大陸を車で横断する旅の途中、ひょんなことから立ち寄った香港。高層ビルがひしめく未来都市のイメージが強いこの街で、まさかこれほどまでに魂を揺さぶる大自然に出会えるとは、想像もしていませんでした。こんにちは、元自動車整備士で、現在は相棒の四駆と共に世界を巡る旅人ライターの翔太です。今回は、コンクリートジャングル香港のイメージを180度覆す、最南端の秘境「蒲台島(ポイタイとう)」への日帰りトリップを徹底レポートします。切り立った崖、荒々しい波に削られた奇岩の数々、そしてどこまでも続く水平線。都会の喧騒からわずか1時間でたどり着ける別世界が、そこにはありました。この記事を読めば、あなたも次の週末、蒲台島への冒険に出かけられるはず。必要な準備からフェリーの乗り方、絶景ハイキングコースまで、僕の経験をすべて詰め込んでお届けします。
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蒲台島とは?香港最南端に浮かぶ「香港の南極」

蒲台島は、香港島の南東に位置し、香港特別行政区の最南端に位置する島です。その地理的な特性から、「香港の南極」と親しみを込めて呼ばれることもあります。人口は非常に少なく、ほぼ全島が手つかずの自然で覆われています。島の大部分は風化した花崗岩でできており、長年にわたる風や波の浸食によって形成された独特な奇岩が点在しているのが最大の魅力です。この原始的かつダイナミックな風景は、多くのハイカーや写真愛好家、さらに都会の喧騒から逃れたいと願う人々を惹きつけてやみません。
私がこの島に惹かれた理由も、大陸の広大な大地とは異なる、海に囲まれた孤立した島ならではの凝縮された自然の力強さを感じたからです。島の周囲は断崖絶壁に覆われており、打ち寄せる波は力強く、そのしぶきが風に乗って頬に触れます。空と海の青、岩肌の灰色、そして逞しく根を張る植物の緑。この組み合わせは、まるで一枚の絵画のように美しいコントラストを描き出します。島内には舗装されたハイキングコースが整備されていますが、一歩コースをそれると、そこは険しい自然そのもの。だからこそ冒険心を刺激される場所でもあるのです。
さらに、蒲台島は考古学的にも重要な地点であり、島の南端の岩壁には約3000年前の古代の石刻が刻まれています。これは香港に現存する石刻の中でも屈指の複雑さを誇り、現在は香港の法定古跡として保護されています。歴史と自然が美しく融合したこの島は、ただの景勝地にとどまらず、訪れる人々に深い思索の時間を与えてくれる、特別な魅力を持っています。
蒲台島へのアクセス完全ガイド:フェリーの乗り方から注意点まで
この秘境への旅は、まずフェリーに乗ることからスタートします。ただし、蒲台島へのアクセスには少し独特な部分があり、事前に情報をしっかり集めておくことが不可欠です。なぜなら、フェリーが毎日運航しているわけではないからです。私も最初は戸惑いましたが、ポイントを押さえればそれほど難しくありません。ここでは、出発地の選定、チケットの購入方法、そして最重要の運航スケジュールについて、元整備士の視点を交えつつ順を追って詳しく解説していきます。
出発地はアバディーンかスタンレーどちらが良い?
蒲台島行きのフェリーは主に二つの港から出ています。ひとつは香港島南部の「アバディーン(香港仔)」、もうひとつはリゾート地として名高い「スタンレー(赤柱)」です。選ぶ出発地によって運行会社、スケジュール、料金が異なりますので、ご自身の旅の計画に合った港を選ぶことが大切です。
- アバディーン(香港仔)発
アバディーンは活気に満ちた港町で、多くの漁船が停泊しています。MTRの黄竹坑(Wong Chuk Hang)駅からのアクセスも良く、観光客にとって便利な出発地点と言えるでしょう。ここから蒲台島へは「翠華船務(Tsui Wah Ferry)」という運航会社がフェリーを運航しています。この路線の特徴は、火曜日・木曜日(祝日を除く)、土曜日、日曜日、そして祝日に運航されている点です。平日に島へ渡りたい場合は、アバディーン発の便が唯一の選択肢となります。
- スタンレー(赤柱)発
スタンレーの埠頭(Blake Pier at Stanley)からもフェリーが出ており、土曜日、日曜日、祝日のみの運航となっています。観光地として人気のスタンレーでは、午前中にマーケットやマレーハウスなどを散策し、午後から蒲台島へ向かうプランが立てやすいのが魅力です。ただし、便数がアバディーン発に比べて少ないため、時間管理には特に注意が必要です。
チケット購入の流れについて
チケットの購入方法は非常にシンプルで、オンライン予約システムのようなものはありません。基本的に乗船当日に埠頭で直接購入します。これはまるでローカルバスに乗る感覚に近いです。
- 購入場所:アバディーンの場合はフェリー乗り場のすぐ近く、スタンレーでは埠頭にいるスタッフから直接購入します。
- 支払い方法:支払いは基本的に現金のみと考えておくのが無難です。オクトパスカード(香港の交通系ICカード)が利用可能な場合もありますが、機械の不調などを考慮すると、必ず往復分の現金を用意しておくことが大切です。島内にATMは存在しないため、現金を確保しておくことは必須です。
- 往復チケットの購入推奨:片道のみの購入も可能ですが、特におすすめしたいのは往復チケットの購入です。帰りの便は満席になる恐れが高いからです。天気の良い週末には多くのハイカーが訪れますので、帰路の席を確保せずに渡島するのはリスクが高いです。往復で購入すると、片道ずつ買うよりも料金が若干割安になるメリットもあります。
2024年時点の料金目安は、往復で約50香港ドル前後です。最新の料金やスケジュールは必ず運航会社の公式ウェブサイトで確認しましょう。特に悪天候が予想される際は、サイトのトップページに欠航情報が掲載されることが多いので要チェックです。翠華船務(Tsui Wah Ferry)の公式サイトで最新情報を必ずご確認ください。
フェリーの運航スケジュールと注意すべきポイント
蒲台島への旅で最も重要なのがフェリーの運航スケジュールです。この点を誤ると、島に行けなくなったり、あるいは島から帰れなくなったりすることもあり得ます。十分に意識しておきましょう。
- 運航日は主に週末と祝日:既述の通り、アバディーン発では火・木曜日の便もありますが、基本は土日祝日のみの運航です。平日に訪れる場合は、整合性をしっかり確認して計画を立てる必要があります。
- 便数は非常に限られている:都市部のフェリーのように頻繁に出るわけではなく、1日に2〜3往復が標準です。朝の便を逃すと次はお昼過ぎということも多いため、乗り遅れは絶対に避けたいところです。出航時刻の少なくとも20~30分前には乗り場に到着しておくことを強くおすすめします。
- 最終便の時刻確認は必須:島内でのハイキングに夢中になり、最終便を逃すことは絶対に避けなければなりません。蒲台島には宿泊施設がほとんどないため、最終便を逃してしまうと文字通り島に取り残されることになります。乗船時に必ず帰りの最終便の時間を確認し、終始時間管理を徹底してください。
- 悪天候による欠航リスクに注意:蒲台島は外海に面しているため、天候の影響を受けやすい場所です。特に台風シーズン(およそ6月~10月)では、台風が直接接近していなくても強風や高波によりフェリーが欠航になることがあります。出発当日の朝には運航会社のサイトや香港天文台の情報を必ずチェックし、欠航の場合は潔く別プランに切り替える柔軟性も必要です。
元整備士の視点から言うと、船の揺れも気になるところです。外海に出ると揺れが大きくなるため、船酔いが心配な方は事前に酔い止め薬を服用するのが安心です。デッキ席に座って遠くの景色を眺めると酔いにくいとも言われています。エンジンの振動を感じつつ潮風に吹かれるのは、なかなか風情がありますよ。
蒲台島日帰りハイキング:元整備士が選ぶ最強ルートと見どころ

無事に蒲台島に到着したら、いよいよ冒険のスタートです。島自体はそれほど広くなく、主な観光スポットを結ぶハイキングコースを歩くと、3〜4時間ほどで一周できます。今回は、実際に歩いてみて「これは最高だ!」と感じた、効率よく絶景と奇岩を堪能できる定番ルートを紹介します。
まずは腹ごしらえ!島唯一のレストランで新鮮な海鮮を堪能
ハイキングに出る前に、まずはエネルギーを補給しましょう。フェリーを降りてすぐの湾沿いには、いくつかの小さな食堂(士多)やレストランが並んでいます。その中でも特に有名なのが「明記海鮮酒家」です。ここでは、鮮度の高い海産物を使った料理や、香港の地元グルメを味わえます。
私が頼んだのは、蒲台島名物の「紫菜餐蛋公仔麵(海苔とスパムと卵をのせた出前一丁)」。潮風を浴びながら食べる熱々のインスタントラーメンは、シンプルながらも忘れがたい美味しさでした。海苔は島で採れたものを使っており、磯の香りが食欲をそそります。他にもイカのフライや海鮮炒飯など、魅力的なメニューがたくさん。ここでしっかりと腹ごしらえをしておくことが、ハイキングを思い切り楽しむコツです。なお支払いは現金のみなので、忘れずに用意してください。
絶景を巡るハイキングコースを満喫
お腹が満たされたら、いよいよハイキングの開始です。おすすめのルートは時計回りに島を一周するコースです。このルートなら、体力があるうちに適度なアップダウンをこなせ、後半は比較的平坦な道でのんびりと景色を楽しめます。
おすすめルート:フェリー乗り場 → 天后廟 → 響螺石(タニシ岩) → 南角嘴燈塔(灯台) → 僧人石(お坊さん岩) → 佛手岩(仏の手の岩) → 棺材石(棺桶岩) → フェリー乗り場
このルートは写真撮影や休憩を含めて約3時間ほど。道はほとんどがコンクリート舗装の階段や遊歩道なので、本格的な登山装備は不要ですが、アップダウンはそこそこあります。特に灯台へと向かう急な階段は、無理のないペースで進みましょう。
見どころ①:天后廟と響螺石(タニシ岩)
フェリー乗り場から海沿いの道を進むと、最初に現れるのが「天后廟」です。天后(媽祖)は航海の安全を守る海の女神で、香港の沿岸部で厚く信仰されています。蒲台島の天后廟は崖に寄り添うように築かれており、その歴史も古く、趣深い佇まいが印象的です。旅の安全祈願をしてから先へ進みましょう。
天后廟を過ぎて歩いていくと、最初の奇岩「響螺石(タニシ岩)」が姿を現します。名前の通り、まるで巨大な巻貝が横たわっているかのような形状の岩です。自然が作り出したとは思えないほど見事な造形に、ついカメラを向けたくなります。この場所で、これから見る奇岩たちへの期待が高まります。
見どころ②:南角嘴燈塔(灯台)と僧人石(お坊さん岩)
ここからがハイキングのハイライト。島の南端にある灯台「南角嘴燈塔」を目指します。灯台への道は続く上り階段で、汗がにじみ出ますが、振り返るたびに視界が開けて素晴らしい景色が広がるため、疲れよりも感動が勝ります。そして灯台にたどり着いた瞬間の眺望は、まさに圧巻です。白亜の灯台と南シナ海の青い海が織りなすコントラストは、すべての疲れを癒してくれます。ここは香港の最南端。大陸を旅してきた私にとっても、ひとつの「終着点」に立ったという感慨深さを感じました。
灯台の近くには、もうひとつの有名な奇岩「僧人石(お坊さん岩)」があります。海に向かって静かに座禅を組む僧侶のような形をしており、そのユニークな姿が印象的です。灯台の絶景とあわせて、蒲台島の代表的な写真スポットのひとつと言えるでしょう。
見どころ③:佛手岩(仏の手の岩)と棺材石(棺桶岩)
灯台エリアを後にし、島の西側へと続く道を進みます。このあたりは下り坂が多く、比較的楽に歩けます。次の目的地は島の南西の崖にそびえる巨大な奇岩「佛手岩」です。まるで巨大な仏様が崖に手のひらを押し当てているかのような形状で、その迫力には圧倒されます。自然の仕業とは思えないこの光景は、一見の価値があります。
さらに進むと、縁起が良いのか悪いのか不思議な形の「棺材石(棺桶岩)」が見えてきます。名前の通り、西洋式の棺桶のようなフォルムの岩です。これらの奇岩は鑑賞する角度によって多様な表情を見せるため、さまざまな位置から眺めるのがおすすめです。想像力を働かせながら巡る奇岩探訪こそ、蒲台島ハイキングの醍醐味です。この辺りまで来れば、フェリー乗り場はもう間近。達成感とともに、心地よい疲労感が全身を包んでくれるでしょう。
準備は万全に!蒲台島ハイキングの持ち物リストと服装
アウトドアの基本は、何と言っても準備に尽きます。特に蒲台島のように、店舗や自販機がほとんどなく、退避経路が限られている場所では、事前準備が旅の成功を左右します。私の経験を踏まえ、絶対に持って行くべき持ち物と最適な服装についてまとめました。
持ち物リスト:これだけは必ず持参しよう
- 十分な水分:最重要アイテムです。夏季であれば、一人あたり最低1.5リットルから2リットルを確保してください。ハイキングルート上に水を補給できる場所は一切ありません。フェリー乗り場近くの食堂で購入可能ですが、割高になることもあるため、事前に持参するのが最善です。脱水は非常に危険ですので注意しましょう。
- 現金:繰り返しになりますが、島内での現金は生命線です。フェリー料金や食事代、飲み物代など、想定される費用より少し余裕を持った額を用意しておくことが必須です。
- 日焼け対策グッズ:帽子、サングラス、日焼け止めは欠かせません。ハイキングコースは日陰がほとんどなく、晴天時は強い紫外線にさらされます。油断すると、夕方には肌が真っ赤になることもあります。
- 歩きやすい靴:サンダルやヒールは絶対に避けてください。普段から履き慣れたスニーカー、またはできればトレッキングシューズが望ましいです。階段の昇降や滑りやすい岩場もあるため、足元はしっかり保護することが大切です。
- モバイルバッテリー:絶景を目の前にすると、多くの人がスマホで写真を撮るでしょう。また、地図アプリを頻繁に使う場面も想定されます。連絡がつかなくなったり、帰りのフェリー時刻を調べられなくなる事態を防ぐためにも、モバイルバッテリーの携帯は忘れないでください。
- 軽食・行動食:チョコレート、ナッツ、エナジーバーなど、手軽にエネルギー補給できるものを持っていると安心です。歩行中に小腹がすいたときや、緊急時の備えとしてザックに忍ばせておきましょう。
- タオル:汗を拭くためだけでなく、強い日差しから首を守る役割も果たします。
- 小さなゴミ袋:「来た時よりも美しく」がアウトドアの基本です。島内にはほとんどゴミ箱が設置されていません。自分が出したゴミは必ず持ち帰りましょう。美しい自然環境を守ることは訪れる人の責任でもあります。自然保護に関しては香港政府観光局のサイトでも呼びかけられています。
最適な服装
服装は季節に応じて調整が必要ですが、基本は「動きやすく、体温調節がしやすいこと」がポイントです。
- トップス:吸湿速乾性に優れた化繊のTシャツやシャツがおすすめです。綿素材は汗を吸うと乾きにくく、体温が下がる原因になりやすいため避けましょう。
- ボトムス:ストレッチ素材のパンツが適しています。ジーンズは動きにくく、濡れると重くなるためハイキングには不向きです。
- 羽織りもの:夏でもフェリー内の冷房が強いことがありますし、海沿いは風が強いことも多いです。薄手のウィンドブレーカーやパーカーを一枚持っておくと便利です。冬季(12月〜2月頃)は、フリースやライトダウンなど、防寒と防風をしっかりと意識した服装を心がけてください。
蒲台島での注意点とトラブルシューティング

楽しい旅にするためには、リスク管理が欠かせません。ここでは、実際に蒲台島を訪れる際に知っておきたい注意点と、万が一のトラブル時の対処法をまとめました。
トイレ事情
特に女性にとっては重要な情報となるでしょう。蒲台島で使える公衆トイレは、フェリー乗り場の近くにある一か所のみで、ハイキングコース上にはトイレは一切ありません。出発前に必ず用を済ませておくことが大切です。レストランでの利用も可能ですが、基本的には公衆トイレの利用をおすすめします。
通信環境
香港の中心部とは異なり、蒲台島内では場所によってスマートフォンの電波が不安定になったり圏外になることがあります。特に島の南側や谷間に入ると電波が届きにくくなる傾向があります。地図アプリに完全に依存すると、道に迷った際に困る恐れがありますので、事前にGoogleマップなどのオフラインマップをダウンロードしておくことを強く推奨します。
最終フェリーを逃した場合の対処法
考えたくない事態ですが、もし最終フェリーに乗り遅れてしまった場合はどうすればよいでしょうか。まずは慌てず冷静に行動してください。選択肢は限られています。
- 水上タクシー(サンパン)のチャーター: フェリー乗り場周辺で、漁師が個人で運航する小型船(サンパン)を見かけることがあります。彼らと交渉してアバディーンなどの港まで送ってもらう方法がありますが、これは最終手段です。料金は交渉次第で、フェリーと比べて非常に高額(数千香港ドルにのぼることも)となる上、必ずしも利用できるとは限りません。
- 島で夜を過ごす: キャンプ関連の項目でも触れていますが、島にはキャンプサイトがあります。ただし、キャンプ用具がなければ野宿を余儀なくされるため、非常に厳しい状況になるでしょう。水や食料も限られているため、この状況は避けるべきです。
結局のところ、最終フェリーには必ず間に合うようにすることが最も重要です。ハイキングの計画は、最終便の出発時刻を考慮し、十分な余裕を持って立ててください。
怪我や体調不良時の対応
ハイキング中に転倒して怪我をしたり、夏場の暑さで熱中症の症状が出る可能性もあります。簡単な絆創膏や消毒液、痛み止めなどを含む救急セットを携帯しておくと安心です。もし自力で動けないほどの重傷や体調不良が生じた場合は、ためらわずに緊急通報番号「999」に連絡してください。その際、自分の現在地をできるだけ正確に伝えることが重要です。ハイキングコース上にある標識の番号などをメモしておくと役立ちます。
蒲台島、もう一つの楽しみ方:キャンプと天体観測
蒲台島は日帰り旅行先として知られていますが、実はキャンプ愛好者にとっての隠れた名スポットでもあります。フェリー乗り場から少し歩いた場所には、政府が管理するキャンプサイトがあり、誰でも無料で利用可能です。ただし、水場やトイレなどの設備は非常に限られているか、ほとんど整っていないため、水や食料、テントなど必要な装備は全て自分で持参しなければなりません。まさに、自分のサバイバル技術が問われる上級者向けのキャンプ場といえます。香港漁農自然護理署(AFCD)の公式サイトで詳細情報を確認できますが、かなりの準備が必要です。
しかし、その困難を乗り越えた人だけが堪能できる絶景が待っています。それは満天の星空です。香港は光害が強く、市街地では星をほとんど見ることができません。しかし、この街の明かりが届かない香港最南端の島では、天候に恵まれれば天の川を肉眼で確認できると言われています。波のさざめきをBGMに、都会では決して見ることのできない星空を眺める夜は、かけがえのない贅沢なひとときとなるでしょう。いつか私も、大陸横断の旅で磨いたスキルを活かして、この島でのキャンプに挑戦してみたいと考えています。
香港の新たな扉を開く旅へ

車を走らせて果てしなく続く道を進む大陸の旅も素晴らしいものですが、今回訪れた蒲台島は、私に新たな旅のスタイルを教えてくれました。大都会のすぐ隣に、これほど野生的で力強い自然が息づいているという事実。それこそが、香港という都市の奥深さを象徴していると感じます。香港の魅力は、高層ビルの夜景や美味しい飲茶だけではありません。一歩郊外に足を運べば、息をのむような美しい山々や穏やかなビーチ、そして蒲台島のような荒々しい絶景が広がっているのです。
フェリーに揺られて島へ渡り、自分の足で大地を踏みしめ、潮風と太陽のぬくもりを全身で感じる。五感をフルに使いながら自然と向き合う時間は、日々の慌ただしさや悩みを忘れさせ、心を新たにリフレッシュさせてくれます。それはまるで長距離ドライブのあとにエンジンを冷まし、車のメンテナンスを行う時間とよく似ています。人間にとっても、時にはそんなクールダウンの時間が必要なのかもしれません。
もしあなたが香港を訪れる機会があれば、ぜひ1日をこの「香港の南極」とも呼ばれる場所への冒険に充ててみてください。煌びやかなネオンの下で過ごす時間とはまったく異なる、深くて忘れがたい思い出が旅の1ページに刻まれることでしょう。そのための情報はすべてこの記事にまとめてあります。さあ、次はあなたの番です。香港の新しい一面を開く旅に出てみませんか。

