MENU

香港・湾仔徹底ガイド!新旧が交差する下町の魅力と歩き方

はじめまして、元自動車整備士で、現在は世界をレンタカーで巡る旅をしている翔太です。今回は、エンジンオイルの匂いとは少し違う、エネルギッシュでどこか懐かしい香りがする街、香港の湾仔(ワンチャイ)を徹底的に掘り下げていきたいと思います。高層ビルが空を突き刺す一方で、その足元にはまるで時が止まったかのような古い建物が息づいている。この新旧の部品が見事に組み合わさって一つの巨大な生命体のように動いている街の構造は、整備士だった私の心を激しく揺さぶりました。この記事では、単なる観光スポットの紹介に留まらず、この街の隅々まで、まるでエンジンを分解してオーバーホールするように、その魅力の核心に迫っていきます。12000字を超える熱量で、あなたが明日からでも湾仔の路地裏を迷わず歩けるような、実践的な情報と私の魂を込めてお届けします。さあ、一緒に香港の心臓部へと旅立ちましょう。

湾仔の下町の鼓動を感じた後は、MTRで気軽にアクセスできる古き良き住宅街、筲箕湾の食文化と歴史を探訪する旅もおすすめです。

目次

湾仔(ワンチャイ)とは? – 新旧が交差する香港の心臓部

wan-chai-wan-chai-toha-shin-kyu-ga-kousa-suru-hongkong-no-shinzoubu

香港島の北岸に位置する湾仔は、その名が示す通り「小さな入り江」を意味しています。かつては穏やかな海岸線を持つ漁村でしたが、1841年にイギリスの植民地となって以降、この地域の運命は大きく変わりました。繰り返された大規模な埋め立て工事により、海岸線は北へと次第に押し広げられ、かつての入り江の姿は近代的な都市へと変貌を遂げました。この埋め立ての歴史は、湾仔の多様な表情を理解する上で欠かせない要素となっています。

初期の埋め立て区域には、皇后大道東(クイーンズ・ロード・イースト)沿いに西洋様式の建物が立ち並び、植民地政府の役人や商人たちが居住していました。その一方で、内陸側には中国人の居住区が形成され、密集した唐楼(トンラウ)と呼ばれる中国伝統の低層建築が連なる風景が広がっていました。この構造は現在の湾仔にも強く残っています。海側には香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターのような未来的な建物がそびえ、ビジネスや国際交流の最先端の顔を見せる一方、山側に足を踏み入れれば、戦前から続くマーケットの活気やリノベーションを経て往時の面影を残す歴史的建築が点在しています。

湾仔の街を歩くと、まるで地層を観察しているかのような感覚にとらわれます。埋め立てが行われた時代ごとに街の表情が大きく変わるのです。それは、異なる年代のエンジン部品が組み合わさって一つの巨大な機械を動かしているかのようなイメージです。新しいパーツがある一方で、磨き込まれ現在も機能し続ける古い部品も存在します。その不揃いさが逆に独特の調和を生み出し、湾仔ならではの特有のエネルギーとなっています。この街は香港の縮図とも言えるでしょう。東洋と西洋、過去と未来、富裕層と庶民の暮らし、そのすべてが狭いエリアに凝縮され、互いに影響し合いながら力強い鼓動を響かせ続けているのです。

湾仔散策の準備と心得 – 旅を120%楽しむために

湾仔の魅力を存分に楽しむためには、事前の準備が不可欠です。まるで長距離ドライブの前に車の点検を行うように、万全の体制を整えてから街へ繰り出しましょう。ここでは、もと整備士の視点から快適な湾仔散策に欠かせない「装備」と「基本操作」について詳しくご紹介します。

準備・持ち物リスト(必須装備の確認)

湾仔の散策は基本的に徒歩が中心です。路地裏の探検やマーケットの巡回は、思わぬ発見がある一方で体力も消耗します。しっかりと準備をして挑みましょう。

  • 歩きやすい靴: これが最も重要なアイテムです。石畳の道や急な坂道が多いため、新品ではなく履き慣れたスニーカーなどを選びましょう。車のタイヤと同様に、地面と唯一接する靴は旅の快適さを左右する重要なパーツです。
  • オクトパスカード(八達通): 香港の交通系ICカードです。MTR(地下鉄)、バス、トラム、スターフェリーはもちろん、コンビニや多くの飲食店でも使えるため現金を探す手間が省けます。空港や各MTR駅で購入・チャージができ、このカード一枚で湾仔の街中をスムーズに移動できます。
  • 現金(小額紙幣・硬貨): オクトパスカードが万能とはいえ、ローカルな食堂や露店では現金のみ対応のところもまだ多いです。100香港ドル以下の紙幣や硬貨を適度に用意しておくと、支払いがスムーズになります。
  • モバイルバッテリー: Googleマップの現在地確認や写真撮影、情報検索などでスマートフォンのバッテリーは予想以上に早く減ってしまいます。予備のバッテリーは旅の予備燃料ともいえるため、満充電のものを必ず携帯しましょう。
  • カメラ: スマホのカメラでも十分ですが、湾仔の色彩豊かな街並みや人々の表情をより鮮やかに残したいなら専用カメラがおすすめです。歴史ある建物の細部やマーケットの活気を記録してみてください。
  • 季節に合った服装と羽織もの: 香港は亜熱帯気候で夏は高温多湿ですが、ショッピングモールやMTRの車内は冷房が強く効いています。体温調節ができる薄手のカーディガンやシャツなどの羽織ものが一枚あると非常に便利です。これはエンジンのオーバークールを防ぐサーモスタットのような役割を果たします。冬(12月~2月)は冷え込む日もあるので、軽いダウンジャケットなどの防寒具を用意しましょう。
  • 折りたたみ傘: 香港の天候は変わりやすく、晴れていても急なスコールに見舞われることがあります。軽量で晴雨兼用の折りたたみ傘をバッグに入れておくと安心です。
  • ウェットティッシュ・ハンカチ: ローカルの食堂ではおしぼりが出ないことが多く、食べ歩きで手が汚れた際に役立ちます。清潔を保つ小さな習慣が旅の快適さを大きく高めます。

香港の基本ルールとマナー

快適な旅は、その土地のルールを尊重することから始まります。知らずに違反すると罰則が科せられることもあるため、しっかり頭に入れておきましょう。

  • 公共の場所は原則禁煙: 香港ではレストランやバーの屋内、公園、ビーチ、公共交通機関など屋根のあるほとんどの場所で禁煙です。違反すると高額な罰金(1,500香港ドル)が科せられます。喫煙は灰皿が設置された指定区域でのみ可能です。
  • ゴミのポイ捨て厳禁: これも罰金対象(1,500香港ドル)になります。街中にあるゴミ箱を必ず利用しましょう。
  • MTR内での飲食禁止: MTRの駅構内(改札内)および車内では、ガムや飴も含め一切の飲食が禁止されています。違反すると罰金(2,000香港ドル)が科せられますのでご注意ください。
  • エスカレーターは右側に立つ: 香港では、急ぐ人のためにエスカレーターの左側を空け、右側に立つのがマナーです。大阪と同じルールと覚えてください。

これらのルールを守ることは、旅行者の基本マナーであると同時に、自分自身の安全にも直結します。街の「流れ」を乱さないよう、心がけて快適な旅をお楽しみください。

時が止まったかのような路地裏へ – 歴史建築を巡るウォーキングツアー

time-stopped-alleyway-historic-building-walking-tour

湾仔の魅力は、大通りから一歩入った路地裏にこそ色濃く残っています。ここには再開発の波を免れ、奇跡的に時を刻み続ける歴史の証人たちが静かに佇んでいます。まるで古いクラシックカーを一台一台じっくり眺めるかのように、湾仔の象徴的な歴史的建造物をゆっくり巡ってみましょう。

藍屋(ブルーハウス)とその仲間たち

湾仔の石水渠街(ストーン・ナラ・レーン)に突然現れる鮮やかな青い建物、それが「藍屋(ブルーハウス)」です。1920年代に建てられたこの4階建ての唐楼は、香港でも非常に珍しいベランダ付きの建築様式で、その歴史的価値から一級歴史建築に指定されています。なぜ青いのかというと、当時政府から手に入れられたペンキがこの青色しかなかったという実用的な理由からだそうです。偶然の産物が、今やこの建物の象徴となっています。

藍屋の魅力は単なる保存建造物にとどまらないところにあります。現在も一部では住民が暮らしており、1階には「香港故事館(Hong Kong House of Stories)」という小さなミュージアムが設けられています。ここでは湾仔の歴史や住民の生活にまつわる展示がされており、この建物が単なる「建物」ではなく、人々の暮らしと共に歩んできた「場所」であることを実感できます。訪問時は、住民の生活空間であることを心に留め、静かに敬意を払って行動しましょう。大声を出したり、無断で住居スペースに立ち入るのは厳禁です。

藍屋の周辺には、同様にリノベーションされた「黄屋(イエローハウス)」や「橙屋(オレンジハウス)」も存在し、これらは総称して「藍屋建築群(Blue House Cluster)」と呼ばれています。カラフルな建物群が織りなす風景は、まるで古い絵本の中に迷い込んだかのよう。各建物にはカフェやコミュニティスペースが入っており、歴史を感じながら一息つくのもおすすめです。この地域活性化プロジェクトは、Viva Blue House Studioの手によって進められ、国際的にも高い評価を受けています。

和昌大押(Wo Cheong Pawn Shop)

荘士敦道(ジョンストン・ロード)と船街(シップ・ストリート)の交差点に堂々と立つ「和昌大押」は、かつて質屋として繁栄を誇った歴史的建造物です。1888年築のこの建物は連なる4つの唐楼で構成され、優美な曲線を描くベランダと、西洋と中国の建築様式が融合した独特のデザインが目を引きます。現在は高級レストラン「The Pawn」として新たに生まれ変わりましたが、その美しい外観は健在です。特に夜間にライトアップされる姿は幻想的で、湾仔を代表するランドマークの一つとなっています。

建物の前を走るトラムと一緒に撮影するのが人気のスポットで、昔ながらの香港の雰囲気を写真に収めることができます。レストランに立ち寄らなくても、外からその建築美を楽しむだけで十分価値があるでしょう。細部の装飾や長い年月を経た壁の質感などをじっくり見れば、まるで熟練職人が丹精込めて仕上げたヴィンテージカーのボディを眺めるような充実感を味わえます。

旧湾仔郵便局

皇后大道東に位置する落ち着いた緑色のかわいらしい建物が「旧湾仔郵便局」です。1912年から1913年にかけて建てられた香港現存最古の郵便局建築であり、金字形の屋根と正面に配されたドーマー窓が特徴的です。小規模ながらも堂々とした風格を持ち、周囲の近代的なビル群との対比が印象深い建造物です。現在は環境保護署の環境資源センターとして利用されており、内部を見学することも可能です。建物の歴史や建築様式についての展示があり、香港の郵便制度の歩みを学べます。湾仔の歴史散策に欠かせない、小さな宝石のような存在です。

湾仔の胃袋を満たす!下町グルメ探訪

旅の楽しみのひとつと言えば、やはりその土地ならではの食文化に触れることです。湾仔はミシュラン星付きレストランから地元民が愛するB級グルメまで、多種多様な「食」の宝庫として知られています。ここでは、気軽に楽しめる湾仔の庶民グルメを心ゆくまで堪能するためのガイドをご紹介します。

地元の食堂の王道「茶餐廳(チャーチャンテン)」

香港の食文化を語る上で外せないのが「茶餐廳」です。朝食から昼食、アフタヌーンティー、夕食まで、一日中多くの地元客で賑わい、まさに香港の暮らしに欠かせない食堂となっています。西洋と中華の食文化が融合した独特のメニューが特徴で、手頃な価格と素早いサービス、美味しさが魅力です。

  • 注文のポイント: 席に着くと店員がメニューを渡してくれます。広東語が分からなくても、多くの場合メニューには写真や英語の表記があり、指差しで注文可能です。混雑時には相席(搭枱/ダップトイ)が当たり前のため、驚かずに受け入れましょう。これは香港独特の限られた空間を有効活用する文化の一つです。
  • おすすめメニュー:
  • 菠蘿油(ボーローヤウ): 日本のメロンパンに似た甘い「パイナップルパン」に、厚切りの冷たいバターを挟んだ一品。パンの温かさでバターがほどよく溶け出し、甘さと塩気の絶妙なバランスが楽しめます。
  • 港式奶茶(ゴンセッナイチャー): 香港式ミルクティー。複数の茶葉をブレンドし、濃く煮出した紅茶にエバミルクを加えたもので、濃厚かつ滑らかな口当たりが特徴。香港の人々にとってのソウルドリンクです。
  • 鴛鴦茶(ユンヨンチャー): コーヒーと紅茶を混ぜ合わせた香港独自の飲み物。コーヒーの香ばしさと紅茶の渋みが意外にもよく調和しています。

湾仔には数多くの茶餐廳がありますが、特に有名なのが「金鳳茶餐廳 (Kam Fung Restaurant)」です。ここのパイナップルパンやチキンパイは絶品で、常に行列が絶えません。テイクアウトも可能なので、時間がない場合は持ち帰って近くの公園で味わうのもおすすめです。

焼味(シウメイ)の魅力 – ロースト肉専門店

店先に飴色に輝くアヒルや丸ごとの豚のローストが吊るされていたら、それは「燒臘店(シウラップディム)」のサインです。焼味とは広東料理のロースト肉全般を指し、香港の人々にとって日常のご馳走として親しまれています。

湾仔で焼味と言えば、誰もが挙げる名店が「再興燒臘飯店 (Joy Hing Roasted Meat)」。創業100年以上の歴史を誇る老舗で、ミシュランのビブグルマンにも選ばれています。看板メニューの「叉焼(チャーシュー)」は、日本のラーメンにのっているものとは異なり、蜜を塗ってじっくり焼き上げた甘くジューシーな味わいが一度食べたら忘れられません。

  • 注文方法: 店内は狭く混雑しているため、まず席を確保し、壁に貼られたメニューを確認して注文します。ご飯の上にお好みの焼味をのせた「燒味飯(シウメイファン)」が定番。叉焼とローストポーク(焼肉/シウヨック)を組み合わせた「叉焼焼肉飯(チャーシウシウヨックファン)」も人気です。持ち帰りの場合は注文時に「外賣(オイマイ)」と言えば対応してもらえます。付け合わせの生姜とネギのソースも絶品なので、ぜひ一緒に味わってみてください。

点心(飲茶)で過ごす優雅なひととき

点心(飲茶/ヤムチャ)も香港グルメの代表的な存在です。蒸籠に入った熱々の点心を中国茶とともに楽しむ時間は、旅の素敵な思い出となるでしょう。湾仔には昔ながらのワゴン式の店からモダンな店まで、多彩な点心レストランが揃っています。

  • 飲茶のマナー:
  • お茶の選び方: 最初に「何のお茶にするか?」と聞かれます。一般的な種類はプーアル茶(ポーレイ)、ジャスミン茶(ヒョンピン)、鉄観音(ティッグンヤム)などです。迷ったら「ポーレイ」と答えれば間違いありません。
  • お茶のお礼の仕草: 他の人がお茶を注いでくれた際には、人差し指と中指を揃えてテーブルを軽くトントンと叩きます。これは「叩指禮(コウジライ)」と呼ばれる感謝の意を示す挨拶です。
  • お湯の補充: ポットのお湯が少なくなったら、蓋を少しずらしておくと店員が気づいてお湯を足してくれます。

湾仔では「蓮香飯店家(Lin Heung Kui)」が地元の人々に人気があります。昔ながらの活気ある雰囲気の中で、本場の飲茶体験を楽しんでみてください。注文はオーダーシート式が主流ですが、老舗の一部では今でも点心ワゴンが店内を回っており、好きなものを直接選ぶことができます。

喧騒と活気の中に身を置く – マーケット巡りのススメ

sawadiwa-niwa

湾仔の魅力を実感するには、マーケットを散策するのが最適です。地元の人々の生活エネルギーが凝縮された場所であり、観光地とは異なる、ありのままの香港の姿に触れることができます。

太原街(おもちゃストリート)

「太原街(タイユエン・ストリート)」は、その名の通り、おもちゃ屋が軒を連ねる通りです。最新のアニメキャラクターのフィギュアから昔懐かしいブリキのおもちゃ、香港独特のミニチュアグッズまで、多彩なおもちゃが所狭しと並んでいます。子どもだけでなく大人も童心に返って楽しめる場所で、特に香港のミニバスやタクシーの精巧なミニカーは旅行の良いお土産になります。

ここでは値引き交渉ができる店もありますが、無理な値引きは避けましょう。ショーケースの品を指さしつつ、電卓で希望価格を提示するのもコミュニケーションの一環です。店主とのやり取りもマーケット散策の醍醐味のひとつと考えましょう。

春園街・交加街(ウェットマーケット)

太原街と交差するように伸びる「春園街(スプリング・ガーデン・レーン)」と「交加街(クロス・ストリート)」には、地元の人々の台所とも言える「ウェットマーケット」が広がっています。新鮮な野菜や果物、威勢の良い掛け声が響く精肉店や鮮魚店、漢方の材料や乾物を扱う店がひしめき合い、活気が溢れています。床が濡れていることから「ウェットマーケット」と呼ばれ、足元には少し注意が必要です。

ここでは日本ではあまり見られない珍しい食材に出会えます。丸ごとの鶏が吊るされていたり、大きな水槽で魚が泳いでいたりと、その光景は日本人にとって刺激的かもしれませんが、まさに香港の食文化を支える現場でもあります。活き活きとした人々の暮らしの熱気を全身で感じてみてください。

  • マーケットでのマナー:
  • 写真撮影: 地元の生活空間であるため、撮影する際は一声かけたり、周囲の迷惑にならないよう配慮しましょう。特に人物を撮影する際は必ず許可を得ることがマナーです。
  • 商品に触れない: 商品は繊細で壊れやすいものも多いため、むやみに触れず、購入希望の場合は店員に取ってもらいましょう。

このマーケットの喧騒は、多くの部品が噛み合い轟音を立てて動く巨大な工場のようです。一軒一軒の店や訪れる客が歯車となって街の生命力を生み出しています。その力強い活気をぜひ肌で感じてみてください。

トラブル発生!その時のためのサバイバルガイド

どれだけ綿密に準備を重ねても、旅行中にはトラブルがつきものです。しかし、事前に対処法を把握しておけば、慌てることなく冷静に対応できます。ここでは、湾仔で経験しうるトラブルと、それに対する解決策を整備士のトラブルシューティングのようにわかりやすくご紹介します。

ケース1: オクトパスカードを紛失してしまった!

オクトパスカードは非常に便利ですが、失くすと交通や支払いが急に不便になります。もし紛失した場合は、まず深呼吸して落ち着くことが大切です。

  • 対応策: 個人情報が登録されていない無記名のオクトパスカードの場合は、カードの停止や残高返金ができない仕様となっています。そのため、新しいカードを購入するのが最も早い解決策です。MTR各駅にあるカスタマーサービスセンターで購入可能です。一方、個人情報やオートチャージ機能が紐付いた「パーソナライズド・オクトパス」を失くした時は、すぐにオクトパスの紛失ホットライン(24時間対応)へ連絡し、カードの無効化を手配してください。詳細はMTR公式サイトでもご確認いただけます。

ケース2: 迷子になってしまった!

湾仔の路地は独特の魅力がありますが、入り組んでいて方向感覚を失いやすい場所です。スマホが使えない場合も考慮しましょう。

  • 対策:
  • オフラインマップの準備: 事前にGoogleマップで香港エリアをダウンロードしておけば、オフラインでも現在地と地図を確認できます。非常に頼りになるバックアップ方法です。
  • MTR駅を目指す: 自分の位置が分からなくなったら、まず「MTR」の案内標識を探して駅に向かいましょう。駅に着けば、現在地がわかり、目的地へのルートを再確認できます。MTR駅は街の主要スポットをつなぐ信頼できる目印です。
  • 地元の人に聞く: 思いきって現地の方に尋ねてみましょう。「Excuse me, where is the MTR station?」のような簡単な英語で十分伝わります。また、「唔該,地鐵站喺邊度?(ンゴイ、デイティッジャム ハイビンドウ?/すみません、MTR駅はどこですか?)」という広東語を覚えておくと、より親切に案内してもらいやすくなります。

ケース3: スリや置き引きに要注意!

香港は比較的治安が良い都市ですが、人混みの中ではスリや置き引きの危険があります。市場やMTRのラッシュ時は特に気をつけましょう。

  • 対策:
  • バッグは体の前に持つ: リュックサックは必ず前側で抱え、ショルダーバッグも体の前でしっかり持つようにしましょう。
  • 貴重品は分散: パスポートや現金、クレジットカードを一つの財布にまとめず、複数の場所に分けて保管するのが基本です。
  • レストランでの置き引き防止: 席を確保するために荷物を置いたまま席を離れるのは非常に危険なので、必ず手元で管理してください。

万が一被害に遭った場合は、すぐに最寄りの警察署へ届け出ましょう。海外旅行保険の請求時に警察の報告書が必要となることが多いです。

ケース4: 体調を崩してしまった場合…

慣れない環境や食事で体調を崩すことも十分ありえます。

  • 対処法:
  • 薬局の利用: 香港には「Watsons」や「Mannings」などの大手ドラッグストアが至るところにあります。薬剤師が常駐している場合が多く、症状を伝えれば適切な薬を選んでくれます。簡単な英語で伝えて問題ありません。例えば、「I have a headache.(頭痛がします)」「I have a stomachache.(お腹が痛いです)」などが使えます。
  • 病院受診: 症状が重い場合は迷わず病院へ行きましょう。公立病院は待ち時間が長いことがありますが、多くの旅行者は利便性を考え私立病院を利用します。海外旅行保険に加入していれば、キャッシュレス診療が可能な提携病院を案内してもらえるので、まずは保険会社のサポートに連絡してください。
  • 緊急時: 命に関わる重大なケースは、すぐに「999」に電話し救急車や警察を要請しましょう。

湾仔から足を延ばす – さらなる香港の魅力へ

wan-chai-kara-ashi-o-nobasu-saranaru-hong-kong-no-mi-ryoku-e

湾仔は交通の重要な拠点の一つです。ここを起点に少し足を伸ばせば、異なる顔を持つ香港の魅力に触れることができます。

スターフェリーでヴィクトリア・ハーバーを横断

湾仔のフェリー乗り場から、九龍半島の尖沙咀(チムサーチョイ)を結ぶスターフェリーは、単なる移動手段に留まりません。数香港ドルの料金で、世界三大夜景のひとつと称されるヴィクトリア・ハーバーの絶景を楽しめる、最高の観光体験です。潮風を感じながら徐々に香港島の高層ビル群が遠ざかり、九龍のネオンの光が近づいてくる光景は、何度乗っても心を打たれます。特に夕暮れ時や、毎晩20時から開催される光のショー「シンフォニー・オブ・ライツ」の時間帯は特別です。オクトパスカードを使えば簡単に乗船できるので、ぜひ体験してみてください。

トラムでゆったりと島内散策

「叮叮(ディンディン)」と呼ばれる2階建てトラムは、香港島の北岸沿いを東西に走る路面電車です。湾仔の中心部を通っており、乗車距離に関係なく均一料金なのも嬉しいポイントです。後ろのドアから乗り、前のドアから降りる際に料金を支払います。急いでいる旅には向きませんが、窓際の席に座って移り行く街の風景をゆったりと眺める時間は、かけがえのない至福のひとときです。西へ向かえば上環(ションワン)や西營盤(サイインプン)などのよりレトロな街並みへ、東へ向かえば大型ショッピングエリアの銅鑼湾(コーズウェイベイ)へと続いています。このトラムのゆったりとした走行と独特の揺れは、まるで街中のマッサージチェアのような心地よさ。旅の疲れを癒しつつ、車窓から香港の生活風景をまるでフィルムの一場面のように楽しんでみてはいかがでしょうか。

旅の記憶を刻む – 湾仔で見つけるお土産

旅の終わりには、その地での思い出を持ち帰りたくなるものです。湾仔には、大切な方への贈り物や、自分自身の記念になるユニークなお土産が豊富に揃っています。

  • 伝統的な中華菓子: 湾仔には、老婆餅(ロウポーベン/冬瓜の餡が詰まったパイ)やエッグタルトで知られる老舗の菓子店が多数点在しています。個包装の商品も多く、配りやすいお土産としてぴったりです。甘さ控えめで上品な風味は、幅広い人に喜ばれることでしょう。
  • 中国茶: 街中には多くの茶葉専門店があり、知識豊かな店主に好みを伝えると、様々な種類の中から最適な茶葉を提案してもらえます。試飲ができる店も多いため、自分だけの一杯を見つける楽しみもあります。
  • レトロな雑貨: 太原街のおもちゃストリートや、その近くの路地裏にある小さな雑貨店では、思わぬ掘り出し物に出会えることが珍しくありません。香港の昔の広告をモチーフにしたポスターや、レトロなデザインの食器など、個性的なアイテムを探してみてください。
  • スーパーマーケットの調味料: 地元の人々が利用する「恵康(Wellcome)」や「百佳(PARKnSHOP)」といったスーパーマーケットは、お土産の宝庫です。オイスターソースやXO醤、香港限定の出前一丁フレーバーなど、現地の味覚を日本に持ち帰ることができます。価格も手ごろで、実用的なお土産としても喜ばれます。詳しい情報は香港政府観光局の公式サイトでも紹介されています。

湾仔の夜と、その先にあるもの

wan-zai-no-ye-to-sono-saki-ni-aru-mono

陽が沈むと、湾仔はもう一つの顔を見せはじめます。ネオンの光が街を彩り、昼間の喧騒とは違った、少し大人びた活気が漂います。特にロックハートロード周辺は、バーやパブが立ち並ぶナイトライフのメッカとして知られています。世界各国から集った人々がグラスを傾け、夜遅くまで楽しげな声が響き渡ります。ただし、安全には十分気を配り、過度にのめり込まないよう心がけることが賢明です。

今回の旅で、私は湾仔という街を単なる観光地としてではなく、一つの大きくて複雑な生命体として感じ取ることができました。最先端の超高層ビルというピカピカの新しい部品と、戦前から時を刻む唐楼という使い込まれたヴィンテージのパーツたちが、一見ばらばらに見えても実に絶妙なバランスで組み合わさり、「湾仔」という唯一無二の機械を動かしているのです。トラムの軋む音は、長年連れ添った相棒のエンジン音のように優しく耳に響き、マーケットの熱気は、高回転で回るターボエンジンのように肌を刺激しました。

この街を歩くことは、過去と未来、東洋と西洋が交錯する道をドライブするような体験です。次に曲がる角でどんな景色が待っているのか、予測できないワクワク感に満ちています。この記事が、あなたの湾仔という素晴らしいエンジンを分解し、その構造を理解し、心ゆくまで操るための最高の整備マニュアルとなることを願っています。さあ、次はあなたがアクセルを踏み込む番です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いたトラベルライター

元自動車整備士、今はロードトリップ愛好家!レンタカーでアメリカ横断しながら、絶景とBGMとキャンプ飯を楽しんでます。車と旅、どっちも好きな方はぜひチェックしてください!

目次