ついにこの2路線の南北接続が実現。富山駅の高架下に新たに路面電車の線路が敷設され、南の南富山駅前や環状線から北の岩瀬浜までが一本の線路でつながりました。この結果、乗り換えなしに富山市の南北を縦断できるようになり、利便性は飛躍的に向上しました。例えば、南富山に住む高齢者が乗り換えなしで岩瀬浜の病院へ通えるようになったり、観光客が中心部のホテルからポートラムで環水公園へ気軽に出かけられるなど、市民と観光客の双方に大きな恩恵をもたらしています。この南北接続は単に線路をつなげただけでなく、富山の街全体の活性化を促す「未来へのレール」となったのです。
さあ、乗ってみよう!富山路面電車の乗り方完全マニュアル
富山の路面電車の魅力を理解したところで、いよいよ実践編に移ります。初めて路面電車に乗る方は戸惑うかもしれませんが、心配は無用です。このガイドを参考にすれば、誰でも簡単に乗りこなせます。一つひとつのステップを丁寧に解説しますので、安心して進んでください。
乗車前の準備 – きっぷの種類と購入方法
路面電車の運賃支払いには、「現金」「交通系ICカード」「フリーきっぷ」の3つの主な方法があります。ご自身の旅のスタイルに合ったものを選びましょう。
現金での乗車方法 – 基本のキ
現金払いは最もシンプルな支払い方法です。富山の路面電車は、基本的に後部ドアから乗車し、前部ドアから降車する「後乗り前降り」方式を採用しています。運賃は降りる際に支払います。
- 乗車時:後ろのドアから車内に入ります。ドア横に整理券発行機がありますが、富山市内の軌道線のほとんどは均一料金(大人210円、小人110円)なので整理券を取る必要はありません。ただし、一部区間や富山港線では整理券が必要な場合もあるため、周囲の乗客が整理券を取っているか確認すると安心です。迷った時は取っておくのが無難です。
- 降車時:降りたい電停が近づいたら、車内の降車ボタンを押して運転士に知らせます。電車が完全に止まったら前のドアへ進み、運転席横の運賃箱に運賃を投入してください。お釣りは出ませんので、小銭を用意しておくことが大切です。車内の両替機では千円札および硬貨のみ両替可能で、二千円札・五千円札・一万円札は使えません。したがって、乗車前に千円札か小銭を準備しておくことが非常に重要です。
ICカードの利用方法 – スムーズでスマートに
現金支払いが面倒に感じる方には、交通系ICカードの利用が断然おすすめです。富山の路面電車では独自ICカード「ecomyca(えこまいか)」のほか、SuicaやICOCA、PASMOなど全国相互利用可能な10種類の交通系ICカードが利用可能です。チャージ残高があれば、小銭を気にせず快適に乗り降りできます。
- 乗車時:後ろのドア横にあるカードリーダーにICカードを「ピッ」と音が鳴るまでしっかりとタッチしましょう。乗車時のタッチを忘れると降車時に正しい運賃計算がされないため、絶対に忘れないようにしてください。
- 降車時:降りたい電停が近づき降車ボタンを押したら、電車が停車後に前のドアへ進みます。運賃箱上のカードリーダーに再びICカードを「ピッ」とタッチすると、運賃が残高から自動的に引き落とされます。残高不足の場合は、運転士に申し出て不足分を現金で支払うか、「えこまいか」なら車内でチャージも可能です。ただし、全国共通のICカードは車内でチャージできないため、駅の券売機やコンビニなどで事前にチャージを済ませておきましょう。
お得なフリーきっぷを使おう! – 乗り放題で快適な旅
一日に何度も路面電車を利用するなら、フリーきっぷが非常にお得です。富山地方鉄道では観光客向けにいくつかの便利なフリーきっぷを販売しています。
- 市内電車・バス1日フリーきっぷ:大人700円、小人350円で、富山市内中心部の路面電車と指定エリアの路線バスが1日乗り放題になるお得な切符です。路面電車は均一運賃区間が210円なので、4回以上の乗降で十分に元が取れます。観光で複数のスポットを回る方には特におすすめです。
- 購入場所:電鉄富山駅の乗車券センターや富山駅前のバス案内所、一部ホテルのフロントなどで販売しています。また、路面電車の乗務員から直接買うことも可能です。降車時に運転士に「1日フリーきっぷをください」と伝えれば、その場で購入できます。初めての利用であれば、購入時の乗車料金も含まれますので非常に便利です。
- 使い方:スクラッチ式で利用日の年月日を硬貨で削り、その日付を運転士に見せるだけです。何度も財布を取り出す手間がなく、快適に観光を楽しめます。
乗車から降車までの流れ – スマートな行動を覚えよう
きっぷを用意したら、いよいよ乗車です。流れを把握して、路面電車をスマートに利用しましょう。
乗る場所はどこ? – 電停(停留所)の見つけ方
路面電車の乗り場は「電停」または「停留所」と呼ばれ、道路脇や中央分離帯に設置されています。屋根やベンチが整った立派なものから、簡単な標識だけの場所まで様々です。目的地により乗り場が違う場合もあるため、電停に掲示された路線図や案内表示をよく確認しましょう。電車が近づいたら白線の内側で待機し、特に交通量の多い道路では車に十分注意してください。
電車の乗り方と車内マナー – 快適な空間を共有するために
電車が到着したら、後ろのドアから順に乗り込みます。最新の低床車両はホームとの段差がほとんどなく乗りやすいですが、レトロなデ7000形などは数段のステップがあり、足元に注意が必要です。車内は市民の日常生活空間でもあるため、以下の基本マナーを守りましょう。
- 座席:空いている席に座りましょう。優先席はお年寄りや体の不自由な方、妊婦さん、小さなお子様連れの方に譲ってください。
- 飲食:飲食は原則禁止です。匂いやこぼれやすい飲み物の持ち込みは控えめに。
- 携帯電話:通話は控え、マナーモードに設定しましょう。大声での会話は他の乗客の迷惑となるため注意が必要です。
- 荷物:大きな荷物やリュックは他の乗客の通行を妨げないよう足元に置くか、前に抱えてください。混雑時はスーツケース等の持ち込みも周囲の状況をよく見て行動しましょう。
降りる場所で確実に降りるには? – 落ち着いて行動を
車内では次の停車駅のアナウンスがあります。降りたい電停の一駅前のアナウンスが流れたら、車内にある降車ボタンを押してください。ボタンを押すと「ピンポーン」という音が鳴り、前方の「次とまります」ランプが点灯します。既に誰かが押していれば重ねて押す必要はありません。電車が停車しドアが開くまで席を立たずに待ちましょう。停車後は運賃を払って前のドアから降ります。降車時も自転車や歩行者に十分注意してください。
車窓から楽しむ!沿線のおすすめスポット巡り

路面電車の魅力は何と言っても、車窓からの景色と気軽に途中下車して街歩きを楽しめる点にあります。ここでは、市内軌道線と富山港線の沿線から特におすすめのスポットを厳選してご紹介します。1日フリーきっぷを片手に、気ままな散策の旅へ出かけてみませんか?
市内軌道線沿い – 街の中心を肌で感じる
市内軌道線の中でも特に環状線「セントラム」には、富山の今を実感できるスポットが豊富に点在しています。
富山城址公園・富山市郷土博物館(丸の内電停)
富山のシンボルである富山城。現在の天守閣は戦後に再建されたものですが、美しい姿は地元の方々に親しまれています。公園は緑にあふれ、散策するだけでも爽やかな気持ちになれる場所です。天守閣内は富山市郷土博物館として活用され、富山の歴史を学べます。セントラムの「丸の内」電停を降りると、お堀のすぐそばに位置しています。
富山市ガラス美術館・図書館「TOYAMAキラリ」(西町電停)
世界的建築家・隈研吾氏が設計したことで知られる複合施設です。外観もさることながら、木材を豊富に使った内装は圧巻の一言。吹き抜けの開放的な空間に図書館と美術館が融合されています。特に6階にある常設展「グラス・アート・ガーデン」では、現代ガラスアートの魅力を堪能できる素晴らしい空間です。企画展も充実しており、アートを愛する人には見逃せないスポットです。「西町」電停の目の前にありアクセスも抜群です。とやま観光ナビでも必ず紹介される、富山を訪れたらぜひ立ち寄りたい場所です。
グランドプラザ(グランドプラザ前電停)
全天候型の屋根付き広場で、さまざまなイベントが開かれる市民の憩いの場です。週末にはマルシェが開催されたり、冬にはスケートリンクが設置されたりと、いつ訪れても楽しめます。周辺にはおしゃれなカフェやショップが多数あり、散策の合間の休憩場所としてもおすすめです。「グランドプラザ前」電停からすぐで、総曲輪商店街にも直結しています。
富山港線沿い – 港町の歴史と自然を感じる
富山駅から北へ向かう富山港線は、都市の喧騒を離れ、水と緑、歴史の息吹を感じられるエリアに誘います。
富岩運河環水公園(インテック本社前電停)
富山駅から徒歩約10分の距離ですが、ポートラムを使うと「インテック本社前」電停からすぐです。広大な敷地には芝生が広がり、運河をまたぐ天門橋は展望塔も兼ねていて、立山連峰の絶景を一望できます。この公園のシンボルともいえるのが、運河沿いに佇むスターバックスコーヒー富山環水公園店。ガラス張りの美しい建物は訪れる人を魅了します。ポートラムに乗ってここでコーヒーを楽しみながらのんびり過ごすひとときは、まさに贅沢な時間です。
中島閘門(中島閘門電停 ※臨時停車)
通常は通過しますが、イベント開催時などに臨時停車する「中島閘門」電停の近くには、昭和初期に建造されたパナマ運河式の閘門があります。異なる水位の運河を船が円滑に行き来できるように設けられた施設で、その精巧な構造は一見の価値があります。国の重要文化財に指定され、土木遺産としても高く評価されています。富岩水上ライン(遊覧船)に乗れば、実際に閘門を通過する体験も可能です。
岩瀬の古い街並み(東岩瀬・岩瀬浜電停)
終点の岩瀬浜駅のひとつ手前、「東岩瀬」で降りると、江戸時代から明治時代にかけて北前船の寄港地として栄えた面影が色濃く残るエリアにたどり着きます。三角形の妻壁が特徴の「東岩瀬廻船問屋の街並み」は、歩くだけでタイムスリップしたかのような感覚が味わえます。特に「北前船廻船問屋 森家」は当時の豪商の暮らしを伝える貴重な建物で、内部も見学可能です。風情あるカフェや酒蔵、ガラス工房なども点在しており、散策が一層楽しくなるエリアです。
もっと深く知りたい!富山路面電車の車両たち
元整備士の視点からすると、やはり車両自体に触れずにはいられません。富山の路面電車は、まさに「動く博物館」と言えます。ここでは、代表的な車両をいくつか紹介し、その魅力をお伝えします。
レトロな魅力溢れるデ7000形
1965年(昭和40年)から活躍を続ける富山地方鉄道の生ける記録のような車両です。角張った無骨なデザインと、深い緑色とベージュのツートンカラーが独特の味わいを醸し出しています。この車両最大の特徴は、やはりその「音」にあります。発車時に「ウォーン」と響くモーター音は、「吊り掛け駆動方式」という昔ながらの駆動方式ならではのものです。普段は静かな電車に慣れていると、その力強い音や振動に驚くこともあるでしょうが、これが鉄道ファンを惹きつけてやまない魅力のひとつです。乗り心地は最新の車両に比べると決して快適とは言えませんが、このデ7000形に揺られる時間は、他では味わえない貴重な体験です。見かけたらぜひ乗車してみてください。
次世代トラムの代表、T100形「サントラム」
市内軌道線を走る、白を基調とした流線形の美しい車両がT100形、愛称「サントラム」です。2010年に導入されたこの車両は、3連接構造で、多くの乗客を一度に運べるのが特徴です。最大のポイントは、床面が極めて低い「100%超低床車両」であること。これにより電停との段差がほぼなくなり、車いすやベビーカーでの乗り降りが非常にスムーズです。インバータ制御による滑らかな加速と静音性は、デ7000形と対照的です。元整備士の視点からは、台車の構造やモーター配置など、低床化を実現するための技術的工夫に感心せざるを得ません。快適性と機能性を高い次元で両立したまさに次世代の路面電車と言えるでしょう。
富山港線を彩るTLR0600形「ポートラム」
富山港線を走るのがTLR0600形「ポートラム」です。白を基調としたボディに、虹の7色(赤、オレンジ、黄、黄緑、緑、青、紫)のアクセントカラーが施されており、非常にカラフルで見ていて楽しい車両です。2連接のLRT車両で、こちらも超低床構造を採用しています。大きな窓からは沿線の景色を存分に楽しむことができ、街中を走る姿は富山が先進的な交通都市であることを象徴しているかのようです。乗る車両の色は運次第なので、全7色をコンプリートする楽しみもあるかもしれません。
イベント列車も見逃せない!
富山の路面電車は、特別なラッピングや装飾を施した列車でも私たちを楽しませてくれます。デ7000形を昭和30年代の姿に復元した「レトロ電車」が不定期に運行されたり、クリスマスシーズンにはイルミネーションで飾られた「クリスマス電車」が登場したりします。また、車内でおでんや地酒を楽しめる「おでんしゃ」や「地酒電車」といった企画列車も大人気です。これらのイベント列車の運行情報は、富山地方鉄道の公式サイトで随時案内されますので、旅の計画を立てる際にはぜひご確認ください。特別な電車に乗車することで、旅の思い出がより一層鮮やかになるでしょう。
旅の前にチェック!知っておきたいQ&Aとトラブルシューティング

最後に、富山の路面電車の旅をより快適で安心して楽しむために、準備やトラブル時の対処法をQ&A形式でまとめました。これを読めば、もう不安はなくなるでしょう。
準備と持ち物について
路面電車の旅をスムーズに進めるため、次のものを用意しておくことをおすすめします。
- 必携アイテム
- 現金(特に小銭):ICカードを利用しない場合、またお釣りが出ない運賃箱に対応するために必須です。千円札も数枚持っていると両替が便利です。
- 交通系ICカード:持っている場合はあらかじめチャージしておきましょう。乗降がスムーズになり、現金の用意も不要になります。
- スマートフォン:路線図の確認や乗り換え案内アプリ(Googleマップなど)の利用に役立ちます。沿線の飲食店や観光スポットの情報収集にも便利です。
- あると便利なもの
- モバイルバッテリー:写真撮影や調べ物でスマホの電池は意外と減りやすいです。予備バッテリーがあると安心です。
- 歩きやすい靴:路面電車の旅では乗り降りを繰り返しながら街歩きを楽しむのが魅力です。スニーカーなど歩き慣れた靴を選びましょう。
- 1日フリーきっぷ:前述のとおり、頻繁に乗降するなら間違いなくお得です。行動範囲が広がります。
- エコバッグ:沿線の商店街やお店で素敵なお土産を買った際に役立ちます。
よくある質問(FAQ)
- Q. 乗り過ごしてしまった場合はどうすれば?
- A. 慌てる必要はありません。まずは次の電停で降りましょう。富山の路面電車は停車駅間の距離が短いため、大きな問題にはなりません。折り返しの反対方向の乗り場に移動して、次の電車を待てば問題ありません。1日フリーきっぷを持っていれば追加料金も発生せず安心です。
- Q. ICカードの残高が不足したらどうすればいい?
- A. 降車時にカードリーダーをタッチしてエラー音やメッセージが表示されたら運転士に「残高不足です」と伝え、不足分を現金で支払ってください。全国共通の交通系ICカードでも車内でのチャージはできないため、常に残高を確認しておくことが大切です。
- Q. 大きな荷物(スーツケースなど)は持ち込める?
- A. 持ち込みは可能ですが、車内に専用の荷物置き場はありません。混雑する時間帯(通勤・通学ラッシュ時など)は避けたほうが無難です。乗車時は他の乗客の通行を妨げないよう、出入口近くを避けて自分の足元に置くなど配慮しましょう。
- Q. 忘れ物をしたときはどこに連絡すればいい?
- A. 忘れ物に気づいたらできるだけ早く富山地方鉄道に連絡してください。公式サイトに忘れ物問い合わせ先の電話番号が掲載されています。乗車した日時、路線、乗車区間の情報を伝えると早く見つけてもらいやすくなります。連絡先は富山地方鉄道の「鉄道部」です。
万が一に備えて
念のため、以下の情報も知っておくと安心です。
- 電車の遅延・運休情報の確認:大雪や事故などで電車の遅れや運休が発生することがあります。最新の運行状況は富山地方鉄道の公式サイトで確認可能です。また、主要な停留所の電光掲示板やアナウンスにも注目しましょう。
- 代替交通手段:電車が止まった場合は、並行路線のバスやタクシーが代わりの手段になります。富山駅周辺では比較的容易に利用可能です。
- 冬の富山と路面電車:富山は雪国であり冬季には積雪が多いですが、路面電車は雪に強い乗り物として知られています。線路の除雪体制が整っており、軽微な雪程度なら運休はほとんどありません。雪景色の中を走る電車は風情があり、冬ならではの楽しみです。ただし、記録的な大雪の際は遅延や運休の可能性もあるため、冬に訪問する際は天気予報と運行情報をこまめに確認することをおすすめします。
路面電車で描く、あなただけの富山物語
富山の路面電車について、その歴史や乗り方、楽しみ方まで詳しくご紹介してきました。レトロなデ7000形に揺られながら、懐かしい時代を感じる旅。スタイリッシュなセントラムやポートラムに乗って、未来の都市交通の姿を体験する旅。どちらも、富山でしか味わえない特別なひとときです。
車での移動ももちろん魅力的ですが、あえて路面電車に乗ってゆっくりと街の風景を眺めることで、新たな発見があります。地元の人たちの日常会話、車窓を流れる賑やかな商店街、ふと目に飛び込んでくる美しい立山連峰の景色。これらすべてが、忘れがたい旅の一場面となるでしょう。
この記事でお伝えした乗り方やモデルコースは、あくまで一例に過ぎません。1日フリーきっぷを手にすれば、完全に自由な旅が楽しめます。気になった電停でふと降りてみたり、偶然見つけたカフェでひと休みしたり、同じ路線を何度も往復して新旧の車両を乗り比べてみたり。そんな自由な気まぐれな寄り道こそが、旅の醍醐味といえるでしょう。
さあ、次の休日は、あなた自身のオリジナルルートで富山の街を路面電車で巡ってみませんか。きっと、まだ誰も知らない、あなたならではの富山物語が待っています。心地よい揺れとともに、素敵な旅の始まりを願っています。

