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    新宿から一駅の別世界。大人が楽しむ東京・笹塚、心安らぐ下町散歩のすすめ

    新宿の摩天楼が織りなす喧騒から、京王線に乗ってわずか5分。電車を降り立つと、そこには驚くほど穏やかで、どこか懐かしい空気が流れています。ここが、私たちが今回ご案内する街、笹塚です。

    私たち夫婦は、子育てが一段落してからは、ヨーロッパの古都に長期滞在し、その土地の日常に溶け込むような旅を好んできました。パリのマルシェでチーズを選んだり、フィレンツェの路地裏でエスプレッソを味わったり。そんな旅の醍醐味は、観光名所を巡るだけでは得られない、地元の人々の息遣いを感じることにあると思っています。そして、日本に帰国したとき、ふとそんな「日常の旅」が恋しくなると、決まってこの笹塚を訪れるのです。

    笹塚は、きらびやかな観光地ではありません。しかし、ここには活気あふれる商店街があり、歴史を感じさせる緑道があり、そして何より、温かい人情が今も息づいています。大きなスーツケースを引いて駆け足で巡るのではなく、ゆっくりとした足取りで、街角の小さな発見を楽しむ。そんな大人のための、ゆとりある東京散歩に、笹塚は最高の舞台を用意してくれています。

    この記事では、私たちが愛してやまない笹塚の魅力を、シニア世代の目線でじっくりとご紹介します。散策の準備から、地元で愛されるグルメ、万が一の時のための情報まで。この記事を読み終える頃には、きっとあなたも笹塚の街を歩いてみたくなるはずです。さあ、一緒に心安らぐ東京の日常へ、旅に出かけましょう。

    目次

    笹塚という街の記憶を辿る

    街を歩く際に、その土地の歴史を少しでも知っていると、目に映る風景により一層の奥行きが生まれます。笹塚もまた、その成り立ちに豊かな物語を秘めた街のひとつです。

    甲州街道と玉川上水が育んだ街

    笹塚の基盤となっているのは、今も昔も日本の重要な交通路である甲州街道(国道20号線)です。江戸時代には五街道のひとつとして整備され、多くの人々や物資が行き交う重要なルートでした。笹塚は江戸日本橋から数えて最初の宿場である内藤新宿の先に位置し、旅人がひと息つく場所として、また江戸への玄関口として賑わっていたことでしょう。現在も甲州街道沿いを歩くと、その当時の往来の賑わいを感じ取ることができます。

    さらに、笹塚にとってもう一つの歴史的な遺産が、甲州街道のやや北側を流れる「玉川上水」です。これは江戸時代の承応2年(1653年)に、増加する江戸の人口を支えるために開削された上水道で、多摩川の水を羽村から四谷大木戸まで約43キロメートル引き込んだものです。当時の土木技術の粋を集めて作られたこの水路は、清らかな水を江戸の市民生活に供給したのみならず、沿線の農地を潤し、地域の発展を促しました。笹塚周辺もこの玉川上水の恩恵を大いに受けたエリアの一つです。

    近代に入って京王線が開通すると、笹塚は都心へのアクセスが良好な住宅地として急速に発展しました。関東大震災後には、被災した都心から多くの人々が移り住み、街の活気は一層増していきます。戦後の復興期には駅前に商店街が整備され、現在見られるような人情味あふれる街並みの基盤が築かれました。

    このように、笹塚は江戸時代からの交通の要所としての歴史と、玉川上水による水の恩恵、さらには近代以降の都市化の流れが重なり合い、多彩な顔を持つ街として成長してきました。次に紹介する商店街や緑道を歩く際には、この街の歴史的な記憶に思いを馳せてみてください。道端の石碑や古い建物が、静かに語りかけてくるかもしれません。

    笹塚の心臓部、温故知新の商店街を歩く

    笹塚の魅力を語るうえで欠かせないのが、駅の南北に広がる個性豊かな商店街の存在です。ここは単なる買い物スポットではなく、地域住民の暮らしが凝縮された街の活力の源とも言えます。私たちもこの街並みを歩くだけで、不思議と元気をもらえるのです。

    賑わいと人情あふれる「笹塚十号通り商店街」

    笹塚駅の改札を抜けて北側へ歩くと、すぐに大きなアーケードが見えてくるのが「笹塚十号通り商店街」の入口です。一歩足を踏み入れれば、まるで別世界のような空間が広がっています。威勢の良い掛け声が飛び交う八百屋、揚げたてのコロッケの香ばしい匂いが漂うお肉屋さん、和菓子屋の店先に立ち上る湯気とともに並ぶお団子など、五感をくすぐる要素が満載で散策するだけで心が躍ります。

    この商店街の魅力は、昔ながらの個人店と新しい感性をもった店舗が見事に共存していることです。歴史を感じさせるお茶屋や乾物屋の隣には、若いオーナーが切り盛りするおしゃれなベーカリーやコーヒースタンドが並び、新旧の世代が自然に交流しながら街全体の息吹を生み出しています。そんな健やかな活気がこの商店街にはあふれているのです。

    【散策のポイント:商店街を楽しむためのヒント】

    • 準備と持ち物:
    • エコバッグ: ぜひお気に入りのエコバッグを持参しましょう。様々なお店で少しずつ買い物を楽しむのが、この商店街の醍醐味です。レジ袋が有料の店舗も多いため、環境にも配慮しつつ実用的です。
    • 現金: 最近はキャッシュレス対応の店も増えていますが、昔ながらの個人商店では現金のみのところもまだ少なくありません。千円札や小銭を少し多めに用意すると支払いがスムーズに済みます。
    • 歩きやすい靴: アーケード内は平坦ですが、興味のある店が多くつい長時間歩いてしまうので、履き慣れた快適な靴をおすすめします。
    • 散策の進め方:
    • まずは何も決めずに、端から端までのんびりと歩いてみましょう。どんな店が並び、どんな商品があるのか、街の空気を感じてください。
    • 気になるお店があれば気軽に店主に話しかけてみるのも良いでしょう。「人気のお惣菜はどれですか?」「この野菜の美味しい食べ方は?」など、何気ない会話から思いがけない交流や発見が生まれることもあります。

    アーケード全長は約230メートルあり、天候を気にせず楽しめるのも魅力の一つ。雨の日でも傘を差さずにゆったり買い物ができます。平日昼間は主に地元の主婦が多く見られ、夕方には仕事帰りの人たちで賑わい、時間帯によって異なる表情を見せてくれます。私たちのおすすめは少し早めの午後。活気がありつつも、比較的ゆったりと店を見て回れる時間帯です。

    穏やかな時間が流れる「笹塚観音通り商店街」

    十号通りの賑わいを少し離れ、甲州街道を渡った南側には「笹塚観音通り商店街」が静かに佇んでいます。こちらはアーケードがなく、より開放的で落ち着いた雰囲気が漂います。道幅も広く、ゆっくりと散策を楽しむことができます。

    この商店街の名前は、通りのほぼ中央にある「笹塚観音」に由来します。小さなお堂ですが、地域の人々に大切に守られ、手を合わせる姿が絶えません。私たちも訪れる際は必ず立ち寄り、旅の安全や健康を祈願します。

    観音通り商店街には、こだわりをもった専門店が点在しており、丁寧に手作りされたパンが評判のベーカリー、厳選した豆を扱うコーヒー専門店、そして地元で長く愛される町中華の店などがあります。派手さはないものの、一軒一軒が誠実に営まれていることが伝わってきます。

    十号通りの賑やかさを「動」とするなら、観音通りの穏やかさは「静」です。ふたつの商店街を巡ることで、笹塚が持つ多様な魅力を感じられるはずです。散策に疲れたら、観音通り沿いのカフェでひと息つくのもおすすめ。窓から通りを眺めながら、地元の人たちの日常に思いを馳せる時間は、贅沢なひとときです。

    都心に息づく武蔵野の面影「玉川上水緑道」を歩く

    商店街の賑わいを楽しんだ後には、少し趣向を変えて、心癒される緑豊かな道を散策してみてはいかがでしょうか。笹塚の北側には、かつての玉川上水の流れに沿って整備された「玉川上水緑道」がまるで都会のオアシスのように続いています。

    歴史と自然が織り成す癒しの散策路

    笹塚駅から北へ徒歩約10分ほど進むと、突然視界が開けて緑あふれる遊歩道が姿を現します。ここが玉川上水緑道です。かつて江戸の街に清らかな水を運んでいた水路は、その役割を終えたあと、人々が憩う散歩道として生まれ変わりました。

    緑道を歩き始めると、車の騒音が次第に遠ざかり、代わりに鳥のさえずりや風によって揺れる葉音が聞こえてきます。ケヤキやサクラ、イチョウといった木々がトンネルのように道を覆い、夏には涼しい木陰を、秋には見事な紅葉を楽しませてくれます。季節ごとに異なる表情を見せてくれるため、訪れるたびに新たな発見があるのもこの緑道の魅力です。

    この緑道の素晴らしい点は、単なる散歩道にとどまらないところです。道の脇には玉川上水の歴史を伝える案内板が設けられ、当時の水路の石垣の一部も残されています。東京都水道局の公式サイトでも詳細な歴史が紹介されていますが、実際に遺構を目の前にすると、何百年も前にこの水路を掘った人々の苦労や、その水に支えられてきた暮らしがより身近に感じられます。

    緑道にはところどころベンチが設置されており、歩き疲れた際に気軽に休憩できるのもシニアの方々には嬉しいポイントです。商店街で購入したパンやおにぎりをここで味わうのも格別です。夫婦でベンチに腰掛け、木漏れ日に包まれながらお茶を飲んでいると、ここが新宿からすぐの場所であることを忘れてしまうほど穏やかな時間が流れています。

    【散策のポイント:緑道ウォーキングの準備】

    • 服装と持ち物:
    • 歩きやすい靴: 緑道は基本的に平坦で歩きやすいですが、未舗装の箇所や木の根が露出している部分もあります。スニーカーなど、履き慣れて滑りにくい靴を選びましょう。
    • 帽子と日焼け止め: 春から秋にかけては日差しが強い日も多いです。木陰は多いものの、帽子や日焼け止めで紫外線対策をしっかりすると安心です。
    • 飲み物: 自動販売機は緑道の近くに少ない場合もあります。熱中症予防のため、ペットボトルのお茶や水を一本持って出かけることをおすすめします。
    • 虫除けスプレー: 夏場は蚊などの虫が現れることがあります。肌の露出が多い服装の場合は、虫除けスプレーがあると快適に過ごせます。
    • 注意事項:
    • 緑道は歩行者だけでなく自転車も通ります。特に道幅が狭い箇所では、後方から来る自転車に注意しましょう。
    • トイレは近隣の公園などに併設されていますが数が限られています。駅やお店で済ませてから散策を始めるのがおすすめです。
    • 夜間は街灯が少なく暗くなる場所もあるため、散策は日中に行うことを推奨します。

    玉川上水緑道は西に進めば杉並区へ、東に向かうと代々木公園や新宿御苑の近隣まで続いています。体力に応じてコースを自由に選べるのも魅力です。笹塚周辺の短い区間をゆったり往復するだけでも十分にリフレッシュできます。都会の喧騒を離れ、歴史と自然に触れる静かなひとときをぜひお楽しみください。

    笹塚で味わう、心も満たすこだわりの味

    旅の楽しみの大きな要素のひとつに、やはり「食」がありますよね。笹塚は、気取らず親しみやすいながらも、誠実で美味しい料理が数多く見つかる街です。長く地元に愛される老舗から、新鮮な風を感じさせるカフェまで、私たちのおすすめのお店をいくつかご紹介します。

    地元に根付く、老舗のあたたかさ

    トレンドのお店も魅力的ですが、私たちはやはり、その土地にしっかり根ざしたお店の味に惹かれます。そこには単に美味しいだけでなく、歴史と人々の想いが染み込んでいるように感じられるからです。

    笹塚には、そんな「地域の名店」と呼ぶにふさわしいお店が数多くあります。例えば、昔ながらの洋食店。丁寧に仕上げられたデミグラスソースのハンバーグや、サクサクの衣が特徴のエビフライは、どこか懐かしさを感じさせ、心まで温めてくれる優しい味わいです。ランチタイムは地元の常連客で賑わうことが多いため、少し時間をずらして訪れるのが、ゆったりと楽しむポイントです。

    また、お蕎麦屋さんも見逃せません。出汁の香りがふわっと漂う店内で、打ち立てのお蕎麦をいただく贅沢。天ぷらの盛り合わせを添えて、昼間から少しだけ日本酒を楽しむのは、大人の旅ならではの味わいです。

    【お店選びのポイント】

    • 予約をおすすめします: 小規模の個人経営店が多いため、特に夕食時に訪れる際は、事前に電話予約をしておくのが安心です。アレルギーや苦手な食材があれば、その際に伝えておくと、より快適に食事が楽しめます。公式サイトのないお店も多いので、電話での問い合わせが基本となります。
    • 支払い方法の確認: ご紹介したお店の中には現金のみというところもあります。予約の電話時にクレジットカードが使えるかどうかを確認しておくと、当日慌てずに済みます。
    • ドレスコードについて: 笹塚周辺のお店で厳しいドレスコードを求められることはほとんどありません。清潔感のある普段着で気軽に訪れて大丈夫です。

    散策の合間に、ほっと一息のカフェタイム

    商店街や緑道を歩いて少し疲れたら、個性的なカフェで一休みしましょう。笹塚には、チェーン店とは一線を画す魅力あるカフェが点在しています。

    私たちがよく利用するのは、自家焙煎のコーヒー豆にこだわったお店です。マスターが一杯ずつ丁寧にハンドドリップで淹れるコーヒーは、香り高く深い味わい。窓際の席に座って通りを眺めながら、ゆったりとコーヒーを味わう時間は、旅の疲れを優しく癒やしてくれます。

    また、手作りのケーキや焼き菓子が自慢のカフェもおすすめです。季節のフルーツをたっぷり使ったタルトや、濃厚なチーズケーキなど、心のこもったスイーツが、散策のエネルギーを再び満たしてくれます。こうしたカフェは、店内が広すぎず落ち着いた雰囲気のところが多く、私たちのようなシニア世代でも気兼ねなく過ごせます。

    店主に「今日のおすすめは何ですか?」と尋ねてみるのも楽しい体験です。そこから会話が弾み、この街の隠れた魅力を教えてもらえることもあります。

    笹塚から少し足を延ばす、隣町の魅力

    笹塚を拠点にすると、徒歩や電車で少し移動するだけで、個性豊かで魅力的なエリアに出会えます。時間に余裕があれば、隣の町へのちょっとした冒険もぜひ楽しんでみてください。

    東京の中の沖縄「代田橋・和泉明店街」

    笹塚駅から京王線で新宿方面に一駅、あるいは玉川上水緑道を東へゆっくり歩いて約20分。代田橋駅の近くに、まるで異世界へタイムスリップしたかのような不思議な一角があります。ここが「和泉明店街」、通称「沖縄タウン」です。

    戦後、沖縄からの移住者が多く集まり形成されたこのエリアは、今もなお東京にいながら沖縄の文化を色濃く感じられる場所となっています。アーケードにはシーサーの飾りが吊るされ、三線の音色が聞こえ、沖縄独特の食材を扱うお店も並びます。歩いているだけで、まるで南国にいるような気分に浸れます。

    ここでの楽しみはやはり沖縄グルメ。サーターアンダギーをつまみ食いしたり、沖縄そばの店でランチを味わったり。夜は泡盛と沖縄料理が楽しめる居酒屋が賑わいを見せます。地元の方や沖縄出身の方々が集う店内で、本場の味と温かな「ゆんたく(おしゃべり)」に触れるひとときは、忘れがたい思い出となるでしょう。和泉明店街の公式サイトではイベント情報も発信されているので、訪れる前にぜひチェックしてみてください。

    洗練された日常が垣間見える「幡ヶ谷・西原商店街」

    笹塚から甲州街道を東に徒歩約15分。隣の幡ヶ谷駅北側に広がるのが西原エリアです。ここは、笹塚の持つ下町の風情とは少し異なり、洗練された雰囲気を漂わせるおしゃれな住宅街です。

    特に「西原商店街」周辺には、こだわりのパン屋さんや海外の食材を揃えたデリカテッセン、デザイン性の高い雑貨店が点在し、センスの良い人々の心を捉えています。散策の合間に美味しいパンやデリを購入し、近くの代々木公園まで足を伸ばしてピクニックを楽しむのも素敵な過ごし方です。

    笹塚の温もり、代田橋の異国情緒、そして幡ヶ谷の洗練。これら三つの街はそれぞれまったく異なる表情を見せています。これだけ多様な文化が徒歩圏内に隣接しているのも、このエリアの大きな魅力の一つと言えるでしょう。

    【周辺散策のヒント:公共交通機関を活用しよう】

    • 電車: 京王線を利用すれば、笹塚から代田橋、幡ヶ谷(※幡ヶ谷は京王新線駅)へはそれぞれ一駅です。短時間での移動に便利です。
    • バス: 甲州街道沿いには渋谷駅や新宿駅へ向かうバスが頻繁に運行しています。バス停も多く、慣れると行動範囲が大幅に広がります。乗車時には行き先表示をしっかり確認しましょう。
    • 交通系ICカード: SuicaやPASMOがあれば、電車もバスもキャッシュレスでスムーズに利用可能です。事前に駅の券売機などで十分な金額をチャージしておくと安心です。万が一バス車内で残高が不足しても、多くの場合、運転手に申し出れば千円札のみ対応でその場でチャージできます。

    笹塚滞在を快適で安全なものにするために

    旅を心から楽しむためには、やはり安心感が何より重要です。特にシニア世代の旅行においては、治安面や健康管理の準備が欠かせません。ヨーロッパ各地の都市を訪れた経験からも、日本の安全性は非常に高いと言えますが、それでも知っておくべきポイントは存在します。

    治安と安全についての心得

    笹塚は渋谷区内でも、特に治安が良いと評される住宅地です。昼間は女性や子どもたちが普通に歩き回り、とても穏やかな雰囲気が漂います。夜間も駅周辺や商店街は明るく人通りがありますが、一歩路地に入ると暗く静かな場所も見受けられます。

    • 夜間の行動: 夜遅くに外出する際は、できるだけ明るく人通りが多い道を選びましょう。特に女性の単独行動は避けた方が無難です。これは、どの地域、どの国でも共通の基本的な注意事項です。
    • 貴重品の管理: 日本では置き引きなどの犯罪は比較的少ないと言われていますが、油断は禁物です。カフェなどで席を確保している間にバッグを離れた所に置かないようにしましょう。貴重品は常に身に付け、バッグは体の前で抱えるように持つとさらに安全です。
    • 困ったときの対処: 道に迷ったり困った事態が発生した場合は、駅前の交番に相談するのが安心です。警察官が親切に対応してくれます。また、コンビニの店員さんも簡単な道案内などを快く引き受けてくれることが多いです。

    ヨーロッパの都市ではスリや置き引きに常に注意を払いますが、それと比べると笹塚での滞在は精神的にかなり楽です。ただし、「自分の身は自分で守る」という意識は変わらず持ち続けることが、安全な旅の基本といえるでしょう。

    万が一のときの医療情報

    旅先で最も不安になるのは、急な体調不良やケガです。慣れない場所では予期せず体調を崩すこともあります。万が一に備えて事前に情報を入手しておくと、いざという時に冷静に対応できます。

    • 健康保険証の携帯: 国内の旅行であっても、健康保険証は必ず持参しましょう。もし病院を受診する際に保険証がなければ、医療費が全額自己負担となり後で精算手続きが必要になるなど手間がかかります。お財布とは別の場所にコピーを入れておくと、なお安心です。
    • 近隣の医療機関: 笹塚は住宅街のため、内科や外科、歯科など複数のクリニックが点在しています。急な発熱や腹痛が起きた際は、スマホの地図アプリで「内科」などと検索すれば現在地から最寄りの医療機関が見つかります。受診前には念のため電話で診療時間や休診日を確認することをおすすめします。
    • 休日・夜間の診療: 休日や夜間に体調を崩すと不安になるものです。そうした場合には、地域の救急医療情報を確認しましょう。渋谷区の公式サイトには、休日・夜間診療を行う医療機関の情報が掲載されています。旅行前にこのページをブックマークしておくと、いざという時に心強い助けとなります。
    • 救急車の要請: 胸の激しい痛みや呼吸困難、意識消失など緊急事態には迷わず「119番」に連絡して救急車を呼びましょう。電話では「救急です」と伝え、現在の場所(住所や目印になる建物)、症状、年齢などを落ち着いて伝えてください。

    普段服用している薬がある方は、旅行期間より余裕を持って持参することを忘れずに。また、体温計や絆創膏、常備薬などを入れた小さな救急セットを用意しておくと、軽い体調不良の際にとても役立ちます。備えがあれば心配も減り、心身ともに整った状態で笹塚の旅を存分に楽しんでください。

    あなただけの笹塚物語を紡ぐ旅のプラン

    これまで笹塚のさまざまな魅力をお伝えしてきましたが、最後に具体的な散策プランを提案して、この記事を締めくくりたいと思います。あくまでも一例としてご参考に、あなたの興味や体力に合わせて自由にアレンジし、あなただけの笹塚での一日をデザインしてみてください。

    半日で満喫!笹塚おすすめスポットコース

    午前中に到着し、ランチをはさんで午後まで過ごす、約4~5時間のプランです。短時間で笹塚の魅力をコンパクトに体験したい方にぴったりです。

    • 10:30 笹塚駅到着

    まずは駅周辺の地理を確認。北口は十号通り商店街、南口は観音通り商店街が広がっています。

    • 10:45 笹塚十号通り商店街を散策

    活気あるアーケードをゆったり歩いて、惣菜屋や和菓子店など気になるお店を覗いてみましょう。威勢の良い店主との会話も楽しめます。

    • 12:00 ランチタイム

    商店街やその周辺の昔ながらの洋食屋やお蕎麦屋で、地元の味をじっくり味わいましょう。

    • 13:00 笹塚観音通り商店街へ

    甲州街道を渡って、落ち着いた雰囲気の観音通りへ。笹塚観音に立ち寄り、旅の安全を祈願します。

    • 13:30 こだわりのカフェでひと休み

    散策の締めくくりにお気に入りのカフェでコーヒーとスイーツを堪能。歩いてきた道の思い出を振り返りながら、ゆったりとした時間を過ごします。

    • 14:30 笹塚駅から帰路へ

    お土産に買ったパンや惣菜を手に、満たされた気持ちで駅へ向かいます。

    じっくり一日満喫!笹塚&周辺エリア探訪コース

    朝から夕方まで丸一日かけて、笹塚とその近隣エリアをじっくり楽しむプランです。歩くのが好きな方や、より深く街を知りたい方におすすめです。

    • 9:30 笹塚駅到着

    少し早めに到着し、ゆっくりと一日の計画を立てます。

    • 9:45 玉川上水緑道をウォーキング

    まずは静かな緑道を散策。木漏れ日の中で歴史に思いを馳せながら30分から1時間ほど歩き、心と体をリフレッシュ。

    • 11:00 笹塚十号通り商店街へ

    緑道から活気ある商店街へ。ランチの候補を探したり、お土産をチェックしたりしましょう。

    • 12:30 ランチタイム

    十号通り商店街周辺、または少し足を伸ばして甲州街道辺りの店で多彩なメニューを楽しめます。

    • 14:00 代田橋・沖縄タウン散策

    午後は隣の代田橋へ足を延ばし、沖縄の雰囲気漂う和泉明店街を散策。沖縄物産店に立ち寄ったり、サーターアンダギーを味わったりしましょう。

    • 15:30 笹塚へ戻り、カフェでゆったり休憩

    歩き疲れたら観音通り商店街近くのカフェでひと息。今日の出来事を夫婦で語り合いながらリラックス。

    • 16:30 最後のショッピングタイム

    夕食のおかずや翌朝のパンを買い求めに再び商店街へ。夕方の賑わいが昼間とは異なる顔を見せてくれます。

    • 17:30 笹塚駅から帰路へ

    一日の充実感を胸に、帰路につきます。

    【散策に便利な持ち物リスト(再確認用)】

    • 歩きやすい靴
    • エコバッグ
    • 現金(小銭・千円札)とクレジットカード
    • 交通系ICカード(Suica、PASMOなど)
    • スマートフォン(地図や情報検索用)
    • モバイルバッテリー
    • 飲み物
    • 帽子・日焼け止め(季節に応じて)
    • ハンカチ、ティッシュ
    • 健康保険証(コピーがあればなお安心)
    • 常備薬

    笹塚は訪れるたびに新たな一面を見せる、魅力あふれる街です。派手な観光スポットは少ないものの、ここにしかない穏やかな時間と住民の温かい営みがあります。これは私たち夫婦がヨーロッパの小さな街で見つけた「旅の宝物」とどこか通じるものがあるように感じています。

    ぜひ、ご自身のペースでこの魅力的な街を歩いてみてください。きっと東京の知られざる表情を発見し、心に残る素敵な一日を過ごせることでしょう。

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    この記事を書いたトラベルライター

    子育てひと段落。今は夫と2人で「暮らすように旅する」を実践中。ヨーロッパでのんびり滞在しながら、シニアにも優しい旅情報を綴ってます。

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